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半導体最先端を見据えるスタンス、チャレンジ、つばぜり合い

毎年2月のこの時期は、半導体最先端の回路技術、微細化技術を競い合う国際会議に注目して認識のアップデートである。ISSCC(2015 IEEE international Solid-State Circuits Conference[2月22-26日:San Francisco, CA])、そしてSPIE(International Society for Optics and Photonics[2月22-26日:San Jose, CA])である。14-nmの量産が発表されたばかりの現時点であるが、10-nmそして7-nmを見据えた取り組みの最新状況が、IntelそしてSamsung、TSMCをはじめとして各社から発表されている。

≪それぞれの取り組み≫

ISSCC、そして続いてモバイル機器のMWC(Mobile World Congress[3月2-5日:バルセロナ])の開催となる時節、半導体業界では舌戦も喧しくなっている。Samsungは今後の競争力構築に向けてMoore's Lawの終焉を期待しているというアナリストの見方である。

◇Samsung Wants Moore's Law End, Analyst Says (2月24日付け EE Times/Blog)
→Susquehanna International Groupのアナリスト、Mehdi Hosseini氏。世界最大のスマートフォンメーカー、Samsung Electronicsが、新しい競争力を得る1つの方法としてMoore's Lawの終焉を期待している可能性の旨。

そのMWCで、世界初、14-nm 3D FinFETプロセッサ搭載のスマホを打ち上げるSamsungでもある。

◇Commentary: 14nm FinFET process, Galaxy S6 crucial to Samsung semiconductor business (2月26日付け DIGITIMES)
→来るMWC 2015でのSamsung Electronicsの新しいflagshipスマートフォン、Galaxy S6の初登場は、世界初、14-nm 3D FinFETプロセッサ搭載のスマートフォンとなり、同社半導体事業にとってもturning pointとして働く可能性の旨。Galaxy S6の販売の成功は、Samsungのhandset事業だけでなく、DRAMおよびNANDフラッシュ半導体など同社半導体製品ラインをも再燃させる支えになる旨。

一方、TSMCは10-nmに向けた時間軸の言及、そしてその暁にはIntelとの距離をなくすとしている。

◇TSMC to Start 10nm in 2017, Closing Gap with Intel-TSMC eyes Intel-comparable 10nm production in 2017 (2月24日付け EE Times)
→世界最大の半導体ファウンドリー、TSMCが、2017年に10-nm生産を始める予定、そのときに業界リーダー、Intel社に匹敵するプロセス技術をもつことになる旨。「我々の10-nmの性能は、速度、パワーおよび密度の点で、Intelが10-nm技術として定義していると思われるものと同等である。技術的には10-nmで隔たりをなくせると思っている。」(EE Timesに対し、TSMCのDirector of Corporate Communications、Elizabeth Sun氏)
このような中でのISSCCを業界記事から見ていくと、まずは盟主のIntelから最先端のSRAM、transmitterの開発とともに、Moore's Lawが7-nmまで引き続くと、以下の現状、今後の見方が打ち出されている。

◇Intel Carves Tiny SRAMs at 14nm-Moore's Law will continue to 7nm, exec says-Intel to debut details on newest tiny circuits (2月22日付け EE Times)
→今回出てくる開発の中に、Intelの0.0500-μm2 SRAM bitcellがあり、14.5-Mbits/mm2のデータが貯えられる旨。これは同社今後のsystems-on-a-chip(SoC)で共通して用いられるメモリアレイの一部の旨。
同社はまた、NRZあるいはPAM-4 modulationを活用、最大40-Gbpsの信号発生が行える14-nm serdes transmitterについても詳細説明の旨。

◇Intel: Moore's Law will continue through 7nm chips (2月22日付け PCWorld)
→Intelのsenior fellow、Mark Bohr氏。同社は、半導体技術の現状の進展速度は10-nm技術(2016年と予想)以降も継続、7-nm製造(2018年と予想)はextreme ultraviolet(EUV)レーザのような高価、難解な製造方法に移行することなく行なえる、と見ている旨。

◇Moore's Law 'still valid' beyond 10nm, says Intel fellow (2月22日付け New Electronics)

各社の10-nm以降への取り組みの今回の模様である。

◇Chipmakers face big challenges at 10-nm and beyond-Chip industry braces for challenges, tech advances (2月24日付け ZDNet/Laptops & Desktops blog)
→Intelのsenior fellow、Mark Bohr氏、Samsung Semiconductorのhead、Kinam Kim氏およびMarvellのchief、Sehat Sutardja氏が、半導体業界が直面する課題について講演、より良い性能、低電力化そしてより多くのfeaturesが得られるよう、"More than Moore"代替ニーズが高まっている旨。

今回のISSCC全般にわたる注目内容が、以下の通り表わされている。ひたすら微細高密度、高速化、高機能化を図る基本の流れに加えて、スマホからIoT、wearableに向かう中での超低電力設計の凝らした取り組みが繰り広げられる現状を感じている。

◇18 Views of ISSCC-Intel, Xilinx debate 3-D chip stacks (2月26日付け EE Times)
→今年のISSCCでは、シリコン革新のバイキング料理がもう一度食卓に出されている。Moore's Law追求のコスト増大および複雑度にも拘らず、この半導体設計者の年次gatheringの場で、エンジニアはより小さく、高速、media性に富んだデバイスを仕立て上げ、超低電力設計の不思議な新世界がいくつかエキゾチックなdishesを届けている旨。以下の注目内容:
 Intel, Xilinx debate 3-D chip stacks
 Tiny sensor, solar core
 Enabling modular smartphones
 Smartphones squawk in 4K
 Lightning fast links
 Heads up display and brain monitor
 Bluetooth hits new low
 The x86 hits lows and highs
 Thin and light innovations
 Microservers and mega-transceivers

こんどはSPIEからいくつか。ここでもphotonicsから3D半導体、IoTと話題の広がりが見られている。

◇SPIE plenary takes in photonics, 3DICs, connected devices-SPIE speaker: Transistor switches could be scaled down (2月23日付け Semiconductor Manufacturing & Design)
→SPIE Advanced Lithography conferenceのplenaryセッション講演は、photonicsから3D半導体、Internet of Things(IoT)まで広範囲の話題となっている旨。University of California at BerkeleyのDepartment of Electrical Engineering、chair、Tsu-Jae King Liu氏は、トランジスタスイッチが3D技術をもって時間軸での寸法縮小可能としている旨。

光lithographyの2陣営の対峙、EUVそして193i immersionであるが、ここでもIntel, SamsungおよびTSMCが入り組んでいる模様が見られる。

◇Proponents of EUV, immersion lithography face off at SPIE (2月25日付け ELECTROIQ)
→SPIE Advanced Lithography Symposiumにて、光lithographyにおける2つの主要陣営が対決する形、その1つのextreme-ultraviolet(EUV) lithographyは、ASML Holding, その子会社、Cymer, およびASMLのEUV顧客, 特にIntel, Samsung Electronics, およびTSMCが代表、もう1つは193i immersion lithographyでNikonおよびその顧客が代表、ここでもIntelはじめ大手半導体メーカーが入っている旨。

今回のSPIEでの注目の熱気は、EUVよりDSAに軍配と以下の受け止めである。

◇Directed Self Assembly Hot Topic at SPIE (2月25日付け Semiconductor Manufacturing & Design)
→今週のSPIE Advanced Lithography Symposium(San Jose, Calif.)にて、最も熱い3文字頭字語は、EUV(extreme-ultraviolet)よりはDSA(directed self-assembly)である旨。


≪市場実態PickUp≫

【2014年半導体R&D投資】

2014年の半導体R&D投資について、メーカー別ランキングがIC Insightsより発表されている。Intelが$11,537 millionと圧倒的首位、続くQualcommが$5,501 millionとなっている。上でも述べたIntelの半導体最先端に賭ける取り組みを受け止めている。

◇Top Semiconductor R&D Leaders Ranked for 2014 (2月24日付け IC Insights)
→IC Insights発。2014年の半導体メーカーR&D spendingランキングは、Intelが2位のQualcommに2倍以上の差をつけて首位、Qualcommが伸び率最大、NvidiaがR&D/販売高比最高の旨。ランキングデータ、下記参照:
http://www.icinsights.com/files/images/bulletin20150224Fig01.png

◇TSMC, MediaTek climb in semiconductor R&D spending ranking (2月25日付け Focus Taiwan News)

◇Top semiconductor R&D leaders ranked for 2014 (2月26日付け ELECTROIQ)

【IoT Starter Kit】

ARMが、FreescaleおよびIBMと連携、開発ボード、ソフトウェアおよびcloud back-endサービスにより開発者に安全確実なend-to-end connectivityを供給するIoT Starter Kitなるものを、以下の通り作り出している。

◇ARM, Freescale and IBM offer a platform for industrial IoT-ARM aims to make Internet of Things more accessible (2月23日付け GigaOm)
→ARMが、同社mbed OSをより近づきやすくするべく、単一プラットフォームとして開発ボード、ソフトウェアおよびcloud back-endサービスを設計、ARMはこれをInternet of Things(IoT)機器用starter kitと呼んでいる旨。該プラットフォームは、IBMのBlueMix cloudサービスをテコ入れする旨。

◇ARM starter kit brings smart devices to the cloud (2月25日付け EE Times India)
→ARMが、IoT Starter Kit-Ethernet Editionを展開、Internet-connected機器からのデータを直接IBMのBluemix cloudプラットフォームに送るツールの旨。ARMによる安全確実なセンサ環境とIBMからのcloud-ベースanalytics, モバイルおよびapplication resourcesが組み合わさって、smart製品および独自value-addedサービスの高速なprototypingが可能になる旨。該kitを用いて開発された最初の製品は、2015年に市場お目見えの見込みの旨。

◇IoT Starter Kit Connects Developer to Cloud in Moments (2月26日付け EE Times)
→ARMが、FreescaleおよびIBMと協働、機器からcloudサービスまで開発者に完全に確実なend-to-end connectivityを供給するIoT Starter Kitを作り出した旨。

【Xilinxの先端製品】

FPGAのXilinxが、新しいメモリ、3D-on-3D(シリコンインターポーザ)およびmulti-processing SoC(MPSoC)技術を組み合わせた16-nm UltraScale+ファミリー製品を発表している。

◇Xilinx、16nm FinFET+プロセス採用のUltraSCALE+製品群の概要を発表 (2月24日付け マイナビ)

◇Xilinx unveils 16nm UltraScale+ family of FPGAs (2月25日付け DIGITIMES)
→Xilinxが、FPGAs, 3D ICsおよびMPSoCsの同社16-nm UltraScale+ファミリーを発表、新しいメモリ、3D-on-3Dおよびmulti-processing SoC(MPSoC)技術を組み合わせている旨。該UltraScale+ファミリーには、新しいinterconnect最適化技術, SmartConnectも入っている旨。該新デバイスにより同社UltraScale portfolioが拡がって、今や20-nm & 16-nm FPGA, SoC, および3D IC devicesに及び、TSMCの16FF+ FinFET 3Dトランジスタからくる性能/wattの大きな高まりでテコ入れの旨。

◇Xilinx Ultrascale+: 3D on Steroids (2月26日付け 3D InCites)

【アップル関係】

アップルが車に参入か?という噂を受けて、Mercedes Benzのトップのコメントである。

◇Mercedes Chief Laughs at Apple's Rumored Self-Driving E-Car (2月24日付け IEEE Spectrum)
→Daimlerおよびその自動車製造部門、Mercedes Benzのhead、Dieter Zetsche氏。Appleがクルマの事業に入る計画という噂ゆえに、一睡もしないことはない旨。「MercedesあるいはDaimlerがスマートフォンを作り始めるという噂があるとしたら、Appleが夜眠れないことはない。我々にも同じこと。」

欧州2ヶ所にデータセンターを設けるというアップルからの発表である。

◇Apple to invest EUR1.7 billion in new data centers in Europe (2月24日付け DIGITIMES)
→Appleが本日、欧州での2つのデータセンター建設&稼働に向けてEUR1.7 billion($1.93 billion)の計画を発表、各々100%再生エネルギーで動く旨。County Galway, IrelandおよびDenmarkのcentral Jutlandに位置する該拠点は、欧州全域の顧客に向けてiTunes Store, App Store, iMessage, MapsおよびSiriなどAppleのonlineサービスを動かす旨。

そして、半導体設計に大きく踏み出すイスラエルへの進出である。

◇What Is Apple Looking for in Israel? Chip Design -How Israel is helping Apple make strides in chips (2月26日付け The Wall Street Journal /Digits blog)
→イスラエルが、米国に次ぐAppleの2番目に大きな研究開発hotspotになっており、同社は同国でmicroprocessor(MPU)半導体設計メーカー2社(Anobit Technologies Ltd.およびPrimeSense Ltd.)を買収の旨。

今年の市場の目玉の1つとして注目が集まるアップルウオッチの詳細が、来る3月9日に発表予定となっている。

◇アップルウオッチの詳細、3月9日に発表会 (2月27日付け 日経 電子版)
→米アップルが、新製品の発表会を3月9日に米サンフランシスコで開催、4月に出荷を始める腕時計型端末「アップルウオッチ」の詳細な中身を明らかにする旨。3月中に予約を受け付ける見通し、ノートパソコン「マックブック」の新モデルを発表する可能性もある旨。

【Embedded World Conference】

上述のARMの開発kitも然りであるが、Embedded World Conference(2月24-26日:Nuremberg, Germany)においても、活況のIoTに向けた各社の取り組みが以下の通り打ち上げられている。まだまだ使える8-ビットMCUs、セキュリティ対応の強化など以下謳われている。

◇8-bit MCUs Stake New Claim in IoT-Internet of Things breathes new life into 8-bit MCUs (2月23日付け EE Times)
→1)Silicon Labsがembedded world Conference 2015(2月24-26日:Nuremberg, Germany)にて、Internet of Things(IoT)のコスト、パワーおよびスペースに敏感な応用に向けた8-ビットMCUsの新シリーズを発表の旨。32-ビットMCUsのコスト低下はあるが、8-ビットはまだ生きている旨。
 2)8-ビットMCUsは32-ビットMCUで置き換えられるという向きがあるが、Silicon Labs(Austin, Texas)がInternet of Things(IoT)機器向け8-ビットプロセッサに投資している旨。同社は、8-ビットがMCU市場の約33%を占めているというレポートを引用の旨。同社は最近、EFM8 MCUファミリーをリリース、Sleepy Bee, Busy BeeおよびUniversal Beeと3つの製品を提示の旨。

◇Silicon Labs' First Salvo in IoT SoCs: Blue Gecko-Low-power Bluetooth SoC combines 32-bit MCU with 2.4GHz radio (2月24日付け EE Times)
→IoTのポテンシャルに重点化、Silicon Labsが今週、Embedded World conference(Nuremberg, Germany)にて、同社初のBluetooth Low Energy(BLE)ワイヤレスSoC, Blue Geckoを披露、同社の新しいBluetooth portfolioには、BluetoothワイヤレスSoCs, ソフトウェアstack, embeddedモジュールおよびソフトウェア開発キットがある旨。Blue Geckoは、数ヶ月以内にとSilicon Labsが約束しているIoT SoCsシリーズの最初のもの、該シリーズには、Sub-GHzワイヤレス製品ファミリー, multi-protocolsおよびmulti-bands製品ファミリー, そしてsub-GHz & 2.4GHz製品ファミリーがある旨。

◇Chip firms put security center stage for the internet of things-Internet of Things makes security a top priority for chipmakers (2月24日付け GigaOm)
→NXPおよびAtmelがそれぞれに、今週のEmbedded World Conference(2月24-26日:Nuremberg, Germany)にてsecurity-centric microcontrollers(MCUs)を投入する一方、FreescaleはEmbedded Microprocessor Benchmarking Consortiumと連携してsecurityシステムのholesを同定、安全なシステムを構築していく旨。該発表は、Internet of Things(IoT)市場が伸びてセキュリティ強化の需要が増加していることを示している旨。


≪グローバル雑学王−347≫

3回に分けて20世紀の二度の大戦による世界の変容ぶりを多角的な視点から、

『大局を読むための世界の近現代史』
  (長谷川 慶太郎 著:SB新書 276) …2014年11月25日 初版第1刷発行

より辿っているが、その2回目である。イギリスと同盟関係にあった我が国が第一次世界大戦の渦中でだんだんと国際社会から孤立する道を歩むようになり、ヨーロッパの国々が多大な犠牲を払う結果となったなか、世界恐慌や第二次世界大戦へとつながっていく。列強国と肩を並べる存在となった日本が、どうして「敗戦」を迎えなければならなかったのか?これを次回に向けて問うている。


第1章 20世紀、二度の大戦と世界の変容 =3分の2=

◇「栄光ある孤立」を捨て日本と手を組んだイギリス
・国内でも兵力確保がままならなくなったイギリス
 →もっとも頼みにしていたのが当時同盟関係にあった日本
・それまで「栄光ある孤立」と称される非同盟政策を敷いたイギリス
 →同じくロシアの南下政策に脅威を感じていた日本に接近
 →当然ながらイギリス国内では反対の声も

◇ヨーロッパに援軍を送らなかった日本陸軍
・日英同盟は、日本が一等国になるための大きな足がかりに
・第一次世界大戦が始まると、日本は日英同盟に基づきドイツに宣戦布告
 →参戦国からの軍需品発注が相次ぎ、日本列島に「大戦景気」と呼ばれる空前の好景気が到来
・日本は、日英同盟で多大な恩恵を受けておきながら、結局最後まで派兵要請に応じなかった
 →日本陸軍の最高指導者、山県有朋らが、強硬に反対
・イギリスの不信を招き、1923年、「日英同盟破棄」へ
 →当時の基軸通過国、イギリスとの同盟が破棄
 →日本は国際社会から孤立の道を歩んでいった

◇アメリカの参戦で追い込まれたドイツ帝国
・1917年4月、兵力を消耗したドイツ軍に追い打ちとなる出来事
 →アメリカが、連合国側に立って参戦してきた
 →一連の事件を受けて、ドイツに対するアメリカ国民の怒りが高まる
・それでも、ドイツ軍は1918年春に一斉攻撃、長距離砲でパリに砲弾を撃ち込み
 →このときフランスを支え、立て直したのがクレマンソー首相
 →フランス国民や軍隊を鼓舞
・1918年11月、ついにドイツが降伏、第一次世界大戦が終結
・参戦したヨーロッパの国々は多大な犠牲
 →経済活動や社会生活における安定性が失われ、世界恐慌や第二次世界大戦へとつながっていった

◇第二次世界大戦の引き金となったヴェルサイユ体制
・1919年1月、パリ講和会議において第一次世界大戦の賠償問題を協議
 →ドイツには1320億金マルクという賠償金の支払い義務
  →ドイツのGNP(国民総生産)の3年分にあたる額
・1919年6月、フランスのヴェルサイユでヴェルサイユ条約締結
・一方、アメリカのウィルソン大統領は、「国際連盟」の設立を提唱
 →ところが、アメリカ上院が、国際連盟への加盟を否決
  →国際連盟の機能は限定的なものに
・報復戦争の発生を事前に防ぎたいフランスは、1923年、ドイツ経済の心臓部、ルール地方の占領に乗り出す
 →その結果、ドイツでは深刻なインフレーションが発生
 →ドイツ国内では、「ヴェルサイユ条約を破棄すべき」という民族主義勢力が支持を
  →「ナチス」として結集、政権を掌握

◇「恒久平和」の役割を果たせなかった国際連盟
・国際連盟は、結局、第二次世界大戦が終結するまで、その役割を果たせず
 →軍事力という裏付けがなく、大国が参加しないなど、基盤が不十分
・国際連盟の権威は失墜し、事実上の解体へ
・国際連合(国連)ではこれらの反省を活かし、国際平和の維持に努めている

◇世界人口の約2.5%が命を落とした第二次世界大戦
・ドイツ陸軍の指揮官、フォン・ゼークト
 →ソ連と手を組み、秘密の軍事協定
 →ソ連は軍事技術導入、ドイツはソ連での軍事訓練
・1935年、ナチスを率いるアドルフ・ヒトラーは再軍備を宣言
・1939年9月1日、ドイツ軍は突如ポーランドへ侵攻、第二次世界大戦が始まる
 →1941年、不可侵条約を結んでいたソ連にも攻撃を仕掛け、独ソ戦も
・同盟国だったイタリアが降伏、ドイツの戦況は悪化の一途
・1944年6月のノルマンディー上陸作戦で、ドイツは東西から挟み撃ち
 →1945年5月7日、ドイツは連合国に対して無条件降伏
・第二次世界大戦では、当時の世界の総人口(約20億人)の約2.5%が犠牲に
 →第二次大戦は第一次大戦を上回る規模の「国家総力戦」となり、消耗戦に
・第二次世界大戦後、アメリカ陸海軍の合同機関、「米国戦略爆撃調査団」が、その発生要因を徹底的に調査
 →「敗戦国の国民といえども、その生存権を拒否するような講和条約を結んではいけない」という結論に
 →日本の敗戦要因について、海上輸送力の無さ
・日本の海運業は、戦争が始まったとき、680万トンの商戦を保有
 →戦争が終わったときには35万トンに。日本の港はB-29による機雷投下のせいで、ことごとく封鎖状態。
・列強国と肩を並べる存在となった日本が、どうして「敗戦」を迎えなければならなかったのか? 
 →明治維新に遡って以下に

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