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新技術・新製品アップデート…ISSCC:折り畳みスマホ:5G半導体

かつての"デバイスのオリンピック"からますます佇まいを変えて、人工知能(AI)、5G、自動運転など新分野への傾斜が強まっているInternational Solid-State Circuits Conference(ISSCC) 2019(2月17-21日:サンフランシスコ)にて、最先端の技術への取り組みが多様な切り口でアップデートされている。その最中に、Samsungが折り畳みの、そして世界初、次世代5G技術コンパチのスマートフォンを打ち上げて、Mobile World Congress(MWC)(2019年2月25-28日:バルセロナ)を間近に各社の新製品打ち上げが相次ぐこのタイミングに熱気の拍車がかかっている。

≪相次ぐ各社競演≫

従来最先端技術の指標ともなっていた高性能プロセッサの論文はないといわれる今回のInternational Solid-State Circuits Conference 2019(2月17-21日:San Francisco)について、目に留まった範囲ながら以下の注目である。

人工知能(AI)について、FacebookのAIリサーチ部門を引っ張るYann LeCun氏の基調講演である。

◇Facebook's Yann LeCun says ‘internal activity’ proceeds on AI chips-Yann LeCun, the leader of Facebook's AI Research unit, said the company is proceeding with internal activity on machine learning chips, though he is confident industry will come up with many new solutions to push forward processing of deep learning in specialized silicon. (2月18日付け ZDNet)

◇AI Pioneer Sees Chip Renaissance-AI researcher sees a bright future for the technology -Unsupervised neural nets move beyond MACs, tensors (2月19日付け EE Times)
→International Solid-State Circuits Conference 2019(2月17-21日:San Francisco)にて、FacebookのLeCun氏基調講演。1988年にAT&T Bell Labsにてneural networksの設計を始め、現在computer visionなどのシステムで広く用いられているconvolutional neural nets(CNNs)の父と考えられている同氏は、artificial intelligence(AI)の今後について楽観的の旨。「自分の見解では、AIの今後はself-supervised learningである。」と同氏。

◇AI Revolution is Just Getting Started-Tomorrow's neural nets will be more dynamic and sparse, using new kinds of basic primitives such as dynamic, irregular graphs. (2月20日付け EE Times India)

AI半導体について、Samsungおよび東芝のアプローチである。

◇Samsung, Toshiba Detail AI Chips-Samsung, Toshiba describe AI devices at ISSCC -ISSCC papers target smartphones, cars (2月20日付け EE Times)
→Samsung Electronicsが、International Solid-State Circuits Conference 2019(2月17-21日:San Francisco)にて、スマートフォン用neural-network acceleratorの詳細をプレゼンの一方、東芝は自動運転車用artificial intelligence(AI)半導体について述べた旨。Samsungの新しいExynosプロセッサは、8-nmプロセスで作られている旨。

インテルは、Embedded MRAM(eMRAM)の生産対応の備えありとしている。

◇Intel Says FinFET-Based Embedded MRAM is Production-Ready (2月20日付け EE Times)
→Intelが、International Solid-State Circuits Conference 2019(2月17-21日:San Francisco)にて、22-nm FinFETプロセスを用いてspin-transfer torque(STT)-MRAMをデバイス組み込みする技法のさらに詳細をプレゼン、該技術はhigh-volume製造の備えと言明の旨。Intelは、同社22FFL FinFETプロセスで7-Mb perpendicular STT-MRAM arraysを作り出すために、“write-verify-write”方式およびtwo-stage current sensing技法を用いている旨。

◇Intel Announces that Embedded MRAM is Production Ready (2月21日付け EE Times India)

東芝メモリからは、最高容量NANDとして96-層, 1.33-Tb 3D NAND半導体が発表されている。

◇Toshiba Claims Highest-Capacity NAND (2月20日付け EE Times)
→東芝メモリが火曜19日、International Solid-State Circuits Conference 2019(2月17-21日:San Francisco)にて、96-層, 1.33-Tb 3D NAND半導体について論文プレゼン、最高capacityフラッシュメモリデバイスとしている旨。該東芝デバイスは、4 bits/cellを蓄え、8.5 Gb/mm2のビット密度が得られて、今回同じ火曜に東芝とそのNAND開発&製造パートナー、Western Digitalにより述べられた512-Gb TLC 3D NANDデバイスより40%以上上回る旨。

◇Toshiba Paper Announces Highest-Capacity NAND-Toshiba Memory laid claim to the highest-capacity flash memory device, describing a 96-layer, 1.33-Tb 3D NAND chip (2月22日付け EE Times India)

SK Hynixは、JEDECのDDR5仕様に基づく最初となるSDRAM設計の詳細をプレゼンしている。

◇Hynix Details First DDR5 Chip-Hynix describes a DDR5 SDRAM; Samsung details an LPDDR5 chip (2月21日付け EE Times)
→International Solid-State Circuits Conference 2019(2月17-21日:San Francisco)にて、SK Hynixが、JEDECのDDR5仕様に基づくsynchronous DRAM設計の詳細を披露の旨。Samsung Electronicsは同じセッションの場で、LPDDR5 SDRAMsに向けたプロセスの取り組み詳細をプレゼンの旨。

5G関連については、以下続いて示す2月20日のSamsungによる初の5G handset発表を受けて相並ぶ形での各社プレゼンと映る見え方である。

◇5G Chips, Phones Dial Up Power-Millimeter wave bands burn handset watts (2月21日付け EE Times)
→International Solid-State Circuits Conference 2019(2月17-21日:San Francisco)にて、Intel, Mediatek, およびSamsungからのエンジニアが、5G関連の課題、特にミリ波帯に向けた電力消費についてプレゼン、これらはSamsungが初の5G handsetを発表して出てきている旨。

次に、Samsungの折り畳み、そして世界初、次世代5G技術対応のスマートフォンの打ち上げイベントであるが、上記ISSCCの期間中の2月20日に行われ、以下の通り各紙取り上げである。

◇Samsung and Huawei go different ways on foldable and 5G phones-New phones could be priced up to $2,300, say analysts (2月20日付け Nikkei Asian Review)
→San Francisco時間、2月20日午前11時、Samsungがfoldableモバイルだけにとどまらず、別のhandsetで、世界初、次世代5G技術コンパチのスマートフォンを披露する予定の旨。Samsungの発表イベントは、該業界最重要イベント、Mobile World Congress(2019年2月25-28日:スペイン・Barcelona)の前日にHuaweiが自前のfoldable phoneを披露する様相の4日前となる旨。向こう何日か、ほかのたくさんのスマートフォンメーカーがfoldableあるいは5Gスマートフォンを発表する見込みの旨。

◇Samsung announces folding phone with 5G at nearly $2,000 (2月21日付け Reuters)
→Samsung Electronics Co Ltdが水曜20日、約$2,000のfoldingスマートフォンを披露、Apple社および中国勢の技術を上回って売上げ低迷の渦中消費者の興味を焚きつける狙いの旨。

◇サムスン、折り畳みスマホを4月発売、約22万円−畳めばスマホ、広げればタブレット (2月21日付け 日経 電子版)
→韓国サムスン電子は20日、画面を2つに折り畳めるスマートフォンを4月26日に北米など一部の地域で発売すると発表、たためば4.6インチのスマホ、広げれば7.3インチのタブレットとして利用できる旨。スマホ市場の停滞が色濃くなるなか、携帯性と大画面の見やすさをあわせ持つ「1台2役」の新端末で需要の底上げをめざす旨。

この折り畳みスマホ「ギャラクシーフォールド」は次世代スマホ「foldable」の本命と目される一方、5G対応の新機種は4月末以降、米国や韓国で投入される運びである。

折り畳み方式については、アップルが特許を更新するなかで追加した模様と以下の内容である。

◇折りたたみ式「iPhone」を示唆する図面、アップルの特許文書に追加 (2月18日付け CNET Japan)
→Appleは特許出願書類を更新して、折りたたみ式のクラムシェル型スマートフォンの図面を追加した旨。これは、元々2011年に出願された特許で、2016年に更新された際に、フレキシブルディスプレイを備えた「iPhone」ともとれる図面が追加された旨。特に興味深いのは、AppleがフレキシブルなOLEDディスプレイの周囲にヒンジとハウジングを組み込んで、ディスプレイを曲げられるようにするさまざまな方法を示していること。

5G関連半導体の取り組みとして、Qualcommよりまとめて以下の通りである。

◇Qualcomm, Startup Roll 5G Silicon-Movandi offers alternative mmWave module (2月19日付け EE Times)
→Qualcommおよびライバルのstartupから出てくる新しい半導体は、5Gネットワークスを期待の高まりに応えるようにするにはまだたくさんの仕事があると示している旨。handsetsに向けて、Qualcommは、より統合された5G modem、ミリ波帯に最適化されたRF front-end(RFFE)モジュールおよびいくつかのsupporting partsを発表、startup、Movandi(Newport Beach, CA)もまた、handsets用のミリ波front endに取り組んでいるとし、多くの用途にわたって5G linksを最適化するデバイスを発表の旨。これら半導体は、operatorsが5Gネットワークスのゆっくりした構築の初期段階と言っているときに出ている旨。ミリ波信号の取り組みは、最も能力を必要とする側面の旨。

◇Qualcomm's Second-Gen Chip Takes 5G to 7 Gbit/s-Qualcomm unveils Snapdragon X55 5G modem (2月19日付け Light Reading)
→Qualcommの第2世代5G modem、Snapdragon X55は、sub-6GHzおよびミリ波周波数の両方について7 Gbpsのdownload速度が得られる旨。同社はまた、QTM525 5Gミリ波アンテナモジュールを投入、26〜39 GHz帯コンパチ、8mm以下の薄さのスマートフォンに合う旨。

◇Qualcomm debuts Snapdragon X55 modem for slimmer, faster 5G smartphones (2月19日付け VentureBeat)

MediaTekからもmodem半導体についてである。

◇Anritisu verifies MediaTek's 5G modem-MediaTek's 5G modem chip is verified by Anritsu instrument (2月19日付け New Electronics)
→MediaTekが、radio-frequency機器メーカー、AnritsuのRadio Communication Test Station MT8000Aで、Helio M70 5G modem半導体の仕様を検証、該デバイスによりmaximum downlinkおよびuplinkスループットが得られることを確認の旨。

ISSCCの最中に行われたSamsungの折り畳みおよび5G対応のスマホ打ち上げを受けて、間近に迎えるMobile World Congress(MWC)(2019年2月25-28日:バルセロナ)にて、各社の熱を帯びた打ち上げ、先陣争いがさらに本格化していく。

◇成熟スマホ、5Gに活路、サムスン、折り畳みで大画面、データ収集へ「入り口」争奪 (2月22日付け 日経)
→次世代の高速通信規格「5G」をにらんだスマートフォンの販売競争が本格化する旨。5Gは高精細な動画配信など新たなサービスの土壌となる旨。広げると大画面で動画を楽しめる折り畳み型など、スマホ大手が需要の取り込みを急ぐ旨。スマホ市場は飽和が鮮明になる一方、データ収集の「入り口」としての重要性が一段と増す旨。5G時代を見すえたスマホ戦線が激しくなる旨。5Gの最大速度は毎秒20ギガビットと、現行の「4G」に比べ実効速度が100倍になる旨。25日にはスペインで世界最大の携帯見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」が開幕。2019〜2020年にかけ各国で商用化される5Gをにらんだ製品やサービスを出展する旨。


≪市場実態PickUp≫

【米中摩擦関係】

制裁関税上乗せの期限、3月1日を間近に控えて、米中双方の様々な動き、駆け引きが飛び交う様相である。

強い自信そして非難、Huaweiのトップのコメントである。

◇The US cannot crush us, says Huawei founder-Huawei founder: "The world cannot leave us because we are more advanced" (2月18日付け BBC)
→Huaweiのfounder、Ren Zhengfei(任 正非)氏、BBCとの独占インタビュー。米国が同社を押しつぶせる方法はない旨。同氏の娘、同社のchief financial officer(CFO)、Meng Wanzhou(孟 晩舟)氏の逮捕は政略的と非難されるものである旨。

英国が対Huaweiスタンスで米国と溝を生じている。

◇脱ファーウェイ、米と溝、英「リスク管理可能」と報道 (2月18日付け 日経 電子版)
→米国が安全保障上の懸念を理由に不使用を求める中国の華為技術(ファーウェイ)の通信機器をめぐり、各国との溝が浮き彫りになっている旨。英情報当局が「リスクは管理可能」との判断を固めたと報じられた旨。ニュージーランドは18日、独自に決める姿勢を明確にした旨。米国が描く世界での包囲網構築には不透明感が漂う旨。

国連・UNCTADのレポート。米中貿易戦争で最も恩恵を被るのはインド、という見方である。

◇Will Sino-US Trade War Precipitate Manufacturing Spin-Off in India?-The trade war between the US and China seems to have set off a series of small manufacturing ripples across India. (2月18日付け EE Times India)
→国連貿易開発会議(UN Conference on Trade and Development:UNCTAD)の最新レポート。インドが、米国と中国の間の貿易戦争について最大の利益享受国の1つとしてあらわれており、輸出の増加が最大$10 billion、あるいは同国輸出の3.5%となる可能性の旨。

◇U.S.-China Trade War Could Benefit India (2月19日付け EE Times)

北京から所を変えてワシントンで再開している米中貿易協議関連について、以下の推移が見られている。3月1日の期限の延長、Huawei排除見直し、と打開に向けたアドバルーンがあがっているが、最終決定に至る動きに依然注目である。

◇トランプ氏が米中貿易協議の延長示唆、次官級協議再開 (2月20日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領は19日、3月1日の米中貿易協議の交渉期限について延長する可能性を再び示唆した旨。また米中両政府は19日、ワシントンで次官級の貿易協議を再開、21〜22日に開く閣僚級の会合に向けて事務レベルで地ならしを進める旨。中国の知的財産権侵害などの構造問題でどこまで歩み寄れるかが焦点。

◇トランプ氏、ファーウェイ排除見直しに含み−ポンペオ氏は牽制 (2月22日付け 日経 電子版)
→トランプ大統領は21日、ツイッターで「米国は進んだ技術を排除するのではなく、競争を通じて勝利したい」と述べ、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製品の排除を見直す可能性に含みを持たせた旨。中国との貿易交渉で取引材料にする思惑があるとの見方も出ている旨。一方、ポンペオ米国務長官はファーウェイの技術を使う国とは「情報共有ができなくなるだろう」と警告し、欧州諸国を牽制した旨。

◇ファーウェイ巡り米中駆け引き、豪とNZに圧力−トランプ氏は排除見直し示唆 (2月23日付け 日経 電子版)
→中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)を巡る米中の駆け引きが激しくなっている旨。安全保障上の脅威を理由に排除の包囲網を目指す米国に対し、中国が足並みの乱れを誘おうと経済的な圧力をオーストラリアなどにかけているとの見方が広がる旨。トランプ米大統領も同社の排除方針の見直しに含みを持たせ、米中貿易協議での取引材料になるとの見方も再燃している旨。

◇米中、3月にも首脳会談、関税上げ延期検討 (2月23日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領は22日、中国の習近平国家主席と3月中にも会談し、貿易問題で最終合意をめざすと表明した旨。同日までの閣僚級協議で、中国は米国製品の輸入を拡大して人民元安誘導を制限することなどで合意。トランプ氏は3月2日に予定していた中国製品の関税引き上げを「先延ばしも検討する」と述べた旨。

【インテルのインド・ファブレス買収】

インテルが、インドのファブレス半導体start-up、Ineda Systems(Hyderabad)を買収している。AI、自動運転およびIoT応用に向けたGPUs開発について、SoC設計人材の獲得が主な狙いとなっている。

◇Tech giant Intel buys Hyderabad-based startup-Intel acquires Ineda Systems, engineers (2月18日付け The Times of India)
→Intelが、ファブレス半導体会社、Ineda Systems(Hyderabad, India)を買収、該cash取引は、"acquihire"(買収による人材の獲得)の性格であり、Intelは、artificial intelligence(AI), 自動運転およびinternet of things(IoT)における応用に向けたgraphics processing units(GPUs)開発の助けになる該startupの100人あたりのsystem-on-a-chip(SoC)設計エンジニアに主な関心の旨。

◇Intel Buys Indian SoC Designer Ineda Systems (2月19日付け EE Times)

◇Intel Buys Hyderabad-based Ineda Systems-US-based chip maker Intel Corporation has acquired Hyderabad-based start-up Ineda Systems, a fabless semiconductor product company, for an undisclosed amount. (2月20日付け EE Times India)

【下降データ】

米国SIAからの月次世界半導体販売高でも2018年12月が大きく減ってほぼ前年並みとそれまでの熱い活況に水が差されているが、本年の当面先行きもDRAMそしてSSDについて以下の通り値下がりの見方があらわされている。

◇DRAM contract prices to fall another 15% in 2Q19, says DRAMeXchange-DRAMeXchange sees DRAM contract prices sliding 15% more in Q2 (2月20日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。1月の主要応用市場のすべてにわたってDRAM製品の契約価格が、すでに前月比15%以上の低下の旨。3月まで値下がり傾向が続いて、2019年第一四半期の間に前四半期比20%超の低下、続く第二四半期ではさらに同15%低下する旨。DRAM市場における供給過剰が続いて、2019年前半のメモリ半導体は"大きな価格低下"となる旨。PCなどデバイスOEMsでの高い在庫水準とあいまって、末端市場の需要は依然弱含みの旨。

◇SSD、値下がり加速、2割安、メモリ部品供給増、1〜3月大口 (2月20日付け 日経)
→記憶装置であるソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の値下がりが加速している旨。1〜3月期の指標品の大口需要家向け価格は、前四半期に比べ2割近く安い旨。この1年は四半期ごとの下落率が3〜11%程度。基幹部品のNAND型フラッシュメモリはだぶつきで値下がりが鮮明。安さが評価され、パソコンなどへの搭載が一段と進みそうな旨。

SEMIの北米半導体装置メーカーの1月世界billingsも、大きく落とすデータ内容である。

◇North American Semiconductor Equipment Industry Posts January 2019 Billings (2月21日付け SEMI)
→SEMIのJanuary Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2019年1月世界billingsが$1.89 billion(3ヶ月平均ベース)、2018年12月の最終レベル、$2.10 billionより10.5%減、2018年1月の$2.37 billionより20.8%減。

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
August 2018
$2,236.8
2.5%
September 2018
$2,078.6
1.2%
October 2018
$2,029.2
0.5%
November 2018
$1,943.6
-5.3%
December 2018 (final)
$2,104.0
-10.5%
January 2019 (prelim)
$1,896.4
-20.8%

             [Source: SEMI (www.semi.org), February 2019]

【8-インチ生産活況】

8-インチウェーハ製造capacitiesについて、Samsung、TSMCなど増強を推進している一方、12-インチの方は分野によって冷えてきている状況が以下の通りである。市場分野別に今後の推移に注目である。

◇Competition among 8-inch foundries heating up-Foundries are getting into the game for 8-inch wafer fabs (2月19日付け DIGITIMES)
→業界筋発。専業ファウンドリーの間のfirst-tierおよびsecond-tier各社が、現状のfabラインを拡張するか新fabsを建設するかで、8-インチウェーハ製造に向けた生産capacityを加えている旨。Samsung ElectronicsおよびTSMCなどがこの流れに従っている旨。

◇Lead time for MOSFET chips shortens-Sources: MOSFET lead times are getting shorter (2月20日付け DIGITIMES)
→業界筋発。8-インチウェーハ製造capacitiesの拡大が、metal-oxide-semiconductor field-effect transistors(MOSFETs)のdeliveryリードタイム短縮を支えている旨。2017年後半の間に始まった供給不足の状況がここにきて緩和されている、と特に言及の旨。

◇Mixed Outlook For Silicon Wafer Biz-Demand for 200mm wafers still strong; 300mm sales soften-300mm market softening, 200mm still strong. (2月21日付け Semiconductor Engineering)
→200-mmシリコンウェーハの供給が2019年も制限される一方、いくつかの分野での300-mmウェーハの売上げが冷めてきており、今年はシリコン基板価格が上昇する様相の旨。「今年の300-mmウェーハ市場は前年並みとなりそう」と、Macquarie Securitiesのアナリスト、Damian Thong氏。

【欠陥材料インパクト】

TSMCが1月末に、フォトレジスト材料に規格外のものが見つかり、歩留まりに影響が出ているとしていた件であるが、第一四半期売上げが約$550 million低下するという見込みが出されている。

◇TSMC cuts forecast after manufacturing incident (2月16日付け The Taipei Times (Taiwan))

◇TSMC lowers 1Q19 guidance after defective material impact-Defective photoresist to cost TSMC $550M in Q1 revenue (2月18日付け DIGITIMES)
→TSMC発。同社において生産中のウェーハ廃棄につながった欠陥フォトレジスト材料の使用で、第一四半期売上げが約$550 million低下の旨。顧客とのデリバリー再調整を経て、第二四半期の間に生産損失を補う見込みの旨。

◇Bad Photoresist Costs TSMC $550 Million (2月19日付け EE Times)


≪グローバル雑学王−555≫

「芸術は爆発だ!」、そして1970年の熱かった大阪万博の「太陽の塔」で知られる岡本太郎について、

『日本人だけが知らない本当は世界でいちばん人気の国・日本』
 (ケント・ギルバート 著:SB新書 443) …2018年8月15日 初版第1刷発行

よりその人生、人となりを辿っていく。漫画家の父、小説家の母の間で奔放な環境での型破りな少年時代、東京美術学校へ進学後一家でパリに渡ることになりピカソの作品との出会い。そして戦後、日本で積極的に絵画・立体作品を制作するかたわら、縄文土器論や沖縄文化論を発表するなど文筆活動も行い、それから雑誌やテレビなどのメディアにも1950年代から積極的に出演したのは小生の記憶にも残るところである。日本の縄文時代について、「文化」という切り口で最初に迫ったこと、そして世界を驚嘆させた「創造性」に至るいくつかの原点を知らされている。


第四章 様式美
 ―――世界を驚嘆させた「創造性」 …その1

□縄文土器で世界を席捲した「革命児」
 ―――岡本太郎

〓日本美術界の異端児の「もう一つの顔」
・「芸術は爆発だ!」という言葉で知られる岡本太郎
 →意外と知られていないのではないかという一面も
・日本の縄文時代について、「文化」という切り口で迫った最初の人物でも
 →精緻な文様が施された縄文土器、その芸術的価値を見い出す以前は、縄文土器は単なる「工芸品」として扱われていた
・芸術家としての顔のほかに、民俗学者としての顔
 →1930年代、パリ大学で民俗学を学んだ
 →その後の創作活動に大きな影響、中でも縄文土器との出会い
・フランスから帰国した太郎は、文芸雑誌『みづゑ』に「四次元との対話――縄文土器論」を寄稿
 →それまで、日本文化の源流は弥生時代とされていたものが、それより以前の縄文時代であると捉えなおされた
 →その後も太郎は縄文文化の研究に熱中、何冊も関連書籍を著した

〓型破りな少年
・岡本太郎は1911年、漫画家の父・一平と歌人で小説家の母・かの子の間に生まれた
 →父は成功した漫画家だったが、大変な浪費家
 →母は母で、名家出身のお嬢様、世間を知らず、家事なども一切できず
 →太郎の異端児気質は、この両親の影響であることはたしか
・慶應義塾普通部(旧制中学校)を卒業、東京藝術大学の前身、東京美術学校へ進学
 →父・一平がパリに派遣、太郎は休学、岡本一家はパリに渡った
 →両親の帰国後もパリに残った太郎は、やがて、キュビスム時代のパブロ・ピカソの絵と出会い、「ピカソを超えてやる」という野心を抱くように
・かつて日本の学校に馴染めず、転入学を繰り返した太郎
 →パリで、「自分はもっと自由に生きていいんだ、自由に表現していいんだ」と感じたのかも

〓「太陽の塔」と対をなす大作の秘めたる力
・パリ生活も、1940年、ナチス・ドイツのパリ侵攻によって、突然の終止符
 →日本に帰国した太郎は、画家として順調なスタート
 →しかし、30代と比較的高齢ながら中国戦線へと送られ、厳しい兵役生活を送った
・終戦後、太郎は再び芸術活動を本格化
 →太郎の名声は次第に高まっていき、そしてついにあの代表作へ
・大阪万博会場に設置された巨大モニュメント「太陽の塔」
 →てっぺんの「黄金の顔」    …「未来」を象徴
  中央前面の「太陽の顔」    …「現在」を象徴
  背面に施された「黒い太陽」  …「過去」を象徴
 →塔の内部には「生命の樹」
 →過去から現在、未来へと連綿と続いていく「生命」というものの力強さを、塔全体で表現
・「太陽の塔」と同時制作され、対をなすといわれる大作、壁画「明日の神話」
 →長年、行方不明になっていたが、メキシコの郊外の町で発見されたのは、2003年のこと
 →今では東京・渋谷駅構内で大勢の往来を見下ろしている
 →モチーフは、1954年、アメリカによる水爆実験の被害に遭った第五福竜丸
 →大きな悲劇や混乱にあってもなお、人々はそれを乗り越えて生きていくんだ、そして果てしない命の連鎖で「明日の神話」をつくっていくんだ、という強いメッセージ

〓太郎はピカソを超えたのか
・太郎は、戦前、戦中、戦後という激動の時代を、芸術や民俗学に対する熱い思いを持って駆け抜け、多くの芸術作品と文化的功績を残した
 →ピカソとはまた別の意味合いで、稀代の大芸術家と呼んでも、おそらく誰も異論はない

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