セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

種々織り交ざった米中関係摩擦の渦中、見え始めた中国メモリ業界

Broadcomによる買収を米国政府の阻止で切り抜けたQualcommが、今度は自らのNXP Semiconductors買収について中国政府が難色を示してまたも苦境に陥っている。一方、米国政府は安全保障および先端技術への危惧から華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の中国通信大手2社からの製品調達を米国内通信会社に対し禁止している。これらはじめ米中の通商摩擦が引き続く中、中国のメモリ半導体メーカー3社、Yangtze Memory、Innotron MemoryおよびFujian Jin Hua Integrated Circuit(JHICC)の具体的な立ち上げの動きが揃って表わされて、中国メモリ業界の輪郭が破線から実線に移っていく模様を受け止めている。

≪ともに足もとを見た駆け引き≫

知財制裁発動に端を発する今回の米中貿易問題の両者応酬の事態がますます熱を帯びていって、QualcommのNXP Semiconductors買収申請の1件に中国当局の待った!がかけられている。

◇China Delays Deal Reviews as U.S. Trade Frictions Build-Qualcomm and Bain Capital are most at risk if the delays scuttle their respective deals-Report: China slows regulatory reviews as trade tensions rise (4月13日付け The Wall Street Journal)
→本件事情通発。米国との貿易問題がエスカレート、中国がantitrust審査を遅らせている旨。該駆け引きはQualcommには最大の懸念であり、NXP Semiconductorsの$44 billion買収提案に対する中国の法制承認を待っている旨。

Qualcommは、提案申請の見直し、再提出を求められている。

◇China reviewing Qualcomm's bid to buy NXP Semiconductors: MOC-China's regulators challenge Qualcomm's $44B buy of NXP (4月19日付け Xinhua News Agency (China)[新華社])
→Qualcommが、NXP Semiconductorsを買収する提案申請を再提出、中国・Ministry of Commerceが該$44 billion取引に不都合な側面が多過ぎると示したことを受けて。中国と米国の間の通商関係の緊張が高まった時点で出ている動きの旨。

◇China Wary of Qualcomm's $44 Billion NXP Deal Amid Tensions With U.S.-Initial pessimistic review raises questions about whether trade friction with the U.S. is playing a role (4月19日付け The Wall Street Journal)

同社にとっては引き続く難局の事態であり、以下の通り厳しい状況に見舞われている。

◇Qualcomm Begins Layoffs (4月19日付け EE Times)
→Qualcommが、1月に発表したコスト削減計画の一環としてfull-timeおよび臨時のworkersのレイオフを始めている旨。

◇Qualcomm Job Cuts Total 4.4% of Workforce So Far-Chip maker told investors in January that it would reduce expenses by $1 billion-Qualcomm cutting jobs as part of $1B in spending reductions (4月19日付け The Wall Street Journal)
→Qualcommが、$1 billionの出費削減で利益を高める計画を進める中、San Diego本社およびSanta ClaraとSan Jose, Calif.オフィスで1,500人の従業員をレイオフの旨。

◇Qualcomm Cost-Cutting Hits Layoff Phase-Layoff news comes just days after ZTE embargo (4月19日付け EE Times India)

◇クアルコム、止まらぬ受難、NXP買収に暗雲 (4月20日付け 日経 電子版)
→米クアルコムが再び逆風にさらされている旨。米中の通商摩擦により、同社によるオランダ車載半導体大手の買収に中国が難色を示しているため。
クアルコムは19日、中国当局の要請で買収承認を申請し直したと公表。
7月までに進展がなければM&Aで自動車分野に参入するというもくろみは崩れる旨。敵対的買収の標的だった1カ月前は救いとなった米中の攻防が、今度は刃として自身に突き刺さる旨。中国商務省の報道官が買収承認に対して慎重な発言をしたことに追随するかたちで、19日に申請書類の再提出を公表した旨。クアルコムと買収予定のNXPセミコンダクターズは、当初4月25日としていた買収期限を7月25日へと3カ月延長し、事態の推移を見守ることになる旨。

ほぼ並行する形で、米国政府は国内の通信会社に対して中国の大手通信2社の製品調達禁止を決定している。上記のQualcommにとっては顧客でもあり、ここでも痛手を被ることになる。

◇Chinese Tech Company Blocked From Buying American Components (4月16日付け The New York Times)

◇U.S. strike on China's ZTE another blow for Qualcomm-US chip companies banned from selling ICs to ZTE (4月17日付け Reuters)
→中国のZTEがイランへの製品出荷で制裁を受けた後に交わされた2017年合意を侵害したというCommerce Departmentによる決定を受けて、Qualcommなど米国半導体ベンダーが、ZTEへの半導体販売を7年間禁止されている旨。Counterpoint Researchのresearch director、Neil Shah氏はQualcommのZTEスマートフォン向け半導体関連売上げを約$500 millionと見ている一方、Canalysはもっと高いとしている旨。

◇中国通信機器ファーウェイ・ZTE、米制裁で打撃必至−米FCCが調達禁止方針、5G開発、企業イメージに悪影響 (4月18日付け 日経 電子版)

◇米、中国大手2社の通信機器、調達禁止へ (4月18日付け 日経 電子版)
→米連邦通信委員会(FCC)は17日、国内の通信会社に対し、安全保障上の懸念がある外国企業から通信機器を調達するのを禁じる方針を決めた旨。対象企業は今後詰めるが、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の中国大手2社を念頭に置き、中国政府のスパイ活動に使われることを警戒する旨。激しい貿易摩擦を抱える米中の新たな火種となりそうな旨。

◇Chips down: China aims to boost semiconductors as trade war looms-Sources: China to accelerate chip spending in trade imbroglio (4月19日付け Reuters)
→政府当局、regulators, 通商団体およびNational Integrated Circuitry Investment Fundの間の話に精通した2人を引用。中国が、米国との通商緊張が高まる中、国内半導体業界の進展を早めている旨。該議論は、Trump政権がZTEのQualcomm, Intelなど米国半導体ベンダーの半導体購入を止めているのを受けて出ている旨。

◇通信会社の中国製品調達を禁止、米、安保・技術、両面で警戒 (4月19日付け 日経産業)
→米連邦通信委員会(FCC)は17日、通信会社による中国IT製品の調達を事実上禁じる方針を決めた旨。商務省は16日に米企業による中興通訊(ZTE)との取引禁止を決めたばかり。安全保障上の懸念が理由だが、技術競争で中国に追い越されかねないとの焦りもにじむ旨。FCCの規制は、全国に通信回線を普及する目的で設けられた同委員会の補助金を使う通信会社が、安保上の懸念がある外国企業の製品を買うのを禁じる旨。対象企業は今後確定するが「華為技術(ファーウェイ)とZTEの2社が候補」とFCC高官は明言する旨。

◇Q'comm in Crossfire as Trade Tensions Mount (4月20日付け EE Times/Semi Conscious)
→米国半導体サプライヤが米中貿易戦争から失うものがもっとも多くなる可能性の旨。

このような米中摩擦の中、中国の2018年1〜3月のGDPがあらわされている。

◇中国GDP横ばい6.8%増、1〜3月、投資振るわず (4月17日付け 日経 電子版)
→中国国家統計局が17日発表した2018年1〜3月の国内総生産(GDP)は物価の変動を除いた実質で前年同期より6.8%増えた旨。成長率は2017年10〜12月から横ばい。インフラ建設など投資は振るわず、金融監督強化で不動産販売も低迷したが、好調な輸出が下支えした旨。米中の貿易摩擦で輸出の先行きは不透明感が強く、中国経済の不安定要因となりそうな旨。

中国政府は、自動車産業の外資規制をすべて撤廃するという当該各国を引きつけずにはおかないアピールを行っている。

◇中国、車の外資規制撤廃、2022年に、市場開放アピール (4月18日付け 日経)
→中国政府は17日、外資系自動車メーカーの乗用車分野の出資規制を2022年に撤廃すると発表、同年までに電気自動車(EV)や商用車など自動車産業の外資規制をすべて撤廃する旨。米国との貿易摩擦をにらみ、市場開放をアピールするのが狙い。世界最大の自動車市場で日本勢を含む外資メーカーの経営戦略の自由度が高まりそうな旨。

我が国から見ても、昨年度の輸出額について中国向けが久方のこと米国向けを上回っている。半導体製造装置の伸びが大きく効いているとのことである。

◇対中輸出が米向け逆転、昨年度6年ぶり、先端投資拡大で需要 (4月19日付け 日経)
→財務省が18日発表した貿易統計速報(通関ベース)。日本の輸出相手として中国の存在感が強まっており、2017年度の輸出額は中国向けが過去最高を更新し、次の通り米国向けを6年ぶりに逆転した旨。
 中国向け輸出額 18.3%増の15兆1871億円 …半導体製造装置が5割増
 米国向け輸出額  7.5%増の15兆1819億円
あらゆるモノがネットにつながる「IoT」などの需要拡大を受け、半導体製造装置の輸出が牽引、米国向けは主力の自動車が伸び悩んで勢いに差が出た旨。日本の輸出先の構図の変化が浮かび上がった旨。

世界情勢と相まって米中摩擦の動きは当面目が離せないところであるが、そんな折、中国メモリ半導体業界3社の具体的な立ち上げ、展開の動きが揃ってあらわされている。

◇Yangtze Memory obtains first 3D NAND chip orders (4月16日付け DIGITIMES)
→中国の国有Tsinghua Unigroup傘下、Yangtze Memory Technologies(YMTC)のchairman代理でTsinghua Unigroupのexecutive VP、Charles Kau氏。
YMTCが、8GB SDメモリカード用に10,000個超の3D NANDフラッシュ半導体の商用生産に向けた最初の受注獲得の旨。全部で10,776個の32-層3D NAND半導体発注がYMTCに行われ、同社は2018年の終わりごろ該半導体の量産を開始する旨。YMTCは、4月11日にWuhan(湖北省武漢)の同社の新しい12-インチfabでの装置搬入を祝う式典を開催の旨。

◇Innotron Memory gearing up for DDR4 chip production, says CEO-Innotron Memory plans for DDR4 memory production (4月17日付け DIGITIMES)
→中国のInnotron Memory(以前Hefei[安徽省合肥市] ChangXinあるいはHefei RuiLiとして知られる)が、2019年の8Gb DDR4半導体の量産に向けて備えている旨。InnotronのCEO、David NK Wang氏が最近、2018年末に8Gb DDR4半導体の試行生産を始めるとしている旨。Innotronは、2019年にウェーハ20,000枚に達する月次capacityで該メモリの量産に入る予定の旨。

◇China DRAM startup gearing up for production in 2018-Sources: DRAM startup is ahead of schedule with new fab (4月17日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国・Fujian[福建] Jin Hua Integrated Circuit(JHICC)が、7月にも装置搬入を完了、2018年第三四半期の量産への道を開いていく旨。Jin Huaの12-インチウェーハ工場の建設は予定に先行、該工場のphase-one拠点が2018年第三四半期に生産開始予定の旨。該工場の棟上げ式は2017年11月に行われた旨。

これに連動する動きにも注目させられている。

◇SPIL Jinjiang plant to start generating revenues in 1Q19 (4月19日付け DIGITIMES)
→業界筋発。IC packager、Siliconware Precision Industries(SPIL)のFujian, China(中国福建省)にあるJinjiang(晋江市[福建省泉州市に属する県級市])工場が、当初はDRAMメモリのbackendサービスに重点化、2019年第一四半期に売上げ計上し始める旨。SPILは、Siliconware Electronics (Fujian)が総額CNY186.306 million($29.7 million)で新工場を建設、と最近披露の旨。

今後の半導体市場の展開について、中国の半導体業界の進展ぶりが大きなインパクトを与える雲行きのなか、特にメモリ半導体についてはこれから地歩を固めていく段階であるだけに引き続き一層の注目を要するところである。


≪市場実態PickUp≫

【SEMIがESD Allianceを吸収】

半導体をはじめとするマイクロエレクトロニクス製造装置 ・材料の国際工業会、SEMIが、前EDA ConsortiumのElectronic System Design(ESD) Allianceを吸収する形で戦略的に連携していくとしている。設計を取り込んでいかないと完結しない昨今の半導体業界の流れであり、治まらない規模の拡大を映し出している。

◇SEMI to Absorb EDA Trade Group (4月16日付け EE Times)
→以前はEDA Consortiumとして知られたElectronic System Design Allianceが、SEMI trade groupの傘下となり、設計から製造まで半導体ecosystemの中での境界の薄まりを強調する展開の旨。月曜16日にこの2つのorganizationsが発表した取引のもと、ESD Allianceは今年後半戦略的associationパートナーとしてSEMIに統合、ESD AllianceメンバーがすべてSEMIのメンバーになる旨。

◇SEMI announces ESD Alliance to join as Strategic Association Partner (4月16日付け ELECTROIQ)

◇Getting better by design (4月18日付け ELECTROIQ)
→SEMIのPresident and CEO、Ajit Manocha氏記事。IC業界は今や年間売上げ$400 billion超の規模、1つの新しい半導体開発に何億dollarsかかり得る旨。結果として、業界プレーヤーは今や新しい、より深いやり方で繋がり、コラボし、そして革新を図っている旨。これは特にIC設計で当てはまり、半導体設計でできることは製造プロセスが見通し通り開発できる場合のみ行える旨。複雑度が高まり、賭けの度合いが高くなっていって、設計と製造が緊密につながり、一緒にSEMIのmantra、"Connect, Collaborate, Innovate"に当てはまることが意味を成す旨。

◇Strategic Partnership with ESD Alliance Extends SEMI's Reach to Semiconductor Design (4月19日付け 3D InCites)

【IntelのNew Devices Group閉鎖】

Intelが、New Devices Group(NDG)を閉鎖、Vaunt smart glassesプロジェクトにおける開発中止を確認している。wearable gadgetsの取り組みへの難しさがあらわれている。

◇Intel closes its New Devices Group, which built the Vaunt smart glasses-Intel shutters its New Devices Group, giving up on wearables (4月18日付け CNBC)
→IntelのCEO、Brian Krzanich氏が2013年に設立したNew Devices Groupが閉鎖されようとしており、今年投入されたVaunt augmented reality(AR) glassesなどwearable gadgetsにおいてそれほどの進展が得られなかった旨。Information websiteでは、年初に従業員200人であった該グループにレイオフが見込まれるとしている旨。

◇Intel is giving up on its smart glasses (4月18日付け The Verge)
→Intelが、New Devices Group(NDG)の閉鎖、および今年始め明らかにされたVaunt smart glassesプロジェクトでの開発中止を確認の旨。本件はThe Informationが今夕、最初に発表の旨。

【Alibaba Groupの自前半導体開発の動き】

中国の半導体開発国産化の動きが急になるなか、インターネットのAlibabaがembedded CPU処理コア設計のC-SKY Microsystems(杭州)買収を発表している。

◇Alibaba Adds Embedded CPU Core Designer (4月20日付け EE Times)
→中国のインターネットbehemoth, Alibaba Groupが金曜20日、中国国産の32-ビットembedded CPU処理コアを設計するC-Sky Microsystems買収について発表、その取引条件は明らかにしなかった旨。自分たちのビジネスに適合する半導体を設計することを目標に半導体メーカーを取り込もうとする、Google, Amazon, そしてAlibabaなど各社の間で高まる流れを強調する動きである旨。

◇Alibaba buys Chip Manufacturer C-SKY Microsystems-Alibaba acquires an IC design firm in China (4月20日付け Xinhua News Agency (China))
→Alibaba Groupが、自らの半導体開発を高めるべくIC設計メーカー、Hangzhou(杭州) C-SKY Microsystemsを買収、C-SKYは、embedded CPUsに特化、半導体設計に向けた自前のinstruction setアーキテクチャーをもっている旨。

【MicrosoftとMediaTekのIoT連携】

Microsoftは4月16日,米サンフランシスコで開催中のセキュリティカンファレンス「RSA 2018」において,セキュリティにフォーカスしたクラウドベースのIoTプラットフォーム「Azure Sphere」のコンセプトを発表しているが、そのIoT SoC化について台湾・MediaTekと連携していくとしている。

◇Microsoft, MediaTek Team on IoT SoC (4月17日付け EE Times)
→MediaTekがMicrosoftと協働、最初のAzure Sphere半導体、セキュリティおよびconnectivityを内蔵してIoT革新を引っ張る期待のMT3620を今年出していく旨。Azure Sphereは、高度に安全につながったMCU-powered機器向けに設計され、enterprise-classセキュリティがcloud-connected gadgetsについて手ごろに得られる期待の価格である旨。

◇MediaTek, Microsoft team up for IoT (4月18日付け DIGITIMES)


【中国、韓国での拠点建設】

半導体実装&組立の台湾・SPILが、中国福建省の子会社にて新工場建設を発表している。

◇SPIL China subsidiary building new factory (4月17日付け DIGITIMES)
→IC packager、Siliconware Precision Industries(SPIL)(台湾)が16日、同社生産子会社、Siliconware Electronics (Fujian[福建])が新拠点建設に向けてChina MCC20 Groupと取引締結、SPILは総額CNY186.306 million($29.7 million)を充てる旨。

台湾のウェーハメーカー、Globalwafersは、韓国忠清南道の拠点での12-インチウェーハ生産を増強する計画である。

◇Taiwanese wafer supplier Globalwafers to expand plant in central S. Korea-GlobalWafers invests $449M in Korean plant expansion (4月17日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→台湾のウェーハメーカー、Globalwafers Co.が火曜17日、地方政府、当局と連携取引、2020年までに韓国中部の同社拠点を拡張する旨。同社は、South Chungcheong Province(忠清南道)と予備合意に調印、300-mmシリコンウェーハに向けてソウルの南約80km、Cheonan(天安市)の同社工場拡張に$200 millionの海外直接投資など約480 billion won($449 million)を投資する旨。

◇GlobalWafers to expand 12-inch wafer production at Korea plant, report says (4月19日付け DIGITIMES)

【Samsungのblockchain技術導入】

仮想通貨対応で条件の異なる複雑な契約形態を自動的に一元管理するというblockchain技術が、金融取引および情報管理上注目されているが、Samsung Electronicsは世界出荷の帳簿化にこれを取り入れる可能性を示している。

◇Samsung is bringing crypto and blockchain tech closer to its core business (4月16日付け Quartz)

◇Samsung eyes blockchain to manage supply chain-Samsung looks to blockchain tech for supply chain management (4月17日付け The Taipei Times (Taiwan)/Bloomberg)
→Samsung Electronicsが、世界出荷、billions of dollarsを帳簿につけておくためにblockchain元帳を取り入れる可能性の旨。blockchain技術は出荷関連コストを20%削減できる、と該グループの物流およびIT部門、Samsung SDS Coのblockchain chief、Song Kwang-woo氏。

【AIを巡る動き、議論】

人工知能(AI)の運用に向けて、グローバルハイテク大手の投資およびM&Aが活発化している現時点があらわされている。

◇Global tech giants rushing to invest heavily in AI deployments-Tech firms aim at AI with acquisitions, investments (4月13日付け DIGITIMES)
→Alibaba Group, Foxconn Group, Qualcomm, IntelおよびNvidiaなど大手ハイテクメーカーにとって多くのこのような各社とともに、artificial intelligence(AI)関連技術が優先順位のトップに挙がっており、AI startupsを買収する動き、あるいは小規模の会社へのかなりの投資が行われている旨。

一方、AIの推進について倫理的な観点からの議論を呼んでいる現時点でもある。

◇We Have the AI Technology, But is it Ethical? (4月17日付け EE Times/Blog)
→artificial intelligence(AI)は、関わるいかなる技術よりも倫理関連の議論を引き起こしている旨。


≪グローバル雑学王−511≫

将来の街づくりに向けて、ビルのIoT化・ロボット化、自動運転、ドローンなど移動手段、そして遠距離勤務と、

『AIロボットに操られるな!人工知能を怖れず使いこなすための教養』
 (大塚 寛 著:ポプラ新書 139) …2017年12月7日 第1刷発行

より先端技術を駆使した展開を見ていく。かくも夢のような便利さを感じる一方、我々の社会の進展に馴染む法整備の現実的なハードルが思い浮かんでくるのは年齢世代からくるものか。いくつも驚きの内容があるが、1つとして、自動運転の米国・テスラのイーロン・マスク氏が考案した地下のトンネルの超高速な「真空チューブ輸送」、「ハイパーループ」を韓国政府が4年後の実用化を目指しているという下りである。


第4章 未来のスマート都市の作り方
 テクノロジーをどう社会に活かしていくか

□未来の都市、アブダビ・マスダール
・未来の街づくりを象徴するような都市、マスダール(Masdar)
 →アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ(Abu Dhabi)の砂漠地帯に建設中
 →自前で生成された再生可能エネルギーだけによる都市機能
  廃棄物を出さないゼロエミッション
  街の地下に掘られた専用トンネルの中を縦横無尽に走る自動運転の小型車両
・SF映画や漫画の世界で見てきた都市が、実現間近

□街のプラットフォーム化とは
・社会全体が自動運転になれば、渋滞も緩和されるはず
 →その過渡期の混在社会(自動運転と手動運転)
 →街をあげてIoTや法律を整備する必要

□街づくりのキープレイヤーはデベロッパー
・こうした総合的な街づくりをする時に誰が音頭をとるべきか
 →デベロッパー(土地開発業者)
・オランダのとある街にて、デベロッパー主体で「街のリノベーション」
 →街の中心にあたる駅から半径2キロ圏内は車の乗り入れを禁止
 →駐車場からほかの移動手段に切り替えるパークアンドライド方式
・移動手段の選択肢増
 →街そのものの活性化にもつながる

□日本での成功事例、柏の葉
・日本のデベロッパーにも街づくりのノウハウ
 →成功例:千葉県柏市のゴルフ場跡地に三井不動産が作ったスマートシティ、柏の葉
  …環境共生、新産業創造、健康長寿の3つのキーワード
  …行政と大学と民間が綿密にタッグ
  →セグウェイが住民の手によって運用
  →呼び出し式のバス(オンデマンドバス)
 →ヨーロッパ的な街づくりに近い、理想的なモデルケース

□コンパクトシティを増やしていくために
・多くのデベロッパーは建築の発想は得意なものの、テクノロジーの発想がまだ足りない
 →最先端技術を持ったベンチャー企業に積極的に投資をするような流れ
 →日本の各地に未来都市が徐々に増えてくるのでは
・政府が積極的にやるべきことは、街のIoTを実現するためのフォーマットの整備
 →いろいろな鉄道会社各社が独自のICカード
  →時間が経つにつれ、どのカードでもほぼ全国対応できるように
 →個別に進んでいき、のちに連携をとって対応するやり方が得意なのかも

□ビルに「知性」を与えるIoT化
・都市を語る前にやるべきことが山積み
 →働いたり生活したりするビルのIoT化、ロボット化
 →ビル自体に「知性」を与えることでオフィス環境はより快適に変わる
・しかし、IoTが実現した知性のあるビルの登場はまだこれから

□オフィスのロボット化すらできていない
・実際にはオフィス空間のインテリジェント化すら進んでいない現状

□点在する技術をどう調理するか
・社員証を兼ねてビジネスパーソンが首からぶら下げているNFC(近距離無線通信)タグ
 →鍵やタイムカードの代わりとして使うだけではあまりにもったいない
・オフィスやビルは家庭と違って目的が明確なはず
 →その領域でロボット化ができないから、街のロボット化などできない

□次世代セグウェイ
・今後のパーソナルモビリティ(PM)のトレンド
 →マニュアル操縦と自動走行が切り替えられること
・PMの需要は確実にあるものの、規制が追いついていないのが現状
 →緩和に向けた議論もすでに10年が経過

□移動弱者を救うためにもPMの議論を活発に
・今の日本では電動車椅子やシニアカーには時速6キロという規制
 →過疎化と高齢化の進む日本、年々増える移動弱者
 →PMに関する議論がもっと活発になる必要

□「ラストワンマイル」をコーディネートする
・PMは歩道を走る前提のもの
  →最終目的地までの「ラストワンマイル」をコーディネート可能
・世界初のロボットホテル、ハウステンボスリゾートの「変なホテル」
 →アメリカのサビオーク社(Savioke, Inc.)のデリバリーロボット「Relay」
  …荷物や食事を部屋に届けてくれる
 →今、宅配業界で課題視されている不在時の再配達の負担をなくすヒントに

□上海−ニューヨーク間の移動が39分に
・テスラによる自動運転など目指しているイーロン・マスク氏、またまた物凄い構想
 →同氏が率いるスペースXで実験中の再利用可能ロケットを、長距離旅客輸送の手段として活用する構想
  →2022年から進出予定

□ハイパーループ構想は世界標準になる勢い
・イーロン・マスク氏といえば、次世代の交通システム「ハイパーループ」でも有名
 →地下にトンネル、減圧されたチューブの中を列車が宙に浮いた状態で進む
 →韓国では4年後の実用化に向けて導入を決定
  …列車移動でソウル-プサン間の3時間弱が、ハイパーループだと30分に短縮

□移動手段としてのドローン
・世界中のベンチャー企業が有人ドローン、PMとしてのドローンの開発も着々と
 →中国企業のEhangが開発した自律型有人ドローン「Ehang 184」
  …2016年のCES(世界最大の家電見本市)
  →「ドローンタクシー」での利用を見据えたもの
  →ドバイではすでに定期運行に向けて動き出し、別の機種を使った「空を飛ぶ白バイ」の導入も

□空の交通整理もコンピュータで自動化
・米航空宇宙局(NASA)と米連邦航空局(FAA)
 →ドローン時代に向けた管理方法を模索
・グーグルの親会社、アルファベットのプロジェクト、「Project Wing」
 →ドローンの交通整理をするプラットフォームの実現

□遠距離勤務が当たり前に
・固定のオフィスを持たずに自分の好きな場所で仕事をする働き方、「ノマド(遊牧民)」の後押し
 →現在のビデオ通話の欠点は臨場感が足りないこと
 →VR(Virtual Reality=仮想現実)が普及すれば解消可能
  →キーワードは「没入感」…目の前に相手がいるかのような感覚を持つ環境を用意すること

月別アーカイブ