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熱気高まる第一四半期各社業況、メモリが牽引、新市場への期待

半導体メーカー各社の2017年1-3月四半期の業績発表に注目、現下のメモリが引っ張る市況を反映して、Samsung、SK Hynixの非常に好調な数値が見られるとともに、インテル、Texas Instruments(TI)もPC価格の上昇、車載および産業用市場の力強い需要で前年同期を大きく上回る内容となっている。
北米半導体装置メーカーの2017年3月世界billingsも、2001年3月以来の高水準を示しており、今なお記憶に残るあのITバブルを彷彿させるところがある。モバイル機器に加え、IoT、AI、AR/VR、自動運転など豊富なキーワードが躍動する新分野、新市場の地に着いた拡大に期待するものである。

≪16年ぶりの高水準データも≫

2017年1-3月四半期の業績発表を見ていくと、まず韓国のSK Hynixについて。メモリ需要の拡大ぶりを反映して、売上高が前年同期比72%増、そして過去最高の四半期営業利益を達成している。

◇SK Hynix Posts Record Profit as It Pursues Toshiba's Chip Unit-SK Hynix reports quarterly profit of $2.2B (4月24日付け Bloomberg)

◇SK Hynix posts record revenues and profits for 1Q17 (4月25日付け DIGITIMES)
→SK Hynixの2017年第一四半期の連結売上げがKRW6.29 trillionおよびoperating profitsがKRW2.47 trillion($2.2 billion)、ともに最高水準を記録の旨。SK Hynixの該四半期のDRAMビット出荷は前四半期比5%減ったが、ASPsは同24%上昇の旨。

◇SKハイニックス、営業最高益、1〜3月、メモリ需要拡大 (4月26日付け 日経)
→韓国半導体大手、SKハイニックスが25日発表した2017年1〜3月期の連結決算。売上高が前年同期比72%増の6兆2895億ウォン、営業利益が同4.4倍の2兆4676億ウォン(約2340億円)。スマートフォンやサーバ向けのメモリが牽引、四半期ベースで過去最高の営業利益を達成した旨。

そしてメモリの世界最大手、Samsungも、もちろん絶好調のメモリが引っ張って、半導体部門が全社の営業利益の6割超を占める結果となっている。

◇Samsung Rides Components Business to Highest Quarterly Profit in Three Years-1st-quarter net profit jumped 46%; tech giant rejects holding-company structure (4月26日付け The Wall Street Journal)

◇Samsung Lifted by Strong Memory Chip Sales (4月27日付け EE Times)

◇Samsung foresees bigger profit in 2017 as memory chips soar (4月27日付け The Washington Post)

◇Samsung posts record Q1 profit helped by memory chips-Samsung Electronics' first quarter profit rose nearly 50 percent to 9.9 trillion won, with semiconductors contributing nearly two-thirds thanks to unprecedented strong performances in memory chips. (4月27日付け ZDNet)

◇サムスン電子の営業益48%増、半導体が牽引=1〜3月期 (4月27日付け 韓国・聯合ニュース)
→韓国のサムスン電子が27日発表した1〜3月期の連結決算(確報値)。売上高が前年同期比1.5%増の50兆5500億ウォン、本業のもうけを示す営業利益が半導体事業の好調を追い風に同48.3%増の9兆9000億ウォン(約9700億円)を記録した旨。

◇サムスン電子、有機ELはや収益源に −トップ不在でも独走、日本勢は遅れ (4月27日付け 日経 電子版)
→韓国サムスン電子が有機ELパネルをいち早く収益源にしている旨。27日発表した2017年1〜3月期連結決算はディスプレイ部門の好調もあり、営業利益は過去2番目の高水準を記録した旨。メモリなど半導体部門が営業利益の6割超を占めた旨。ディスプレイ部門を支えたのは、1000億円規模の利益を稼いだ有機EL。スマートフォン向けに集中する戦略で独走し、日本勢を周回遅れにしている旨。

アナログ半導体最大手、米国のTexas Instruments(TI)は、車載および産業用市場向けの力強い売上げが牽引して、以下の好調な内容である。

◇Texas Instruments Sees Chip Sales Growth in Auto, Industrial-TI rides growth in auto, industrial chips (4月25日付け Bloomberg)

◇Automotive Strength Drives TI's First Quarter Sales (4月26日付け EE Times)
→Texas Instruments(TI)社の第一四半期販売高が$3.4 billion、前年同期比13%増、generally accepted accounting principles(GAAP)でのnet incomeが$997 million、同40%増。車載および産業用市場向けの力強い販売高が引っ張って、予想を上回る売上げの伸びの旨。売上げの内訳:
 アナログ半導体      $2.57 billion 前年同期比20%増
 embedded処理       $803 million 前年同期比10%増
 DLP製品, calculatorsおよびcustom ASICsなどその他製品
              $343 million 前年同期比14%減

◇Texas Instruments Sees Chip Sales Growth in Auto, Industrial (4月26日付け Bloomberg)

半導体最大手、インテルも、事前の市場予想は下回ったもののPC価格の上昇が押し上げ要因の1つとなって前年同期比では快調な業績数値内容となっている。同社でも3D NANDおよび新規の3DXPメモリと、メモリが今後に向けた加勢要因となる状況がある。

◇Intel Boosts CapEx 20%-PC ASPs bolster quarter, outlook (4月27日付け EE Times)
→Intelの第一四半期の売上げが$14.8 billion、前年同期比8%増、net incomeが$3 billion、同45%増。明るくなっている半導体市場の渦中、Intelが2017年売上げ予測を僅かに上方修正、PC価格の上昇が1つとして後押しの旨。同社はまた、年次capital equipment予算を$12 billionに高めており、2018年に引き続く期待の水準であり、1つに立ち上がる3D NANDおよび3DXPメモリのサポートがある旨。
第一四半期の売上げの内訳:
 clientグループ $8 billion 前年同期比6%増 …PC価格7%上昇が牽引
 データセンターグループ   前年同期比6%増

◇Intel's revenue misses estimates as data center growth slows (4月27日付け Reuters)
次に、さらに熱い活況の前年同期比の数値があらわれている半導体製造装置業界である。この半年についての北米半導体装置メーカーの世界billingsが以下の通り非常に高レベルの推移となっており、2017年3月は世界的ITバブル以来16年ぶりの力強い値となっている。新分野、新市場が引っ張る確かさに期待を賭けざるを得ないところである。

◇March billings reached levels not seen since March 2001, reports SEMI (4月21日付け ELECTROIQ)
→SEMIのMarch Equipment Market Data Subscription(EMDS) Billings Report発。北米半導体装置メーカーの2017年3月世界billingsが$2.03 billion(3ヶ月平均ベース)、2001年3月以来の高水準。

Billings(3ヶ月平均)
Year-Over-Year
October 2016
$1,630.4
20.0%
November 2016
$1,613.3
25.2%
December 2016
$1,869.8
38.5%
January 2017
$1,859.4
52.3%
February 2017 (final)
$1,974.0
63.9%
March 2017 (prelim)
$2,026.2
69.2%
[Source: SEMI (www.semi.org), April 2017]

◇Global billings for semi equipment makers reach 16-year high in March (4月24日付け DIGITIMES)
→SEMI発。北米半導体装置メーカーの2017年3月の世界billingsが$2.03 billion(3ヶ月平均ベース)、前月改定の$1.97 billionより2.6%増、前年同月の$1.20 billionより69.2%増。「3月billingsは2001年3月以来ぶりの力強い水準に達している。」と、SEMIのIndustry Research and Statistics、senior director、Dan Tracy氏。

◇Fab Tool Billings Reach 16-Year High (4月25日付け EE Times)

現在の市況を映し出すデバイス業界 シリコンウェーハ業界、そして半導体業界全体の端的な切り出しが、以下それぞれに表わされている。

◇3D NAND to make up half of all flash memory production-3D NAND flash availability will remain tight as Apple devours more of it for the iPhone-Data: Half of flash memories will be 3D NAND (4月25日付け Computerworld)
→DRAMeXchangeの予測。今年生産されるNANDフラッシュメモリすべての50%が3D NANDフラッシュメモリデバイスになっていく旨。メーカーが該stackedメモリ半導体の生産を増やし、Appleが新しいiPhoneモデルにさらに多く使っていく旨。64-層3D NANDフラッシュメモリの量産が今年後半の間に始まるとしている旨。

◇Silicon wafer suppliers seeking long-term contracts-Sources: Wafer vendors want long-term contracts (4月25日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Siウェーハサプライヤが、3D NANDフラッシュメモリ向け需要が高まって供給逼迫の渦中、半導体顧客に長期契約を結ぶよう勧めている旨。信越はTSMCおよびUMCに対し、十分な供給を確実にするよう3年契約を求めている旨。

◇In the Chips: Tech's Sleeping Giant Becomes a $352 Billion Cash Cow-The proliferation of connected devices and big data is handing new clout to chip makers, as a flood of demand pushes up prices-Analysis: The chip industry awakens to a new era (4月26日付け The Wall Street Journal)
→artificial intelligence(AI), 自動運転, ビッグデータ, internet of things(IoT)など応用の増大によるelectronics増殖で、半導体業界にとって成長と繁栄の新しい時代となっている旨。DRAMs, NANDフラッシュメモリデバイスおよびプロセッサが半導体販売高の大方を占めて、トッププレーヤーには着実あるいは上昇する売上げが得られる旨。

SamsungおよびSK Hynixが大きく支えていると思うが、韓国経済全体も輸出のプラスが目立つ1-3月となっている。

◇韓国GDP、0.9%増、1〜3月、輸出プラスに (4月27日付け 日経 電子版)
→韓国銀行(中央銀行)が27日発表した2017年1〜3月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期に比べて0.9%増。設備投資の増加基調が続いていることに加え、建設投資や輸出が増加に転じ、市場予想(0.7〜0.8%)を上回る伸びとなった旨。成長率は6四半期連続で0%台にとどまったが、前期の0.4%に比べると伸び率は高まり、やや薄日がさしてきた旨。設備投資は同4.3%増。半導体産業が好調で、製造設備などの投資が増えた模様の旨。輸出は同1.9%増、前期は0.1%減だったが、半導体や機械の輸出が増え、プラスに転じた旨。

このような市況を受けてか、アジアでのSEMICON展示会も活況を呈している模様である。

◇SEMICON Southeast Asia attendance surges on disruptive technology (4月25日付け ELECTROIQ)
→SEMICON Southeast Asia 2017(SEMICON SEA 2017)(4月25-27日:SPICE Arena, Penang, Malaysia)は今回、最大30%増の入場者が見込まれる旨。


≪市場実態PickUp≫

【トップ人事】

メモリが引っ張る熱い市況のなか、最大手の一角、マイクロンについてかねて退任を求めていたMark Durcan氏の後任として、前SanDiskのCEO、Sanjay Mehrotra氏が指名されている。NANDフラッシュの発明者の1人であり、SanDiskはWestern Digitalに買収されて東芝メモリと主力工場を共同運営するという経過で、入り組んだ競合模様を受け止めている。

◇Micron Makes Mehrotra Next CEO (4月27日付け EE Times)
→Micron Technology社が、前SanDiskのCEOでNANDフラッシュのco-inventor、Sanjay Mehrotra氏を5月8日付けで同社president and chief executive officer(CEO)に指名、しばらく前から退任を求めていたMark Durcan氏を引き継ぐ旨。該leadershipの変化は、半導体価格上昇の渦中でメモリベンダーが短期の浮かれ騒ぎにあるときに行われ、長期的には、新興のメモリ半導体の挑戦およびDRAMおよびフラッシュ市場に思い通り入り込みたい中国に直面する旨。Mehrotra氏は、SanDiskの創設CEO、Eli Harari氏とともにNANDフラッシュの3人のco-inventorsの1人であり、Harari氏が退任した2011年からWestern Digitalにより2015年後半発表された$19 billion mergerで買収されるまでSanDiskのCEOを務めた旨。

◇Micron appoints Sanjay Mehrotra as President and CEO (4月28日付け ELECTROIQ)

もう1つ、STマイクロがDeputy CEOを置いて今後に向けた体制固めを行っている。

◇STMicroelectronics appoints Jean-Marc Chery as Deputy CEO and names new executive team (4月27日付け ELECTROIQ)
→STMicroelectronicsが、2017年7月1日付けでJean-Marc Chery氏をDeputy CEOに任命、現在Chief Operating Officerを務めるChery氏は、新たな役割でもSTのPresident and CEO、Carlo Bozotti氏にreportする旨。
Chery氏はこんど、Technology and Manufacturing並びにSales and Marketingの全体責任を担う旨。

◇Bozotti to Remain CEO as ST Elevates Heir Apparent (4月28日付け EE Times)

【東芝メモリ入札関係】

関連する動きの経過が引き続き以下の通りである。Western Digitalの意向を無視できない状況が浮き彫りになっており、日米のファンド連合が軸となって入札が進みそうな形勢の現時点の模様である。革新機構・KKRを中心とした日米連合を、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業、韓国のSKハイニックスおよび米国のブロードコムの各陣営が追い上げる格好という構図に読めている。

◇KKR, INCJ Team For New Toshiba Bid (4月21日付け EE Times)
→日経、金曜発。米国のprivate equityファンド、KKRが日本の官民ファンド、Innovation Network Corp. of Japan(INCJ:産業革新機構)と連携、東芝のメモリ部門に共同で入札する旨。

◇KKR, public-private fund plan bid for Toshiba Memory-Western Digital may join well-positioned US-Japan alliance-Report: KKR, INCJ join for Toshiba Memory bid (4月22日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇半導体装置、日立が売却、中核のインフラに集中 (4月26日付け 日経 電子版)
→日立製作所は半導体製造装置子会社、日立国際電気を米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と日本産業パートナーズ(JIP:東京・千代田)の日米ファンド連合に売却する方針を固めた旨。KKRとJIPは日立国際株にTOB(株式公開買い付け)を実施し、日立の保有株を含めた全株の取得を目指す旨。買収総額は2千億円強となる見通し。日立は選択と集中を加速し、インフラ分野で先行する欧米大手を追い上げる旨。

◇東芝、半導体移管に遅れ、米WDの合意得られず (4月28日付け 日刊工業)
→東芝が分社して設立した半導体子会社「東芝メモリ」を巡り、提携する米ウエスタンデジタル(WD)の合意が得られず、事業移管が滞っていることが27日までに分かった旨。東芝とWDが出資する工場運営会社の株式について、WDの承諾を得られず、東芝の持ち分を東芝メモリに移行できない状態。このままでは東芝から独立後の東芝メモリの事業運営は困難で東芝メモリ売却の入札の阻害要因と判断される可能性が大きい旨。

◇米ウエスタンデジタルCEO「我々が最適なパートナー」強調、東芝半導体巡り (4月28日付け 日経 電子版)
→東芝の半導体メモリ売却を巡って、主力工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)のスティーブ・ミリガン(Steve Milligan)最高経営責任者(CEO)が27日、「我々が最適なパートナーであり、東芝のすべてのステークホルダーにとって将来的な価値を創出できる」と強調した旨。現状について「問題解決に向けて幅広いステークホルダーと議論している」と述べた旨。

◇東芝の半導体入札、革新機構が日米連合の核に −鴻海、米政府に協力訴え (4月28日付け 日経 電子版)
→官民ファンドの産業革新機構は28日、意思決定機関「産業革新委員会」を開き、東芝の半導体メモリ事業への出資方針について確認、米投資ファンドなどとの連携に動き出した旨。メモリ事業入札では、独占禁止法などの制約が少ない日米ファンド連合が本命視される旨。ただ、2次入札締め切りの5月中旬に向け、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業など他陣営の巻き返しの動きも活発になっている旨。

【第一四半期のスマホ市場】

世界スマートフォン市場が、2017年1-3月四半期に伸びの元気をやや取り戻している。中国勢の伸びが大きく支える状況をはっきり示すトップ5ベンダーのデータ内容となっている。

◇Worldwide smartphone market gains steam in the first quarter of 2017 with shipments up 4.3%, according to IDC (4月27日付け ELECTROIQ)
→International Data Corporation(IDC)のWorldwide Quarterly Mobile Phone Tracker速報データ。2017年第一四半期の世界スマートフォン出荷が347.4 million台、前年同期比4.3%増、前回予測3.6%増を上回った旨。
トップ5ベンダーのデータ:

ベンダー
1Q17出荷
1Q17シェア
1Q16出荷
1Q16シェア
前年同期比
1. Samsung
79.2
22.8%
79.2
23.8%
0.0%
2. Apple
51.6
14.9%
51.2
15.4%
0.8%
3. Huawei
34.2
9.8%
28.1
8.4%
21.7%
4. OPPO
25.6
7.4%
19.7
5.9%
29.8%
5. vivo
18.1
5.2%
14.6
4.4%
23.6%
Others
138.7
39.9%
140.0
42.1%
-1.0%
Total
347.4
100.0%
332.9
100.0%
4.3%

[Source: IDC Quarterly Mobile Phone Tracker, April 27, 2017]

【中国大手の取り組みから】

中国半導体業界自立化を引っ張るTsinghua Unigroupが、今後に向けたあるべき目標を表わしている。

◇Tsinghua Unigroup fighting to become a top chipmaker-Chairman says Toshiba bid not 'worthwhile' as chances are slim-Tsinghua Unigroup aims at mobile, memory (4月24日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→Tsinghua Unigroupのグループchairman、Zhao Weiguo氏。同社は、2020年までにモバイルプロセッサにおいてQualcommおよびMediaTekに対する競争力を高める計画、そしてTsinghuaは10年でメモリ半導体のサプライヤ・トップ5にいると予想している旨。

インターネット大手、百度(Baidu)が、自動運転プラットフォームを公開する計画、Project Apolloを発表、グーグルに挑む主導性を鮮明にしている。

◇百度、自動運転車向けオープン技術基盤「Apollo」--ソフトや車両、ハードを提供 (4月25日付け CNET Japan)
→百度(Baidu)が、同社の自動運転車向けソフトウェアプラットフォームなどをオープンソース化する取り組み「Project Apollo」を発表、同プロジェクトを通じて提供される技術を利用することで、自動運転技術の研究と開発に参入する障壁が低くなり、技術革新の速度が高まる旨。プロジェクト名のApolloは、月着陸を実現させた米国のアポロ計画にちなんだものの旨。

◇Baidu Battles Google on Robo-Car Derby (4月26日付け EE Times)
→中国のインターネット大手、Baiduが先週、同社の自動運転プラットフォームを公開する計画、Project Apolloを発表、大方は自動運転車開発が依然萌芽的であることから、多くの自動車業界watchersを驚かせた旨。しかしながら、同社はartificial intelligence(AI)技術のR&Dに大きく投資、自動車業界で多くのビジネス契約を行っていることから、robo-carソフトウェアを主導したいのは理解できる旨。

【ファウンドリー業界の厳しさ】

22-nmに向けたGlobalFoundries, IntelおよびTSMCそしてSamsungのそれぞれ手を尽くしたアプローチの戦いが始まっている一方、追いかけるUMCの苦しい状況が垣間見える以下の内容である。

◇22nm Process War Begins-High price of moving to finFETs pushes foundries to offer a less expensive alternative.-Foundries fight it out at 22nm node (4月24日付け Semiconductor Engineering)
→GlobalFoundries, IntelおよびTSMCがファウンドリー顧客に向けて22-nmプロセスを開発しており、28-nm featuresからの移行においてより高価でない代替を提示の旨。ファウンドリー各社は、22-nm選択肢メニューとしてplanar bulk complementary metal-oxide-semiconductor(CMOS), fully depleted silicon-on-insulator(FD-SOI)およびFinFETsを出している旨。

◇UMC Sees Weakening Demand at 28nm-28nm chips are a foundry battleground (4月27日付け EE Times)
→台湾・UMCの2017年第一四半期の28-nmプロセス売上げ比率が17%で、前四半期の22%から低下、約3年前に該プロセス技術を立ち上げて以降3度目となる四半期ベース低下の旨。「需要が今1つ弱く、顧客が予想より早くより先端の寸法に移行している。」と、UMCのCEO、Po-Wen Yen氏。

◇UMC to roll out 22nm process as early as 2018-UMC preps for a 22nm process, ships 14nm chips (4月28日付け DIGITIMES)
→UMCが投資家に対し、同社は22-nmプロセスに向けたintellectual property(IP)を準備しており、2018年あるいは2019年に該技術を投入する計画の旨。同社はまた、14-nm features搭載半導体を第一四半期の間に出荷を開始、該プロセス製造capacityはウェーハ約2,000枚/月に維持されており、現在増やす計画はない旨。


≪グローバル雑学王−460≫

安部首相が4月28日からロシアを公式訪問、領土問題以外にも経済連携プロジェクトについて協議する運びとなっているが、昨年来特に相互の接触が増えている日露関係について、

『日本人として知っておきたい「世界激変」の行方』
 (中西 輝政 著:PHP新書 1076) …2017年2月21日 第1版第4刷

より、著者の主張に以下触れていく。歴史的に線引きをして我が国の領土としたものを、第二次大戦後のドタバタの最中にロシアのものとなって現在に至っている経過を振り返って、我が国の「理」を押し通す一貫性を強く求めている。「二島返還」という誤った譲歩案だととうに妥結できたと、おおもとの線引きを死守すべきと主張が展開されている。


第2章 日露"北方領土"交渉と売国の危機

◆日露交渉の「夢」と「悪夢」
・繰り返し頭をよぎる思い
 →遠からず必ず到来する、未来のロシアとの真の和解の機会を持つべきではないか
・2016年12月のプーチン訪日と日露首脳会談を巡る私(著者)なりの注目点
 →(1)日露交渉はつまるところ、領土問題
   →今後の交渉方針として「新しいアプローチ」なるものの内実が明らかになるか
   →国後・択捉という残りの二島の帰属を決定することなく平和条約締結のプロセスに入ることをどのくらい明示的に示すか
 →(2)注目されるのが、「法と正義」という原則に則った四島の返還を強く訴えてきた保守陣営の世論の動向
 →(3)かなり違っていたロシアや欧米での観測報道
   →(1)と(2)で前提としていた予想は日本国内での報道に基づくもの
   →双方の内外両面でのプロパガンダ戦略が複雑に絡み合うものに

◆狂騒的な日露接近の契機となった「八項目の提案」
・狂騒的ともいえる、昨今の日露接近の動きの大きな契機
 →2016年5月、安倍首相がロシアのソチ訪問、大規模な対露経済支援策「八項目の提案」
 →この訪問については、アメリカのオバマ大統領が強く制止したと伝えられる
・日露関係の問題とは徹頭徹尾、領土の問題にほかならない
 →日本に返還(あるいは引き渡し)されることになる領土とはいったい「どの島」なのか
 →ここが日露交渉のまさに「肝の肝」
・国後・択捉の日本帰属を確定したのちに平和条約を結ぶのか、そこを曖昧にしたまま条約締結に走るのか
 →「国家百年の計を誤つか否か」の分かれ道
・プーチンのいう「引き分け」とは何なのか
 →平和条約締結後の歯舞、色丹の二島だけ(北方領土四島全面積の僅か7%でしかない)の日本への引き渡しが最大限の譲歩ということと思われる
 →これは引き分けでも何でもなく、日本の全面屈服にほかならない
 →「歴史的な正義」と「法の支配」の原則に基づいた領土問題の解決という、日本の先人たちの血のにじむような努力の上に形成されてきた日本の外交的立場を放棄することになる
・プーチン大統領の後継候補ナンバー-1とされる人物、メドヴェージェフの国後島と択捉島への「入れ込みよう」
 →なぜ日本の政治家やメディアはもっと直視しようとしないのだろう

◆北方領土問題の「理」は明らかに日本にある
・北方領土問題の「理」――つまり法と正義――が日本にあることは明らかな歴史的事実
 →1644年に江戸幕府が作成した『正保御国絵図』
  …「クナシリ(国後)」「エトロホ(択捉)」などが御国(日本領)の一部として記載
 →1855年2月7日、徳川幕府がロシアとの間に日露通好条約(下田条約)を締結
  …日本領土を再確認――千島列島の最南端にある得撫島(うるっぷとう)と、その南の択捉島の間に両国の国境線
 →択捉島以南が日本固有の領土であることは、たとえ何年、時が経っても動かしようのない事実
・この2月7日が「北方領土の日」として制定

◆「サンフランシスコ平和条約で放棄」説は明確に誤り
・重要になる日本国民の認識
 →1951年9月7日、サンフランシスコ講和会議における吉田茂首相の演説
 →国後・択捉を日本固有の領土であるとする日本の立場を明らかに
・先述の歴史的事実と併せて、「日本はサンフランシスコ平和条約で国後・択捉の二島は放棄」という説は誤っている

◆「二島返還」であれば、いつでも誰でも妥結できた
・二島だけの返還で実質幕引きとする、という話ならば、これまで日本はいわば「いつでも誰(どの政権)でも妥結できた」はず
・これまで外務省は、二島で降りるという妥協の交渉に傾くことをギリギリ自制してきた
 →日本の国際的信用に関わる「国家としての原則」問題
・1991年4月、ゴルバチョフ大統領の訪日の際の共同声明
 →四島をめぐって領土問題が存在する、ということを日ソ(露)両国が初めて公式の文書で認めた
・1993年10月、エリツィン大統領が訪日、「東京宣言」合意
 →択捉島、国後島、色丹島および歯舞群島の帰属に関する問題について真剣な交渉
 →日本が今後も死守すべき領土問題解決の大原則
・要約すれば次の2つの命題に
 →(1)明記された四島の帰属問題が解決されて初めて平和条約が締結される
  (2)その領土問題の解決は、「歴史的・法的事実に立脚して」「法と正義」の原則を基礎として行われる
・北方領土は、江戸期、あれほど西欧列強の圧迫を受けている時期ですら、日本人が歯を食いしばって守り抜いた地
 →戦後の歴代政権は今日に至るまでソ連(ロシア)に対し、「歴史」と「法と正義」に基づいて四島返還を求め続けてきた
・歯舞・色丹の二島返還だけで易々と平和条約締結を進めるようなこと
 →文字通り「売国」行為と言わざるを得ない

◆「新しいアプローチ」の正体
・2016年5月のソチでの日露首脳会談
 →「今までの発想にとらわれない『新しいアプローチ』で、交渉を精力的に進めていくとの認識を両首脳で共有」
・驚くべきことに、2009年の時点で、すでに「新たな(独創的で型にはまらない)アプローチ」との文句が北方領土交渉に関し、浮上している
・2016年10月8日付け読売新聞、政府筋の話
 →「新しいアプローチ」の具体的内容として「過去の合意文書ではなく、『四島の将来像』を描くことから出発する」アプローチ
・そうしたアプローチがじつは7年も前から地下で動いていたとしたら、この国はいったいどうなっているのかと嘆かざるを得ない

◆「なぜ」「この時期に」プーチンと?
・歴史的事実の認識に加え、さらに次の2つの点から、安倍政権の日露交渉の方針に対しては根本的な疑問を呈さざるを得ない
 →(1)なぜ、このタイミングで、ロシアとの北方領土問題の解決に日本が動いてしまったのか
  (2)なぜ、今のプーチン大統領と手を握るのか
・日露間で合意した「法と正義」の立場を貫かず、歴史事実と従来の日本の政権が維持してきた主張すら蔑ろにすることの問題
 →日本は領土では簡単に譲歩しない国だ、というこの「国際的信用」つまり国家の安全保障の支えを失うことに
・北方領土に関する妥協が日本に大きな悲劇をもたらす4つの理由
 →(1)ロシアに四島の領土返還という日本のこれまでの主張を譲歩したと見られたら、今後、誰が日本の主張に対し、真剣に耳を貸そうとするだろうか
  (2)万が一、北方領土の二島返還で平和条約の締結へと踏み切るようなことがあれば、習近平主席が「いまや機は熟した」と判断、尖閣諸島をめぐって軍事圧力をいっそう本格化させるのは火を見るより明らか
  (3)現在も、ロシアに対する制裁を解いていない国際社会
   →「法の支配」を真っ向から覆すロシアに対し、平和友好条約締結というほどの接近を行うことは、少なくいって「適切ではない」ことは誰の目にも明らか
  (4)伝えられている方向での日本の対露接近は、国際秩序の要である同盟国、アメリカの支持と信用を失う危うい冒険外交
   →トランプ政権のアメリカも、日本の対露独自外交には反対するはず
・少なくともいま、領土で大幅に妥協してまで平和条約を結ばなければならない理由は何もない

◆「慰安婦合意」と同様、"保守の沈黙"が帰趨を決する
・日ソ平和条約の締結は憲法改正と並んで岸信介、安倍晋太郎以来の「岸・安倍家の遺訓」だという話も
 →2016年10月19日付け朝日新聞にて、安倍首相の心境について側近筋
 →「慰安婦問題を巡る日韓合意の前に似ている。保守層を納得させられるのは自分しかいないという気持ち」

◆日露接近では中国を牽制できない
・現在、日露関係は接近しつつあり、米露関係と日中関係はきわめて悪い
 →日本がロシアに接近すれば、当然、「米中接近」が起こると考えられる
 →これこそ日本としていちばん困る事態ではないのか
・結論として、(著者が)最も強く訴えたいこと
 →危うい交渉に踏み込むより先に、まず日本が自力をつけることの必要性
・以下の3つの支柱によってまず国家の足元を固め、ギリギリであっても「日本が一国として立つ」力を確保してから、本格的に北方領土問題の交渉を行っても決して遅くはない
 →*何よりも防衛力の大幅な増強
  *情報・インテリジェンス力(サイバー能力含め)の飛躍的な整備
  *憲法九条改正
・「経済ではけっして領土は売らない」
 →プーチンだけでなく今日、世界の常識のなかの常識

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