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米中摩擦、中国減速の渦中、新分野・新技術に臨む各様のスタンス

制裁関税がさらに踏み上がるかどうか、3月1日の期限が間近に迫る中、米中間の詰めの閣僚協議が今週北京で行われ、続いて来週ワシントンでも予定されている。中国側は6年にわたって米国製半導体の輸入を$200 billion高める提示を1つとして行っている。当然ながら中国における春節消費、各国との輸出入など、減速の影が落ちるデータが相次いでいる。米中摩擦もさすがに打開を探る気運が見え始めてはいるが、一方で、最先端微細化、人工知能(AI)、自動運転など新分野・新技術の開拓&展開に絶え間なく向かっていくいろいろな切り口の取り組みがあらわれてきて、注目させられている。

≪打開を探る空気の高まり≫

米中摩擦の打開に向けて双方次官級協議が始められている。

◇米中貿易協議、次官級で開始、知財など構造問題詰め−合意事項の履行検証も焦点に (2月11日付け 日経 電子版)
→米中両政府は11日、北京市内で次官級の貿易協議を始めた旨。中国の構造問題を中心に意見を交わすとみられる旨。合意事項を中国側がきちんと履行したかを検証する枠組みをどうつくるかも焦点になる旨。14、15日に開く閣僚級協議に向け、両者の隔たりをどこまで埋められるかが注目される旨。

トランプ大統領からは条件付きで3月1日の期限先延ばしもあるという融和的なスタンスのコメントがみられている。

◇トランプ大統領、3月1日の対中関税引き上げ期限の延期否定せず (2月13日付け bloomberg.co.jp)
→トランプ米大統領は12日、米中通商協議が合意に近いなら、3月1日の対中関税引き上げ期限の延期を否定しない考えを明らかにした旨。貿易摩擦の解決に向けた協議が続く中、融和的な姿勢を示した格好の旨。真の取引と考えられる合意が近いなら期限を大目に見ることは可能の旨。

次官級に続いて閣僚級の協議が行われている。

◇米中閣僚協議始まる、首脳会談調整も (2月14日付け 日経 電子版)
→米中両政府は14日午前、北京市内で閣僚級の貿易協議を始めた旨。中国の技術移転強制や国有企業への補助金など構造問題で双方の主張の隔たりをどこまで縮められるかが焦点となる旨。トランプ米大統領と習近平国家主席の首脳会談の調整も注目される旨。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やムニューシン財務長官ら米交渉団は14日朝、宿泊先の北京市内のホテルを出発した旨。

交渉の前線ではいろいろな提示、駆け引きが繰り返されるが、半導体関連で中国が6年にわたって米国製半導体の輸入を$200 billion高める提示が行われ、米国・SIAからは酷評のコメントである。

◇China Seeks to Woo U.S. With Promise of Big Chip Purchases-China to boost purchases of US chips by $200B -Trade talks remain deadlocked as Beijing refuses to eliminate coerced technology transfers or government subsidies to Chinese companies (2月14日付け THE WALL STREET JOURNAL)
→中国が6年にわたって米国製半導体の輸入を$200 billion高めることを提示、中国と米国の間の通商協議についての行き詰まりを打開しようとしている旨。中国側はまた、中国製のnew-energy, small-engine vehiclesを買うよう消費者に助成を与える自動車購買政策の中止も提示している旨。
「この半導体購入の誓約は気晴らしであり、才を鼻にかけている。」と、Semiconductor Industry Association(SIA)のchief executive、John Neuffer氏。同氏はこの申し出を、"中国のMade-in-China 2025目標達成を支援するよう設計された会計上のからくり"と表した旨。

上記の北京での協議に続いて、来週は場所をワシントンに移して、時間猶予がない中、打開の模索が行われる運びである。トランプ大統領からは期限先延ばしの可能性のコメントが繰り返されており、推移に注目である。

◇U.S.-China trade talks to resume next week, Trump hints at extension-Mnuchin says U.S. had 'productive' trade meetings with China (2月15日付け Reuters)
→米国と中国が、傷つけあう貿易戦争を緩和する時間が無くなりつつあることで来週Washingtonで協議を再開、しかし、Donald Trump大統領は金曜15日、3月1日の取り決め期限を延ばし、中国製品に対する関税の上昇を抑える可能性を繰り返した旨。

◇トランプ氏、米中首脳会談での合意に意欲 (2月16日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領は15日の記者会見で、中国との貿易協議をめぐり、ワシントンで来週開く閣僚級の会合後「いつかの時点で中国の習近平国家主席と会う」と述べ、首脳会談での合意に意欲を示した旨。3月1日の協議期限に関し「合意に近く、正しい方向に向かっていれば、延長する可能性はある」と改めて言及した旨。

次に、中国減速の影が落ちるデータが相次いでおり、まずは中国における春節での消費である。

◇中国、春節消費に減速感、売上高の伸び初の10%割れ (2月10日付け 日経 電子版)
→4日に始まった中国の春節(旧正月)休暇が10日に終了、商務省が同日発表した期間中の国内の小売・飲食業による売上高は1兆50億元(約16兆2000億円)と2018年より8.5%増えた旨。現行の統計を始めた2005年以降で伸び率が2桁を割るのは初めてとなる旨。中国経済の減速ぶりが年間で最大級の商戦期である春節の消費にも表れた旨。

中国の貿易統計では特に対米国において、追加関税の影響が本格的にあらわれてきている。

◇中国、米からの輸入41%減、1月 (2月14日付け 日経 電子版)
→中国税関総署が14日発表した2019年1月の貿易統計(ドルベース)。輸出は前年同月比9.1%増の$217.5 billion(約24兆円)、2カ月ぶりに前年同月の水準を上回った旨。ただ、2月初めの春節(旧正月)休暇の影響で輸出を1月に前倒しした可能性があり、1月の数字だけで「輸出が回復傾向に戻った」とみるのは早計の旨。
対米貿易をみると輸出は前年同月比2.4%減の$36.5 billion、輸入は同41.2%減の$9.2 billion。輸出は2カ月連続、輸入は5カ月連続で前年同月の水準を下回り、昨年7〜9月にお互いにかけあった追加関税の影響が本格化している旨。

我が国においてもGDPデータに、減速、摩擦の影響が及んできている。

◇中国の減速、輸出に影、10〜12月GDP (2月14日付け 日経 電子版)
→内閣府が14日公表した2018年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報値は2四半期ぶりにプラスに転じたが、7〜9月期は相次ぐ自然災害で物流機能などがまひして大きく落ち込んだ分、その反動で増えた旨。ただ前期の1.4%減に比べて戻りは0.3%増と弱く、世界経済の減速や米中貿易摩擦の影響がじわり日本経済にも及び始めている旨。

半導体業界関連では、台湾のファウンドリーの当面の受注に不透明さがあらわれている。

◇Foundry houses see poor order visibility for 2Q19-Sources: Q2 order prospects are cloudy for foundries (2月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。IC設計会社がまだ在庫を片付けており、台湾のファウンドリーには第二四半期の受注が多くは見えていない旨。8-インチウェーハ製造ラインは忙しいままである一方、TSMCおよびUMCには12-インチウェーハファウンドリーサービスについて第二四半期の受注が不透明になっている、と特に言及の旨。

米中摩擦の中でいずれにつくか、台湾半導体業界の中心拠点、新竹における技術者の間で見られるジレンマ模様である。

◇台湾半導体、高まる中国依存―収益・リスク、両にらみ(アジアVIEW) (2月15日付け 日経)
→半導体産業の世界的な集積地で、「台湾のシリコンバレー」と呼ばれる北部・新竹。現地の技術者の間ではいま、米中によるハイテク分野の覇権争いの話題で持ちきり。中国が圧倒的な資本力で半導体産業の育成に成功するのか。それとも米国が規制で抑え込むのか――。複数のエンジニアと議論したところ、中国の台頭を予想する声が目立った旨。

トランプ大統領は国内では「非常事態」の渦中にあり、米中摩擦の先行きにインパクトのないよう当面注視するところである。

◇トランプ氏、公約実現へ「禁じ手」、壁建設強行−高まる3月リスク、党派対立が激化 (2月15日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領が、議会の承認を経ずにメキシコとの国境の壁を建設するため「非常事態」を宣言する方針を決めた旨。議会の権限を無視する「禁じ手」に野党・民主党は反発を強めており、上下両院で多数派が異なる「ねじれ議会」での政策協議の停滞は必至。3月初旬に期限が切れる米債務上限問題にも影響は避けられず、米国債の債務不履行のリスクが浮上しかねない旨。

このような中、新分野・新技術の開拓&展開に取り組む絶え間ないいろいろな動きがあらわれている。

この時期恒例のInternational Solid-State Circuits Conference(ISSCC:2019年2月17-21日:San Francisco)であるが、従来最先端の指標ともなっていた高性能プロセッサの論文はないとのこと。人工知能(AI)はじめ新分野・新技術の色合いが覆っている現在を受け止めている。

◇ISSCC 2019 Preview: Moore's Law may be slowing down, but innovation isn't-ISSCC will have plenty of AI, 5G papers on hand -With or without new leading-edge microprocessors, the demand for faster compute, bigger storage and speedier networks continues to grow. As this year's conference will show, the industry keeps coming up with new ways to deliver. (2月12日付け ZDNet)
→来週のInternational Solid-State Circuits Conference(ISSCC:2019年2月17-21日:San Francisco)では、新たな汎用microprocessors(MPUs)についての論文はなく、artificial intelligence(AI), 車載electronics, 5G cellular通信およびヘルスケアにおける最新の開発が相当ある旨。IBM, Samsung Electronics, Arm, IntelおよびNvidiaが、AIおよびmachine learningの取り組みについて講演を行う旨。

そのAIについては、米国・トランプ政権が‘American AI Initiative’を以下の通り打ち上げている。

◇Trump administration unveils order to prioritize and promote AI-Executive order makes AI investment a federal focus (2月11日付け Reuters)
→Trump政権が、政府departmentsに対しoperationsにartificial intelligence(AI)技術を取り入れるよう指示、該American AI Initiative大統領命令は、各署にAIへの資金割り当てを求め、"自動車運転車、産業用ロボット、疾病診断アルゴリズムなど今後の産業を作り出す上で非常に重要"とTrump政権はしている旨。

◇SIA Welcomes Executive Order Launching ‘American AI Initiative’ (2月11日付け SIA Blog)

◇Trump Creates U.S. AI Initiative (2月12日付け EE Times)
→米国半導体業界が、Donald Trump大統領による米国連邦agenciesにartificial intelligence(AI) R&Dへの投資優先を支持する執行命令の調印を称賛の旨。

インテルのアイルランドでのfab投資、そしてEricssonとの5Gプラットフォーム連携である。

◇Intel prepared to invest $8bn in new Leixlip development-Intel budgets up to $8B for a new wafer fab in Ireland (2月9日付け The Irish Times (Dublin))
→multinational micro-chipメーカー、Intelが、アイルランド・County Kildareの同社拠点に向けて提案の製造facilityに$8 billion(7 billion euro)を充てる備え、該facilityが前進すればworkforceに1,600 jobsが加わる旨。

◇Intel and Ericsson develop 5G platform-Intel and Ericsson collaborate for 5G -Ericsson and Intel have announced another collaboration, this time for a software and hardware management platform for 5G, NFV, and distributed cloud. (2月12日付け ZDNet)
→EricssonとIntelが、分散cloud, 5Gおよびnetwork function virtualizationに向けたプラットフォームの開発で連携、Ericssonが該プロジェクトにおいてsoftware-definedインフラ管理ソフトウェアを供給する一方、Intelは同社Rack Scale Designにテコ入れする旨。

従来の最先端微細化をいまやリードするTSMCの7-nm関連の取り組みのいくつか、以下の通りである。

◇Apple supply chain: TSMC to remain sole iPhone chip supplier-Sources: TSMC will be the supplier of iPhone APs in 2019 (2月11日付け DIGITIMES)
→本件事情通筋発。TSMCが、今年のiPhonesに入るapplicationプロセッサのただ1つのサプライヤとしての位置づけを維持、該custom A13プロセッサはTSMCの7-nmプロセスを用いて今年第二四半期の間に量産に入る旨。一方、Appleが新しいiPadモデルを投入、flexible printed circuit boards(PCBs)の生産者には2019年前半の間に弾みがつく様相の旨。

◇TSMC to move 7nm EUV process to volume production in March (2月12日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが、EUVによるenhanced 7-nm nodeを用いて作られた半導体の量産を3月末に開始予定の旨。extreme ultraviolet(EUV) litho装置を供給するASMLは、2019年に全体で30のEUVシステムを出荷しようとしており、そのうち18がTSMCによりすでに予約されている旨。

◇TSMC gearing up for 7nm chip production for Qualcomm-Sources: TSMC to make Snapdragon 855 SoC with 7nm process (2月15日付け DIGITIMES)
→TSMCが、同社7-nmプロセスで製造、high-end Androidスマートフォン用system-on-a-chip(SoC)デバイス、Qualcomm Snapdragon 855の商用生産を始めようとしている旨。

欧州のSTMicroelectronicsの最新慣性センサである。

◇ST integrates machine learning into inertial sensors-Machine learning becomes part of ST's new inertial sensors (2月13日付け Electronics Weekly (UK))
→STMicroelectronicsが、動きのデータを既知パターンから同定するmachine-learningコアを搭載したLSM6DSOX iNEMO慣性センサを投入、該新センサは、ワイヤレスおよびwearable gadgetsにおいて行動追跡性能および電池寿命の改善が得られるよう設計されている旨。

最後に自動運転について、地図データのプラットフォーム構築で日米連合の取り組みである。

◇地図データで日米連合、自動運転、国内勢がGM系買収 (2月13日付け 日経 電子版)
→自動運転に不可欠な地図データ基盤の構築で日米企業が手を組む旨。トヨタ自動車やホンダなどの出資先企業が、米ゼネラル・モーターズ(GM)系の企業を買収。トヨタやGMが高精度な地図データを共有できる体制を築く旨。先行する米グーグルや政府主導で開発を進める中国勢に対抗するには、付加価値の高い技術・サービス分野に経営資源を集中する必要がある旨。データ技術を巡る攻防が自動車産業を新たな提携に動かす旨。


≪市場実態PickUp≫

【半導体Fab Capacity】

昨年末時点でのグローバルウェーハfab capacityの地域別データが、IC Insightsからあらわされている。台湾がトップ、韓国がほぼ並んで、世界の4割強を占めるとともに、続く日本、北米に中国が迫ってきている状況である。

◇China's Chip Fab Capacity Rising Fast (2月14日付け EE Times)

◇Taiwan maintains largest share of global IC wafer fab capacity (2月14日付け ELECTROIQ)
→IC InsightsのGlobal Wafer Capacity 2019-2023レポート最新版。2018年12月時点での地域別ウェーハcapacity、次の通り。

ウェーハcapacity世界シェア
(K枚/月:200-mm換算)
台湾
4,126
21.8%
韓国
4,033
21.3%
日本
3,168
16.8%
北米
2,426
12.8%
中国
2,361
12.5%
欧州
1,138
6.0%
ROW
1,646
8.7%
≪総計≫
18,897
100%

◇Taiwan leads in wafer capacity-IC Insights ranks worldwide wafer capacity-Taiwan has more installed wafer capacity than any other country, reports IC Insights. (2月14日付け Electronics Weekly (UK))
→IC Insights発。台湾および韓国が昨年末時点でのウェーハcapacityで世界をリードする一方、中国がグローバル生産capacityの12.5%をもって北米に迫っている旨。中国は2017年のウェーハcapacityシェアが10.8%と特に言及の旨。

◇Taiwan maintains largest share of global IC wafer fab capacity, says IC Insights (2月14日付け DIGITIMES)

【旺盛な200-mmウェーハ需要】

モバイル、Internet of Things(IoT)、車載および産業と活況&多彩な応用に向けて、200-mmウェーハの需要が以下の通り高まっていく見通しをSEMIがあらわしている。

◇200mm fabs to add 700,000 wafers through 2022, SEMI reports (2月12日付け ELECTROIQ)
→SEMI発。モバイル、Internet of Things(IoT), 車載および産業応用に向けたさらなるコンテンツの力強い需要が、2019年から2022年にかけて70万枚の200-mmウェーハ生産を牽引、14%の増加となる旨。

◇200mm Fabs to Add 700,000 Wafers Through 2022, SEMI Reports (2月12日付け SEMI)

◇200mm fabs to add 700,000 wafers through 2022, says SEMI-SEMI: 200mm wafer fabs to turn out more wafers per month (2月14日付け DIGITIMES)
→SEMI発。今年から2022年にかけて、16の新しい200-mmウェーハfab拠点および200-mm fabラインが14のvolume fabs含めて開く見込み、車載、産業、internet of things(IoT)およびモバイル半導体の生産需要に適合していく旨。該期間で、200-mmウェーハoutputは70万枚/月高まって6.5 million枚/月になる、と予測の旨。

実際、この4-6月四半期に向けて200-个糧頬擦紡个300-个不透明というファウンドリー業界での状況があらわれている。

◇Foundry houses see poor order visibility for 2Q19-Sources: Q2 order prospects are cloudy for foundries (2月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。IC設計会社がまだ在庫を片付けており、台湾のファウンドリーには第二四半期の受注が多くは見えていない旨。8-インチウェーハ製造ラインは忙しいままである一方、TSMCおよびUMCには12-インチウェーハファウンドリーサービスについて第二四半期の受注が不透明になっている、と特に言及の旨。

【RISC-V関連】

RISCの設計思想に基いた、オープン標準の命令セット・アーキテクチャ(ISA)であるRISC-V(リスク ファイブ)について、Armおよびx86の代替として大きく飛躍するかどうか、以下の議論が一気に見られる感じ方である。
RISC-V ISAはいかなる用途にも自由に利用でき、RISC-Vチップおよびソフトウェアの設計・製造・販売は全ての人に許可されていることの強み評価にかかってくる。

◇Can Arm Survive RISC-V Challenge?-Does open-source RISC-V architecture pose a threat to Arm? (2月13日付け EE Times)
→ArmはRISC-VあるいはMIPSと比べて柔軟性が限られる旨。今日のコストおよびtime-to-marketの圧力のもとでは、license条項の交渉に何ヶ月も費やしたくない旨。

◇Blog: Is Arm's Business Model Outdated? (2月14日付け EE Times India)

◇RISC-V Climbs Software Mountain-Chip specs likely to be approved this year (2月14日付け EE Times)
→RISC-VがSoCsに深く組み込まれるコントローラとしての橋頭堡を構築しているからには、次の問いを尋ね始めるとき:このオープンソースinstruction-set architecture(ISA)が、hostプロセッサとしてArmおよびx86の代替となるよう次の大きな飛躍が行えるか?手短な答えはyes、しかし、数年はかかりその行程にはたくさんの落とし穴がある可能性の旨。

◇SiFive Sees Big Year for RISC-V-Startup expects many design wins, new players (2月14日付け EE Times)
→RISC-V creatorsがBerkeleyで創設したstartup、SiFiveのCEOに2017年後半指名されたNaveed Sherwani氏。この年末までに、SiFiveは確立したライバル、Armの守備範囲に及ぶコアをもつ可能性の旨。今年、RISC-Vの会社すべてが一緒になってArmより多い新しいsocketsを勝ち取れる、と予想の旨。

◇Can MIPS Leapfrog RISC-V? (2月14日付け EE Times)
→Wave ComputingがMIPSを買収、長きにわたるMIPSのベテランである同社CEO、Derek Meyer氏には“going open source”が念頭の計画であった旨。長く伝統的なIP licensingビジネスに慣れているMIPSからは非常に大きなシフトの旨。

【スマホ市場実態】

米国・IDCによる2018年中国スマートフォン市場のデータより、全体出荷台数が1割減で2年連続のマイナス、アップルは10-12月で2割減、そして中国地場メーカーの伸びと、改めて確認する実態である。

◇アップル不振、中国で2割減、スマホ出荷10〜12月 (2月11日付け 日経 電子版)
→世界最大の中国スマートフォン市場で需要低迷が続いている旨。米調査会社IDCが11日発表した2018年のスマホ出荷台数は2017年比10.5%減の3億9770万台で、2年連続でマイナスとなった旨。中国の景気が減速するなか、スマホを買い控える動きが拡大。米アップルのiPhoneの出荷は2018年10〜12月期に限ると19.9%減と不振が鮮明で、好調な大手中国メーカーと明暗が分かれた旨。

◇2018年の中国スマホ出荷10%減、2年連続マイナス (2月11日付け 日経 電子版)
→米調査会社IDCが11日発表した中国の2018年のスマートフォン出荷台数は、2017年比10.5%減の3億9770万台。2年連続で前の年の実績を下回り、2017年の4.9%減に比べ下げ幅は広がった旨。4億台の大台を下回るのは2013年以来、5年ぶり。市場の飽和感が強まるなか、中国の景気減速やスマホの買い替えサイクルの長期化が響いた旨。メーカー別では首位の華為技術(ファーウェイ)の出荷台数が15.5%増の1億500万台で、シェアは26.4%になり2017年に比べ6ポイント伸びた旨。一方、5位の米アップルは11.7%減の3630万台。割高感が敬遠され、シェアは9.1%と2017年から0.2ポイント減った旨。

◇Apple iPhone sales in China fell by a fifth in fourth quarter: IDC (2月12日付け Reuters)

インドのスマートフォン市場はまだこれからということで、約2割の伸び率となっている。

◇India Smartphone Market Defies Global Decline (2月13日付け EE Times India)
→グローバルスマートフォン市場が連続して減少するなか、インドのスマートフォン市場は2018年142.3 million台の出荷と最高を記録、年間成長19.5%に至っている旨。

【C4ISR】

国際的な緊張の増すなかでの武器システムの目、耳および頭脳の重みということでのキーワード、C4ISRに注目している。軍隊における情報処理システム、C4Iシステム(C Quadruple I system:Command Control Communication Computer Intelligence system)に、Surveillance(監視)およびReconnaissance(偵察)を加えて、あらゆる情報を統合的に活用して軍事活動にあたろうとする概念、としてあらわされている。

◇Contested Spectrum Driving C4ISR Advances (2月12日付け EE Times)
→武器システムの目、耳および頭脳はここ数十年着実に改善してきているが、まとめてこの領域はC4ISR(Command, Control, Communications, Computers, Intelligence, Surveillance and-last but not least-Reconnaissance)として知られている旨。業界tracker、IHS Markitによる分析では、世界に中国のようなより危険で地政学的なライバルが伸びて、C4ISRが一層にも拡大していくとしている旨。

◇Geopolitical Instability Pushing Advances in C4ISR-A market watcher sees steady reductions in electronics size, weight and power requirements. (2月13日付け EE Times India)


≪グローバル雑学王−554≫

小生これまで目にしたことがないが、インド・パンジャブ州からパキスタンまでの国際道路のユーカリ並木とその周辺の耕地に取り組み、砂漠を緑化させて「グリーン・ファーザー」と今も尊敬を集める日本人、杉山 龍丸について、


『日本人だけが知らない本当は世界でいちばん人気の国・日本』
 (ケント・ギルバート 著:SB新書 443) …2018年8月15日 初版第1刷発行

より、終始、日本政府からの援助は無く、学界からは黙殺される中、代々の農地を売って資金とした圧倒的な心意気に触れていく。十代の若さで祖父、父を相次いで失い、ボルネオで片肺貫通の重傷を負う戦争体験を経て、1955年(昭和30年)に戦友から、日本で農業を学んでいたインド人を紹介され自分の農園で農業技術を教えたという突如芽生えたインドとの交わりに端を発している。自身の孤独と戦争体験からくる「人間愛」が為させた軌跡を強く感じるものである。


第三章 おもてなし
 ―――世界を感動させた「心意気」 …その2

□インドの砂漠を緑化させた「グリーン・ファーザー」
 ―――杉山龍丸

〓インドの砂漠地帯を穀倉地帯に変えた男
・人間と自然は共存する対象
 →日本人の暮らしと文化が成り立ってきた価値観
・海を越えて、はるか遠いインドの砂漠地帯で緑を守り育てる大切さを伝えた男、杉山龍丸
 →インドでは、「グリーン・ファーザー」と呼ばれ、今も尊敬を集めている
・インドの北方、デリーからパンジャーブ州を走る国際道路、全長470km、東京−姫路間の直線距離
 →緑のユーカリの樹がうっそうと生い茂っている
 →今やインドの一大穀倉地帯に

〓「これからはアジアの時代だ」
・1919年、杉山龍丸は福岡で生まれた
 →祖父の杉山茂丸は、明治・大正期の国家の重鎮たちと共に国政に関わった人物
  →茂丸は25才のとき香港に渡り、欧米列強がアジア各国で行っている植民地支配の悲惨な姿を実感
  →「日本が独立を守るにはどうすればいいのか」という思いに
・龍丸は3才ころから、祖父と父が起こした「杉山農園」で育った
 →アジア各国が独立した後は各国に若き農業指導者が必要になると考え、その養成のためにつくった大農場
・龍丸の父、夢野久作(本名・杉山直樹)、本業は作家
 →久作が茂丸から資金を渡されて、大正のはじめにつくったのが「杉山農園」
 →父親の意志を継いで久作は農園を守りながら文学作品を書き続けた

〓「人間愛」を目覚めさせた孤独と戦争体験
・1935年7月、龍丸の祖父・茂丸が、さらに、翌年3月には父・夢野久作が47才の若さで、帰らぬ人に
 →17才になったばかりの龍丸は3人兄弟の長男として、一家を背負う立場に
・彼に遺された祖父と父からの遺言は、「杉山農園の土地は私物化せず、当初の目的通りアジアのために使え」というもの
 →龍丸は学びながら給料がもらえる陸軍士官学校へ進学
 →卒業後、航空技術学校へ進学、その第一期生
 →卒業した龍丸は満洲に赴任
・満洲で遭遇した突然エンジンが止まって墜落する飛行機事故
 →寝る間も惜しんで解決方法を探し、零戦の設計者、堀越二郎とは生涯の友人に
・その後、龍丸の部隊は船でフィリピンへ移動、およそ4000名の兵士の規模
 →36隻の船団はフィリピンを目前にして、アメリカ軍潜水艦の攻撃を受け、28隻が撃沈
 →龍丸の部隊は陸軍で最初に特攻機を出した基地となり、レイテ戦にも参加
・龍丸はボルネオに脱出、そこでアメリカ軍の機銃掃射を受け、片肺貫通の重傷を負った
 →生涯、神経痛に悩まされる体に
・戦争は龍丸にとって辛い体験ではあったが、人間愛に目覚める契機となったことは間違いない

〓突如芽生えたインドとの交わり
・突然訪れた龍丸のインドとの関わり
 →杉山農園に戻っていた龍丸が、生活のために上京、秋葉原でプラスチック製品の販売店を営業していた頃のこと
 →雑踏の中で一人の見知らぬ僧侶に呼び止められた
 →陸軍士官学校の同級生・佐藤幸雄で、一人のインドの青年を連れていた
・この青年はガンジーの弟子、これがきっかけ、龍丸のところにしばしばガンジーの弟子たちがインドから訪ねてくるように
 →龍丸の紹介で、陶器や和紙の伝統工芸を学び、あるいは農業技術を身につけて帰っていった
 →龍丸はインドにのめり込んでいくことに
・1955年、結婚したばかりの龍丸は福岡に帰り、国際文化福祉協会を設立
 →本格的にインドの支援に取り組み始めた
・1962年、龍丸は43才で初めてインドに向かった
 →その3年前からパスポートを申請、「独立運動家、ラース・ビハーリー
  ・ボースの逃亡を手伝った杉山茂丸の孫」ということが問題に
 →やっとのことでのパスポート発行の許可
 ※(注)このラース・ビハーリー・ボース(Rash Behari Bose)は、亡命後に新宿中村屋の娘婿となって日本に帰化、本格的なインドカレーを日本に伝えた「日本のインドカレーの父」とも呼ばれる
・インドに着いて、デカン高原のワルダ地方にあるガンジー塾を訪ねた
 →インドで大歓迎を受け、ガンジーの教えを広めるため、インドの聖人ヴィノバと約1ヶ月の旅
 →民間に伝わる日本古来の伝統技術がインドの人々の役に立つということを実感

〓砂漠の地に植林で命を吹き込む
・その後も、龍丸はたびたびインドを訪問
 →インドは地下水位が低いこと、および土壌に有機物が少ないことに気づき、それがレンガを焼くために森林を伐採した結果であることを確信
 →インドの仲間たちに、樹を植えることを提案し実践
・古来、インドの文明は、木材を燃料にしてつくったレンガで建造物を建てるために、森林をことごとく伐採
 →龍丸は「今、インドに必要なのは植林。ユーカリの樹を植えるべき。」と提案した
 →ユーカリは根が深く伸び、乾燥している土地の底に流れる水を吸収するという特徴、しかも、生命力にあふれ、生長が早い
 →デリーからアムリッツァル市(パンジャーブ州)まで走る国際道路沿いにユーカリを植えたらどうかと提案

〓熱情がもたらした「ユーカリの奇跡」
・龍丸が帰国した翌年、1963年、「インドで大飢饉発生」というニュースが飛び込んできた
 →非常に早い龍丸の決断
 →祖父や父が残してくれた杉山農園の土地四万坪、これを切り売りして資金をつくればいいという考え
・パンジャーブ州から、ユーカリの苗づくりに成功したという朗報が届き、龍丸は再びインドへと旅立った
 →国際道路沿いに植えたユーカリの樹は見事に生長、その土地にも変化
 →周囲には水が蓄えられ、作物が育つ地質に変化
・今ではパンジャーブ州は、インド一の穀倉地帯に
 →龍丸の熱意が起こしたユーカリの奇跡

〓人生をかけた慈善活動
・ユーカリの植林だけではない龍丸のインドへの貢献
 →インドのヒマラヤ山脈に続くシュワリック・レンジ(丘陵)で、大規模な土砂崩落、麓の村々を破壊し尽くした
 →龍丸はたった一人で立ち向かった
・龍丸は、砂漠地帯に生えているサダバールという樹をとってきて、砂漠の斜面に挿し木
 →根を張ったところにユーカリを植えていくことに
 →サダバールは自然に芽を出し繁殖、土砂崩れを止めた
 →砂漠化の原因は、森を伐採し尽くした結果であり、それを防ぐには植林しかないという龍丸の持論は、ここでも実証された
・インドの人々は龍丸がもたらした緑の奇跡に驚き、感動し、そして惜しみない拍手を送った
 →まさに日本人に宿る「草莽崛起の精神」によって個人が行ったことが、本当に素晴らしいと私は思う

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