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引き続くM&A(米国のアナログ:中国のメモリ:…)およびIoT関連の動き

事業の規模拡大、中身拡充を図るM&Aの波がまたぞろ押し寄せている。アナログ半導体業界で共に米国のAnalog DevicesがLinear Technologyを買収、新たにメモリ半導体の構築を図っている中国にてTsinghua UnigroupがWuhan Xinxin Semiconductor Manufacturing Corp.(XMC)を傘下に入れてメモリ拠点を合併、そして欧州ではSTMicroelectronicsがAMS AGからNFC, RFID reader事業を買収している。そしてもう1つ、internet of things(IoT)事業推進に向けたコンソーシアム、協業体制の設立が、エレクトロニクス・半導体業界で活発化する現下の広い意味合いでの統合の動きを構成している。

≪収まらないM&Aの波≫

まずは、米国でのAnalog DevicesによるLinear Technology買収について以下の通りである。アナログ半導体業界で4位のAnalog Devicesと8位のLinear Technologyがまとまって、シェア18%と圧倒的にリードする首位のTexas Instrumentsはじめライバルたちへの対抗を図っている。

◇ADI to Acquire Linear Tech for $14.8 Billion (7月26日付け EE Times)
→Analog Devices Inc.(ADI)(Norwood, MA)が、ライバルのLinear Technology社(Milpitas, CA)を約$14.8 billion規模のcashおよび株式取引で買収、株主承認待ちの該取引は、アナログ半導体powerhousesの2社をいっしょにし、ここ数年にわたる一連の超大型半導体取引の最新のものになる旨。
IC Insightsによる2015年アナログICサプライヤ・トップ10データ:
http://www.eetimes.com/document.asp?doc_id=1330204&image_number=2

◇Analog Devices To Buy Linear Technology-Purchase price is $14.8B in cash, stock; combination creates an analog chip powerhouse. (7月26日付け Semiconductor Engineering)

◇Analog Devices to Buy Linear Technology for $14.8 Billion (7月26日付け Bloomberg)

◇Analog Devices to Acquire Linear Technology for $14.8 Billion-Cash-and-stock deal values Linear Technology at $60 a share (7月26日付け The Wall Street Journal)

◇Analog Devices, Linear to merge (7月27日付け DIGITIMES)

◇米半導体アナログ・デバイセズ、1.5兆円で同業リニア買収 (7月27日付け 日経 電子版)
→米半導体大手、アナログ・デバイセズ(マサチューセッツ州)が26日(米国時間)、同業大手のリニアテクノロジー(カリフォルニア州)を148億ドル(約1兆5500億円)で買収すると発表、買収は2017年6月までに完了する旨。
再編が相次いでいる半導体業界で売上高で20位前後だったアナログ・デバイセズは、買収を通じてトップ15をうかがう位置に浮上する旨。

◇Analog Devices and Linear Technology to merge (7月29日付け ELECTROIQ)

国を挙げてグローバルにM&Aを推進、半導体業界の構築を進めている中国であるが、今度は同国内でメモリ半導体の構築を図っている同士、Tsinghua UnigroupがWuhan Xinxin Semiconductor Manufacturing Corp.(XMC)を傘下に入れる形でメモリ半導体生産拠点の合併を図る動きとなっている。

◇Tsinghua Unigroup Acquires Control of XMC in Chinese-Chip Deal-Developing capability to produce memory chips is a priority for Beijing's economic planners (7月26日付け The Wall Street Journal)

◇Tsinghua Leads Creation of $2.8 Billion Chinese Chip Giant-Tsinghua Unigroup, XMC merge memory-chip operations (7月27日付け Bloomberg)
→中国のNational Integrated Circuit Industry Investment Fund(CICIIF)が間に入るという取引、Tsinghua UnigroupがWuhan Xinxin Semiconductor Manufacturing Corp.(XMC)を支配して、両半導体メーカーがメモリ半導体生産拠点を合併する旨。その合併会社はChangjiang Storage Co.という社名、Tsinghuaのchairman、Zhao Weiguo氏が主導する旨。

◇Tsinghua Unigroup and XMC merging chip operations to create Chinese giant (7月27日付け The Taipei Times (Taiwan)/Bloomberg)

◇Merger of Chinese Chipmakers: China Likely to Give Birth to a Semiconductor Giant (7月28日付け Business Korea)

そして欧州では、STMicroelectronicsがAMS AGからNFC, RFID reader事業の買収を、技術者の異動を含めて行っている。

◇ST Buys NFC, RFID Assets from AMS (7月29日付け EE Times)
→STMicroelectronics NVが、AMS AGからNFC, RFID reader事業を買収、$77.8 millionに今後の事業展開の見立てが加えられる旨。該追加分は、最大$37 millionとしているが、現時点では約$13 millionの評価の旨。

◇STMicroelectronics acquires ams’ NFC and RFID reader assets (7月29日付け ELECTROIQ)
→STMicroelectronicsが、amsのNFC1およびRFID2 reader事業関連assetsを買収、約50人の技術expertsがamsからSTに移っている旨。

◇ams sells NFC, RFID technologies to ST-ST will buy NFC, RFID tech from ams for $79.3M (7月29日付け New Electronics)
→センサspecialist、ams(オーストリア)が、同社near-field communications(NFC)およびradio-frequency identification(RFID) readerのintellectual property(IP), 技術および製品をSTMicroelectronicsに対し$79.3 millionで売却することに合意、センサ関連NFC/RFID tags事業およびワイヤレスinternet of things(IoT)センサに向けた設計capabilitiesを維持する旨。

エレクトロニクス・半導体業界で見ると、本当に収まらないM&Aの波という現下の状況があり、さらに加える1つとして以下が見られている。

◇米オラクル、クラウド企業9700億円で買収 (7月29日付け 日経 電子版)
→米IT大手、オラクルが28日、法人向けクラウドサービスに強みを持つ米ネットスイートを$9.3 billion(約9700億円)で買収すると発表、年内に手続きを完了させる見通しの旨。競合に比べクラウドサービスで後手に回っていたオラクルは投資を急いでおり、今回もその一環の旨。

ソフトバンクによるARM買収がIoT事業の構築・推進に向けて大きく鳴り響いたばかりであるが、余韻を引き継ぐように(IoT)事業推進に向けたコンソーシアム、協業体制の設立の動きはじめ、以下の通り相次いでいる。

◇IoT Chip Competition: Softbank, Intel Competing for IoT Market Leadership (7月25日付け BusinessKorea)
→SoftbankがARMを買収する一方、Intelは事業の焦点をIoTに移している旨。

◇A*STAR'S IME kicks off consortia to develop packaging solutions for IoT applications (7月26日付け ELECTROIQ)
→A*STARのInstitute of Microelectronics(IME)が、先端実装についての2つのコンソーシアム、Silicon Photonics Packagingコンソーシアム(Phase II)およびMEMS Wafer Level Chip Scale Packaging(WLCSP)コンソーシアムを打ち上げの旨。micro-electromechanical systems(MEMS)およびsilicon photonicsデバイスのheterogeneous integrationにおける新規ソリューションを開発、全体性能を高め、生産コストを引き下げる旨。

◇IoT協業、17社と新組織、日本IBM、「ワトソン」使い基盤、自動車などに重点、アルパインと車載システム (7月27日付け 日経産業)
→日本IBMがあらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」事業を本格化する旨。このほどIoTで協力する企業17社と組織を新設、メンバー企業のアルパインと次世代車載システムの開発に乗り出すなど具体的な活動に着手した旨。年内に参加企業を100社に引き上げたい考え、急拡大が期待されるIoT市場でいち早く優位な地位を築くねらいの旨。26日に新設した組織は「ワトソン・IoT・プラットフォーム・パートナーエコシステム」。
アルパインのほか、アーム、アルプス電気、京セラ、三菱電機、リコーなど17社が名を連ねた旨。

◇日米の携帯キャリア、市場成熟で収益源模索−ネット広告・半導体などM&Aに拍車 (7月27日付け 日刊工業)
→米通信大手、ベライゾン・コミュニケーションズが、米インターネット大手、ヤフーの中核事業を買収する旨。ニュースやネット広告事業を手中に収め、ネット事業を担うグループ会社の米AOLとの融合を図り、広告事業などを強化、携帯電話市場が成熟する中で新たな収益源に育てる狙いの旨。一方、日本の携帯電話市場も米国と同様に成熟し、国内通信事業の大幅な成長は見込みにくく、国内携帯3社も新たな収益源を構築する動きを加速させている旨。

新たな事業フェーズに立ち向かうグローバルな動きに随時注目のここしばらくとなる。


≪市場実態PickUp≫

【ITRS最終版の波紋、受け取り】

米Semiconductor Industry Association(SIA)から発行された2015 International Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)は、この形での最終版になるとともに、あと5年、2021年までにトランジスタの縮小が経済的に成り立たないとして止まると表わしており、業界各紙が以下の通り様々な受け止めを示している。半導体関係者誰しも、長きにわたって指針にするとともに慣れ親しんだITRSということで、今後の方向性に否応なく注目するところがある。

◇Transistors Will Stop Shrinking in 2021, Moore's Law Roadmap Predicts (7月22日付け IEEE Spectrum)
→50年以上もの小型微細化を経て、トランジスタがちょうど5年で縮小が止まる可能性、それが、今月始め正式にリリースされた2015 International Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)の予測である旨。2021年より後について該レポートは、各社にとってmicroprocessors(MPUs)におけるトランジスタ寸法を縮小し続けるのは経済的にもはや望ましくないと予測している旨。

◇Moore's Law Is About To Be Reborn-One industry roadmap ends as another is born (7月24日付け Motherboard)
→2015 International Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)がこのシリーズでの最後のレポートであり、IEEEによる予測、Rebooting Computingに置き換わろうとしている旨。この新しいロードマップは、Moore's Lawが半導体製造についての現代の制約に適応するよう如何に変わっていくか、考慮に入れる旨。

◇Chip Makers Admit Transistors Are About to Stop Shrinking (7月25日付け MIT Technology Review)
→Intel, AMD, およびGlobal Foundriesなどから成るSemiconductor Industry Association(SIA)が、2015 International Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)を発行、数10年の小型微細化を経て、トランジスタが2021年までにサイズ縮小は止まる様相、その先はシリコントランジスタの大きさをさらに減らすには経済的に効率的でない、と示されている旨。

◇Moore's Law to run out of steam by 2021-Practical limits of Moore's Law to be reached in five years time, claims Semiconductor Industry Association (7月25日付け Computing)

◇By 2040, computers will need more electricity than the world can generate-So says the semiconductor industry's last ever communal roadmap (7月25日付け The Register)

◇Moore's law scaling dead by 2021, to be replaced by 3D integration (7月26日付け ExtremeTech)

【注目各社業績】

注目の3社の相次ぐ四半期業績発表から、まずは、ソフトバンクによる買収に驚かされたばかりのARM Holdings plcについて高収益が続く以下の内容である。

◇ARM Achieves Another Successful Quarter (7月27日付け EE Times)
→プロセッサintellectual property(IP) licensor、ARM Holdings plcの2016年第二四半期売上げが£267.6 million(約$350 million)、前年同期比17%増。税前利益が£122.3 million(約$160 million)、同18%増。

◇ARM, soon to be bought by Softbank, posts second-quarter profit rise-ARM posts higher profit, revenue for Q2 (7月27日付け Reuters)

◇ARM Profit Up but Misses Forecasts -SoftBank Group agreed to acquire the British chip designer for $32 billion last week (7月27日付け The Wall Street Journal)

◇英アーム、利益率5割、4〜6月も高収益続く、「ソフトバンク傘下でも成長」、買収の果実収穫へハードル (7月28日付け 日経)
→半導体設計、英アーム・ホールディングス(ARM)の2016年4〜6月期売上高が前年同期比17%増の2億6700万ポンド、純利益が同17%増の9000万ポンド(124億円)。営業利益率(調整後)48%と圧倒的な収益力を維持、今後はソフトバンクグループの傘下でIoT(モノのインターネット)時代の覇権を目指す旨。

iPhone、アップルウオッチと苦しい状況が伝えられるアップルであるが、以下の通りいろいろな切り口での大幅な落ち込みとなっている。

◇アップル4〜6月、2期連続減収、iPhone大幅落ち込み (7月27日付け 日経 電子版)
→米アップルが26日発表した2016年4〜6月期決算。売上高が前年同期比15%減の$42.358 billion(約4兆4300億円)、減収は2四半期連続。最終利益は同27%減の$7.796 billion。
主力のスマートフォン「iPhone」は大画面モデルの発売で昨年は絶好調だった反動で大幅に落ち込んだ旨。3月末に4型画面の小型モデル「SE」を投入したが、落ち込みを補えなかった旨。中国などの新興国市場の減速が響いた旨。
地域別では、減速が懸念されていた中国の売上高が33%減と2期連続の大幅な減少、米州が11%減、欧州は7%減。

iPhoneの販売台数は15%減の4039万台。パソコン「Mac」は11%減の425万台。昨秋の大型モデル投入でてこ入れを図った多機能携帯端末(タブレット)「iPad」は9%減の995万台。腕時計型端末「アップルウオッチ」や「アップルTV」などを含む「その他」の売上高は16%減。

アップルとは対照的にスマートフォンで底堅い売れ行きを示しているSamsung、以下の通りのプラスの内容である。

◇Samsung 2Q16 operating profits rise 18% on brisk smartphone sales (7月28日付け DIGITIMES)
→Samsung Electronicsの2016年第二四半期売上げがKRW50.94 trillion、前四半期比2.3%増、前年同期比4.9%増、operating profitsがKRW8.14 trillion($7.24 billion)、前四半期比21.9%増、前年同期比18%増。

◇Samsung bets on 10-nanometer chip technology-Samsung focuses on 10nm chip production as financial results improve (7月28日付け The Korea Herald (Seoul))
→Samsung Electronicsが、10-nm features半導体の量産に重点化、一方、7-nm ICsのprototypesへの取り組みの意図を示している旨。同社は、第二四半期についてoperating profitが$7.19 billion、前年同期比18%を僅かに上回る増加、売上げはGalaxy S7スマートフォンの力強い売れ行きで5%を僅かに割る増加の旨。

◇(LEAD) Samsung Electronics reports 18 pct jump in Q2 operating profit (7月28日付け Yonhap News Agency (South Korea))


【64-層3D NANDの引き続く応酬】

前回の本欄で、東芝が、3D NANDで先行するSamsungに対して、64層3D NANDフラッシュメモリデバイスの生産については僅かながら先を行くと打ち上げたばかりであるが、SanDiskに替わる連携相手、Western Digitalともども以下引き続く発表である。

◇WD preparing to ship flash chips with half a terabit of capacity-Western Digital makes flash memory with 64 layers (7月26日付け Computerworld)
→Western Digitalが、三重県四日市市の合弁fab拠点にて64層3D NANDフラッシュメモリを生産、512 gigabitsのデータを蓄積できる旨。該第三世代3D NANDメモリの初期出荷は第四四半期、量産は来年前半に始まる予定の旨。

◇Western Digital Claims First 64-layer 3D NAND Memory (7月27日付け EE Times)
→disk driveベンダー、Western Digital社が、世界初、64-層3D NANDメモリを東芝と開発、三重県四日市市の合弁生産拠点にてpilot生産に入っている旨。該メモリは、東芝が開発したいわゆるBiCS3(bit cost scalable)技術に基づく旨。該技術は、2016年5月のSanDisk社買収によりWestern Digitalに来ている旨。

◇64層メモリ、試作出荷、東芝、来年から量産へ (7月28日付け 日経産業)
→東芝が27日、主力のNAND型フラッシュメモリで、64層に重ねて従来品より容量を4割増やした次世代製品の試作品出荷を始めたと発表、東芝や韓国サムスン電子がこれまで48層の製品で量産を始めているが、64層の積層構造の製品は世界初となる旨。四日市工場(三重県四日市市)で今月完成した製造棟で生産し、2017年前半に量産を開始する旨。同工場では米ウエスタンデジタルと3年間で計1兆4千億円を投資し、生産能力を引き上げると決めている旨。

これに対して、Samsungからは、後れてはならじと年内量産開始の打ち上げが返されている。

◇64-layer V NAND Competition: Race Is on to Mass-Produce 64-Layer 3D NAND Flashes -Samsung sets schedule for 64-layer 3D NAND flash in SSDs (7月29日付け BusinessKorea magazine online)
→Samsung Electronicsが、今年64層3D V NANDフラッシュメモリデバイスの量産を開始、15 terabytes以上のデータを蓄えられるsolid-state drives(SSDs)の先端メモリを得る狙いの旨。東芝は前に、第三四半期の間に64層3D NANDフラッシュを作ると発表している旨。

◇サムスン、年内量産、64層3次元メモリ、東芝に先行 (7月29日付け 日経産業)
→韓国のサムスン電子が28日、記憶素子を垂直方向に64層積み重ねた3次元構造のNAND型フラッシュメモリの量産を2016年中に始めると明らかにした旨。現行品は48層、単位面積当たりの記憶容量を増やせるため、スマートフォンなど小型の携帯機器の性能向上などにつながる旨。サムスンは2013年、世界で初めて3次元のNAND型フラッシュメモリの量産を開始、韓国・華城と中国・西安の工場で生産し、積層数を順次、増やしている旨。東芝はこのほど、64層の試作品を今夏にも出荷し、来春までに量産する計画を発表していた旨。サムスンは量産で東芝に先行することになる旨。

【日中韓半導体業界】

まずは、韓国の政府筋から同国半導体業界に対して、world-classの半導体設計会社をつくるべきという提言が行われている。

◇For Intellectual Chip Era-Report Calls for Nurturing World-Class Korean Fabless Firms via M&As -Korea needs more fabless IC design firms, report says (7月22日付け BusinessKorea magazine online)
→artificial intelligence(AI)時代がさらに見えてきてintellectual半導体市場に後れないように、韓国は積極的なM&Asによりworld-class半導体設計会社を創設すべき旨。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)による21日のIntellectual Semiconductor Market Reportによると、グローバル市場調査のTMRは、世界System on Chip(SoC)市場が2014年の$35.95 billionから2021年には$71.98 billionに伸びると予測、年間10.5%の伸びとなる旨。
これは、メモリ半導体市場では重要製品の価格が急激に下落、市場の規模が減っていくという事実と対照的である旨。

次に中国の半導体業界について、半導体自給率の展望がIC Insightsにより表わされている。

◇China Likely to Narrow Chip Gap, IC Insights Says-IC Insights: China will catch up on making its own chips (7月27日付け EE Times)
→IC Insights発。ドル建てで石油よりも半導体を多く輸入している中国、この10年の終わりまでに半導体不足を小さくしていく旨。国内半導体の消費比率を、2015年の約13%から2020年までに21%に高めていく旨。

◇China's final chance to achieve its IC industry ambitions now underway (7月27日付け ELECTROIQ)
→今週末リリース、IC InsightsのMid-Year Update to The McClean Report 2016発。
・≪図面≫ 中国のIC市場 vs. 中国のIC生産の流れ:2006〜2020年
http://electroiq.com/wp-content/uploads/2016/07/china-figure-1.png

最後に来年まではマイナスの見込みデータが出ている我が国の半導体業界であるが、現下の実態と今後の見通しが表わされている。

◇What's happening to Japan's semiconductor industry? (7月28日付け ELECTROIQ)
→SEMI JapanのYoichiro Ando氏記事。日本での300-mmウェーハラインへの大規模投資は、主に3社が行なっており、東芝(NAND Flash), ソニー(image sensors)およびMicron Memory Japan(DRAM)である旨。ロジックプレーヤーの投資は、大方が現状capacityの格上げおよび拡大であり、パワー, surface acoustic wave(SAW), および車載半導体デバイスを作っているメーカーが、新しいfabsを建設、現状fabsを拡張して積極的にcapacityを加えている旨。これらの活動は200-mm以下のウェーハで計画され、その投資はdollar valuesでは小さい方となる旨。しかしながら、来るべきInternet of Things(IoT)時代、日本の半導体業界には重要である旨。

【hearables】

やたら見るもの、見えるもののセンサシステムとなっているが、聞こえる、耳にする方も重要という捉え方で、"hearables"への注目が以下の通り謳われている。

◇Audio Rises for Event Detection (7月25日付け EE Times)
→advanced driver assistance systems(ADAS)では、CMOSイメージセンサがvisionプロセッサとともに車が見えるものを認識、識別するのを助ける上ですでに重要な役割を果しているが、聞こえるものについてはどうか?マイクロフォンが、autonomous carsに“intelligence”を加えるようカメラと同様に重要な役割を果たしているか?について。

◇Hearables: Next Big Consumer Thing-Audio wearables predicted to appeal to mass market (7月25日付け EE Times)
→hearablesが、次の"big thing"になる可能性。WiFore Consultingは、hearablesが最も急成長のwearable市場であり、2020年までに$16 billion超に急拡大すると予測している旨。


≪グローバル雑学王−421≫

さまざまな形態、業界といろいろな切り口からM&Aの新しい潮流について、株式会社 日本政策投資銀行の著者により書、

『M&Aの「新」潮流』
 (山本 貴之 著:エネルギーフォーラム新書 036) …2016年1月15日 第一刷発行

より見てきたが、今回で読みおさめとなる。本書に目を通している間にも、半導体に関連する業界におけるM&Aがグローバルに、大規模に進行しているのは、上記の業界の日々の動きが如実に示すところとなっている。減速して波乱含みの世界経済のもと、新分野、新技術への新たな時代フェーズへの移行を模索する半導体業界の動きを引き続き注目していく。


第14章 社会に貢献するM&A

【M&AとESG】

■経済的価値の追求とCSR・CSV
・近年わが国でもCSR(Corporate Social Responsibility)やCSV(Creating Shared Value)などへの関心の高まり
 →経済的価値を追求するビジネス自身の力により、社会的な価値を生み出し、社会資本を創り出すという考え方が浸透
・国際的にもESG(E=環境、S=社会、G=ガバナンス[企業統治])問題への一層の積極的・能動的な対応を企業に求めるように
 →企業活動そのものが大きく変容
・M&Aは、資本とビジネスの構成を変革することで社会的な価値を創出する有力な事業手法ともなり得る

■表のシナジーと裏のシナジー
・表のシナジー
 →売上げの増加やコストの削減などによる資産効率の改善
・「裏のシナジー」
 →地域の環境負荷の低減、社会のレジリエンス(復元力)向上、従業員の健康配慮、ガバナンス能力のレベルアップなど
・M&Aを決断する前に、デューディリジェンスにおいて、環境汚染や労働災害、あるいは法令違反などがないか調査するのが一般的

■企業再生や事業承継による雇用の維持
・企業の業績が悪化、破綻が避けられないような状況に至った企業を支援する仕組みの1つとしてのM&A
 →"救済合併"
・最近では、むしろ脚光を浴びている事業承継
 →近年M&Aが大いに活用

【地方創生とM&A】

■地域におけるM&Aの普及
・近年は、事業承継を筆頭に地方でもM&Aが積極的に活用されるように
 →成長戦略を求める株主の要請の強まり
 →地域の金融機関も資金面でのバックアップを充実

■地域企業の成長戦略
・海外展開の比重が、特に製造業の集積の厚い中部圏や西日本の企業を中心に徐々に増している
 →国内市場の成熟化を背景に、グローバルな展開を目指して、M&Aを活用する企業が少なくない
・地方企業にとっては、様々な局面で、その成長戦略実現のためのM&A活用の可能性は広がっている

■地域金融機関の活躍と「地域貢献M&Aプログラム」
・最近大きく存在感を示している地域銀行や信用金庫などの地域金融機関
 →人口減少など構造変化の中で次世代の成長産業を取引先の中から育てていくことは極めて重要
 →M&Aの専門部署をつくり、専門知識を持つスタッフを配置するところも
・日本政策投資銀行での取り組み
 →地域銀行約90行と「地銀M&Aネットワーク」を組成、地域のM&Aを支援する仕組みを2001年に立ち上げ
 →「地方創生」が政府の大きな方針として打ち出された2014年度下期からは、「地域貢献型M&Aプログラム」を創設

【社会的価値・資本創出型M&A】

■社会的に優れたM&A
・企業の統合により、社会にとって新たな価値を生み出す、あるいは社会資本を創出するディール

■「社会的価値・資本創出型M&Aアワード」
・日本政策投資銀行では、ディールの社会的価値を評点化して総合的に評価
 →2015年5月、第1回「社会的価値・資本創出型M&Aアワード」スタート
 →次の2つの企業を選定
1)ALSOK M&Aによる警備・介護分野での新たなサービスの創出
 →綜合警備保障(ALSOK:東京)が、2014年10月、三大都市圏などで介護事業を行う企業、HCMを買収
 →高齢化が進む地域社会でお年寄りが安心して暮らせる仕組みづくりに向けて、事業化が大きく前進
2)八神製作所 M&Aによる地域医療の高度なサービスの広域展開
 →医療機器卸業を営んでいる八神製作所(名古屋)が、2014年7月、同種の事業を展開する東和医科器械(神奈川県)を買収
 →安定供給エリアが拡大したのみならず、医療機器卸業界全体の発展へ

≪おわりに≫
・日本政策投資銀行は、ファイナンスはもとより独自のナレッジ(知的サービス)の提供を通じてわが国企業の成長戦略の実現を支援
 →「三位一体(アドバイザリー・投資・融資の連携)」による包括的サポート
・M&Aは生き物
 →相対する企業同士が単独では想像できなかったような高みを目指して進化していくのがM&Aの醍醐味

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