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次の市場driverの期待、IoTへの取り組み、突きつけられる課題

世界経済が減速、半導体販売高も前年比割れのデータが続く現状、次の市場牽引役の実質的な登場を期待する雰囲気が一層高まってきている。中でもモノのインターネット、IoT(Internet of Things)が、consumer、産業そして自動車用など広範なアプリが考えられ、ネット接続の通信手段を巡って3つの陣営が標準化に向けて凌ぎを削っている。何が中軸になるのか、広すぎて捉え難さを感じるところもあるが、様々な切り口での現下のIoTへの取り組み、そして一方で浮上してくる課題に関連する内容に以下注目している。

≪広い切り口への対応≫

甚大な機器数の展開が望めるIoT関連ということで、主要ベンダーの大半が戦略的に取り組んでいるその重みが表わされている。

◇Tech companies creating strategic platforms to support the Internet of Things (4月12日付け ELECTROIQ)
→IHS社からの最新white paper、“IoT Platforms: Enabling the Internet of Things”発。IoT市場は、installed機器数が2015年15.4 billionから2020年30.7 billion、そして2025年には75.4 billionに増大すると予測、IoTコンセプトの根本的な重要性の兆候は、大方の主要information and communication technology(ICT)ベンダーが現在戦略的にIoT offeringsを開発していることにある旨。

広範囲で焦点が絞りにくいということか、米国政府からIoTの推進に向けて一般のコメントを募っている。

◇US Government Seeks Guidance On Its Role in IOT (4月12日付け EE Times)
→米国商務省(Department of Commerce[DoC])が、先週の官報、"Internet of Things(IoT)の進展促進における政府にとっての利点、課題および役割の可能性"にて、一般のコメントを求めている旨。

台湾では、世界標準の動きと並行させた産官学のIoTアライアンスが結成されている。

◇Taiwan forms IoT alliance-Asia IoT Alliance forms in Taiwan, will partner with Industrial Internet Consortium (4月13日付け DIGITIMES)
→台湾の企業および研究/academic機関が12日、Asia IoT Alliance(AIoTA)の結成を発表、Industrial Internet Consortium(IIC)との連携を通して産業界横断のIoT応用推進を図る旨。IICは、AT&T, Cisco Systems, General Electric, IBMおよびIntelが2014年に設立、現在は250以上のメンバーの旨。AIoTAのIICとの連携は、国際IoT標準に合致するもの、とAIoTAのpresident、Huang Yen-nan氏。

エレクトロニクスそして半導体業界の取り組みとして、Intelからは広範なIoTアプリに対応する開発キットが以下の通り出荷されている。同社の中では最も安価なcomputerとの表わされ方となっている。

◇Intel on the cheap: Chip maker ships $15 Quark maker board (4月12日付け PCWorld)
→$15のQuark Microcontroller Developer Kit D2000は、たぶんIntelが出荷してきている中で最も安価なcomputer、該single-board computerはすべてのコンポーネントを小さな回路基板上に詰めたもの。gadgets, wearables, home automation製品, 産業用機器などInternet of Things(IoT)製品開発に用いられる旨。

このIntelに連動する動き、そしていろいろな業界への視点からIoTに絞り込みを図る動きである。

◇Microcontroller Suits IoT Apps-Mouser offers Intel's Quark MCU for connected devices (4月12日付け Electronics360)
→Mouser Electronicsが、Internet of Things(IoT)応用向けにIntel Quark D2000 microcontroller(MCU)を供給、該半導体は、超低電力32-ビットMCUであり最大32 megahertz動作の旨。

◇TE Connectivity Moving Up Value Chain to Drive IoT (4月15日付け EE Times)
→connectivityおよびセンサ製品をいろいろな業界に販売しているTE Connectivity Ltd.(Schaffhausen, Switzerland)が、Internet of Things(IoT)への関心が影響を及ぼしている注目の的に踏み込む機会をとっている旨。

IoT需要に如何に対応するか、半導体の設計、製造の工程別に業界エキスパートの討議がみられている。

◇IoT Demands Part 1: EDA and Fab Nodes-Industry experts look at IoT chip design challenges (4月14日付け ELECTROIQ)
→Internet of Things(IoT)向け半導体の設計、製造について、業界エキスパートの討議。「大方のIoTデバイスは、high-powerディジタルプロセッサではなくアナログ機能の異質の集成であると言ってもよい。」(Presto Engineeringのvice president worldwide sales & marketing、Jon Lanson氏)

◇IoT Demands Part 2: Test and Packaging (4月15日付け ELECTROIQ)
→テストおよび実装におけるIoT半導体のニーズについてQ&A。

一方、IoTの展開に立ちはだかる課題の取り上げが続いており、以下の通りセキュリティ、データコストが目についている。

◇Unexpected Security Holes-Analysis: Plugging connected devices' cybersecurity holes (4月13日付け Semiconductor Engineering)
→Internet of Things(IoT)向け半導体設計には、多くの場合セキュリティの脆弱性がある旨。

◇Spiraling Data Costs Imperil IoT-Data compression, protocol conversion tools (4月14日付け EE Times)
→WindSpring(San Jose, Calif.)のpresident and CEO、Tom Hunt氏。
50 billion台のIoT機器およびそのコンテンツが長時間生き残る必要があるとすると、効率的な回収に向けた伝送、ストレージおよびメカニズムに関連するデータのコストが無視できない旨。


≪市場実態PickUp≫

【M&A関連】

NXP Semiconductorsが、高周波半導体部門に続いてstandard半導体製品事業の売却を検討している模様であり、その売り先がまた中国の会社とされている。

◇NXP Said to Weigh Sale of $2 Billion Standard Chips Business-Sources: NXP could put standard chip unit on the block (4月8日付け Bloomberg)
→NXP Semiconductorsが、同社standard半導体部門の売却を検討しており、それに$2 billionを求めている見込みの旨。いくつかの中国メーカーが関心を示しており、昨年NXPの高周波半導体部門を約$1.8 billionで買収したJAC Capitalなどの旨。

◇NXP Semiconductor weighing sale of standard products business (4月8日付け Reuters)

◇NXP Unit Reportedly Attracts Chinese Suitors (4月11日付け EE Times)
→匿名筋を引用したBloomberg news service発。NXP Semiconductors NVのstandard製品事業買収に興味を示す中に中国の会社があり、投資会社のJAC Capitalなどの旨。NXPは、該事業には少なくとも$2 billion求める可能性の旨。NXPの標準製品事業は、diodes, transistors, MOSFETs, ESD保護デバイスおよび標準ロジック半導体などディスクリートコンポーネントを作っており、NXPの販売高全体の約20%を占めている旨。

前回の本欄で示したMicrochipのAtmel買収について、買収価格の減額が示されていたが、その一部かどうか、交渉の実態の一端が表わされている。

◇Severance Clash in Microchip/Atmel Merger-A 3.5 hour all-hands meeting (4月8日付け Reuters)
→Atmelが長引いた合併協議の間にその米国従業員に約束した離職手当をMicrochipが破っている、とEE Timesに文書を供給した不満をもつ従業員の1人。先週Silicon ValleyでのAtmel従業員との3時間半にわたる話し合いでMicrochipのchief executive、Steve Sanghi氏は、Atmelの役員会がMicrochipの役員会に対して該退職手当の詳細を伝えていないと非難した旨。

新たな動きを続けて、まずはCadenceによる買収である。

◇Cadence to Acquire Rocketick (4月11日付け ELECTROIQ)
→Cadence Design Systems社が、multicore parallelシミュレーションのパイオニアで主導プロバイダー、Rocketick Technologies Ltd.(イスラエル)を買収する最終合意に入った旨。

◇Cadence buys chip design co Rocketick for $40m-Cadence acquires functional verification firm in Israel (4月11日付け Globes (Israel))
→Cadence Design Systemsが、半導体設計の機能検証に向けたmulticoreプロセッサ-ベースco-simulator acceleration技術をもつRocketick Technologies(イスラエル)を買収、関係筋は$40 million規模の取引としている旨。

よくわからない動きとされているが、中国投資会社による米国・IDTへのアプローチである。

◇Mysterious Filing Outlines Potential IDT Takeover Proposal from Chinese Group-Group had never filed before with SEC; IDT says it's unaware of ‘credible bona fide offer’-Chinese investors propose to acquire IDT, filing shows (4月12日付け The Wall Street Journal)
→Liblin Sun氏が率いる7人の投資家グループ(中国人6人およびパキスタン人1人)が火曜12日に提出した不可思議なregulatory filingの対象が、半導体メーカー、Integrated Device Technology(IDT)であった旨。同社のかなりの部分の所有および残りの法外なpremiumでの買収を求めている旨。

◇Chinese investment firm offers Rs. 2132 for IDT (4月14日付け EE Times India)

台湾での承認された合併計画である。

◇Taiwan FTC approves Micron-Inotera deal-Micron-Inotera merger gets green light from regulators in Taiwan (4月13日付け DIGITIMES)
→台湾・Fair Trade Commission(FTC)が、Micron Technologyの台湾部門、Micron Semiconductor Taiwan(MST)とInotera Memoriesの間の合併計画を承認の旨。

米国でのtesting業界でのM&Aがみられている。

◇Teledyne LeCroy Acquires Quantum Data-LeCroy expands into video protocol testing (4月14日付け EE Times)
→testing業界でのM&A。Teledyne LeCroy(Chestnut Ridge, NY)が、同社protocol offeringsを追加のwiredおよびwirelessデータ通信標準に引き続き拡げていく戦略の一環として、Quantum Data社(Santa Clara, Calif.)を買収する合意を取り決めた旨。

M&Aの猛威を奮ってから少し時間が経つ感じ方もあるが、中国・Tsinghua Unigroupのジャブが米国・Latticeに向けられている。

◇China's Tsinghua Unigroup Buys Small Stake in U.S. Chip Maker Lattice-Investment by Chinese state-owned company appears to retest U.S. waters-Tsinghua Unigroup acquires 6% stake in Lattice Semiconductor (4月14日付け The Wall Street Journal)
→中国の半導体の積極的な取り組み推進を任務とする国有会社が、初期の試みが阻まれた後、もう1つ米国介入を行っている旨。

【半導体関連市場データ】

2015年の半導体材料市場も1.5%の減少となっている。

◇SEMI reports 2015 global semiconductor materials sales of $43.4B (4月11日付け ELECTROIQ)
→SEMI Material Market Data Subscription発。2015年のグローバル半導体材料市場が$43.40 billion、2014年の$44.04 billionから1.5%減、一方、世界半導体売上げは0.2%減。

2015年の半導体市場は僅かに減少となったが、半導体ファウンドリー市場は4.4%の増加という以下のGartner社によるデータ内容である。ただ従来の二ケタの伸びからは大きく鈍化する結果となっている。

◇Foundry Sales Growth Slows-Gartner: Foundry sales hit $48.8B in 2015, but growth slowed (4月13日付け EE Times)
→Gartner社(Stamford, Conn.)発。半導体販売高全体は減少する中、2015年の半導体ファウンドリー販売高は伸びが鈍化した旨。2015年のファウンドリー販売高全体は$48.8 billion、2014年から4.4%増止まり、Apple社からの高いウェーハ需要およびファウンドリー対応も行う少数のintegrated device manufacturers(IDMs)からの売上げから、全体では累積する伸びを得ることができた旨。ファウンドリー販売高は昨年までの何年か、一貫して二桁%で伸びてきて、2014年は16%増であった旨。Gartnerは、2015年の半導体販売高全体を2.3%減の$334.8 billionと評価、この減少は、過剰IC在庫、モバイル製品およびPCsの需要弱含みおよびタブレットの売れ行き鈍化によるとしている旨。

◇Global IC foundry market grows 4.4% in 2015, says Gartner (4月13日付け DIGITIMES)

本年、2016年の半導体市場はどうなるか?Gartner社は史上2回目となる2年連続の減少を現時点予想するとともに、今回IoTで上に取り上げている次の牽引driverへの期待を示している。

◇Worldwide semiconductor revenues to decline 0.6% in 2016, says Gartner (4月13日付け DIGITIMES)
→Gartner発。2016年の世界半導体売上げが、総計$333 billionで2015年から0.6%減、主要電子機器の需要軟化、在庫水準の高まりおよびいくつかの地域での強いドルのインパクト継続から2.3%減となった2015年に続くと見る旨。「史上2回目のこと、世界半導体市場は2年連続で売上げが減る見込み。業界は次の需要driverがあらわれるのを待っており、2016年は0.6%減と見ている。」(Gartnerのリサーチdirector、James Hines氏)

【本年これからへの期待】

台湾のファウンドリー、TSMCおよびUMCの業績関連発表についてであるが、まずはUMC。3月の売上げも前年比では8.6%落としているが、4-6月の大きな戻しを予想している。

◇UMC March revenues increase-UMC reports $399M in revenue from March, up from a year ago (4月11日付け DIGITIMES)
→UMCの2016年3月連結売上げがNT$12.92 billion($399 million)、前月比36.3%増、前年同月比1.6%増。2016年第一四半期売上げでは約NT$34.4 billionとなり、前四半期比1.6%増、前年同期比8.6%減。

◇UMC to post brisk 2Q16 results (4月12日付け DIGITIMES)
→業界筋発。ファブレスclientsからの受注立ち上がり並びに新規28-nm半導体受注から、UMCの2016年第二四半期売上げおよび利益が前四半期比大きく伸びる見込みの旨。モバイル機器向け受注立ち上がりが引っ張って、同社の8-インチfabsはフル稼働の一方、12-インチfabsでの稼働率が上がっている旨。

最大手のTSMCについても、1-3月は売上げ、利益ともに大きく落とす結果となっているが、今年後半のどこかで浮上してくるとして、本年について従来の伸びる予測を維持させている。

◇TSMC 1Q16 profits fall 18% (4月14日付け DIGITIMES)
→TSMCの2016年第一四半期の売上げがNT$203.50 billionおよびnet利益がNT$64.78 billion($2 billion)、前年同期比それぞれ8.3%減および18%減、前四半期比では横這いおよび11.1%減。

◇台湾TSMC、18%減益、1〜3月最終、スマホ需要減退 (4月15日付け 日経)
→TSMCが14日発表した2016年1〜3月期連結決算は、純利益が647億台湾ドル(約2180億円)と前年同期比18%減、世界的なスマートフォン需要の減退に加え、2月に台湾南部で発生した地震も影響した旨。減益は3四半期連続だが、4〜6月期は増益に転換するとの見通しも示した旨。1〜3月期の売上高は同8%減の2034億台湾ドル、世界的にスマホの普及が一服し、その頭脳となるLSIなどの需要が落ち込んだ旨。

◇TSMC Expects to Rise from Industry Falloff in 2H (4月14日付け EE Times)
→TSMCは、同社が今年後半のどこかで業界低迷から抜け出ると見ている旨。

◇TSMC reiterates revenue target for 2016 (4月15日付け DIGITIMES)
→TSMCが、2016年の連結売上げの伸びの目標、5-10%をそのままで変えない旨。同社は、2016年の半導体市場の伸長予測を以前の2%から1%に下方修正したが、ICファウンドリー分野については5%を維持している旨。

【Intelが射程内に】

2015年の半導体ベンダーランキングの発表を受けて、2位のSamsungが1位を長年にわたって続けるIntelとの差をじわじわ縮めている、とともに韓国紙の以下取り上げ方である。

◇Samsung narrows gap with Intel in chip segment (4月11日付け Yonhap News[聯合ニュース])
→業界tracker、IHSがまとめた2015年半導体プレーヤー・ランキングの1位、2位、次の通り:
  1 Intel           シェア14.8% 前年比0.7PP増
  2 Samsung Electronics Co.  シェア11.6% 前年比0.9PP増
 両社のシェアの差の推移:
  2012年   2013年     2015年
  5.3PP    4.2PP 3.2PP

◇Semiconductor Racing-Samsung Nearing the Verge of Catching-up Intel (4月11日付け BusinessKorea)

【F8 developer conference】

Facebookの開発者向けのカンファレンス、F8 developer conference(2016年4月12-13日:SAN FRANCISCO)が開催され、40以上の様々なセッションで新たな発表が行われた模様。10年のロードマップの披露では、AI、VRおよびARに収斂と表わされている。

◇Facebook Roadmap Eyes AR/VR, Connectivity -F8 debuts Surround camera, Aquila Internet drone (4月13日付け EE Times)
→Facebookが、同社F8 developer conference(2016年4月12-13日:SAN FRANCISCO)にて10年のロードマップを披露、Internet connectivityを届けるsolar-powered衛星までアプリecosystemが広がっている該ロードマップは、究極的にはartificial intelligence(AI), virtualおよびaugmented reality(VRおよびAR)で締められている旨。


≪グローバル雑学王−406≫

昨年の世界半導体業界は、史上最高のM&A(企業の合併買収)を記録、それも過去の最高を大幅に更新している。市場の減速・停滞感が強まるなか、シェアあるいは分野の幅拡大、新市場への進出を図る各社の動きを強く反映している。このような環境のなか、業界再編、海外展開、事業承継などでM&Aは重要な選択肢となっている、として表わされている書、

『M&Aの「新」潮流』
 (山本 貴之 著:エネルギーフォーラム新書 036) …2016年1月15日 第一刷発行

を読み進めていく。著者は、株式会社 日本政策投資銀行 執行役員企業戦略部長を務めており、M&Aアドバイザリー業務を担う企業戦略部のメンバーの方々の分担執筆をまとめている。M&Aを考える経営者に必要な最新の知識と情報を網羅的かつ簡潔に解説している内容を辿っていくが、まずは、我が国のM&Aの状況が表わされている。


≪はじめに≫

・世界経済の減速や国際競争の激化、社会構造が激変する中
 →非連続的な成長をもたらすM&Aに対して高まる期待
・例:システム改革を控えるエネルギー業界
   →電力とガスなど業態の垣根を越えた総合エネルギー産業への脱皮が必要
 例:製造業
   →M&Aを活用した積極的なグローバル展開が続く
・本書の目的
 →M&Aの実務知識と最新動向に関する情報を、コンパクトでわかりやすく提供
・本書は、全体が三部構成
 →第1章〜第6章 …M&Aの基本戦略と実務的なプロセスに関する解説
 →第7章〜第9章 …M&Aを活用する具体的な局面における指南
 →第10章〜第13章 …「M&Aの新潮流」−各産業分野の近時のM&Aのトレンド
 →最終章 …M&Aの社会政策的な効用についてその方向性

第1章 わが国M&Aの現状と広がる利用可能性

【拡大するM&Aマーケット】

■過去最高のM&A件数と金額
・2015年1−9月の日本企業のM&A動向
 →件数は過去最高だった2006年に迫る勢い
 →金額は1−9月期としては過去最高
・内訳:
 日本企業が海外企業を買収するIN-OUT    …極めて高い水準
 国内企業同士のM&A、IN-IN         …増加基調
 海外企業が日本企業を買収するM&A、OUT-IN …件数は伸びている

■M&Aマーケット拡大の背景
・我が国企業のM&A活発化の背景
 1)企業利益の改善・向上 …多くの企業が過去最高益を更新
 2)株主から経営執行者に対する成長戦略への期待
  …物言う株主の増加
 3)金融緩和に伴う低金利による資金調達の容易化 
  …M&A資金のバックファイナンスを受けやすい環境
 4)戦略的M&Aに関する情報とノウハウの普及 
  …連日多くの案件情報が公開

■非連続的な成長への期待
・現在の我が国企業の置かれた経営環境
 →多くの企業で非連続的な成長をつかみ取るためにM&Aを選択するという現実

【現在のわが国M&Aの特色】

■業界再編
・最近M&A市場で目立っているのは業界再編の動き
 →同じ業界内の複数の企業が一緒になることで、マーケットシェアを伸ばし、共同仕入れや管理部門の統合によりコストを削減

■事業承継
・案件規模は比較的小さいものの、最近急増
 →事業承継を目的とするM&A

■ファンドによる投資とEXIT
・リーマンショック後の不況期に再生局面に入った企業
 →ファンドが出資して経営体質を改善、3年から5年ほど経って、売却するというケースが多く
・通常は入札になる可能性が高く、購入価格が高止まりするケースが多い
 →ニッチな分野で技術力のある製造業や医薬・医療ヘルスケア分野などの案件では、驚くような高値の取引となることも

■成長戦略のための海外企業買収
・近年のM&Aブームの火付け役は、日本企業がグローバル化を促進するための海外企業の買収、いわゆるIN-OUT
 →アジアなどの新興国市場の企業を買収するケースが多いが、巨額買収案件では欧米企業を買収するケースが目立つ

【戦略的なM&Aの重要性】

■経営戦略実現のためのM&A
・事業構成をどのように変化、重点事業分野をどこに設定、新たな成長事業をどこに構築
 →経営戦略の確立が最も重要

■M&Aの成功と失敗
・人事を尽くした上で、「運も実力のうち」と割り切って、経営戦略に沿った分かり易いシナジーをきちんと実現できるM&Aを着実に実施する姿勢
 →M&Aに挑む企業には期待

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