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敏感に受け止める日々の動き:市場の変わり目、5GおよびAI関連

春節、旧正月のお休みも終わり、半導体・エレクトロニクス市場での売れ行きそして今後に向けた本格的な始動、立ち上がりに目が行くタイミングである。メモリ半導体が引っ張る熱い活況がいつまで続くか、この年始めの市場のデータがあらわれ始めて、一層敏感に受け止める日々の動きとなっている。メモリ半導体の値動き、インパクト大のiPhoneはじめスマホの売れ行きとともに、新市場、新分野の動きが活発で規模的にも支えになってきているだけに特に第5世代モバイル技術(5G)および人工知能(AI)の展開に注目する現時点である。

≪目が離せない動き&進展≫

半導体市況については、アップルのiPhone Xの減速が以下の通り取り上げられている。

◇好調半導体に異変、iPhone X減速響く、一部は1割安 (2月17日付け 日経 電子版)
→半導体メモリ市況の潮目が変わりつつある旨。米アップルのiPhone X(テン)の生産調整や中国メーカーのスマートフォン販売の減速で一部のメモリは価格下落に転じた旨。半導体はメモリを中心に需要が持続的に伸び、市況も堅調に推移してきたが、調整局面に入ったのかどうかを素材や製造装置を含め、半導体業界は見極めようとしている旨。
スマホの記憶装置などに使うNAND型フラッシュメモリは、需給を敏感に反映するスポット(随時取引)価格が3カ月前と比べ1割安前後の水準で推移している旨。おおむね2016年後半から続いた上昇局面が足元で変調してきた旨。

◇サムスン、有機EL、4割減産、iPhoneX減速で (2月19日付け 日経 電子版)
→韓国サムスン電子は有機ELパネル工場の稼働率を当初計画の約6割の水準に落とす旨。有機ELパネルを独占供給する米アップルのスマートフォン「iPhone X(テン)」の減産に対応する旨。iPhoneXの生産調整は半導体メモリの価格を押し下げるなど、関連部品の生産計画などにも影響が広がってきた旨。

◇iPhoneX失速鮮明、販売台数シェアで1割切る (2月20日付け 日経 電子版)
→減産が報じられている米アップルの最新スマートフォン、「iPhone X(テン)」の失速が鮮明になっている旨。当初の見込みと異なり、Xよりも安い「iPhone8」が売れ筋の中核になっているため。スマホの全販売台数シェアでも10%を切るなど、「X」の存在感は急速に薄れている旨。
調査会社BCN(東京・千代田)によると、家電量販店やネットショップにおけるスマホ全体の販売台数のうち、「X」の構成比は1月時点で9.6%。発売直後の11月の21.7%から大きく下がった旨。

どの程度連動するかはあるが、メモリ半導体の価格についてもこのところ低下懸念の見方があらわれている。

◇Prices of NAND chips to stabilize in 2018-IHS Markit: NAND flash prices to be more stable this year (2月19日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→業界tracker、IHS Markit発。今年のNANDフラッシュメモリの平均価格が、生産増加から大きく安定化する見込みの旨。昨年のNANDフラッシュメモリのaverage sales price(ASP)は、前年比7.4%増、$0.31/gigabyteであったが、今年のASPは$0.24に下がり、さらに2019年には$0.15、2021年には$0.08と昨年の価格の4分の1に落ち込む見込みの旨。

◇Smartphone slump has chipmakers pondering fate of 'supercycle'-iPhone X production cut sends memory prices falling by 10% (2月19日付け Nikkei Asian Review)
→メモリ半導体の価格が3ヶ月で約10%低下、グローバル半導体業界が調整段階に入ってきているという懸念を引き起こしている旨。

スマートフォンについて昨年第四四半期の販売数量が、初めてのこと、前年比割れとなっている。

◇Worldwide sales of smartphones recorded first ever decline during the fourth quarter of 2017 (2月22日付け ELECTROIQ)
→Gartner社発。2017年第四四半期のスマートフォンのエンドユーザ向けグローバル販売が約408 million台、前年同期比5.6%減。これは、Gartnerが2004年にグローバルスマートフォン市場を追跡し始めて以来、初めての前年比減少の旨。

活況の半導体製造装置について北米のこの1月のデータがあらわされているが、若干前月比割れながら高水準を維持している。

◇North American semiconductor equipment industry posts January 2018 billings (2月23日付け ELECTROIQ)
→SEMI発行、January Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report。北米半導体装置メーカーの2018年1月世界billingsが$2.36 billion、前月($2.40 billion)比1.4%減、前年同月($1.86 billion)比27.2%増。

Billings
Year-Over-Year
(3ヶ月平均)
August 2017
$2,181.8
27.7%
September 2017
$2,054.8
37.6%
October 2017
$2,019.3
23.9%
November 2017
$2,052.3
27.2%
December 2017 (final)
$2,398.4
28.3%
January 2018 (prelim)
$2.364.8
27.2%

[Source: SEMI (www.semi.org), February 2018]

しばらくは市場の流れ、変化の度合いに目が離せないところとなっている。

次に、進展著しい新市場、新分野から、まずは5G関連の活発な動きを取り出して以下の通りである。

◇Movandi, Keysight Collaborate on 5G mmWave-Movandi teams with Keysight for 5G millimeter-wave tech (2月19日付け EE Times)
→startup、Movandi(Newport Beach, CA)が、Keysight Technologies(Santa Rosa, CA)と協働、MovandiのBeamX millimeter-wave front-end beamforming設計の認証に向けてKeysightのテスト装置を用いる旨。
Movandiは、5Gワイヤレスconnectivityに用いられるradio-frequency IC(RFIC)およびbeamforming antenna arrayを開発の旨。

◇Samsung and NI collaborate on 5G New Radio interface tests-Samsung, National Instruments team to test 5G New Radio interfaces (2月20日付け Electronics Weekly (UK))
→NIが携帯電話大手、Samsung Electronicsと連携、5G New Radio(NR) radioインタフェース提案に向けて5G test UEs(user equipment)を開発の旨。

Mobile World Congress(2018年2月26日〜3月1日:Barcelona)を間近に控えて、各社の打ち上げである。

◇Ceva Brings AI to 5G -Ceva launches 5G IP platform, called PentaG (2月22日付け EE Times)
→来週のMobile World Congress(2018年2月26日〜3月1日:Barcelona)にて、いわゆる“enhanced Mobile BroadBand(eMBB)”が現時点誰もの主要なチャンス、激しい5Gレースが繰り広げられるところの旨。Ceva社(Mountain View, California)は、包括的5G New Radio enhanced Mobile Broadband IP Platform、PentaGをもってBarcelonaに乗り込み、5Gスマートフォン, fixedワイヤレスaccessおよびembedded機器設計者に向けて該プラットフォームを案出の旨。flexibleアーキテクチャーベースの該PentaGには、いくつかのkey IPコンポーネントがある旨。

Intelの取り組みには、中国との連携が目を引いている。

◇Intel Takes 5G to PCs, Spreadtrum-5G tablet/notebook combo at MWC (2月22日付け EE Times)
→IntelがMobile World Congress(2018年2月26日〜3月1日:Barcelona)にて、5G cellular modem組み込み2-in-1 PCのworking prototypeを披露、少なくとも2つのOEMsが来年出荷する型のシステムの旨。cellular modem事業を拡大する別の動きとして、Intelは中国のSpreadtrumとの5G SoC設計コラボを発表の旨。Dell, HPおよびMicrosoftが、XMM 8060 5G modemを用いるPCsの2019年末前の出荷に向けてIntelと協働している旨。

◇Intel lays out its 5G plans ahead of Mobile World Congress-Intel rolling out 5G devices at Mobile World Congress (2月22日付け TechCrunch)
→Intelが、来るMobile World Congress(Spain)にて5G-enabled two-in-one機器を展開する予定、その詳細はほとんどリリースされていないが、同社のXMM 8060 5G modem搭載が特に言及されている旨。

◇Intel, Unigroup Spreadtrum & RDA team up for 5G smartphone chips in China (2月23日付け DIGITIMES)
→handsetsおよびIoT機器向けモバイルSoCソリューションの設計&開発に特化するTsinghua Unigroupの子会社、Unigroup Spreadtrum & RDAが、Intelと連携、中国市場向けに設計の5Gスマートフォンプラットフォームを開発する旨。該プラットフォームはIntel 5G modemを盛り込んで、2019年の5Gネットワーク運用に一致させる狙いの旨。

平昌五輪で5G技術を華やかにプレゼンしたSamsungであるが、最先端7-nm EUV技術を他社に先駆けて5Gに適用、Qualcommと連携していく、と以下の打ち上げである。

◇Samsung, Qualcomm to make 5G chips with 7-nanometer process-Qualcomm's future Snapdragon 5G mobile chipsets will be manufactured using Samsung's 7-nanometer Low Power Plus (LPP) extreme ultra violet(EUV) process.-Qualcomm to use Samsung's LPP tech in 5G chips (2月22日付け ZDNet)
→Qualcommが、Snapdragon 5G半導体の開発にSamsungの7-nanometer Low Power Plus(LPP)プロセス技術を使用、Samsungは、この技術によりmicrochipsの大きさを減らすことができ、最大40%の面積効率増加が生み出されるとしている旨。

◇Samsung, Qualcomm join hands to produce chip for 5G mobile technology (2月22日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→Samsung, Qualcomm両社は、10年に及ぶ協力をExtreme Ultra Violet(EUV) lithographyプロセス技術に拡大、Samsungの7-nanometer Low Power Plus(LPP) EUVプロセス技術を用いる今後のQualcomm Snapdragon 5Gモバイルチップセットの製造などの旨。

◇Qualcomm Taps Samsung's 7nm EUV for 5G (2月23日付け EE Times)
→Qualcomm(San Diego)が、長年のファウンドリーサプライヤ、Samsung Electronicsと引き続き協働、Samsungのextreme ultraviolet(EUV) lithographyを伴う7-nm Low Power Plus(LPP)プロセス技術を用いてSnapdragon 5Gチップセットに取り組む旨。Samsungは、長らく遅れているEUVの生産化で先行する狙い、今年の後半から7-nm LPPプロセスで用いる計画の旨。Intel, TSMCおよびGlobalfoundriesなど他のleading-edge半導体メーカーのEUV生産目標は、2019年のいつかとなっている旨。Qualcommは、Snapdragon 5Gに向けての該7-nm LPP EUVプロセス技術使用によりfootprintが小さくなり、handset OEMsにはより大きな電池あるいはより小型な設計をサポートするスペースが得られる旨。

次に、AIについては、まだ初期段階、これからということで、アカデミックな色合いが強い以下の各社のプレゼン、打ち上げとなっている。

◇Google, Nvidia Share on AI at Stanford-Chips, algorithms “need to co-evolve”-AI scientists speak at Stanford conference (2月19日付け EE Times)
→SysML symposium(2018年2月15-16日:Stanford University[Stanford, CA])にて、Amazon, Facebook, GoogleおよびNvidiaからのexecutivesがartificial intelligence(AI)およびmachine learningの展望をプレゼン、「deep learningがcomputersを如何に設計するか変えてきているが、custom machine-learningハードウェアはほんの初期にあり、プロセッサ設計にたくさんの創造性があって前途は刺激的になっていく。」と、Google Brainチームメンバーで該イベントorganizerのJeff Dean氏。

◇Computers learn to learn-Neuromorphic chips developed by Intel, research teams (2月20日付け New Electronics)
→Intelがドイツ・HeidelbergおよびDresdenからの研究者とコラボ、BrainScaleS, LoihiおよびSpiNNaker neuromorphic半導体prototypesを開発、artificial intelligence(AI)およびmachine learning技術の加速が約束される旨。SpiNNakerは、144のArm Cortex-M4 coresがあり、36 billion instructions per second(BIPS)の計算が可能の旨。

AIのビジネス面の動きも目が離せないが、引っ張るstartup企業の資金調達について昨年中国が急拡大、米国を上回っているとのこと。今後の具体的な進展に注目するところである。

◇スタートアップ資金調達、AI分野で中国世界一、昨年世界の48%、米を抜く (2月23日付け 日経)
→中国の創業間もない人工知能(AI)関連企業による2017年の資金調達額が米国を抜いて初めて世界一になったことが、米調査会社、CBインサイツの調べでわかった旨。中国企業は顔認証やAIプロセッサの開発に多額の資金を投じている旨。特許や論文動向でも米中は競っており、最先端技術の競争が米中2強の時代に入ったことを印象づけている旨。CBインサイツによると、世界のAIスタートアップ企業による2017年の資金調達額は152億ドル(約1兆6264億円)で過去最高、うち中国企業が48%を占め、米国の38%を上回った旨。中国は2016年の11.6%からこの1年で急拡大した旨。


≪市場実態PickUp≫

【Qualcomm対Broadcom】

BroadcomのQualcommに対する買収提示が踏み上げられたものの、Qualcommはまだ低いとして拒絶する一方、株主advisory筋からは交渉継続の働きかけが行われている。

◇Qualcomm Rejects Broadcom's Offer, Says Open to More Talks (2月16日付け Bloomberg)

◇Qualcomm Again Spurns Broadcom's Latest Offer (2月19日付け EE Times)
→Qualcommが、Broadcomからの$121 billion買収提示について先週の両社間meetingの後再び拒絶、しかしよく目立つ株主advisory会社が、Qualcommが引き続き取引交渉を行うよう勧めている旨。BroadcomのPresident and CEO、Hock Tan氏に金曜16日宛てた手紙でQualcommは、役員会がBroadcomのtakeover入札額が低過ぎるとして全員一致で拒絶、しかし今後の話し合いには応ずる用意としている旨。

Broadcomからの敵対的買収を避けようと、QualcommはNXP Semiconductorsに対する買収提示価格を引き上げに転じている。

◇Qualcomm enters into amended definitive agreement with NXP (2月20日付け ELECTROIQ)

◇Qualcomm deals blow to Broadcom's bid with sweetened NXP deal-Qualcomm ups NXP offer to $44B (2月20日付け Reuters)
→Qualcommが、Broadcomからの敵対的買収を避けようと、NXP Semiconductors買収の同社提示を$44 billionに引き上げの旨。
ElliottおよびSoroban Capital Partnersなどいくつかの株主が、Qualcommの新たな入札を支援している旨。

◇Qualcomm Raises Bid for NXP to $44 Billion-Move could also help chip giant as it seeks to fend off takeover interest from Broadcom (2月20日付け The Wall Street Journal)

◇Qualcomm Raises Offer for NXP to $44 Billion (2月21日付け EE Times)

それではとBroadcomは、Qualcommに対する買収提示を3.7%下げて、QualcommのNXPに対する動きに圧力をかけ、互いに応酬の様相を深めている。

◇Broadcom Cuts Offer for Qualcomm Over New NXP Deal Price -Move comes after Qualcomm raised its offer to buy NXP Semiconductors to $44 billion (2月21日付け The Wall Street Journal)

◇Broadcom Reduces Bid for Qualcomm (2月22日付け EE Times)

◇Broadcom cuts Qualcomm offer to $117 billion after new NXP deal-Broadcom reduces Qualcomm bid to $117B (2月22日付け Reuters)
→「Qualcommのboardは株主の最善の利益に抗して動いている」とステートメントにてBroadcom、一方、QualcommはBroadcomが"むしろ悪い不適当な提示"を行なったと述べた旨。

◇ブロードコム、クアルコムへの買収提案額を引き下げ−委任状争奪戦、不透明に (2月22日付け 日経 電子版)
→米ブロードコムは21日、クアルコムへの買収提案額を3.7%下げると発表、総額は約40億ドル低い1170億ドル(約12兆6千億円)となる旨。クアルコムが車載半導体大手、NXPセミコンダクターズの買収額を引き上げたため、クアルコムの企業価値が下がると判断した旨。ブロードコムは「支持を得る自信がある」としており、3月までの委任状争奪戦で株主に問う考えの旨。クアルコム株の買い取り額を、直近提案していた1株82ドル(現金60ドル、ブロードコム株22ドル)から同79ドル(57ドル、22ドル)に変更する旨。クアルコムが20日にNXPの買収額を16%(総額で約60億ドル)上げたことを織り込んで再評価したとしており「NXP買収が成立しなければ従来通り1株82ドルを払う」(ブロードコム)旨。

株主advisory筋より、Qualcommへの批判が見られている。

◇ISS Questions Qualcomm's Commitment to Negotiating With Broadcom-Qualcomm should be negotiating with Broadcom, ISS says (2月22日付け Bloomberg)
→Qualcomm社がBroadcom Ltd.に対し受け入れられる入札価格を伝えていないとして、Institutional Shareholder Services(ISS)社が批判、取引交渉のcommitmentに疑問を呈している旨。

【2017年半導体R&D投資】

IC Insightsより、2017年の半導体R&D投資についてトップ10ベンダーがあらわされている。Intelがトップ10総計の36%、全体でも約22%と圧倒的な主導性を示しており、現時点はメモリが引っ張る市況のなか、業界の基軸を象徴している。

◇Top 10 semiconductor R&D spenders increase outlays 6% in 2017 (2月20日付け ELECTROIQ)
→2018年1月にリリースされたThe McClean Reportの2018年版。2017年の半導体R&D投資・トップ10ベンダー総計が$35.9 billion、2016年の$34.0 billionから6%増。Intelが引き続き抜きん出てR&D投資を行っており、2017年で$13.1 billionに達して、昨年の同社半導体販売高の21.2%を占め、2017年R&D投資トップ10総計の36%、そして世界全体半導体R&Dの2017年R&D投資$58.9 billionの約22%を占めている旨。
2017年半導体R&D投資トップ10ベンダー、下記参照:
http://electroiq.com/wp-content/uploads/2018/02/top-10.png

◇Top Chipmakers Raise R&D Bets (2月22日付け EE Times)

◇Top 10 semiconductor R&D spenders increase outlays 6% in 2017, says (2月22日付け DIGITIMES)

【CPU脆弱性関連】

そのIntelも、今年の初めからセキュリティ欠陥のCPU脆弱性問題に見舞われているが、現時点直面している訴訟の状況である。

◇Intel hit with 32 lawsuits over security flaws-Intel faces class-action suits related to Spectre, Meltdown (2月16日付け Reuters)
→Intelが、同社microchipsにおけるSpectreおよびMeltdown欠陥に関連して32件の集団訴訟に直面している旨。同社は、securities lawsを侵害とする訴訟2件にも直面の旨。

一方、影響を受ける同社半導体についての修復対応の現況である。

◇Intel ships update for newest Spectre-affected chips-Intel releases updated patch for Spectre flaw (2月21日付け TechCrunch)
→Intelが、Spectre欠陥で影響を受ける同社第6、第7および第8世代半導体に向けたpatchをリリース、同社は、もっと旧い半導体モデルについてのfixのbeta-testを行っている旨。

◇Intel's new Spectre fix: Skylake, Kaby Lake, Coffee Lake chips get stable microcode-Intel makes progress on reissuing stable microcode updates against the Spectre attack. (2月21日付け ZDNet)

【コバルト争奪戦】

電気自動車の普及を見据えた電池用材料のコバルトを巡る争奪の様相が、以下の通りあらわされている。先行きに必要な量の見込み、そして採掘会社から直接購入する動きに向かう米アップルである。

◇Apple in Talks to Buy Cobalt Directly From Miners-Apple moves to secure cobalt supply from miners (2月21日付け Bloomberg)
→Appleが、電池メーカーからの購入ではなく、機器電池用の大量のコバルトを採掘会社から直接購入する提案を検討している旨。Darton Commoditiesによると、昨年lithium-ion電池で55,000トン以上のコバルトが用いられ、2030年までにその数字が324,000トン以上に達する見込みの旨。

◇Battery Customers Rush to Secure Cobalt Supplies (2月22日付け EE Times India)

◇米アップル、コバルトの直接購入検討、EV普及で争奪戦−米報道 (2月22日付け 日経 電子版)
→米アップルが電池に使うレアメタル(希少金属)のコバルトの長期・直接購入に向け、採掘会社と交渉をしていることが分かった旨。同金属はリチウムイオン2次電池に不可欠で、最近は自動車各社が電気自動車(EV)の普及を見据えて購入を増やしている旨。巨大企業による「コバルト争奪戦」は市況にも影響を及ぼしそうな旨。
米ブルームバーグなどが報じ、年間数千メトリックトンに及ぶコバルトを、5年かそれ以上の契約で調達できないか採掘会社と交渉している旨。
どの地域の鉱山を想定しているかなどは明らかにしていない旨。

【大規模工場投資】

Intelが、イスラエルの拠点に$5 billionの投資を計画、トランプ政権が肩入れする政情との重なりがどうしても気になるところがある。

◇Intel execs present $5b Israel investment plan-Intel plans $5B expansion of Israeli wafer fab (2月21日付け Globes (Israel))
→Intelが、Kiryat Gat, Israelにある同社ウェーハ製造拠点の生産拡大に向け、2020年までに$5 billionを投資する旨。「Intelのイスラエルで主要投資を継続して行う選択は、イスラエル国およびイスラエル経済への自信の重要な1票である。」と、イスラエルの経済産業相、Eli Cohen氏。

一方、メモリの熱い活況の先頭に立つSamsungであるが、いつまで続くかという懸念がついて回るのも事実、ロジック/ファウンドリー対応の7-nm以降に向けたfabライン建設の取り組みである。extreme ultraviolet(EUV) lithography技術を他社に先行、駆使するとしている。上記の5G関連の中、Qualcommとの連携に見られる通りである。

◇Samsung begins construction of $6 billion EUV semiconductor line-The new $6 billion line in Hwaseong will produce semiconductors under 7-nanometers for use in next-generation mobiles and servers when it begins operation in 2020.-Samsung building $6B fab line for EUV production (2月23日付け ZDNet)
→Samsung Electronicsが、Hwaseong, South Korea(京畿道華城市)拠点にてウェーハfabラインの建設を開始、extreme ultraviolet(EUV) lithography装置を用いて7-nm以降のfeaturesの半導体を作る旨。該$6 billion fabラインは、2019年に完成、2020年に生産を始める旨。

◇Samsung breaks ground on new EUV line in Hwaseong (2月23日付け DIGITIMES)

◇サムスン、LSIに6400億円投資、メモリ変調に備え (2月23日付け 日経 電子版)
→韓国サムスン電子は23日、60億ドル(約6400億円)を投じてソウル郊外に半導体工場の新棟を建てると発表、電子機器などの頭脳となるシステムLSIの受託生産事業を広げる旨。受託生産で世界首位の台湾積体電路製造(TSMC)と競うと同時にメモリ市況の変調に備える思惑もある旨。


≪グローバル雑学王−503≫

AIスピーカーに各社が参入、普及し始めているが、会話するAIの仕組みおよび問題点、そして重要な情報かそうでないかを取捨選択、重要な方を残すことの重みを、

『知識ゼロからの 人工知能入門』
 (清水 亮 著:スマート新書 003) …2017年12月1日 初版第1刷発行

より辿っていく。あるAIスピーカーがこの正月から家にあるもののこなせなくて、放りっぱなしになっている小生の現況ではある。Wikipediaの全文を読んであらゆる質問に答える人工知能と、近い将来あらわれておかしくないイメージが以下に描かれている。


第5章 会話する人工知能

□「人工無能」と呼ばれるプログラム
・市販品のロボットに搭載された会話AI
 →「ただいま」と言えば「おかえり」と返し、適当なタイミングで相槌を打つ。いまのところこの程度
・会話AIの出現
 →1964年にMITのワイゼンバウムが開発した「イライザ」
  …精神科医のように振る舞うソフト、ユーザは患者として接することに
  →単純なパターンマッチと決まり文句を言っているだけ
・日本ではこうしたプログラムは人工無能と呼ばれている

□シナリオベースの会話AIの仕組み
・IBMのワトソン
 →さらに融通のきかない原始的なシナリオベースの会話システムを搭載
 →起動時にはデフォルトのモードに
  …何もしていない状態
 →気の遠くなるような会話パターンをあらかじめシナリオ構造として持っておく必要
・すべての会話パターンを網羅することは誰にも不可能

□ハリポテの会話AIとはまったく異なる深層学習
・深層学習の驚くべき成果
 →ハリボテの会話AIとは別次元の会話を実現することができるところ
・非常に単純だが極めて強力なニューラルネットワーク、Seq2Seqを用いた翻訳とまったく同じ仕組みの会話AI
 →同じ言語同士で、問いかけに対する答えをひたすら学習させた
 →学習データとなったのは、膨大なアメリカ映画の英語字幕
・シナリオベースの会話AIとSeq2Seqによる会話AIの違い
 →言葉が文字通りニューラルネットから紡ぎ出されている

□深層学習を用いた会話AIの明らかな問題点
・Seq2Seqによる会話AIの明らかな課題
 →意思を持った人格をプログラミングすることができない
・肝心なこと、AIは単に人間の反応を真似ているに過ぎず、何も考えていない
 →既存の人工無能とほとんど変わりがない
・会話AIには夢があるのは確か
 →「知識を獲得して質問に答えるAI」、「賢い」AIを次章で

第6章 To memorize, or not 覚えるか、忘れるか、それが問題だ。

・今日の人工知能研究、効率的に忘れることが重要ということがわかってきている
 →「忘れる」とは、重要な情報かそうでないかを取捨選択、重要な方を残す、ということ

□覚えることよりも適切に忘れることのほうが難しい
・原始的なニューラルネットワークの1つ、アソシアトロン(associatron)
 …「プラス」「マイナス」「不明」の3状態を持つ記銘/想起ネットワーク
 [注] 記憶の3つのプロセス
    「記銘」…インプットすること
    「保持」…長期記憶として保つこと
    「想起」…必要なときに思い出すこと
・アソシアトロンに覚えさせるパターン数に制限はない
 →おもしろいのは、あまりにたくさんパターンを覚えさせると記憶が曖昧になり、うまく思い出せなくなるという性質
 →正確に覚えることよりも適切に忘れることの方がずっと難しく、そして重要かもしれない
・深層学習を使った自然言語解析などに用いられるLSTM(Long short-term memory)
 →記憶をいつまで維持すべきかということも学習
 →忘却ゲートという仕組み
  …それまで学んだ内容をいつ忘れるべきか学習する
・LSTMを使うと、それまでの機械学習にはできなかった時系列データの理解ができるように

□Wikipediaの全文を読んであらゆる質問に答える人工知能
・Facebook AI Researchが公開しているオープンソースの人工知能、「DrQA」
 …Wikipediaの全文を読み、そのうえでさまざまなクイズの問題と答えを学び取りそこからあらゆる質問に答える
・忘却ゲートという仕組みのあるDrQAならば、情報の大事なところだけを記憶しているため、ちゃんと正解にたどり着くことができる
・DrQAは、当然ながら万能ではない
 →質問文がクイズの問題のような明快な英文じゃないと正しく解釈できない
 →エヴィデンス(根拠)がある場合は正確に出てくる
・近い将来、Wikipediaの知識だけから、ほとんど完璧な答えを導き出す人工知能が生まれてもおかしくない

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