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世界を駆け巡る半導体業界M&Aの動き、アップデート&新規案件

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半導体業界のM&A(企業の合併、買収)の動きが依然続いており、大規模に世界を駆け巡る案件が相次いでいる。停滞感、減速感の強いエレクトロニクス・半導体市場の中でシェアアップ、事業の幅の拡大、そしてInternet of Things(IoT)はじめ新規市場への進出を目指した大手プレーヤー間の統合の動きに、中国のTsinghua Unigroupをはじめとする同国半導体業界自立化をかけた動きが輪をかけて追い打つ形勢を受け止めている。本年、2015年の半導体業界を特徴づけるキーワードとなっているM&Aであるが、落ち着くことなく新たな動きがまたまた重なって生じてきている。

≪治まらないM&Aの嵐≫

いくつかアップデートを要する動き、内容が見られており、まずは、DialogのAtmel買収提案について米国およびドイツが法制面でOKサインを出している。

◇Dialog-Atmel Deal Clears Regulatory Hurdles (11月14日付け EE Times)
→英国の半導体ベンダー、Dialog Semiconductor plc(London)発。同社のAtmel社$4.6 billion買収提案が、あるactivist hedge fundが該取引阻止の期待で反対したけれでも、米国およびドイツのregulatory reviewをクリアの旨。

中国のTsinghua Unigroupの向こう5年の取り組みが次のように表わされている。

◇Exclusive: China's Tsinghua Unigroup to invest $47 billion to build chip empire-China's Tsinghua plans to become global chipmaker (11月16日付け Reuters)
→中国国営Tsinghua UnigroupのChairman、Zhao Weiguo氏。同社は、世界第3位の半導体メーカーを目指しており、向こう5年にわたって$47 billionを投資する旨。majority stateはとれないにしても、ある大手米国半導体メーカーへの投資につながる可能性の話し合いに入っている旨。

◇Report: China Has $47bn Chip Fund Focused on U.S. M&A (11月17日付け EE Times)
→Tsinghua Unigroupのchairman、Zhao Weiguo氏のReutersインタビュー。
同社は、半導体業界における中国の立場構築に向けて5年にわたり300 billion yuan(約$47 billion)を充てる意向の旨。しかし投資や買収先は、台湾よりも米国になりそうな旨。同氏はまた、同社がある主要米国半導体メーカーと話し合いをもっているとしており、年末までに最終決定の可能性の取引の旨。米国政府に対して"あまりに敏感"であり、Tsinghuaはmajority stakeをとらない模様以外さらには触れていない旨。

この米国半導体メーカーのターゲットはどこなのか? 以下の憶測が見られている。

◇Could Qualcomm Be China's Next Target? (11月17日付け EE Times/Blog)
→Qualcommが中国の投資対象の枠内に入る主な指標が2つ、1つはQualcommの業績が最近がた落ちしていること、もう1つは中国政府傘下の半導体投資vehicle、Tsinghua Unigroupが米国に主に向けて$47 billionを充てるとしていること。

台湾の半導体業界にも穏やかではなく、TSIAからの以下の反応である。

◇‘Red supply chain’ must be explored, experts say (11月16日付け The Taipei Times (Taiwan)/CNA)
→Taiwan Semiconductor Industry Association(TSIA, 台灣半導體協會)のdirector-general、Nicky Lu(盧超群)氏。中国の新興“red supply chain”からの脅威増大に直面、台湾政府は、競争力を改善するために製品設計並びに人材開発&維持を強化するよう業界を元気づけるべき旨。

買収額の値踏みについて模様眺め、応酬が見られる2件である。

◇EZchip gets 30 days to seek higher buyout offer than Mellanox's-EZchip has 30 days to secure a higher offer than Mellanox's (11月17日付け Reuters)
→イスラエルの半導体設計メーカー、Mellanox Technologies Ltdが、買収しようとしているネットワーク通信用半導体メーカー、EZchip Semiconductor Ltdに対してより高いオファーを求める30日の猶予を与えている旨。Mellanoxは9月に、同社高性能computing向け製品portfolioを拡げる狙いで$811 millionでのEZchip買収に合意した旨。

◇Microsemi Ups PMC-Sierra Offer Again, Escalating Bidding War-Microsemi sweetens the deal for PMC-Sierra, outbidding Skyworks (11月18日付け Bloomberg)
→Microsemi社が、PMC-Sierra社を買収するcash-and-stock提示を$12.05/株に再び増額、Skyworks Solutions社による提示上回りを試みており、ネットワークdrives向け半導体メーカーを巡る入札の戦いに拍車をかけている旨。

まさに今年は中国がグローバル半導体市場に向けて打って出た年。この1年の動きをまとめて以下示されている。その規模、そして今も続く攻勢ぶりに改めて注目している。

◇China's Buying Spree: 2014-15 Top Tech Deals (11月18日付け EE Times)
→エレクトロニクス業界の歴史にとって、2014-15年は、中国がグローバル市場に向かって大きく飛躍する分岐の年であり、次の2つの大きな力が働いている旨。
1. 中国の政策活動が市場の力と合わさって、グローバルエレクトロニクスメーカーとの合併&投資を通して空前の早さ、金額および規模の買収を打ち上げ
2. QualcommおよびIntelなど大手グローバルエレクトロニクスメーカーが、北京と熱い連携、中国のメーカーおよびファウンドリーへの大規模投資およびビジネスを与えている
ここ12ヶ月の中国の最たるハイテク取引:
 …投資先;投資元;投資額;発表日;完了予定の順
・Western Digital;Tsinghua Holdingsの子会社、Tsinghua Unisplendour社;$3.8 billion;2015年9月30日;2016年第一四半期までに
・H3C Technologiesおよび中国におけるHP enterprise事業;Tsinghua Unisplendour;$2.3 billion;2015年5月
・Omnivision;Hua Capital Management Co., Ltd., CITIC Capital Holdings LimitedおよびGoldStone Investment Co., Ltd.から成るコンソーシアム;$1.9 billion;2015年4月;2016年第三あるいは第四四半期
・Integrated Silicon Solution, Inc.(ISSI);Uphill Investment Co.;$765 million;2015年6月;2015年12月
・Stats ChipPac;Changjiang Electronics;$1.03 billion;2014年11月
・Powertech Technology(台湾);Tsinghua Unigroup;$600 million;2015年10月

そしてまた、新たに加わる動きが見られている。ON Semiconductor社が、まさに老舗半導体メーカーのルーツ、Fairchildの買収を発表、以下の諸々の反応を呼び起こしている。

◇ON Semi to Buy Fairchild for $2.4 Billion (11月18日付け EE Times)
→半導体業界でまたも強い影響を与える買収が水曜18日発表され、ON Semiconductor社(Phoenix)がFairchild Semiconductor International社を約$2.4 billion in cashで買収する旨。両社合わさると、年間総売り上げ約$5 billion、パワー半導体分野でNo.2プレーヤーになり、車載、産業用およびスマートフォン末端市場に強く重点化の旨。

◇ON Semiconductor to acquire Fairchild for $2.4B (11月18日付け ELECTROIQ)
→$20.00/株でall cash取引、総額約$2.4 billionでの買収。

◇ON Semiconductor to Buy Fairchild for $2.4 Billion in Cash-ON to pay $2.4B to purchase Fairchild Semiconductor (11月18日付け Bloomberg)
→ON Semiconductorが、$2.4 billionでのFairchild Semiconductor買収に合意、Infineon Technologiesによる入札価格を上回った旨。「かつてのような伸びはなく、各社は株主に向けた価値を生じる新しい方法を探している」(Raymond James & AssociatesのSteve Smigie氏)旨。

◇ON Semiconductor to buy Fairchild in $2.4 bln deal (11月18日付け Reuters)

◇ON Semiconductor to acquire Fairchild for US$2.4 billion (11月19日付け DIGITIMES)

◇米半導体のオン・セミ、フェアチャイルドを買収 (11月19日付け 日経 電子版)
→米モトローラの半導体部門が独立してできた米半導体メーカー、オン・セミコンダクターが18日、米フェアチャイルド・セミコンダクターを24億ドル(約3千億円)で買収すると発表、両社は製品の重複が少なく補完性が高い旨。両社合算の売上高は50億ドルとなり、品ぞろえを広げ、営業や投資の面で体力をつける狙いの旨。
電源を管理する半導体に強みを持つオンセミは、三洋電機の半導体部門を買収したことでも知られる一方、低価格の汎用チップに強いフェアチャイルドは、インテル創業者らがかつて所属した老舗半導体メーカーで、売却・分離独立を繰り返している旨。

◇フェアチャイルドを買収、米オンセミ、半導体、補完性高く (11月20日付け 日経産業)

ここにきて我が国のルネサスエレクトロニクスを巡る動きが、それぞれのベクトルで表わされており、今後の方向性に注目である。

◇Renesas ready to spend billions to out-grow NXP-Freescale - CFO-Renesas will spend to keep up with MCU rivals (11月18日付け Reuters)
→Renesas Electronicsが、microcontroller(MCU)市場における競合、特に合併を進めているNXP SemiconductorsおよびFreescale Semiconductorに後れをとらないよう買収にむけて$2.43 billion in cashを備えている旨。

◇Infineon Expressed Interest in Japanese Chip Maker Renesas-German chip maker Infineon Technologies has expressed an interest in investing in the Japanese semiconductor firm, which is examining its strategic options-Report: Renesas considers approach by Infineon, other options (11月19日付け The Wall Street Journal)
→事情通筋発。Infineon Technologiesが、Renesas Electronicsへの出資の考えを持ち出しており、Renesasは、他の戦略的optionsとともに該提案を検討している旨。RenesasおよびInfineonは本記事へのコメントを控えている旨。

◇革新機構、ルネサス株の売却提案、経営再建にメド (11月21日付け 日経 電子版)
→官民ファンドの産業革新機構が、保有するルネサスエレクトロニクス株の一部をトヨタ自動車やパナソニックなど国内の大手製造業に売却する提案を始めた旨。両社に加え複数の企業に追加出資を持ちかける旨。ルネサスが2015年3月期に黒字転換したことで経営再建を果たしたと判断、保有株の売却に動く旨。

M&Aは各国の法的承認はじめプロセスを要するだけに、来年に向け今しばらく経過トレースが求められることになる。


≪市場実態PickUp≫

【データセンターへの期待】

IBMとXilinxが連携、Power半導体とprogrammable半導体の統合でIntelに立ち向かう動きが見られている。

◇IBM teams with Xilinx to take on Intel with Power chips-IBM targets data-center market with Xilinx partnership (11月15日付け Network World)
→IBMが、データセンター向け同社サーバにXilinxのprogrammable半導体を統合する旨。該取引はIBMのcross-licensed techのOpenPower initiativeの一環、Intelのデータセンタープロセッサに対抗する可能性、とアナリストの見方。

◇IBM, Xilinx forge pact to bolster OpenPOWER-The goal of the Xilinx-IBM partnership is to give developers acceleration tools, software and middleware to better handle new workloads. (11月16日付け ZDNet)

そのIntelの方は、買収を進めているAlteraのFPGAを統合したプロセッサが計画されている。

◇Intel's first server chip with performance-boosting FPGA to ship early next year-Intel will ship Xeon server chip with an Altera FPGA in Q1 (11月18日付け Network World/IDG News Service)
→Intelのデータセンターグループhead、Diane Bryant氏が水曜18日、Structure conference(San Francisco)にて。Intelは、第一四半期の間にAltera field-programmable gate array(FPGA)と統合されたサーバ向けXeonプロセッサを出荷する計画の旨。

IBMそしてIntelともに、データセンター市場に向けた動きであるが、大きな期待がIntelについて次のように表わされている。

◇Intel: Solid 2016 Sales Will Climb In 'Mid-Single-Digit' Percentage Range-Intel forecasts modest growth in 2016 (11月19日付け CRN.com (U.S.))
→Intelのannual investor meetingにて、同社CEO、Brian Krzanich氏。同社の2016年度は一ケタ半ばの売上げの伸びを見込み、低迷するPC市場の苦境の中正しい方向の1ステップの旨。データセンター半導体およびメモリ半導体がその伸びを引っ張る様相の旨。

【Supercomputing 15 conference(SC15)から】

Supercomputing 15 conference(SC15:2015年11月15-20日:Austin Convention Center, Austin, Texas)におけるIntelの広範なcomputingプラットフォームを狙った枠組み、そしてIntel対抗で事業拡大を図るARMの浸透ぶりである。

◇Intel Scales System Framework-Intel framework aims for a wide range of computing platforms (11月16日付け EE Times)
→Intelが、今週のSupercomputer 2015 conference(Austin, Texas)にて同社Scalable System Framework(SSF)を謳っており、Internet of Things(IoT)機器から高性能computingシステムまで多数の応用に向けて半導体設計を供給する狙いの旨。SSFは、Cray, Dell, 富士通, Hewlett-Packardなどが採用している旨。

◇Server vendors tap ARM chips to give users alternative to Intel -ARM reaches beyond mobile stronghold to hit lucrative server market-ARM brings chips to servers (11月17日付け PCWorld/IDG News Service)
→ARMが、Intelのx86システムに対抗できるとするサーバに事業の手を広げている旨。Penguin Computing, Gigabyte, Wistron, InventecおよびE4 Computer Engineeringというベンダーが、64-ビットARMアーキテクチャーベース、Internetおよびcloud workloadsに向けた48-コアCavium ThunderX半導体搭載のサーバを出している旨。該サーバは、今週のSupercomputing 15 conference(SC15:2015年11月15-20日:Austin Convention Center, Austin, Texas)で発表されている旨。

【半導体製造装置10月BB比】

SEMIおよびSEAJから米国および日本の半導体製造装置の月次BB比が発表され、今回は10月分であるが、ともに1を割って弱含みなデータとなっている。特に我が国は4ヶ月連続という供給過剰が見られている。

◇半導体製造装置、10月も供給過剰、BBレシオ、4カ月連続 (11月20日付け 日経産業)
→日本半導体製造装置協会(SEAJ)が19日に発表した10月の日本製半導体製造装置のBBレシオ(3カ月移動平均の受注額を同・販売額で割った値:速報値)は0.72と4カ月連続で1を下回った旨。

◇Bookings and billings in semiconductor equipment industry weaken for second consecutive month (11月20日付け ELECTROIQ)
→SEMIのOctober EMDS Book-to-Bill Report発。北米半導体装置メーカーの2015年10月世界受注が$1.33 billion(3ヶ月平均ベース)、BB比が0.98。ここ半年の推移(金額:USM$):

Billings
Bookings
Book-to-Bill
(3ヶ月平均)
(3ヶ月平均)
May 2015
$1,557.3
$1,546.2
0.99
June 2015
$1,554.9
$1,517.4
0.98
July 2015
$1,556.2
$1,587.3
1.02
August 2015
$1,575.9
$1,670.1
1.06
September 2015 (final)
$1,495.0
$1,554.9
1.04
October 2015 (prelim)
$1,358.4
$1,325.8
0.98

[Source: SEMI (www.semi.org), November 2015]

【韓国勢の奮闘】

この第三四半期、7-9月のDRAM市場について、Samsungのシェアアップ、そしてモバイルDRAMでのSK Hynixの頑張りが目立っている。本年の半導体ベンダーランキング予想でも両社の健闘ぶりが見られるところである。

◇Global 3Q15 mobile DRAM sales rise 18%, says DRAMeXchange (11月16日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。2015年第三四半期のモバイルDRAM売上げが約$4.55 billionに上り、前四半期($3.85 billion)比18%増。SK Hynixが、第三四半期のモバイルDRAM市場売上げ全体に最も大きく寄与している旨。

◇Samsung gains share in global DRAM, panel markets-Data: Samsung picks up DRAMs, display panels market share (11月19日付け The Korea Herald (Seoul)/Yonhap News Agency (South Korea))
→DRAMeXchangeによると、Samsung Electronicsの第三四半期の世界DRAM市場シェアが44.9%、前年同期が39.6%。DisplaySearchによると、ディスプレイパネルでのSamsungの第三四半期市場シェアが21.9%、前年同期の20.9%から上昇。

【スマートフォン市場の景観アップデート】

同じく第三四半期のスマートフォンのグローバル市場のデータに目を遣ると、各社シェアの浮沈状況が以下の通り注目するところである。

◇Smartphone Shipments up 15% in 3Q15 (11月19日付け EE Times)
→Gartner発。2015年第三四半期のスマートフォンのグローバル市場が353 million台、前年同期比15.5%増。携帯電話全体市場は478 million台、前年同期比3.7%増。スマートフォン市場の各社シェア状況:
 シェア増  Apple、Huawei
 シェア維持 Samsung
 シェア減  Xiaomi、Lenovo

奮起を図るXiaomiの取り組みである。

◇China market: Xiaomi to unveil new smartphone on November 24 (11月18日付け DIGITIMES)
→Xiaomi Technologyが、11月24日に開催する製品イベントにて同社の新しいスマートフォン、Redmi Note 2 ProおよびMi Pad 2を披露する予定、該製品offeringsにはXiaomi初のnotebookモデルも含まれる旨。該新モデルは、Xiaomiのスマートフォンの売れ行きが最近予想を下回っており、high-endスマートフォン分野への入り込みを高める同社の活動が危うくなっているという市場の憶測の渦中で出てくる旨。


≪グローバル雑学王−385≫

読んでいる間にも国際関係の事件、問題が沸き起こってきて、日々の世界の動向に一層敏感にと気づかされている書、

『地図で読む「国際関係」入門』
 (眞 淳平 著:ちくまプリマー新書 239) …2015年8月10日 初版第1刷発行

も今回で読みおさめである。締めとして我が国の課題に目を向けており、取り巻く国際関係の諸問題に対してしっかり主張すること、しっかり貢献すること、とメリハリの効いたGive and Takeのスタンスの重みを受け止めている。実績、成果を積み重ねて、我が国の影響力を上げていくことと思う。


終章 日本の課題を考える

◆東アジアの国際環境を安定させる
・私たちの日本が直面する今後の課題
 →最重要事項の1つは、日本の周辺地域、東アジアの国際環境が、平和で安定したものである続けること
・従来、日本の外交・安全保障環境における最大の要は、日米同盟
 →米軍の強大な抑止力と日本の防衛力の両輪が、日本の安全と平和を守ってきた
・変化しつつある近年の状況
 →最大の要素は、何と言っても中国の強大化
 →もう1つの変化は、アメリカの戦略の変質
  →同盟国・友好国に地域の秩序維持の一部を任せる「オフショア戦略」
・東アジア、あるいはその周辺地域における安全保障整備の一翼を、将来的に日本が担うようになる可能性
 →自国の軍事的役割をどこまで拡大していくのか、私たち皆が熟考していかなければならない問題

◆周辺諸国との諸問題を解決する
・日本が取り組むべきもう1つの重要な柱
 →周辺諸国との関係改善を進めること
・相互に意見の異なる領土問題
 →韓国は竹島を、ロシアは北方四島を実効支配。尖閣諸島は日本が実効支配
・日本としては、どのケースにおいても、日本固有の領土だと言い続けるのは正当なこと
 →熟慮と粘り強さをともなう、問題解決への一貫した注力こそが、ぜひとも必要

◆超高齢社会のモデルケースを作る
・日本は、超高齢社会のモデルケースを提示することができる立場
・最大の問題は、少子高齢化の進行を止めることができるのか、という点
・2013〜2014年に発表、反響を呼んだ日本創成会議の一連の報告書
 →日本の地方自治体の将来像を予測
 →今や、日本の地方自治体の多くが消滅の瀬戸際にある
・問題の重要性を、国民と政府がしっかり認識、広範囲の抜本的な対策を取り、その成果を世界に発信
 →今後高齢化が進展していく世界に対して、日本が貢献できる大きなポイント

◆貧困の連鎖を断ち切る
・現在、日本では所得格差が急速に拡大
 →データ結果からも、日本が、先進国の中で格差大国になりつつある
 →日本が世界に貢献できることは、貧困の連鎖を断ち切る仕組みを作ること

◆iPS細胞を使った臨床手術が始まった
・2014年9月、「加齢黄斑変性」の患者に対して実施、理化学研究所の臨床手術
 →iPS細胞が、世界で初めて、難病に苦しむ人の治療に使われた
・iPS細胞の研究では、生み出される成果が、世界をより豊かで安全なものにする
 →こうした姿こそ、日本政府と日本の産業が今後目指すべき、1つの雛形ではないか

◆日本の本当の姿を認識しよう
・日本は、さまざまな指標で、大国と呼ぶべき規模
 →経済規模で世界第3位
 →人口で世界第10位
 →防衛予算で世界第7位
 →面積は第60位だが、領土と領海に広大な排他的経済水域を加えると世界第6位
・このことの意味
 →日本が、世界の中で巨大な影響力を持っている
 →世界をよりよくするための大きな潜在能力を持っている
 →周辺地域や世界で起きるさまざまなできごとに、日本も責任を負っている
・視野を世界規模に広げたり、逆に身近な状況を観察したりという、視点や思考の柔軟性が求められる
 →日本全体の問題点、世界の課題に気づく
 →私たちの中に気づきと行動力が生まれてくるはず

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