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5G半導体を巡る業界構図激変の一方、活発な最先端微細化の取り組み

第5世代モバイル通信(5G)に向けた半導体を巡るサプライヤ各社の状況が激しく変化し、業界構図が大きく変貌している。Apple対Qualcommの2年以上にわたる知財紛争が急遽決着が図られ、ライバルに出遅れていたApple「iPhone」の5G対応の前進が可能となる。この決着の直後に、Intelが、5G handsetsに向けたmodem半導体生産計画の断念を発表、該半導体事業ではQualcommが数少ない主要競合とともに残る形になる。一方、5G、人工知能(AI)はじめ新分野に向けた最先端微細化の取り組みが、TSMC、Samsung Foundryなどから更新され、今後の市場の熱気の高まりを予感させている。

≪関係各社へのインパクト≫

5G半導体を巡る業界構図激変の第1幕は、Apple対Qualcommの知財紛争であるが、直前には次の予想があらわされていた。

◇Apple and Qualcomm's global fight heads to court in San Diego (4月15日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→厄介な法廷闘争はハイテク業界では目新しくないが、今週重大な決定的対決に向かうAppleのワイヤレス半導体メーカー、Qualcommとのぶつかり合いは、特に強いものがある旨。

そして急遽、両社間に仕掛かるすべての係争を決着させるという驚きの発表が行われている。合意内容、業界各紙の反応、以下の通りである。

◇Apple, Q'comm Deal Leaves Open Questions-Settlement ends some, not all court cases in flight (4月16日付け EE Times)
→AppleとQualcommが、2年以上、中国、ドイツおよび米国の裁判所にわたる係争すべてをやめると発表、しかしながら、該決着のうわべだけの詳細が答えられていない問題を残している旨。該取引のもと、AppleはQualcommにfee支払い、QualcommはAppleに特許ライセンス6年供与、また、Appleとmulti-year半導体供給合意に調印の旨。

◇Apple and Qualcomm Settle All Disputes Worldwide (4月16日付け The New York Times)

◇Apple, Qualcomm agree to end all legal disputes (4月16日付け United Press International)

◇Apple, Qualcomm agree to end all patent litigation-The companies also came to six-year license agreement, effective April 1, as well as a multiyear chipset supply agreement. (4月16日付け ZDNet)

◇Apple and Qualcomm settle all royalty litigation (4月16日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Appleと半導体メーカー、Qualcommが、数年にわたる法廷闘争に終止符、両社間の数多いmultibillion dollar係争を決着させることで合意の旨。

◇アップルとクアルコム、知財紛争で全面和解 (4月17日付け 日経 電子版)
→スマートフォン向け通信半導体の知的財産をめぐり米国内外で訴訟合戦を繰り広げていた米アップルと米半導体大手、クアルコムは16日、全ての訴訟を取り下げることで合意したと発表、詳細な条件は明らかになっていないが、アップルが高すぎると訴えていた特許使用料について和解に達したほか、同社がクアルコムから半導体の調達を再開することでも合意した旨。

Appleには、「iPhone」の5G対応の道が開けることになる。

◇アップル、クアルコムと知財で和解、5Gスマホに道 (4月17日付け 日経 電子版)
→スマートフォン向け通信半導体の知的財産をめぐり米国内外で訴訟合戦を繰り広げていた米アップルと米半導体大手クアルコムは16日、全ての訴訟を取り下げることで和解したと発表、次世代通信規格「5G」の開発を主導してきたクアルコムとの関係修復によって、ライバルに出遅れていた「iPhone」の5G対応が前進することになる旨。

この驚きの発表にすぐ続いて激変の第2幕である。Intelが、5G handsetsに向けたmodem半導体生産計画の断念を発表、儲かる道筋が見えてこないためとしている。業界各紙、同日の取り上げである。

◇Intel exits 5G phone modem business after Apple-Qualcomm settlement-Intel drops out of 5G modem market (4月16日付け VentureBeat)
→Intelが、AppleとQualcommの特許係争決着の直後に、5G handsetsに向けたmodem半導体生産計画を断念、該事業ではQualcommが数少ない主要競合とともに残る旨。「利益性およびプラスのreturnsへの明らかな道筋がなさそうになってきている。」と、Intelのleader、Bob Swan氏がステートメントにて。

◇Intel to Stop Making Modem Chips for 5G Smartphones -Decision removes a major rival to Qualcomm for a critical component in new generation of mobile handsets (4月16日付け The Wall Street Journal)

◇Intel abandons plans to build 5G mobile modem chips following surprise Apple-Qualcomm settlement (4月17日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

◇Intel to exit 5G smartphone modem business (4月17日付け DIGITIMES)

Intelには今後厳しい環境を予想する見方である。

◇インテル狭まる包囲網、5G半導体、開発撤退、データセンター成長鈍化 (4月19日付け 日経産業)
→半導体大手、米インテルは16日、次世代の高速通信規格「5G」に対応するスマートフォン向け半導体の開発から撤退すると発表、今後はCPUや人工知能(AI)計算用などデータセンターのサーバで使う半導体に注力する旨。
ただ競合する半導体大手も力をつけており、インテルには厳しい局面が続くことになる旨。

この第1幕、そして第2幕を経て、いろいろな切り口での反応 分析が続いている。

米国として5G対応がまとまる期待はじめ、以下率直な見方である。

◇Qualcomm's deal with Apple transforms 5G outlook (4月17日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→来る5G通信の波に向けてTrump政権の国家技術チャンピオンを求める期待がついに実を結ぼうとする可能性の旨。

◇Apple, Intel, Q'comm Keep Their Secrets (4月17日付け EE Times)
→ハイテク業界は開放性およびコラボの価値について話しているが、Apple, Intel, およびQualcommの最近のモバイルshenanigansが示すように、該業界は秘密および私利をばねにしている旨。

◇アップル、クアルコムと苦渋の和解 (4月17日付け 日経 電子版)
→米アップルは16日、2017年から続いていたスマートフォンの特許をめぐる米半導体大手、クアルコムとの知的財産紛争で全面和解したと発表、取引を再開し、2020年をめどに発売する「iPhone」向けに次世代規格5Gに対応する通信半導体を供給してもらう旨。米インテルからの調達がかなわず、アップルには和解しか選択肢はなかった旨。

Appleに5G対応の道が開けることで、台湾のTSMCおよびASEにはビジネス好転の気配、期待が次の通りである。

◇TSMC upbeat on chip outlook after Apple-Qualcomm settlement; first quarter disappoints-TSMC posts lower Q1 profit, sees 5G improving conditions (4月18日付け Reuters)
→台湾・TSMCが、抑えられたグローバル半導体市場の見通しについて楽天的な言及、同社が7年以上ぶりの急激な四半期利益の落ち込みであるが、5Gモバイルネットワークの展開が需要を高めていく旨。

◇ASE sees significant pickup in orders for customized SiP solutions-Sources: 5G drives custom SiP orders for ASE (4月18日付け DIGITIMES)
→業界筋発。ASE Technologyが、5G半導体需要によりcustomized system-in-package(SiP) backend受注が増えてきている旨。
Apple-Qualcommの法的決着から、Appleは新型iPhoneモデルに向けてQualcomm半導体購入を再開することになり、SiP技術がコンポーネント実装に重要になる、と特に言及の旨。

5G、AIはじめ今後のデバイス展開に向けて、大きな基軸となる最先端微細化であるが、各社から活発な取り組みが打ち上げられている。

まずは、Samsungのextreme ultraviolet(EUV) lithographyを用いる5-nmファウンドリープロセス対応である。

◇Samsung Ready with 5nm EUV-Foundry node shows diminishing performance returns (4月15日付け EE Times)
→Samsungが、extreme ultraviolet(EUV) lithographyを用いる5-nmファウンドリープロセスに向けた作業を完了、注文を受けていく旨。10月に発表されたEUV使用の同社7-nm nodeに比べて、25%の密度増大そして10%の性能向上あるいは20%の電力消費減が得られる旨。Samsungは、"多くの"7-nm半導体、並びにユーザが7-nmプロセスおよびIPブロックにcustom変更を施すいわゆる6-nm nodeでの1つのデバイスをtape outの旨。また、2つ目のEUVファウンドリーラインで2020年に生産を始める計画、Hwaseong, Koreaで現在のS3ラインの隣に設けられている旨。

◇Samsung chips will get faster and easier on your battery in 2020-The Korean chipmaker now can build next-gen processors for chipmakers like Qualcomm to test. But rival TSMC is, too. (4月15日付け CNET)

◇Samsung develops EUV 5nm chip process-Samsung produces 5nm chip process-Samsung Electronics has successfully developed a 5nm semiconductor process to gain more chip-making clients, pushing Moore's Law to its limit. (4月16日付け ZDNet)
→Samsung Electronicsが、7-nmプロセスに比べて25%小さく20%パワー効率を高められる5-nm半導体プロセスを開発、Extreme Ultra Violet(EUV)技術を用いる該新sizeは、Samsungの助けに加えてQualcommなど他社における自前の半導体構築を支援する旨。

◇Samsung announces 5nm EUV development (4月16日付け DIGITIMES)
→Samsung Electronicsが、同社5nm FinFETプロセス技術の開発が完了、顧客のサンプルに対応可、と発表の旨。7nmに比べて、Samsungの5nm FinFETからは、ロジック面積効率最大25%増が電力消費20%減あるいは性能10%向上とともに得られる旨。

いまや最先端プロセスをリードしているTSMCからは、以下の対応状況があらわされている。注目のHuawei傘下、HiSiliconのSoC製造対応も1つとなっている。

◇TSMC reportedly to enter 7nm EUV production in 2Q19-Report: TSMC to start 7nm production with EUV in Q2 (4月15日付け DIGITIMES)
→最近の中国語・Commercial Times発。TSMCが、7-nm EUVプロセス技術を2019年第二四半期に量産に移す運びの旨。情報源の引用なしで、TSMCは、HiSiliconの新世代flagshipモバイルSoCを第二四半期に製造を始める旨。
該Kirin 985シリーズ半導体は、TSMCのEUV取り入れの7-nm、N7+を用いて作られる旨。

◇TSMC unveils 6nm process-TSMC debuts 6nm process for advanced chips (4月17日付け DIGITIMES)
→TSMCが、6-nmプロセスを開発、同社7-nmプロセスに比べて18%高いロジック密度が得られる旨。該N6プロセスは、来年第一四半期の間にrisk生産に入る旨。

◇TSMC 7nm utilization to climb in 2H19, says CEO (4月19日付け DIGITIMES)
→TSMCのCEO、CC Wei氏。TSMCの7-nmプロセス稼働率が、スマートフォンの季節的な需要の戻し、並びにHPC, IoTおよび車載応用向け半導体需要が引っ張って、2019年後半に大いに上がると見ている旨。

TSMCとSamsungは、5Gはじめ受注獲得の戦いとなる宿命である。

◇TSMC, Samsung to compete for 5G modem orders (4月18日付け DIGITIMES)
→TSMCとSamsung Foundryがともに、EUVプロセス技術について最新状況を披露、5G connectivityが牽引するスマートフォン置き換え需要の戻しに備えている旨。

EUVについてのリサーチ状況が以下の通りである。

◇Finding The Source Of EUV Stochastic Effects-Gaining control of high-energy photons in EUV lithography (4月15日付け Semiconductor Engineering)
→extreme ultraviolet(EUV) lithographyにおけるリサーチは、該プロセスで用いられる高エネルギーphotonsおよび半導体製造で欠陥を生じる確率的効果を減らしたり除去する方法に重点化の旨。

最先端微細化関連で、ユーザとしての7-nm製品化状況、AMDとRambusについて次の通りである。

◇AMD 7nm chips for next-generation PlayStation to be ready in 3Q20-AMD readies 7nm ICs for next-generation PlayStation (4月16日付け DIGITIMES)
→業界筋発。ソニーの次世代PlayStationゲーム機に向けたAdvanced Micro Devices(AMD)の7-nm CPUsおよびgraphics processing units(GPUs)が来年第三四半期の間に出てくるようになり、該ゲーム機の2020年後半の出荷が可能になる旨。TSMCが該7-nm半導体を製造、Advanced Semiconductor Engineering(ASE)およびSiliconware Precision Industries(SPIL)が組立&テストを行う旨。

◇Rambus releases 112G LR SerDes PHY on 7nm node-Rambus rolls out 112G LR SerDes PHY, made with 7nm process (4月17日付け New Electronics)
→Rambusが、112G Long Reach(LR) SerDes PHYの最新portfolioソリューションを発表、次世代terabitスイッチ, ルータ, optical transport networks(OTNs), および高性能networking装置向けに最先端7-nmプロセスnodeでのリリースの旨。

米中摩擦の主因の1つに取り上げられるHuaweiの5G装置&半導体であるが、該半導体をAppleに外販対応も、と同社トップの打ち上げ関連の動きが以下の通りである。しかしながら、上記の通りAppleがQualcommから該半導体を購入できる道筋が開けている現時点である。

◇Huawei is 'open' to selling 5G chips to Apple for iPhones, marking a big shift in strategy-CEO: Huawei may sell 5G chips for Apple's iPhones (4月15日付け CNBC)
→Huaweiのfounder and CEO, Ren Zhengfei(任 正非)氏。Huaweiは、ライバルのスマートフォンメーカー、Appleへの5G半導体などの販売に"オープン"に対応する旨。Appleはまだ5G-ready iPhoneをリリースしておらず、5G modemsに向けたベンダーになる可能性がある旨。Huaweiは、自社のスマートフォンに同社半導体を独占的に使用、Appleに対する販売は大きな戦略変更になるとともにQualcommおよびIntelへの挑戦になる旨。

◇Huawei says not discussed 5G chipsets with Apple, wins more telco gear contracts (4月16日付け Reuters)
→中国・Huawei Technologiesが火曜16日、同社founderがAppleへの5G半導体販売にオープンとして1日後、5Gチップセット供給についてAppleとの話し合いは行っていない旨。

◇ファーウェイ、5G事業、裾野拡大、半導体外販「アップルにも」、ドローンなど300社と (4月17日付け 日経)
→中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)が、16日に広東省深セン市で開いた事業方針説明会にて。同社の胡厚崑(ケン・フー)副会長兼輪番会長は、5G用半導体で「我々はオープンだ」と述べ、米アップルなど外部にも供給する意向を示した旨。他社との連携も深め自動運転など事業の裾野を広げる旨。中国政府もファーウェイ排除に歯止めをかけようと動いているだけに、同社も事態打開に向け正念場を迎えようとしている旨。「アップルのような偉大な企業が5Gの時代に不在ではいけない」と、同氏は強調の旨。

中国の基板メーカーでの5G対応出荷状況である。

◇Shennan Circuits posts strong 1Q19 results on 5G PCB shipments (4月15日付け DIGITIMES)
→中国PCBメーカー、Shennan Circuits(深南回路:深セン)の2019年第一四半期売上げがCNY2.163 billion($322.49 million)、net earningsがCNY187 million、前年同期比それぞれ46.39%増、59.54%増。他のpeerメーカーの大方は該四半期フラットな売上げおよび利益である旨。業界筋によると、この傑出した業績は主にShennan Circuitsが主要顧客、HuaweiおよびZTEに5-G基地局向けPCBsの出荷を始めていることによる旨。

激変を経た後の5G半導体の今後の業界構図、そしてデバイス化に向けた最先端微細化の動きに引き続き目が離せないところである。


≪市場実態PickUp≫

【米中摩擦関連】

米欧主要半導体製造装置メーカーでの対中国のスタンスである。

◇ASML says damage from corporate theft in U.S. was limited (4月11日付け Reuters)
→オランダの半導体装置メーカー、ASML Holding NVが木曜11日、同社が米国でのcorporateスパイ活動の犠牲を被ったが、事業へのインパクトを軽視したことを確認の旨。

◇米半導体装置大手、中国企業との一部取引中止、米政府が警戒リスト (4月14日付け 日経 電子版)
→半導体製造装置の世界最大手、米アプライドマテリアルズ(AMAT)が、発光ダイオード(LED)世界大手のアモイ三安光電など一部の中国企業や研究機関との取引を中止することが分かった旨。米国政府は安全保障などの懸念から取引に注意を要する中国企業のリストを発表しており、これに対応したとみられる旨。中国が進める産業高度化策に逆風になりそうな旨。

中国から我が国に向けた5G協力の呼びかけである。

◇中国、5G協力呼びかけ、きょう日本と経済対話、米の動きにらむ (4月14日付け 日経)
→日中両政府は14日、北京市で閣僚による「日中ハイレベル経済対話」を開く旨。日本から河野太郎外相ら6閣僚が参加、習近平(シー・ジンピン)国家主席の初めての来日に向けて環境整備をする旨。中国側は次世代の通信規格「5G」の活用を巡り、日本側に協力を呼びかける旨。米中の貿易摩擦の出口はみえず日本をつなぎ留めたい考え。

◇5G規制、日中の火種に、王毅氏「なぜ排除」−ハイレベル経済対話 (4月16日付け 日経 電子版)
→14日に開いた閣僚級による「日中ハイレベル経済対話」で、中国の王毅外相は次世代の通信規格「5G」の入札から特定の中国企業を排除しないよう強く求めた旨。米国は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)など5社からの政府調達を禁じる方針で、日本も足並みをそろえる構え。ただ、民間企業の取引制限には限界がある旨。日本は各国の対応の実態調査に乗り出す旨。

米国トランプ政権の民間投資で5Gリードを図る巻き返しである。

◇5G競争「米が勝つ」、トランプ政権、民間投資で巻き返し (4月14日付け 日経)
→トランプ米政権が次世代通信規格「5G」で巻き返しに動き始めた旨。トランプ大統領は12日、ホワイトハウスで演説し「米国が勝たなくてはいけない競争だ」と強調、民間企業の投資を後押しする姿勢を示した旨。政府主導でインフラや端末の開発を進める中国との5Gをめぐる覇権争いが激しくなってきた旨。

◇Trump says private sector should take the lead on 5G (4月15日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Trump大統領が、5Gネットワークスの展開に米国政府を用いることを除外、超高速インターネット競争で中国を負かす方法として政権の幾人かが推進する計画の旨。

米中貿易協議がまたまもなく開催とのことであるが、両国間の溝がまたぞろ深まる動きが見られている。

◇米中貿易協議、4月下旬にも開催、米報道 (4月18日付け 日経 電子版)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は17日、米中両政府が4月下旬にも閣僚級の貿易協議を開く方向で調整を始めたと報じた旨。米中は当初、3月に首脳会談を開いて決着させるシナリオを描いてきたが、追加関税の扱いなどを巡って溝が残っており、交渉が長引いている旨。
5月中の首脳合意を新たな目標に掲げている旨。

◇米FCC、中国移動の参入申請を却下へ、安保リスク懸念 (4月18日付け 日経 電子版)
→米連邦通信委員会(FCC)は17日、中国国有通信最大手、中国移動(チャイナモバイル)の米国参入を認めない方針を明らかにした旨。中国政府のスパイ活動などを念頭に安全保障上のリスクが大きいと判断した旨。
米国は中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の排除も進めており、通信分野の米中対立が激しくなっている旨。

◇米、中国通信業界に警戒あらわ、スパイ・攻撃を危惧 (4月18日付け 日経 電子版)

◇米高官「機密収集が目的」、中国移動の通信参入却下、ハイテク排除あらわ (4月19日付け 日経)
→米国が安全保障上の懸念を理由に、中国企業への締め付けを強化している旨。昨年の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)の排除に続き、17日は中国国有通信最大手、中国移動(チャイナモバイル)の参入を認めない異例の方針を示した旨。スパイ活動やサイバー攻撃を警戒し、政府主導で対中包囲網を築く旨。中国の報復措置を招くおそれもあり、情報流出や技術移転を巡る米中間の対立が深い旨。

現下の米中摩擦の端的な見方があらわされている。

◇US, China Vying for AI and 5G Supremacy (4月19日付け EE Times)
→US-China private equity会社、Canyon Bridgeのco-founder and partner、Peter Kuo氏、今週のGSA 2019 European Executive Forum(Munich)での講演。米中貿易戦争は特にartificial intelligence(AI)および5Gにおける技術の優越性にあり、世界が米国主導および中国主導の領域に分かれて加担していくことになる旨。

【FoxconnのTerry Gou氏】

電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、台湾・Foxconnのchairman、Terry Gou氏が、向こう数ヶ月で退任の意向を表明した後、政界に転身、台湾総統選への出馬を正式表明、サプライズの1週間に輪をかけている。

◇Exclusive: Foxconn chairman Gou aims to step down to pave way for younger talent-Foxconn chairman will step down; younger execs to rise (4月15日付け Reuters)
→Apple社のiPhonesを組み立てる台湾・Foxconnのchairman、Terry Gou氏が月曜15日、向こう数ヶ月で退任、同社のランク上げに向けて若い人材に道を譲る計画の旨。

親中国派とされる同氏だけに、米中摩擦への懸念材料として早くも取り沙汰されている。

◇Foxconn's Gou says may run for Taiwan president, step back from daily business (4月16日付け Reuters)

◇鴻海・郭氏、中国との距離感焦点、台湾総統選に出馬へ (4月17日付け 日経 電子版)
→電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が17日、2020年1月に実施される次期総統選に、対中融和路線の最大野党・国民党から出馬すると正式表明した旨。鴻海は中国事業で成長。郭氏は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とも関係が近いとされる旨。米中のはざまで微妙な立場にある台湾の総統となれば、中国との距離感が問われる旨。

◇Foxconn Boss Aims to Run Taiwan (4月19日付け EE Times)

◇米中摩擦に鴻海リスク、親中派の郭氏が総統選出馬で−ハイテク集積の台湾、中国寄りに (4月19日付け 日経 電子版)
→台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が大きな困難に直面しそうな旨。経営トップの郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が台湾総統選への出馬を決めた旨。カリスマ経営者として売上高19兆円の巨大グループを一代で築いた同氏。総統になれば経営から退く必要があり打撃は必至。ホンハイだけでなく、親中派の郭氏が台湾トップに就けば米中ハイテク摩擦に影を落とし、火に油を注ぎかねない旨。

Foxconnの米国進出先、Wisconsin州の現知事からは、誘致条件見直しの声が発せられている。

◇Wisconsin's governor really hates the Foxconn deal. He wants to renegotiate (4月19日付け CNN)
→Wisconsin州知事、Tony Evers氏(民主党)が、Foxconnが同州に13,000 jobsを加えていくとは思わないとし、前知事が該台湾のelectronicsメーカーをWisconsinに誘致するのに用いられた豪華なincentive取引を下ろすときとしている旨。

【AppleのDialog買収】

前回でも示しているが、Appleによるpower-management技術のDialog Semiconductor(英国)の買収が完了している。Appleのハードウェア技術チームに組み込まれている。

◇Dialog PMIC Team Now Officially Apple Staff (4月16日付け EE Times)
→Dialog Semiconductorが、Appleに対するpower management integrated circuit(PMIC)技術のライセンス供与およびassets譲渡について以前発表されたAppleとの取引を完了の旨。これには300人を上回るDialogスタッフのApple従業員への異動が含まれ、Johny Srouji氏率いるAppleのハードウェア技術チームに入っていく旨。

◇Apple's Acquisition of Dialog PMIC Now Complete (4月17日付け EE Times India)

【AMDのファミリー拡張】

AMDが、AMD Ryzen Embedded R1000 system-on-a-chip(SoC)デバイスを投入、Ryzenファミリーを拡張している。AMDについては、7-nm半導体の取り組みを上記に示している。

◇AMD expands Ryzen family-AMD has announced that the Ryzen embedded product family is growing, with the addition of the AMD Ryzen Embedded R1000 SoC. (4月17日付け New Electronics)

◇AMD intros Ryzen Embedded R1000 SoC to Taiwan-AMD unveils Ryzen Embedded R1000 for digital displays, HPC (4月17日付け DIGITIMES)
→Advanced Micro Devices(AMD)が、AMD Ryzen Embedded R1000 system-on-a-chip(SoC)デバイスを投入、digitalディスプレイ, 高性能computing, networkingおよびthin clients用の旨。該半導体は、第二四半期の間に入手でき、いろいろなハードウェア&ソフトウェアベンダーがサポートする旨。

【メモリ半導体価格】

NAND型フラッシュメモリおよびDRAMの価格が、下げ止まらず以下の低下状況である。新分野需要により今年後半にも盛り返しの期待があり、引き続き注目するところである。

◇NAND型、1年で半値、3月大口価格、DRAMは3割安 (4月17日付け 日経)
→スマートフォンやパソコンに使う半導体メモリの取引価格が下げ止まらない旨。データの保存に使うNAND型フラッシュメモリは、指標品の3月の大口需要家渡し価格が前月に比べて2割下がり、前年比では5割超安い旨。データの一時保存に使うDRAMは前月比で9%下がり、1年前に比べると3割安い旨。


≪グローバル雑学王−563≫

「世界3大投資家」と称される1人、ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)による驚愕の未来予測の書、

『お金の流れで読む 日本と世界の未来 −世界的投資家は予見する』
 (ジム・ロジャーズ 著  大野 和基 訳:PHP新書 1172) …2019年1月29日 第一版第一刷

より、こんどは著者独特と感じる中国観に触れながら世界の覇権国に最も近い国という見方が展開されていく前半である。知的財産の盗用が発端の米中摩擦の渦中にある現時点、著者がかくも中国が世界を支配するのに最も近い位置にあるとする投資家の目での判断にはいささか納得に距離感が否めないところがある。最先端の人材は飛び抜けて優秀との下りがあり、「5G」でリードとされる中国の現状、実態にさらに目を向けなければとの思いである。


第三章 中国――世界の覇権国に最も近い国 ―――前半

[訳者記]
・いち早く中国の台頭を「予言」していた著者、ジム・ロジャーズ
 →2007年にアメリカからシンガポールに移住
・今後の世界を左右する大国の未来を予測すること
 →日本や韓国、ひいては世界経済の行く末を知ることにも

◎中国にはまだまだ爆発的成長の可能性がある
  長期的視野で見れば、中国の台頭は続く

〓例外の二世紀
・いま、世界を支配するのに最も近い位置にいる国は、中国
 →世界の歴史上、3分の1の期間において、中国はずっと世界のトップをひた走っていた
  →ここ2世紀は、例外
・中国には、世界に先駆けて多くのものを発明した、長い歴史
 →「ルネッサンスの三大発明」、火薬・羅針盤・活版印刷
 →このすべては先に中国で生まれた技術に手を加えたもの
・発明家気質のある中国では、新たなビジネスが次々と誕生
 →とりわけ着目すべきは、「ユニコーン企業」の多さ
  …企業評価額が10億ドルを超える非上場のテクノロジー系ベンチャー企業
・中国は毎年、アメリカの10倍、日本の15倍ほどのエンジニアを輩出
 →中国から出てくる特許も、第2位のアメリカと第3位の日本を大きく引き離し、他の追随を許さないほどの数
・中国人には飛び抜けて優秀なエンジニアも多い
 →中国の百度、アリババ、テンセント、華為(ファーウェイ)の4社(「BATH」)の急成長
  →アメリカの四大IT企業、「GAFA」を凌ぐ勢い

〓中国が人材輩出大国になった理由
・アジア式の教育は、アメリカのそれよりはるかに中身が濃い
 →要求が高く、厳しい
・シンガポールでは小学校卒業試験(PSLE:Primary School Leaving Examination)という全国一斉テスト
 →一番の成績を修めた子どもとその両親の写真が、新聞の一面を飾る
・中国・李克強首相が唱えた方針、「先賞試、後管制」
 …「まず試しにやってみよう、問題があれば後で政府が規制に乗り出す」
・現在中国経済を牽引しているのは、非国営の民営企業、IT企業やシェアリングエコノミーなどの「ニューエコノミー」

〓バイカル湖周辺に眠る爆発的成長の可能性
・中国の周辺、特にシベリアは、金や麦、石油や天然ガス、森林資源など、あるとあらゆるものが揃っている
 →世界最深の淡水湖、大きさでも世界第8位のバイカル湖は、底や周辺に天然資源が多く
・シベリアはロシアの領土だが、地理的にも中国に近く、すでに中国企業が進出しつつある

◎中国に投資するなら環境ビジネス、インフラ、ヘルス産業
  一帯一路構想は中国経済を大きく規定するだろう

〓環境ビジネスはまだまだ伸びる
・個人的にいま注目している中国株
 →環境ビジネス、鉄道などのインフラ事業、ヘルスケアの分野
・中国は汚染がひどく、環境関連は、中国経済の中でもとりわけ好調に
・これからぐんと伸びていく中国の農業
・他に重要と思われる分野は、やはりツーリズム
 →中国の空の旅は新しい領域、これからさらに伸びるだろう
 →1980年代の日本も、いまの中国と同じような状態
  →当時私が住んでいたニューヨークには、日本人観光客があふれていた

〓一帯一路構想がもたらすインフラ景気
・中国の「一帯一路」構想
 …2013年に習近平国家主席が提起
 →「政治的・経済的・文化的に世界中と共同体を築き、世界の秩序を中国主導の構造へと変えていく」という考え方
 →世界の中でも中国の鉄道事業の株は安泰な株と言うことができる
・いずれにしても、私が投資先として勧めるのはコモディティ(商品)
 →これから中国の人たちが買わないといけないものを買うこと

〓人民元はこれからも強い
・2015年には人民元の切り下げによる中国株の暴落
 →チャイナショックと呼ばれたが、取るに足らないこと
・どういうわけか、西洋のメディアは中国のことがわかっておらず、中国をバッシングするのが大好き
・2016年9月には、国際通貨基金(IMF)が人民元をSDR(特別引出権)通貨バスケットに採用
 →「第五の通貨」として認められた

〓独裁体制は悪なのか
・中国は共産党独裁体制下にあるから、経済発展するのは難しいとの主張には、2つの点から反論
 →第1:歴史的に見ると、独裁体制は経済にとってプラスに働く面もあれば、マイナスに働く面もある
  →うまく働いた例として、シンガポール
   …「シンガポールの哲人」、初代首相、リー・クアンユーの功績
   …見識のある「独裁者」
  →日本は過去50年間、事実上の一党システムによって最も成功した国
  →中国も寡頭政治で成功した国
   …小平とその後の指導者たちのすばらしい働き
   →それにひきかえ、今の指導者、習近平国家主席たちはどうだろう
    …習近平は第二の小平になれるのか
 →第2:中国で「独裁者」になるには、きわめて厳しいプロセスを経なくてはならない
  →中国共産党の総書記は、ある意味、アメリカの大統領選よりも公平な制度
・独裁体制が経済にとって必ずしもマイナスに働くことはなく、すべては独裁者の器次第

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