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昨年から続く市場減少、2月半導体販売高と2015年最終データ

米国Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高、今回はこの2月分が発表されているとともに、昨年、2015年の半導体業界の各種データの最終結果が示されている。2月の世界半導体販売高は$26.0 billionで前月比3.2%減、前年同月比6.2%減と、昨年の特に後半からの減少傾向が続いている。改めて見る2015年の世界半導体売上げの最終データは、それぞれの見方があるが、Gartner社2.3%減、IHS社2%減となっている。世界経済減速基調が続くなか、中核のモバイル機器に加えて新市場、新技術への注目、そして期待が一層高まっていくところがある。

≪2月の世界半導体販売高≫

米SIAからの発表内容が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓

◯2月のグローバル半導体販売高が、僅かに減少−前月比3.2%減、前年同月比6.2%減 …4月4日付け SIAプレスリリース

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2016年2月の世界半導体販売高が$26.0 billionに達し、前月の$26.9 billionを3.2%下回り、前年同月、2015年2月の$27.7 billionから6.2%下回った、と発表した。Americas地域での販売高が前年同月比19.3%減と急激に低下している一方、中国での販売高は同3.5%増加している。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「2月のグローバル半導体販売高は、通常の季節的な傾向、需要の軟化、そして不利なマクロ経済の状況から、幾分減少している。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。
「大方の地域市場がこのような逆風に打ち勝つよう奮闘しており、半導体製品カテゴリーの大多数にわたって販売高が減っている。」

地域別ではほぼ全面的に販売高が減少しており、China(前月比-4.6%/前年同月比+3.5%), Europe(-0.9%/-6.3%), Japan(-0.8%/-3.5%), Asia Pacific/All Other(-0.7%/-6.3%), およびAmericas(-7.0%/-19.3%)とそれぞれ表わされる。

【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Feb 2015
Jan 2016
Feb 2016
前年同月比
前月比
========
Americas
6.23
5.41
5.03
-19.3
-7.0
Europe
2.88
2.72
2.70
-6.3
-0.9
Japan
2.55
2.49
2.46
-3.5
-0.8
China
7.76
8.42
8.03
3.5
-4.6
Asia Pacific/All Other
8.32
7.85
7.80
-6.3
-0.7
$27.74 B
$26.89 B
$26.02 B
-6.2 %
-3.2 %

--------------------------------------

市場地域
9-11月平均
12- 2月平均
change
Americas
6.07
5.03
-17.1
Europetd>
2.93
2.70
-8.1
Japan
2.68
2.46
-8.0
China
8.67
8.03
-7.4
Asia Pacific/All Other
8.53
7.80
-8.6
$28.88 B
$26.02 B
-9.9 %
--------------------------------------

主要半導体製品カテゴリーの大方にわたっても販売高は減少しており、目立つ例外としてmicroprocessors(MPUs)の前年同月比3.4%増がある。

※2月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/February%202016%20GSR%20table%20and%20graph%20for%20press%20release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の反応、取り上げである。

◇Global semiconductor sales dip slightly in February (4月4日付け ELECTROIQ)

◇Global semiconductor sales dip slightly in February, says SIA (4月6日付け DIGITIMES)

◇Chip Market Decline Deepens (4月7日付け EE Times)
→Semiconductor Industry Association(SIA)発。2015年半ばに始まった半導体市場の減少が少なくとも2016年第一四半期まで続く様相、中国を除くすべての地域で前年比市場が下降している旨。World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)によると、2015年第三四半期および第四四半期ともにグローバル半導体市場は前年比減少しており、2016年および2017年を通して縮小し続けると見る向き(IHS社)もある旨。

現下の市場気分が影響してか、今年の半導体販売高について予測の下方修正も見られている。

◇Semiconductor Forecast Slumps (4月8日付け EE Times)
→International Business Strategies(IBS; Los Gatos, Calif.)の今年の半導体販売高の見方。昨年11月時点では約1%減としていたが、このほど2.13%減の$330.56 billionと予測を下方修正の旨。

$300 billionの壁をやっと越えて伸びが続いたところに水が差された2015年が、IHS社より以下の通り表わされている。3年周期の停滞の始まりとの見方にもなっている。

◇Global semiconductor market slumps in 2015, IHS reports (4月4日付け ELECTROIQ)
→IHS社発。グローバル半導体市場のここ3年の推移:
 2013年   2014年       2015年
       $354.3 billion   $347.3 billion
 6.4%増   8.3%増       2%減

2015年は、すべての四半期を通して前四半期比の伸びが弱く、特に第一四半期は8.9%減となり、半導体市場が2008年第四四半期と2009年第一四半期に落ち込んで以降最も深い低下となっている旨。
「昨年の弱含みの結果は、半導体売上げの伸びの低下から停滞の3年周期と予期されるものの始まりを示している。ワイヤレス通信、データ処理およびconsumer electronicsの主要分野での末端市場需要の元気のなさが、こんどは半導体の伸びを妨げる」(IHS Technologyのvice president and chief analyst、Dale Ford氏)旨。

◇Global smiconductor market slumps in 2015, IHS says (4月6日付け DIGITIMES)

World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)からは、2015年販売高の応用分野別比率データが示されている。

◇Communications, PCs top semicon markets in 2015-WSTS: Comm and computer chips led 2015 market in sales (4月4日付け The Star Online (Malaysia))
→World Semiconductor Trade Statistics(WSTS) program発。2015年のグローバル半導体販売高、$335 billionのうち、通信用半導体が34.1%を占め、PCsなどcomputers用ICsが29.7%であった旨。2015年のグローバル半導体販売高は概して前年、2014年並みの旨。12.8%を占めた産業/政府関連応用は、前年比約1%増となった旨。

ベンダーランキングというとDataquest社と1970年代の後半から1980年代と常に追いかけていたが、それが今やGartner社となって2015年のトップ10半導体ベンダーが以下の通り表わされている。

◇Worldwide Semiconductor Revenue Declined 2.3 Percent in 2015, According to Final Results by Gartner-Slowing Demand for Key Applications and Currency Fluctuations Cause Turbulence in Semiconductor Market (4月5日付け Gartner)
→Gartner社による最終結果。2015年の世界半導体売上げ総計が$334.8 billion、2014年から2.3%減。トップ25半導体売上げ合計は、同0.5%減、該市場の73.5%を占めたが、2014年の74%からは僅かに低下の旨。
トップ10半導体ベンダー(金額:USM$):

2014
2015
 ベンダー
2014
2015
2014-2015
2015
順位
順位
売上げ
売上げ
伸び率
シェア
1
1
 Intel
52,331
51,690
-1.2%
15.4%
2
2
 Samsung Electronics
34,742
37,852
9.0
11.3
5
3
 SK Hynix
15,997
16,374
2.4
4.9
3
4
 Qualcomm
19,291
16,079
-16.7
4.8
4
5
 Micron Technology
16,278
13,816
-15.1
4.1
6
6
 Texas Instruments
11,538
11,533
0.0
3.4
7
7
 Toshiba
10,665
9,162
-14.1
2.7
8
8
 Broadcom
8,428
8,394
-0.4
2.5
12
9
 Infineon Technologies
5,693
6,808
19.6
2.0
9
10
 STMicroelectronics
7,376
6,800
-7.8
2.0
 Others
160,289
156,260
-2.5
46.9
 Total
342,628
334,768
-2.3
100

   [Source: Gartner (March 2016)]

◇Semiconductor revenues fall to $334bn-Chip industry revenues were 1.9% down on 2014 at $334 billion last year, according to Gartner, in contrast to IHS' estimate of $347 billion.-Gartner: 2015 global chip revenue was $334B, down 1.9% (4月6日付け Electronics Weekly (U.K.))
→Gartnerは、2015年の世界半導体売上げを2014年から1.9%減の$334 billionと見ている旨。「2015年はプラスマイナス入り混じった内容、optoelectronics, non-opticalセンサ, アナログおよびASICがすべて売上げが伸びる一方、その他は減っている」(GartnerのSergis Mushell氏)旨。

IC Insightsからは、1980年代の日米半導体摩擦の火種となったいわゆる国籍別シェアのデータが表わされている。約30年経った後の世界市場は、半分以上を米国が占め、メモリを引っ張る韓国が2割と、改めてかみしめる業界模様ではある。

◇U.S. companies continue to capture bulk of IDM and fabless IC sales (4月5日付け ELECTROIQ)
→IC Insightsが最近リリースしたMarch Update to the 2016 McClean Reportの中の本社国籍によるICメーカー販売高データ。ファウンドリー販売高は含めず、2015年の世界IC市場全体の国・地域シェア、次の通り:
 米国 54%
 韓国 20%
 日本  8%
 台湾  7%
 欧州  6%
 中国  3%

◇US companies have 54% of IC market, says IC Insights-Chinese IC companies held only 3% of total IC sales in 2015.-IC Insights: US firms accounted for more than half of chip sales in 2015 (4月5日付け Electronics Weekly (U.K.))

◇US firms continue to capture bulk of IDM and fabless IC sales, says IC Insights (4月6日付け DIGITIMES)


≪市場実態PickUp≫

【Samsungの業界初10-nm級DRAM量産】

Samsung Electronicsが、業界初の10-nm級DRAM、8GビットDDR4の量産開始を発表、各国業界の以下の通りの表わし方となっている。韓国では回路線幅は18-nmとの見方が多いとのこと。微細化の限界まだまだいけるとの見方も表わされている。

◇Samsung starts mass producing industry's first 10nm class DRAM (4月5日付け ELECTROIQ)
→Samsung Electronics Co., Ltd.が、業界初の10-nm級、8-gigabit(Gb) DDR4(double-data-rate-4) DRAM半導体およびその搭載モジュールの量産開始を発表の旨。

◇Samsung extends its lead in DRAM sector-Samsung's new chip positions it atop DRAM tech (4月5日付け The Korea Herald (Seoul))

◇サムスン、最先端半導体を量産、10ナノ台のDRAM (4月5日付け 日経 電子版)
→韓国のサムスン電子が5日、パソコンなどに使う最先端の半導体メモリの量産を始めたと発表、DRAMで回路線幅が10-nm台後半という最先端品、韓国の関係者の間では回路線幅は18-nmとの見方が多い旨。生産性を3割程度高め「4重露光」と呼ぶ先端技術を採用、消費電力も従来品より約20%減る旨。

◇Samsung's First 10-Nanometer DRAM Is 30 Percent Faster-Samsung's breakthrough 10nm DRAM chip headed for phones this year (4月6日付け Gizmodo)
→Samsung Electronicsが、今年10-nm DRAM半導体をスマートフォンに導入、PCsおよびlaptopsと続く旨。該メモリ半導体は、1x nm設計&製造技術ベースの旨。

◇Samsung starts mass producing 10nm class DRAM (4月6日付け DIGITIMES)
→Samsungは、DRAM scalingの技術課題を克服、業界初の"10nm-級 DRAM"の扉を開いており、これら課題は、EUV(extreme ultraviolet)装置の使用はなくて現在使えているArF(argon fluoride) immersion lithographyによりマスターしている旨。

◇髪の毛の細さに1万本の回路…サムスン、10ナノ級DRAM時代開く (4月6日付け 韓国・中央日報)
→サムスン電子が世界で初めて10ナノ級DRAM半導体時代を開いた旨。 サムスン電子は5日、「世界最小サイズの10ナノ級8ギガビット(Gb)DRAM技術を確保し2月から量産を始めた」と明らかにした旨。10ナノは髪の毛の1万分の1の太さに相当、同じ大きさのウエハーに、より細かく回路線を入れるほど半導体の生産量は増える旨。これまで半導体業界では10ナノ級入りを微細技術の限界と考えてきたが、サムスン電子が世界で初めてこれを達成、これに先立ちサムスン電子は2014年に世界で初めて20ナノ技術開発に成功している旨。

◇10nm DDR4 DRAM Could Defy Moore (4月7日付け EE Times)
→Moore's Lawの終焉の噂が近年大きく強調されてきているが、Samsung Electronicsの業界初という10-nm 8Gb DDR4 DRAM半導体の量産は、DRAM scalingがよく言われる壁に当たるにはまだと示している旨。

【International Symposium on Physical Design(ISPD) 2016から】

次世代半導体についてのAssociation of Computing Machinery (ACM) conferenceというISPD 2016は、Intel, IBM, Cadence, Global Foundries, IMEC, Oracle, Synopsys, TSMC, Altera, Xilinxなど世界の主要半導体メーカーが支援しているとのこと。最先端の興味深い取り組み、見方が続く以下の内容である。

◇Intel Plans A Future of CMOS-Moore's Law extended by new materials-Intel will surround its CMOS cores with new materials (4月5日付け EE Times)
→International Symposium on Physical Design(ISPD) 2016(4月3-6日:Santa Rosa, Calif.)にて、90-nmから22-nmノードまでプロセッサ開発を主導したIntelのTechnology and Manufacturing Groupのvice presidentでIntel Director of Circuit Technologyを兼ねるIEEE Fellow、Kevin Zhang氏基調講演、"Circuit Design in Nano-Scale CMOS Technologies"発。Intelの10-nm以降の今後のプロセッサは引き続きコアにCMOSを用いるが、該コアは新しい材料を用い新規回路アーキテクチャーが盛り込まれ、Moore's Lawを無期限に延ばす可能性の旨。Moore's Lawは決してscalingではなく、ウェーハ上のdieを増やす経済的利点についてである旨。

◇Synopsys Scientist Backs Nanowires-ISPD talks downplay FinFETs, FD-SOI, EUV-Scientist sees nanowires succeeding FinFETs, FD-SOI tech (4月6日付け EE Times)
→International Symposium on Physical Design(ISPD) 2016(4月3-6日:Santa Rosa, Calif.)にて、Synopsys Scientist、Victor Moroz氏招待講演。Moore's Lawは、トランジスタ当たり1原子となる2043年ごろまでずっと絶えることはなく、FinFETsは重要性が薄れていく旨。シリコンnanowireトランジスタが、FinFETsあるいはFD-SOI(fully-deleted silicon-on insulator)よりずっと良いソリューションとなる旨。

◇IBM Neurocomputer Detailed-TrueNorth innards, aspirations revealed (4月7日付け EE Times)
→International Symposium on Physical Design(ISPD) 2016(4月3-6日:Santa Rosa, Calif.)にて、IBMのLow-Power Neuromorphic Circuit Designer, Filipp Akopyan氏が、同氏招待論文、"Design and Tool Flow of IBM's TrueNorth: An Ultra-Low Power Programmable Neurosynaptic Chip with 1-Million Neurons"により、人間の頭脳に基づくTrueNorth-its neuromorphic mixed-signal半導体の開発状況および今後の計画の詳細を披露の旨。

◇Machine Learning Routes Chips-ISPD design contest focused on FPGAs (4月8日付け EE Times)
→International Symposium on Physical Design(ISPD) 2016(4月3-6日:Santa Rosa, Calif.)発。半導体routingの今後は、最高速machine learning法でカバーされ、billionトランジスタ半導体に向けたauto-routingアルゴリズムは過去のものとなる旨。

【退任退社の動きから】

人事異動の時節を迎えているが、インテルでの退任退社、そしてMarvell Technologyの創業夫妻の退任と注目を集める2件である。

◇Intel Mobile Chip Leader Is Leaving After Less Than a Year in That Role-Sources: Intel mobile exec Aicha Evans leaving company (4月1日付け Bloomberg)
→不特定の事情通発。Intelのモバイル部門executive、Aicha Evans氏が、現職位1年足らず、同社在籍10年で退社しようとしている旨。彼女の離脱は、management変更並びに新しいサプライヤ連携に関する最近の発表に続いて出てきている旨。

◇Intel Disrupts Client Management-Two execs gone and one missing (4月4日付け EE Times)
→Intelが月曜4日、次の2名の退任退社を発表の旨。
Kirk Skaugen氏…Intelの売上げの58%を占めるPC部門Doug Davis氏 …Internet of Things(IoT)グループ:32年在籍
Bloomberg発にあるAicha Evans氏(モバイルグループ)の退任退社にはコメントしていない旨。

◇Intel Mobile Chief's Hard Monday-You think you had a hard Monday? Consider the case of Aicha Evans. (4月4日付け EE Times/Blog)

◇Intel Senior Executives Skaugen, Davis Leaving Company-2 Intel execs are headed out (4月4日付け Bloomberg)

◇Intel Says Two Senior Executives to Depart -PC chip head Kirk Skaugen, ‘Internet of Things’ chief Doug Davis leaving chip maker (4月4日付け The Wall Street Journal)

◇Marvell's President & CEO Resign (4月5日付け EE Times)
→Marvell Technology Group、5日発。同社founder and Chief Executive Officer(CEO)、Sehat Sutardja氏およびPresident、Weili Dai氏夫妻が、active managementポストから退く旨。夫妻はBoard of Directorsには残り、Dr. Sutardja氏は引き続きchairmanを務める旨。Boardは大手executive search firmとともに、新しいCEOおよびpresidentを探していく旨。

【Nvidia関連】

Nvidiaのvirtual reality(VR)、machine learningそしてartificial intelligence(AI)と最先端のキーワードに対応する新製品の発表が相次いで行われている。

◇Nvidia is outing a VR Ready Quadro processor for mobile workstations -Nvidia debuts VR-ready Quadro processor (4月4日付け Digital Trends)
→Nvidiaが、2,048個のCUDAコアが入った次期Maxwell 2-ベースNvidia Quadro M5500 professional-gradeグラフィックス半導体を発表、該半導体は、virtual reality(VR)-ready professionalモバイルwork areas向けに開発、約1,140MHzのboost clockがあるとともに8GBのVRAM, メモリバス幅256 bits, 6.6GHzのメモリクロック(GDDR5)および150W thermal envelopeを備える旨。

◇A $2 Billion Chip to Accelerate Artificial Intelligence-Nvidia aims machine-learning processor at AI applications (4月5日付け MIT Technology Review online)
→Nvidiaが火曜5日、deep learningとしても知られるmachine learningにおける応用向けにTesla P100プロセッサを投入、開発に$2 billion以上かけている該半導体は、同社のDGX-1 computerで用いられる旨。

◇Nvidia Rolls Pascal, GPU Server-Deep learning next killer app for GPUs? (4月6日付け EE Times/Slideshow)
→Nvidiaが同社annual GPU Technology Conference(2016年4月4-7日:SILICON VALLEY)にて、今までで最大の16-nm FinFET半導体、並びにそれらを8個収めたhigh-endシステムを発表、該Tesla P100半導体およびDGX-1サーバは、deep learningアルゴリズムに向けた同社最新のグラフィックス処理エンジンである旨。同社が築かれているcomputerゲームがまったくない基調講演でchief executive、Jen-Hsun Huang氏は、次世代cloudサービスから車まですべてが新興途上のartificial intelligence(AI)技法を用いると示した旨。

もう1つ、Qualcommを相手取った提訴が進められている。

◇Nvidia Demands Qualcomm Pay Up After Demise of $352 Million Unit-Nvidia sues Qualcomm after being "forced" to shutter its cellular chip unit (4月6日付け Bloomberg)
→Nvidiaが、Qualcommの市場支配力の乱用でモデム用チップセット、Icera部門の閉鎖に追い込まれたとして提訴、EU regulatorがQualcommの調査を踏み上げている時点で行われている旨。

【M&A関連】

ASEのSPIL株式を公開市場買いの件、33.28%にまで高められて法制承認が必要になる閾値にあと僅かとなっている。

◇ASE ups SPIL stake close to threshold, plans private placement-ASE holds 33.28% of SPIL's shares, just shy of regulatory limit (4月3日付け The China Post/Central News Agency)
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE)社が金曜1日、Siliconware Precision Industries Co. Ltd.(SPIL)株式を公開市場買いで8.91 million株、NT$472 million($14.56 million)で購入、SPILにおけるASEのstakeをそれまでの32.99%から33.28%に高めている旨。33.28%は台湾・Fair Trade Commission(FTC)による見直しを要する3分の1、すなわち33.33%という閾値に近づいており、ASEが引き続きこの閾値を越えて上げていけば、法制承認が必要になる旨。

インテルの買収2件、以下の通り行われている。

◇Intel buys Yogitech, aims to bolster IoT safety efforts-For Intel, Yogitech's knowhow will allow it to create systems for autonomous vehicles and other areas of the Internet of things (IoT).-Intel's Yogitech acquisition is about functional safety for the IoT (4月5日付け ZDNet)
→Intelが、ICs向け機能安全性解析ソフトウェア・プロバイダー、YOGITECH S.p.A.(イタリア)を買収、自動運転車およびInternet of Things(IoT)におけるIntelの活動強化のためと見込まれる旨。

◇Intel Grabs OTA Platform Vendor Arynga (4月6日付け EE Times)
→Intelが、Over-the-air(OTA)ソフトウェアベンダー、Arynga(La Jolla, CA)を買収、今後Aryngaの製品&技術はIntelの子会社、Wind Riverが販売する旨。車にinstallされたソフトウェアに向けたOTA更新capabilitiesはconnected carにとって決定的な基準であり、このようなcapabilitiesをサポートするソフトウェアプラットフォーム市場が動き始めている旨。

買収して新たな社名でスタートする動きである。

◇GigOptix buys Magnum Semiconductor in $55M deal-Magnum Semiconductor is bought for $55M by GigOptix (4月5日付け American City Business Journals/San Jose, Calif.)
→半導体および光コンポーネントを供給するGigOptix(Palo Alto, CA)が、半導体およびソフトウェア・プロバイダー、Magnum Semiconductor(Milpitas, CA)を買収、約$55 millionの取引、一緒になってGigPeak社とイメージチェンジを図る旨。

MicrochipのAtmel買収の1件は、買収価格を減額して完了している。台湾・鴻海のシャープ買収を思い起こすところがある。

◇Microchip completes Atmel deal, cuts price-Microchip wraps up Atmel acquisition, at a discount (4月6日付け New Electronics)
→Microchip Technologyが、Atmelの買収完了を発表、昨年8月に交渉を始めて以降Atmelでの不本意な業績結果があって買収価格を減額している旨。
「Atmelの事業はよく分かっており、MicrochipにAtmelを敏速に統合する計画」(Microchipのchairman and CEO、Steve Sanghi氏)の旨。


≪グローバル雑学王−405≫

2020年の世界および我が国がどうなっているだろうか、閣僚として政治で動かした経験をもつ経済学者の著者の視点でまとめた書、

『大変化 経済学が教える2020年の日本と世界』
 (竹中 平蔵 著:PHP新書 1023) …2016年1月5日 第一版第一刷

を読み進めてきたが、今回で締めとなる。2020年の世界のあり様を見渡す後半は、中国そしてインド、ASEAN諸国に目を向けている。それぞれの国・地域が織りなす今後の勢力図模様が表わされている。


第6章 世界経済、変化する者だけが生き残る =後半=

3 中国は2020年までに「中進国の罠」にはまる

■成長率の鈍化は景気だけの問題ではない
・数年前まで9%以上を維持していた中国の経済成長率
 →公式発表によれば、2015年第一四半期、第二四半期ともに7.0%
・日本経済研究センターが2015年6月末に発表した中期予測
 →2020年には5%台、2025年には4%程度に
・「中進国(中所得国)の罠」にはまりつつあることの懸念
 …「中所得国」とは、1人当たりのGDPが5000〜1万ドルの国
 →問題はそこから先、先進国の仲間入りが難しい
 →一方で低所得国に追い上げられ、成長が鈍化して中進国のまま停滞する
・先進国へのステップアップは、イノベーションを起こせるか否かにかかる
 →中国の場合、阻害する大きな要素として「ルールが明確ではない」ということ

■中国のボトルネックは「rule of law」の欠落
・産業革命が最初に起こったのはイギリス
 →一つとして「rule of law(法の支配)」があった
 →さまざまな権利関係について公平に裁くシステムが必要に
・中国に関しては、rule of lawが確立しているとはとても言えない
 →事例:2015年7月、上海株式市場が暴落、いきなり半数の銘柄の取引が停止
 →事例:昨日まで政治の中枢で活躍していた人が急に監獄に
・如何にルールを確立し、恣意性を排除するか
 →中進国・途上国がもう一段上へ発展するための喫緊の課題

■2020年の中国は日本の脅威となるか
・当面、中国に関して注目すべきは、2017年という年
 →習近平主席、李克強首相に続く支配層5人が年齢制限のルールで入れ替え
・外交的には、今の中国は2つの顔を使い分け
 →グローバルパートナー …アメリカやヨーロッパ向け
 →従来の秩序への挑戦者 …近隣諸国向け
・「成長はすべての矛盾を覆い隠す」(ウィンストン・チャーチル)
 →今までの中国はまさにその通りに推移
・これからは、中国が成長しないことの方が、よほど日本にとって脅威に
 →矛盾点を隠して中国国民の関心を外に向けるために、日本に対し、外交的により強硬になる可能性も

4 2020年、アジアの成長を牽引する国はどこか

■インドはやがて中国を追い抜く
・1990年ごろまで、人口の多さは経済にとってプラスかマイナスかという論争
 →その後、人口はアセット(資産)であるという考え方が主流に
・その観点で言えば、今後の有望株はインド
 →民主主義の国であり、かつて大英帝国の植民地だったためにイギリス流の法律が残る
 →「rule of law」のインフラはそれなりに存在
・2014年5月に発足したモディ政権がどこまで改革を実行できるか

■ASEANは「コネクティビティ」で進化する
・「ASEAN」…「Association of South‐East Asian Nations(東南アジア諸国連合)」
 →もともとは、反共産主義の砦としてアメリカ主導で生まれた経緯
 →1995年に共産主義国のベトナムがメンバー参加、ASEANは明らかな経済連携組織に
 →加盟10か国合計では6億人超の人口、各国の公用語は英語で英語人口も極めて多い
・ASEANの面々がよく使う「コネクティビティ」
 →加盟国の中でさまざまなつながりをもつ
  …国境をまたいで鉄道をつなげる、高速道路をつなげる、制度も共通化してつなげる
 →例:バンコクは今、世界中の自動車メーカーが工場、「東洋のデトロイト」になりつつ
 →例:2015年4月、バンコクからカンボジアのプノンペンを経由、ベトナムのホーチミンへ至る幹線道路「南部経済回廊」が開通
   →将来的にはバンコクから西へも延伸、ミャンマーの港町、ダウェイともつながる予定
   →東南アジアの金融・経済センターであるシンガポールを通らないで南シナ海とインド洋がつながる

■これから日本に吹く「ASEAN経済共同体」の追い風
・ASEANは2015年末、「ASEAN経済共同体(AEC)」を発足
 →日本にとってもたいへんな追い風
  →ASEANの企業と日本企業が手を組むことで、win-winのビジネスをつくれる可能性は高い
  →「BOP(Base/Bottom of the Economic Pyramid)ビジネス」参入
   …「経済ピラミッドの底」(年収3000ドル以下の低所得層)
   →BOPマーケット向けにふさわしい技術を持っている中堅中小企業は、日本に多く存在
・問われるのは、「地図」ではなく「コンパス」を持っているか、ということ
 →常に時代を読んで変化する勇気を持っているか

≪おわりに≫

・私たちが見定めるべきものは、まさに「大きな流れ」
 →もう一段だけ高所に上り、大局を見渡すとともに遠くを見通してみることが重要
・本書では、展望する「大きな流れ」を提示
 →ざっくりとした結論として、課題も多いが未来は明るい

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