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前年比20%増の第一四半期販売高、摩擦の中の中国半導体関連業界

米国Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高が発表され、この3月について$37.0 billion、前月比0.7%増、前年同月比20.0%増とこれで20ヶ月連続の前年比増とともに最高水準を維持している。
1-3月の第一四半期累計も$111.1 billionとなり、前年同期比がこれも20%増と、飛躍して史上最高の昨年をさらにいくら上回るのか、ますます目が離せないところである。このような活況の中、米国と中国の通商摩擦の応酬が続いており、中国の半導体および関連業界においても諸刃の刃の様相を孕んだ動きの展開となってきている。

≪第一四半期および3月の世界半導体販売高≫

米国SIAからの発表内容が、次の通りである。

〇第一四半期のグローバル半導体販売高が、前年同期比20%増−3月の世界半導体販売高が$37 billionに達し、20ヶ月連続前年同月比増加 …4月30日付け SIA/NEWS

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2018年第一四半期の世界半導体販売高が$111.1 billionに達し、2017年第一四半期に比べて20%の増加、しかし前四半期、2017年第四四半期より2.5%下回った、と発表した。2018年3月の販売高は$37.0 billionであり、前年同月の2017年3月総計$30.8 billionに対して20.0%の増加、前月、2018年2月の$36.8 billionに対して0.7%の増加となっている。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「2018年第一四半期を通してグローバル半導体市場は強い印象を与える伸びを示しており、半導体売上げ最高の年であった2017年の同期間の販売高を遥かに上回っている。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「3月の販売高は20ヶ月連続で前年同月を上回った。すべての地域市場で前年同月比二ケタ%の伸びとなり、主要半導体製品カテゴリーのすべてで前年同月比増加し、メモリ製品が引き続き引っ張っている。」

次に示すように、地域別では、販売高前年同月比がすべての地域にわたって増加した。前月比ではAmericasが僅かに減少した以外は増加している。

Americas
前年同月比 +35.7%/前月比 -2.0%
Europe
+20.6%/
+3.9%
China
+18.8%/
+2.2%
Asia Pacific/All Other
+13.3%/
+0.2%
Japan
+12.4%/
+0.5%


         【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Mar 2017
Feb 2018
Mar 2018
前年同月比
前月比
========
Americas
5.96
8.26
8.09
35.7
-2.0
Europe
2.96
3.43
3.57
20.6
3.9
Japan
2.84
3.18
3.19
12.4
0.5
China
10.06
11.70
11.95
18.8
2.2
Asia Pacific/All Other
9.02
10.19
10.22
13.3
0.2
$30.84 B
$36.76 B
$37.02 B
20.0 %
0.7 %

--------------------------------------
市場地域
10-12月平均
1- 3月平均
change
Americas
8.95
8.09
-9.6
Europe
3.37
3.57
5.8
Japan
3.24
3.19
-1.5
China
12.01
11.95
-0.5
Asia Pacific/All Other
10.41
10.22
-1.8
$37.99 B
$37.02 B
-2.5 %

--------------------------------------

※3月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/March_2018_GSR_table_and_graph_for_press_release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の反応、取り上げである。大きく飛躍した2017年を20%も上回る第一四半期に、まず注目が集まっている。

◇Global semiconductor sales up 20% year-to-year in Q1 (5月1日付け ELECTROIQ)

◇Global semicon sales up 20% to US$111.1 billion in 1Q2018, says SIA (5月2日付け The Edge Markets)

◇Global semiconductor sales up 20% YoY in Q1 (5月2日付け Evertiq)

◇Global 1Q18 semiconductor sales increase 20%, says SIA (5月2日付け DIGITIMES)

◇Chip Sales Running 20% Above 2017 Pace (5月3日付け EE Times)

◇2018 Semiconductor Sales Outpacing 2017 by 20% (5月3日付け EE Times India)

2016年後半から盛り返して急激な増勢を保っている世界半導体販売高の推移が次の通りであり、当面は見守っていくデータ内容と思っている。20ヶ月連続の前年同月比増があらわれるところとなっている。

 
販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
 
(月初SIA発表)
 
 
 
 
 
 
 
2016年 7月
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
 
 
 
2017年 1月
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月
$34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月
$35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月
$37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月
$37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
 
 
 
2018年 1月
$37.59 B
22.7 %
-1.0 %
2018年 2月
$36.75 B
21.0 %
-2.2 %
2018年 3月
$37.02 B
20.0 %
0.7 %


このような熱い活況の世界半導体市場の中で、米中間の通商摩擦が続いており、現下の応酬の動きから以下の通りである。両国政府間の初めての交渉が行われたばかりであり、今後にさらに注目である。

◇Exclusive: U.S. considers tightening grip on China ties to corporate America-Sources: US may restrict China-America corporate ties (4月27日付け Reuters)
→artificial intelligence(AI)領域におけるアメリカと中国の会社間の非公式なコラボが、アメリカ政府により制約されるかもしれない旨。このような布告は、Advanced Micro Devices(AMD), IBM, NvidiaおよびQualcommなどのメーカーにインパクトを与える可能性の旨。

◇米、中国通信大手に新規制、政府調達の禁止検討 (5月3日付け 日経 電子版)
→トランプ米政権が華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の中国通信機器2社に対する新たな規制を検討していることが2日明らかになった旨。中国政府のスパイ活動に使われる恐れがあるとして、政府機関が両社の製品を調達するのを禁じる旨。複数の米メディアが報じ、米国は中国のハイテク企業への圧力を一段と強めている旨。
米中の貿易摩擦が激しくなる中、ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官らは3〜4日、北京を訪れて中国政府と協議する旨。中国の不公正な貿易慣行に加えて、通信分野における安全保障上の問題も議題となる見通しの旨。

◇High powered US-China trade talks in Beijing intensely focused on bitter rivalry over cutting edge technology-Trade talks in Beijing center on next-gen technology (5月3日付け Firstpost (India)/The Associated Press)
→Steven Mnuchin財務長官、Wilbur Ross商務長官およびRobert Lighthizer通商代表など米国通商代表団が木曜3日、米中間通商摩擦打開に向けて北京で中国政府と会合、両国は、artificial intelligence(AI), cloud computing, connected cars, 次世代半導体, ワイヤレス通信など先端技術を巡ってぶつかり合っている旨。

◇米中交渉、激しい応酬、米が赤字22兆円減要求−協議継続、摩擦長期化も (5月4日付け 日経 電子版)
→貿易摩擦を巡る米国と中国の初の公式交渉が4日終わった旨。米国は2020年までに対中赤字を2千億ドル(約22兆円)削減するよう要求し、従来の1千億ドルから上積みした旨。中国は対中輸出制限の緩和などを求めた旨。ハイテク分野での主張も溝は深い旨。米中は協議継続で一致したが、貿易戦争の回避は綱渡りで交渉は長期化の様相を呈してきた旨。

中国の半導体業界は自立化に向けて国家5ヶ年計画に取り上げて邁進している最中にあり、以下率直な反応とともに踏み上げに向けた動きがあらわされている。

◇Why Can't China Make Semiconductors?-After decades of failure, it may now be on the right track. (4月30日付け Bloomberg)
→中国のEC最大手、アリババ社の創業者&会長、Jack Ma氏は、中国は自前で半導体を作る備えがあるとしている旨。それは中国政府にとって長年の目標であるところに、最近の米国によるある技術輸出への締めつけから今や重大なものである旨。その問題は、中国が何10年もの失敗の後にこの難題を最終的に征服できるかにある旨。

◇China has too few chips to play in high stakes tech game-Semiconductor sector revenue in the US edged close to US$250 billion compared to China’s miserly $24.7 billion last year (5月2日付け Asia Times)
→米国との通商係争が技術の戦いに入って展開するなか、世界第2の経済圏はその小さな国内半導体分野の改造を余儀なくされており、さもないと該市場からの締め出しに直面する旨。

◇China's chip industry sees rapid Q1 growth-Two domestic firms ranked among top 8 globally (5月2日付け Global Times)
→中国の半導体製造業界が、グローバル市場でファウンドリーが上昇するなか、2018年第一四半期に急速に伸びている旨。中国・Ministry of Industry and Information Technology(MIIT)が水曜2日リリースしたデータによると、2018年第一四半期において中国・electronic information製造業界は前年比12.5%の伸び、全above-scale産業の伸び率を6.7%上回っている旨。2017年のICs生産数は39.99 billion個に達し、2016年から15.2%増、電子コンポーネント数は1.128 trillion個で同22.7%増。IC Insightsの4月データでも、2017年の世界ファウンドリー・トップ8にともに上海のSemiconductor Manufacturing International Corporation(SMIC)およびHuahong Groupが入っており、後者は販売高伸び率18%で最高となっている旨。

◇SMIC participates in China government-led IC investment fund (5月4日付け DIGITIMES)
→中国の専業ファウンドリー、Semiconductor Manufacturing International(SMIC)発。SMICが、中国のNational Semiconductor Industry Investment Fund(別名Big Fund), IPV Global Technology ManagementおよびL&L Capital Investmentと連携、中国現地の半導体および関連業界へのequity投資に重点化する新しいIC業界投資ファンドを共同で設立する旨。総額CNY1.616 billion($254.4 million)が該ファンド構築に注入され、Big FundはCNY800 millionを担う旨。

米国のMicronは、中国への対抗で台湾での人材獲得を活発化させている。

◇Micron, World's Third-Largest Chipmaker, Plans to Hire More Staff in Taiwan to Counter China's Tech Theft (4月30日付け The Epoch Times)
→米国のメモリ半導体メーカー、Micron Technologyが、今年末までに台湾でoperationsを拡大、800人以上の従業員を雇用する計画、来年さらに350人以上の旨。中国の半導体メーカーが米国メーカーからエンジニアを引き抜こうとしており、中国のライバルとの競合対抗に向けて台湾で人材を雇っている、と4月25日発のThe Nikkei Asian Review。

中国のスマートフォン業界では、出荷の落ち込みも見られて、今後の市場拡大を図るのに躍起の動きがみられている。

◇Smartphone shipments in China dip in 1Q18, says Digitimes Research (4月30日付け DIGITIMES Research)
→Digitimes Researchの評価。輸出を含め中国のベンダーによるスマートフォン出荷が、2018年第一四半期に141.1 million台、前年同期比1.2%減。
Xiaomi Technologyは例外として、中国の主要スマートフォンベンダーのすべてが季節的要因およびLunar New Year holidaysのインパクトから前四半期比30%超出荷が落ち込む旨。

◇China smartphone vendors gearing up for Taiwan market (4月30日付け DIGITIMES)
→市場筋発。Oppo, HuaweiおよびXiaomi Technologyなど中国のスマートフォンベンダーが、台湾での販促キャンペーンを拡大、現地市場シェアのさらに立ち上げを狙っている旨。Oppoは5月7日、最新flagshipモデル, R15およびR15 ProをそれぞれNT$15,990($540)およびNT$18,990の価格で打ち上げる旨。

◇Nearly 50% of new smartphones launched by China makers by year-end 2018 to come with AI applications (5月3日付け DIGITIMES)
→台湾のIC-design houses筋発。トップ4プレイヤー、Huawei, Xiaomi Technology, OppoおよびVivoはじめ中国のスマートフォンベンダーが2018年末までに打ち上げる新しいスマートフォンモデルの約半分が、豊富にしたAI応用を搭載する旨。QualcommおよびMediaTekともに2018年後半に向けて積極的なビジネス見通しを出しており、中国のスマートフォンメーカーに対してAI-centricチップセットソリューションの出荷を立ち上げていく旨。


≪市場実態PickUp≫

【東芝メモリ関連】

中国が来る5月28日までに売却提案を承認するかどうか、注目が集まる東芝メモリであるが、売却は止めてIPOに向かうのではという見方が強まっている現下の以下の推移である。中に、中国の新興メモリ半導体メーカーが日本で活動を始める下りが関連で見られている。

◇Report: Toshiba May Scrap Chip Unit Sale (5月1日付け EE Times)

◇Toshiba accelerates debt repayment as finances improve-The move gives company more freedom over memory sale as banks lose sway-Toshiba pays off debt, may reconsider chip unit sale (5月1日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→東芝のメモリ半導体事業による利益が高まって、東芝は日本の銀行からの借入金を大きく減らし手元cashを改善、中国が5月28日までに東芝メモリの売却提案を承認できなければ、東芝は該事業を手放さずにinitial public offering(IPO)に向けて備える可能性がある旨。

◇東芝、借入金返済進む、取引銀行の融資残高4割減に、半導体の売却、力関係変化も (5月1日付け 日経)
→東芝が借入金の返済を進めている旨。取引銀行の融資残高は2018年3月末時点で約5000億円と、3カ月で4割以上減った旨。堅調な半導体市況などを背景に、足元で東芝の資金繰りが改善しているため。銀行は資金面の支援をバックに構造改革を促してきたが、両者の間の力関係に微妙な変化が表れてくる可能性もある旨。2017年12月末に9000億円強あった東芝向けの融資残高は、3カ月で約4000億円減少した旨。

◇技術者枯渇、東芝の苦悩 半導体メモリ増産に暗雲−外資・車と争奪戦 (5月2日付け 日経 電子版)
→東芝が半導体技術者の採用に頭を抱えている旨。メモリ需要の拡大で三重県四日市市と岩手県北上市に相次ぎ新製造棟を稼働させる計画だが、十分な技術者を確保できない旨。同業のリストラも一巡し、競合他社も経験豊富な人材を高額報酬でかき集めており、成長産業の半導体において技術者枯渇が深刻な問題となっている旨。
JR川崎駅から徒歩4分。オフィスビルの9階に見慣れぬ企業が入居。JYMテクノロジー株式会社。実態は中国国有企業の紫光集団(Tsinghua Unigroup)傘下の半導体メモリ開発会社、長江存儲科技(Yangtze Memory Technologies:YMTC)。国家ファンドが3兆円ともいわれる資金を投じてメモリ工場の建設を託すのがYMTC。半導体業界の「台風の目」が日本で活動を始めた旨。

◇Toshiba Memory Business Sale Reconsidered-Memory business might not be sold after all, as the Japanese company finds unexpected amounts of money in its coffers (5月3日付け EE Times India)

【2017年アナログ半導体】

IC Insightsより、2017年のアナログ半導体サプライヤ・トップ10があらわされている。2位のAnalog Devicesに倍以上の差をつけてTexas Instruments(TI)が首位を堅持している。トップ10社中8社が伸び率10%越えと、ここでも飛躍の様相の度合いがあらわれている。

◇Texas Instruments Expands Lead Among Top Analog Suppliers in 2017-Top 10 suppliers held 59% of analog market last year with ON Semi showing strongest growth. (5月1日付け IC Insights)

◇TI expands lead among top analog suppliers in 2017 (5月2日付け ELECTROIQ)
→2017年アナログICサプライヤ・トップ10、下記参照:
http://electroiq.com/wp-content/uploads/2018/05/3fed36cb-49c2-4a3f-a24c-a5fd1acf60c4.png

◇TI expands lead among last year’s top analogue suppliers-TI tops 2017 sales of analog chips, IC Insights reports (5月2日付け New Electronics)
→IC Insights発。2017年の世界アナログ半導体市場は、トップ10サプライヤが59%を占め、ON Semiconductorが最も力強く伸びた旨。トップ10販売高合計が2017年で$32.3bn、2016年の$28.4bnから増加、10社中8社が伸び率10%を越えている旨。

◇TI expands lead among top analog suppliers in 2017, says IC Insights (5月3日付け DIGITIMES)
→IC Insights発。Texas Instruments(TI)が2017年のアナログintegrated circuits(ICs)トップサプライヤ、売上げ$9.9 billion、市場シェア18%。
TIの2017年アナログ販売高は、前年比16%、約$1.4 billionの増加、第2位のAnalog Devices(ADI)の2倍以上。

【TSMC関連】

TSMCが、台湾・新竹拠点の次世代に向けたR&D増強計画を次の通りあらわしている。

◇TSMC to invest $14 billion in R&D at Hsinchu facility-TSMC fab expansion budget runs to $13.5B (4月27日付け Reuters)
→TSMCが、Hsinchu(新竹), Taiwanのウェーハfab拠点拡大に向けて数年にわたり$13.5 billionを割り当てており、次世代技術に向けたR&D capabilitiesを可能にしていく旨。該投資は同社の2018年設備投資予算、$12 billionに加わるもの、と同社spokeswoman、Elizabeth Sun氏。

◇TSMC Plans to Spend $13.5 Billion Expanding Hsinchu Facility (4月27日付け Bloomberg)

2018 TSMC Technology Symposium(2018年5月1日:Santa Clara Convention Center)が開催され、2000人以上の出席者に今後の最先端対応がプレゼンされている。関連含め以下の概要である。

◇TSMC's Roadmap Full, But Thin-A look at TSMC's 7nm, 5nm plans -EUV readied for 7, 5 nm - but gains decline-Taiwan fab hits 250-W goal with EUV-Glimpses of a half-dozen new package options-Filling out the mainstream menu-Update on China and transistor research (5月2日付け EE Times)
→引き続き即座に複数の方向を突っ走る動き、TSMCが、7-nmプロセス量産中、extreme ultraviolet(EUV) lithographyを用いるversionを来年始め立ち上げ、加えて、5-nm nodeの最初のtimelineをあらわし、6つの新しい実装options、とそれぞれ発表の旨。一方、TSMCは、より主流の22-/12-nm nodesについて電力消費およびleakage提言を推進、specialtyプロセスのlaundry listを進め、embeddedメモリのalphabet soupを展開している旨。同時に同社は今後のトランジスタ構造および材料を探求している旨。

◇AMD, Nvidia graphics could double in performance with new ‘stacked’ tech (5月2日付け Digital Trends)
→TSMCが投入した新技術が、NvidiaおよびAMDによるグラフィックスカードの能力を物理的に大きくすることなく高められる可能性、該技術はwafer-on-wafer(WoW)と呼ばれ、solid-state drives(SSDs)で用いられる3D NANDメモリ技術を真似ている旨。

◇TSMC launches WoW 3D chip packaging tech (5月3日付け Bit-Tech)
→TSMCが、今年の7-nm+プロセスおよび2019年の5-nmの約束とともに、3D stacked半導体技術, Wafer-on-Wafer(WoW)の顧客への提示を始める旨。

TSMCの中国・南京fabの現時点があらわされている。

◇TSMC Nanjing fab reportedly shipping first batch of wafers to Bitmain (5月2日付け DIGITIMES)
→Economic Daily News発。TSMCのNanjing(南京)の新しい12-インチウェーハ工場が、Bitmain Technologies向けの最初のbatchウェーハ出荷開始、HiSiliconのような中国のモバイルSoC clientsではなく、BitmainがTSMCの新しいNanjing fabの最初のclientになっている旨。

【アップルの四半期業績】

iPhoneXの予想を下回る売れ行きが大きな懸念材料とされたが、アップルの1〜3月期決算は以下の通り堅調&好調な結果内容となっている。iPhoneも全体では売上げが伸びるとともに、サービス関連の増大が押し上げている。

◇Apple Shrugs Off iPhone Sales Fears (5月2日付け EE Times)

◇Apple surprises with solid iPhone sales, announces $100 billion buyback (5月2日付け Reuters)

◇米アップル、1〜3月期は25%増益、iPhone販売が伸びる、サービスも大幅増収 (5月2日付け 日経 電子版)
→米アップルが1日発表した2018年1〜3月期決算。売上高が前年同期比16%増の$61.137 billion、純利益が同25%増の$13.822 billion。iPhoneの売上高は同14%増の$38.032 billion、アプリ販売の「アップストア」や音楽配信サービス「アップルミュージック」などのサービス事業が同31%増の$9.19 billionに拡大した旨。

【machine learning関連】

machine learning技術搭載の半導体として、Advanced Micro Devices(AMD)およびGreenWaves Technologies(フランス)の取り組みである。

◇AMD is gearing up for 7-nanometer CPUs and graphics cards-It's sampling "Zen 2" processors and has a 7-nanometer Radeon card in the lab.-AMD to sample 7nm Zen 2 processors ahead of 2019 launch (4月30日付け Engadget)
→Advanced Micro Devices(AMD)が、7-nmプロセスで作られた同社Zen 2プロセッサをサンプル配布する運び、来年量産化の旨。同社はまた、machine learning技術搭載Radeon Instinctグラフィックスカードを出しており、TSMCの7-nmプロセス製造のgraphics processing units(GPUs)が入っている旨。

◇Low-Power Play: GAP8 Weds Multicore RISC-V with Machine Learning-GreenWaves' GAP8 brings low-power machine learning to embedded systems using an eight-core array of RISC-V processors. -Low-power processor packs machine learning tech (4月30日付け Electronic Design)
→GreenWaves Technologies(Villard-Bonnot, France)のGAP8半導体は、open-source RISC-V instruction setアーキテクチャー・ベース、network edgeでのmachine learning tasks実行に低電力代替が得られる旨。該半導体は、8つのRISC-Vコアを特徴とし、convolution neural network accelerator, および9つ目のシステム管理用RISC-Vコアにつながっている旨。

machine learning用のbenchmarks一式を定義づけるコラボの取り組みが以下の通りである。まだまだプラットフォームの充実の必要を感じさせている。

◇AI Gets New Benchmark-Google, Baidu spearhead MLPerf (5月2日付け EE Times)
→GoogleおよびBaiduが、HarvardおよびStanford両大とコラボ、machine learning用のbenchmarks一式を定義づける旨。今までのところ、AMD, Intel, 2つのAI startups, および2つの他の大学が、8月の使用に備える初期版、MLPerfへのサポートを表明の旨。今日のハードウェアは望む性能水準でneural-networking jobsを走らせるに力不足、溢れる新しいacceleratorsが市場にやってくるが、業界にはそれらを測る方法がない旨。


≪グローバル雑学王−513≫

将来自分たちはどうあるべきか、子供たちに未来像を描かせるイベントのニュースをテレビで見たが、単純な作業は賢くなったロボットにやってもらって、自分たちはその分ゆとりをもって高度化された社会で有意義に過ごすという内容が1つにあった。今回で読み終える

『AIロボットに操られるな!人工知能を怖れず使いこなすための教養』
 (大塚 寛 著:ポプラ新書 139) …2017年12月7日 第1刷発行

の訴えに通じるところを感じている。テクノロジーと規制と経済が三位一体に進化してこそのAIロボットの発展であり、これが我が国の将来に必須という本書の締めになっているが、我々一人ひとりそして社会の意識改革がまずあってこそということと思う。


第5章 目的ある自動化のために
 業界への提言と超えるべきハードル =後半=

□今後、伸びてほしい「ロボット企画」ビジネス
・50年、100年先を見据えた総合企画ができる企業が、ロボットの領域でもっと出てきてほしい、出てくるべき
 →広い知識と広い視野と社会に対する課題意識を持つことが大事

□足踏みを続ける日本のロボット業界
・サービスロボットの領域については中国の方がはるかに先行
・差別化が図れず、ユーザにも飽きられ、撤退するか事業を縮小する
 →日本のメーカーは繰り返している

□NECのPaPeRoがブレイクしないわけ
・2001年に登場、NECのコミュニケーションロボット、PaPeRo(パペロ)
 →10年以上前の話、老人ホームで意外や意外、かなり積極的なコミュニケーション光景
 →このPaPeRoはいまだに市販化されていない
  …大企業でよく見られる傾向、ニッチな市場に参入できないという矛盾

□大きな目線でサービスを考えられるか
・あと日本企業の弱点は、ビッグピクチャーを描くのが苦手なこと
・グーグルはインターネットの世界で面を貼り続けている企業
 →急にコンピュータを飛び出して自動運転を始め、さらに今ではドローンも

□改正個人情報保護法の意味するもの 〜ロボット化の最大の障害は法律〜
・2017年5月、改正個人情報保護法が施行
 →監視カメラで撮られた映像をディープラーニングなどの機械学習データとして使ってはいけないと明記
・日本ではテクノロジーの進化に対して法律や規制が障壁になることは珍しくない

□一律すぎるドローン規制
・日本では墜落事故により一気にドローンに規制
 →現在では毎回許可を取らないといけなくなり、心理的な障壁に
・問題なのは画一的に規制をかけてしまうこと

□地球を半周しても「安全」といってもらえないセグウェイ
・(著者が)2008年、セグウェイジャパンを立ち上げ
 →そこからの歩みは、一言でいえば規制との戦いそのもの
 →いまだに公道を走れない

□構造改革特区の存在意義
・2003年の小泉政権の時、規制緩和の対策から始まった構造改革特別区域(略称:構造改革特区)
 →プロトタイプを作ってみんなで「いいね!」と、満足して終わりというケースが目立つ
 →例として、2000年に施行、福岡市のロボット特区
  →大きなビジネスにつなげた企業は結局出て来ず
  →ロボットで何をしたいかという目的がない

□自動運転は認可されるのか
・「道路」は、「薬」と並んで日本の岩盤規制の1つ
 →首相官邸レベルのトップダウンが発動しないと一筋縄ではいかない
・その点、州によって法律が異なるアメリカは有利
 →ドミノ現象が起きやすい環境
・可能性として考えられる自動運転のオンデマンドバス
 →領域が限られるところで特区を設けて、実用化する前提でルール作りを

□技術、規制、経済の三位一体
・(著者が)理想とするロボット業界の発展のしかた
 →テクノロジーと規制と経済が三位一体で進化していくこと
 →ここの足並みが揃わないと、日本はますます衰退していく一方

終章 テクノロジーに依存すると進化が止まる

□ハレーションは避けられない
・ロボット化、自動化が起きる時にハレーション(halation:摩擦)が起きるのは当然
・これから起こるロボットの進化は私たちのライフスタイルや働き方だけではなく、考え方までも変える可能性
 →実際にどうやって使うか、どうやったら共存関係のバランスがとれるか、本質的な議論を

□人口9000万人の時代に現代の技術があったら
・日本の人口は2065年には9000万人弱になるという予測も
 …1955年あたりに相当
 →資本主義や商業主義によって形成された現代人の価値観は1955年に生きる人たちから見ればどう映るのか
 →新しいロボットのカテゴリーを考えるときのヒントになるのでは

□使われるな、使え 〜「判断」の質が変わる時代へ〜
・近い将来、私たちは自分の能力を補完したり拡張したりしてくれるAIロボットが、常に寄り添う状態が当たり前に
・時に合理的に考え、時に直感を信じて、時に極めて適当に選ぶ。それが人生の妙味
 →「最後は自分で決める」という心構えがないことには

□テクノロジーに依存しないために
・人はテクノロジー任せになると、気がつくと自分がまったく成長していないという事態になりかねない
 →テクノロジーの発展と並行して「人間のトレーニング」をしないといけない
  …ディジタル依存の状態から距離を置いて、自分を見つめ直す時間を設けること
・ロボット化、自動化された社会は確かに便利
 →変な方向に行かないためには、人生をどう生きたいか、何を成し遂げたいかという目的意識が重要に

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