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Update:最先端微細化を競う動き …3D NAND、FD-SOI、各社戦略

最先端の微細化を巡る動きの打ち上げが引き続き目についている。3次元(3D)技術を駆使した3D NANDフラッシュメモリに向けたサムスン電子および東芝の新工場の稼働および建設計画がそれぞれ発表されている。次に、STマイクロが主導するFD-SOI(fully depleted silicon on insulator)プロセス技術をサムスン電子にライセンス供与してファウンドリーサービスを展開するとし、特に欧州半導体業界での期待感が見られている。ほか、20-nm台から10-nm台を窺う各社の取り組み、攻防の現時点アップデートである。

≪まさに鍔迫り合い≫  

サムスン電子の中国・西安工場は3D NANDに特化するとし、24層重ね合わせる取り組み、生産歩留まりの課題など昨年来注目する動きが続いていたが、この新工場の稼働が次の通り発表されている。

◇サムスン、中国工場稼働、最新3D技術で半導体 (5月10日付け 日経)
→韓国サムスン電子が9日、中国陝西省西安で半導体の新工場が稼働したと発表、最先端の3次元(3D)技術を使い、サーバなどに使うNAND型フラッシュメモリを作る旨。IT機器の生産拠点が集積している中国で基幹部品である半導体を機動的に供給できる体制を整え、東芝など競合に対する競争力を高める旨。西安工場は延べ床面積23万平方メートルで敷地は114万平方メートル、2012年9月に着工した旨。

先行するサムスン電子を追って、東芝がパートナーのSanDiskと3D NANDに通じる技術展開を発表している。

◇3D NAND Transition: 15nm Process Technology Takes Shape-Toshiba, SanDisk prep 15nm process on path to 3D NAND flash (5月13日付け EE Times)
→3D NANDが経済的に理にかなうのは少なくとも2015年以降の様相のなか、SanDiskとフラッシュファウンドリーパートナー、東芝がともに最近、NANDフラッシュを作る15-nmプロセス技術を発表の旨。SanDiskの1Z-nm技術を2-bit-per-cellおよび3-bit-per-cellの両方のNANDフラッシュメモリアーキテクチャーに適用、2014年後半に生産立ち上げ開始予定の旨。該15-nm技術は半導体を両軸で縮小、removableカードからenterprise SSDsまで広範囲のSanDisk offeringsにわたって用いられる旨。

それに向けて三重県四日市市での新工場の建設が次の通り打ち上げられ、16倍の記憶容量が照準となっている。

◇Toshiba to demolish, then replace fab for 3-D Flash (5月14日付け Electronics Weekly)
→東芝が、三重県のNANDフラッシュメモリ工場、Yokkaichi OperationsでのNo. 2半導体fab拠点を取り壊して、同じ場所に新しいfabを建設する旨。

◇東芝、メモリ容量16倍に、米社と最大5000億円投資 −スマホ向け量産 (5月14日付け 日経 電子版)
→東芝はデジタル機器に保存可能なデータ量を大幅に増やす新型半導体メモリを2016年から量産する旨。メモリカード世界最大手の米サンディスクと共同で三重県の半導体工場に新棟を建設、投資額は最大約5千億円、記憶容量を現在の約16倍に高める旨。高画質の動画映像をスマートフォンで手軽に楽しめるようになる旨。量産するのは薄膜状の記憶素子を多数積み重ねて大容量化を実現する3次元フラッシュメモリの旨。

◇東芝、三重・四日市に新工場棟−立体構造NAND型フラッシュメモリ量産へ (5月15日付け 日刊工業)
→東芝が14日、半導体事業の主力拠点である四日市工場(三重県四日市市)に新棟を建設すると発表、投資額は合計5000億円規模とみられる旨。複数チップを積み重ねて記憶容量を高める立体構造の記憶素子(NAND型フラッシュメモリ)を2015年度に量産する旨。回路の微細化は限界に近づいており、将来の大容量化の切り札として、3D技術が存在感を高めていた旨。

◇メモリ競争、次の次元へ、東芝、容量16倍の「3次元」量産、シェア奪取の成否握る (5月15日付け 日経産業)

次に、FD-SOI(fully depleted silicon on insulator)技術プロセスをSTマイクロがサムスン電子にライセンス供与すると、以下の展開で発表されている。

◇Samsung & ST Team Up on 28nm FD-SOI (5月14日付け EE Times)
→28-nmノードを先延ばし、低電力、low-margin wearablesおよびスマートフォン市場を引きつけようとする動き、STMicroelectronicsが、Samsungと28-nm FD-SOI(fully depleted silicon on insulator)プロセスで連携している旨。水曜14日に発表された該合意のもと、SamsungはSTから28-nm FD-SOI設計プラットフォームのライセンス供与を受け、ファウンドリーサービスを広範な半導体業界に向けて効果的に開いていく旨。さらに、2つのfabsがコンパチ設計プロセスの維持に合意している旨。

◇STMicro Extends Samsung Outsourcing Deal for Low-Power Chips-Samsung licenses FD-SOI process from ST (5月15日付け Bloomberg)
→Samsungは、ST技術に成るFD-SOI半導体製造を2015年前半には行える旨。

欧州の半導体業界を大いに活性化するものと、また、SOIウェーハサプライヤ、Soitecから、それぞれ歓迎する早速の反応が見られている。

◇Europe's chip opportunity-Viewpoint: ST-Samsung deal highlights Europe's chip strengths (5月16日付け Electronics Weekly (U.K.))
→fully-depleted silicon-on-insulator(FD-SOI)技術をファウンドリーサービス供給に用いるというSTMicroelectronicsのSamsung ElectronicsへのFD-SOIプロセス技術ライセンス供与は、半導体における欧州のあっぱれな腕前を認識させるものである旨。STとSamsungがconsumer, networkingおよびモバイルOEMsからFD-SOI半導体需要を作り出して、欧州にそれらを作るFD-SOI megafabを建設するとなると、欧州の半導体業界が再び競争に走り出ることになる旨。

◇FD-SOI is at “tipping point”, says Soitec-Soitec: The time is now for FD-SOI technology (5月16日付け Electronics Weekly (U.K.))
→SOIウェーハサプライヤ、Soitecのchief operating officer(COO)、Paul Boudre氏。STMicroelectronicsとSamsung Electronicsの間のfully-depleted silicon-on-insulator(FD-SOI) licensingは、SOI技術が意義深く認められたことを表わしている旨。

他にも、各社の最先端を巡る戦略的な動きが以下の通りである。まずは、TSMCの20-nmプロセスで作るXilinxのFPGAs製品の取り組みである。

◇Xilinx ships 20nm FPGAs-Xilinx ships FPGAs made by TSMC with a 20nm process (5月13日付け Electronics Weekly (U.K.))
→Xilinxが、同社初の20-nm製品、Virtex UltraScale VU095 FPGAsを出荷、TSMCの20-nmプロセスで作られる該半導体は以下を供する旨。
*3-D stackingを用いる最大4.4 millionロジックセル
*chip-to-chip, chip-to-optics, および28G backplanesに向けた32.75 Gb/s transceivers
*multiple integrated 100G Ethernet
*150G Interlakenコア

同じ20-nmプロセスについて、Qualcommがファウンドリービジネス発注をTSMCからサムスン電子あるいはGlobalfoundriesに移していく計画と、生々しい観測が流れている。

◇Qualcomm plans to shift 20nm orders from TSMC to Samsung or Globalfoundries, say sources-Sources: Qualcomm will move 20nm chip orders from TSMC (5月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Qualcommが、20-nmプロセス発注をTSMCからSamsung ElectronicsあるいはGlobalfoundriesに移す計画の旨。Qualcommの動きは、TSMCが2014年第二四半期に先端20-nmプロセス・ベースAppleのA8プロセッサ量産を開始、多くの科学技術リソースをこの生産に割り当ててAppleに味方していることからきており、現在のTSMCの最大clientたるQualcommを狼狽させている旨。しかしながら、TSMCはこの記事を否定している旨。

いずれにせよ鍔迫り合いの様相がこれでも部分的な見方ではあるが進んでおり、サムスン電子とTSMCのそれこそ先の先端の取り組みが次の通りである。

◇TSMC, Samsung competing to roll out more advanced processes (5月15日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCとSamsung Electronicsが、さらに先端のプロセスの市場化で競っており、TSMCは同社16-nm FinFET Plusプロセスを推進、Samsungは同社先端14-nm LPP(low power plus)プロセスを推し進める計画の旨。


≪市場実態PickUp≫

【第一四半期半導体販売高ランキング】

史上最高を記録した2014年第一四半期の世界半導体販売高が発表されたばかりであるが、引き続いてサプライヤ販売高ランキングが次の通り表わされている。トップ4がそれぞれ異なるビジネスモデルと、改めての注目である。

◇MediaTek, SK Hynix, AMD, and Micron Sales Surge in 1Q14!-Top 20 ranking shows that semiconductor industry company consolidation continues to accelerate. (5月14日付け IC Insights)
→今月後半にIC InsightsのMay Update to The 2014 McClean Reportで示される2014年第一四半期半導体サプライヤ販売高ランキング・トップ25について次の通り:
*トップ20社の本社の国・地域別 
…米国 9社、台湾 3社、欧州 3社、韓国 2社、日本 2社、シンガポール 1社
*トップ20社の中に、専業ファウンドリー3社(TSMC, GlobalFoundries, およびUMC)およびファブレスメーカー6社
*トップ4社がそれぞれ異なるビジネスモデル
 Intel …専業IDM
 Samsung …垂直統合ICサプライヤ
 TSMC    …専業ファウンドリー
 Qualcomm …ファブレスメーカー

【DRAM市場関連】

第一四半期をDRAM市場で見ると、SK HynixがMicronを僅差で抜いて第2位に戻している。また、当面のDRAM価格がフラットか、僅かに上がる見込みが出されている。

◇DRAM contract quotes to remain stable or hike slightly in May (5月14日付け DIGITIMES)
→業界筋発。ピーク時でない季節要因にも拘らず、DRAM半導体の契約価格見積もりが、市場での供給が締まって安定なままか、5月に僅かに上がる見込みの旨。

◇(LEAD) SK hynix No. 2 DRAM maker in Q1, overtakes Micron-Data: SK Hynix regains second place in DRAM market (5月14日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→DRAMeXchange発。中国のウェーハ拠点での2013年火災でSamsung ElectronicsおよびMicron Technologyに続くDRAM市場第3位になっていたSK Hynixが、第一四半期はMicronを上回っている旨。第一四半期の世界DRAM市場シェアは、SK Hynixが28.2%、Micronは近接した28.0%であった旨。

【インド2014年戦略技術】

インドのエレクトロニクス業界メーカーにとっての本年、2014年の戦略的技術テーマが、次の通り表わされている。グローバルにも通じるアイテムが並ぶ感じ方である。

◇Cloud, BI among top 10 tech trends in India (5月13日付け EE Times India)
→Gartner社発。2014年のインドのメーカーにとっての戦略的な技術の流れ、トップ10以下の通り:
 Business Intelligence(BI) and Analytics
 Mobility solutions
 Cloud computing
 Social media and Computing
 Machine to Machine(M2M)
 Hosted virtual desktop(HVD)
 Personal cloud
 Internet of Things(IoT)
 Collaboration technologies
 3D printing

【interconnect材料変化】

先端interconnectが半導体部分要素の中で性能、信頼性など維持が困難という問題意識があるなか、Applied Materials社が15年以上ぶり最大の材料の変革としてcobaltの導入を発表、以下の各紙反応が見られている。

◇Cobalt Encapsulation Extends Copper to 10nm-Applied Materials clads copper interconnect in cobalt (5月13日付け EE Times)

◇Applied Materials introduces the biggest materials change to interconnect technology in 15 years (5月13日付け ELECTROIQ)
→Applied Materials社が本日、Applied Endura Volta CVD Cobaltシステムを発表、精確で薄いcobalt膜をデポ、28-nmノードより先のロジック半導体におけるcopper interconnectsが行える唯一のツールである旨。2つのenablingアプリ, conformal cobalt linerおよび選択性cobalt capping layerにより、copper linesが完全に囲い込まれ、信頼性が一桁改善される旨。優れたmetal encapsulation膜としてのcobaltの導入は、ここ15年以上で最も大きなinterconnectへの材料変化となる旨。

◇Cobalt Is the Key to Future Chips, Applied Material Says (5月13日付け The Wall Street Journal)

◇Cobalt Could Help Ease Chip Wiring Woes (5月14日付け IEEE Spectrum)

◇New Materials Era In Advanced Interconnects (5月15日付け Semiconductor Engineering)
→interconnectの性能および信頼性をそれぞれ新しいプロセスノードで維持することがますます困難になってきており、何かが変わらなければならない旨。

◇New materials and processes for advanced interconnects (5月16日付け ELECTROIQ)
→on-chip interconnectsは半導体の他の部分と同じ早さで縮小していないが、grapheneおよびCNTsなど材料が可能にする新しいcapabilitiesがまもなくそれを変える可能性の旨。

【サッカーワールドカップ】

いよいよ6月12日キックオフを控えて、サッカーワールドカップの日本代表の顔ぶれが先週発表されたが、現地ブラジルでのエレクトロニクス関係の備えの状況が以下の通り表わされている。

◇Will Goal-Line Technology Change World Cup? (5月12日付け EE Times)
→来る6月12日キックオフのサッカーワールドカップ・ブラジル大会は、少なくとも技術の使用に関する限り重要な進展が見られる旨。サッカーの国際機関、FIFAが初めてのこと、goal-line technology(GLT)の使用を受け入れ、間違ったゴールで決められる重大なゲームの結末というのはなくなるはずの旨。

◇World Cup Drives 4G, Infrastructure Issues (5月14日付け EE Times)
→世界中のサッカーファンが、来る6月12日、ブラジルに注目、少なくとも370万人の人々が押しかけてくる旨。モバイルwebに乗っかれるよう新しいネットワークス運用の競争が続いているが、その結果はいまだ確かでない旨。全部で64試合が12都市で行われ、12のスタジアムのうち6つが、依然WiFiおよび4Gネットワークtestingを受けており、2つがまだ建設中の旨。
余分のモバイルtrafficを受け入れるようにする一環として、ブラジルのテレコム規制agency, Anatelは、50万人以上抱える主催都市について2014年5月31日までにuniversal 4G coverageのサポートを義務づけており、この期限を守れないキャリアはlicensesを失う旨。

【韓国発グローバルデータ】

直接業界関係の内容ではないが、韓国より発信されたグローバルデータのアップデート版に注目、以下の通りである。韓国、そして韓国語のランク順位上昇が当然ながら強調されているが、我が国はさてという現時点である。

◇韓国1人あたりGDPが世界33位、日本は24位(5月12日付け 韓国・中央日報)
→企画財政部が12日入手した国際通貨基金(IMF)の世界経済展望資料。昨年の韓国1人あたりの国内総生産(GDP)は世界33位で、5年前より8ランク上昇した旨。順位データ抜粋:
 1位 ルクセンブルク 11万423ドル
 2位 ノルウェー  10万318ドル
 3位 カタール  10万260ドル
 4位 スイス  8万1323ドル
 9位 米国  5万310ドル
 18位 ドイツ  4万4999ドル
 24位 日本  3万8491ドル
 33位 韓国  2万4329ドル

◇韓国語の使用者数、世界18位から13位に上方修正 (5月14日付け 韓国・中央日報)
→世界各国の言語の中で、韓国語の使用者数がこれまでの18位から13位に上方修正された旨。言語情報提供サイト、エスノローグによる今年4月30日現在の使用者が最も多い言語は次の順:
 中国語  11億9700万人
 スペイン語  4憶1400万人
 英語  3億3500万人
 ヒンディー語  2億6000万人
 アラビア語  2億3700万人 


≪グローバル雑学王−306≫

前回に続いて、昭和16年(1941年)の太平洋開戦に至るまで、アメリカを敵国として考えたことはなく、石油はアメリカから買えばよい、としていたところで関係の悪循環が高まっていって、敗戦に至る過程を、

 『国家とエネルギーと戦争』  
  (渡部 昇一 著:祥伝社新書) …2014年3月10日 初版第1刷発行

より、見ていく。あのときこうであったら、と引き続き表わされているが、石油の確保が如何に雌雄を決したか、この後続く著者の強烈なメッセージのプロローグと受け止めている。


第二章 太平洋戦争は、なぜ日本が敗れたのか  ≪後≫

□近代史の怪物―――軍部大臣現役武官制
・ところがちょうどそのころ、統帥権干犯問題というものが表に
 →明治憲法を引っ張り出して強引に無理矢理政治問題化
 →浜口雄幸首相は東京駅でピストルで撃たれ、いろいろ重なって体調をこわし、亡くなる
 →堂々と反駁した時の首相が狙撃され、もう冷静な議論ができなくなる
・現役の軍人しか大臣に就けないという軍部大臣現役武官制を広田弘毅内閣が復活
 →陸軍の統制派が日本という国を統制していた
 →内閣のほうが陸軍にどんどん引っ張られてしまう
・アメリカのルーズベルトがスターリンと仲が悪くないという、大変なことが起こってしまった
 →国務省の役人の何百人という人が、コミンテルンの要員およびその周辺人物とのこと
・アメリカが日本に「大陸の作戦はけしからん」と言って圧力
 →明治以来、一度も空想したこともない、アメリカという仮想敵国が出てきた

□こうしてアメリカは、日本の弱点を衝いてきた
・支那事変が始まって2年目、1939年、小村寿太郎以来の日米通商航海条約の破棄をアメリカが通告
・同じ1939年の12月、「モラル・エンバーゴ」と称する「道義的輸出禁止令」の発動
 →アメリカの航空用ガソリンの製造設備、製造権を対日輸出させない
 →その理由は、日本が無差別爆撃を中国大陸で行っているといったことがアメリカで言い出され始めた
・支那事変から3年後の1940年、日米通商航海条約が存続期間1年を残して失効
 →6月には特殊な工作機械も輸出させない決定
 →工作機械は、当時の日本の弱み
・要するにアメリカは飛行機に狙いを定めて締め上げてきた
 →8月には航空機燃料の西半球以外への輸出禁止(イギリス以外には売らない)
・1941年(昭和16年)6月、石油の輸出許可制を実施、7月にはついに日本の在米資産を凍結
 →8月には、石油はもう全然売らないとなった
 →当時日本の石油の海外依存度は92%
・石油が不安になったから、南方進出の強硬論者が戦争推進に大きく舵
 →アメリカを硬化させ、悪循環が始まる

□もし、高橋是清が生き延びていたら・・・
・高橋是清という人
 →日露戦争のときアメリカのユダヤ人とのパイプを作って戦費調達
 →二・二六事件で殺され、ユダヤ世界との一番太いパイプが消えてしまった
・もし太平洋戦争の前に高橋是清がいれば、石油問題だって何とか話をつけられたと思う
・石油さえ売ってもらえれば、日本は戦争をする気などまったくない
 →陸軍は、アメリカと戦争をする気ははなから全然ない

□ハワイ・真珠湾攻撃の致命的失敗
・いまはよくわかる当時の事情
 →ルーズベルトはソ連と通じていた
・アメリカ対日輸出禁止は、じわじわと石油および石油を精製する石油関連から
 →蘭印から石油を買おうとして最初の石油交渉
 →商工省から依頼された財界人の小林一三
 →結局、合意には至らず
・これで日本はどうするのかと思ったら、真珠湾攻撃の12月8日に
・真珠湾攻撃では船を一隻も沈めないで帰ったということ
 →古い軍艦中心思想が連合艦隊にはあった
・あのとき重油タンクを爆撃されていたら、太平洋では半年、アメリカの船は動けなかった
 …アメリカ太平洋艦隊司令長官のニミッツ提督の回顧録
・何も戦艦や駆逐艦を沈める必要はなかった
 →石油タンクだけ爆撃すればよかった

□日米は引き分けにまで持っていけたかもしれない
・そうしたらどうなったか
 →太平洋戦争はアメリカとのドローンゲーム(引き分け)になったと思う
・世界的な司馬遼太郎みたいな存在、ハーマン・ウォーク
 →世界中の人は、彼の本で第二次大戦を知った
 →ミッドウェイでやられていたらドローンゲームだったろうという推定
・我々は、日本の敗戦が近くなったころに、やっとアメリカ海軍の力に驚いた
・真珠湾で片をつけるよりしようがなく、「とにかく石油タンクを最初に潰せ」とはっきり言っていたら以後の戦局はどうなっていたか

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