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Wearable、ヘルスケアに向けた相次ぐ取り組みの動き

今に始まったことではないが、ここにきてとみに賑やかさを感じるWearable、そしてヘルスケアへのグローバル各地での取り組みである。スマートフォンはじめモバイル機器が成熟していった後には、Internet of Things(IoT)が半導体業界にとって次の大きな伸びのopportunityとなるという大方の見方があるが、区分が難しいものの具体的な先兵の現われと感じるところがある。ますます便利に快適、そして健康的な社会生活を実現していくツールとして、今後の展開に向けたもう一つの注目材料となってきている。

≪グローバルな新しい波≫  

まずはWearableについて、いろいろな切り口、角度での動きである。GoogleのOS、Android Wearへの支持の広がりが、次の通りである。

◇Most smartphone vendors supporting Android Wear-Android Wear gains support from chip firms, smartphone vendors (3月21日付け DIGITIMES)
→業界筋発。wearable electronics用に設計されたGoogleのモバイルoperating system(OS)版、Android Wearについて、Asus, HTC, LG Electronics, Motorola MobilityおよびSamsung Electronicsが支持しており、今年smart watchesなどの製品化が見られそうな旨。とりわけBroadcom, Intel, MediaTekおよびQualcommというチップセットサプライヤも、Android Wearを進んで受け入れている旨。

wearable electronics用電池の売上げの伸びが、早くも予想されている。

◇Wearable Electronics Driving Battery Revenue Growth-IHS: Batteries for wearables to see fast growth over 4 years (3月25日付け EE Times)
→IHS Power & Energy report発。wearable electronicsがこのところ素早くはやりになっており、smart watches, wearable health monitors, およびsmart glassesを動かす電池需要が向こう4年にわたって10倍に増大すると見る旨。wearable electronics用電池の世界売上げが、2014年の$6 millionから2018年には$77 millionと飛躍が予想される旨。売上げの伸びは、2018年までに56 million台に達するwearable electronic機器の年間出荷が支える旨。

この1月のInternational Consumer Electronics Show(CES)にてwearable端末に向けた半導体を発表しているインテルが、この端末を開発するBasis Science(San Francisco)を買収している。歩数、睡眠時間などの測定とヘルスケアに通じるwrist band端末が商品化されている。

◇Intel Completes Purchase Of Basis Science, Which Will Join Intel's Device's Group-Intel wraps up $100M acquisition of wearable-tech firm (3月25日付け TechCrunch)
→Intelが、wearable electronicsを開発するBasis Science(San Francisco)の買収を完了、同社New Devicesグループ傘下とする旨。
これとは別に、IntelのTechnology and Manufacturing Groupが、14-nmプロセスで作れる低電力serializer/deserializer(SerDes)半導体の開発を発表、"完全ファウンドリーoffering"として供される旨。

◇米インテル、ウエアラブル端末メーカー買収 (3月26日付け 日経 電子版)
→米インテルが25日、身に着けられる「ウエアラブル」端末を手掛ける米ベーシス・サイエンス(カリフォルニア州)を買収したと発表、買収金額は非公表、活動量などの測定に強みを持つベーシス社を傘下に収め、ウエアラブル関連事業を拡大する旨。インテルは1月の米家電見本市で、ウエアラブル端末への搭載を想定した新型半導体「エジソン」を発表、スマートフォンなどモバイル機器と並んで成長が見込まれるウエアラブル分野への対応を強化している旨。ベーシス社は、歩数や消費カロリーなどの活動量に加え、睡眠時間やその質などを測定するリストバンド型端末「ベーシスバンド」を販売している旨。

Googleがお洒落なサングラスメーカーとの連携を発表、高級感が増していく動きと受け止めている。

◇Ray-Ban maker Luxottica to bring Google Glass to wider market (3月25日付け Reuters)
→Googleが、サングラス、Ray-Banのメーカー、Luxottica(イタリア)と連携、Internet-connected Glassのスペクタクルを広く出回っておしゃれな製品に向けていく旨。世界最大のeyewearメーカー、Luxotticaは、今までは米国の高価なprototypeとしてだけ出してきているGlass eyewearの設計、開発および拡販に合意の旨。

我が国でもWearable端末のエキスポ・イベントが初めて開催されている。中に、カツラのなかにセンサーや無線機能を仕込んだ「スマートウィッグ」もあり、まさに全身全霊、張り巡らす様相を感じている。

◇指輪・腕輪・メガネ型… ウエアラブル、日本の技に期待 (3月25日付け 日経 電子版)
→25日開幕のウエアラブル端末の国際見本市、「ウエアラブル・テック・エキスポ」(東京ミッドタウン)について。米国で始まったエキスポで今回、日本で初めて開催、最先端の端末と新サービスが披露される旨。

Facebookもまた、wearable市場に向けて大きな買収を進めている。

◇Facebook Buys Oculus VR: What's Next? (3月26日付け EE Times)
→wearable computing市場から除かれることなく、Facebookが火曜25日、Oculus Rift virtual reality(VR) headsetメーカー、Oculus VR(Irvine, CA)を$2 billionで買収に合意、$400 million in cashおよびFacebook株式$1.6 billionの旨。Facebookが先月WhatsApp(Silicon Valley)を買収した$19 billionにはずっと及ばないものの、同社今までで2番目に大きな買収である旨。

wearable electronicsに向けた非常に小さなLEDが、Plesseyから発表されている。どんな見え方か、そして市場性に注目である。

◇Plessey aims at wearables with dot-sized LED-Plessey offers tiny white LED for wearable electronics (3月26日付け Electronics Weekly (U.K.))

◇dotLEDs Are Built for Wearables (3月27日付け EE Times)
→Plesseyが、1005パッケージ(1 mm by 0.5 mm)に入った白色あるいは青色"dotLEDs"を投入、OLEDsが入手手ごろになるまでwearablesにきちんと当てはまる旨。同社は、独自のGaN-on-Siプロセス、MaGICを用いて英国でdotLEDsを生産している旨。該surface-mountデバイスは、1/5mmほどの厚さである旨。

こんどはヘルスケアに入って、まずは、タグ&センサを用いた病院での看護師の電子trackingのアプローチである。

◇Florida Hospital Tracks Nurses Footsteps, Work Patterns (3月25日付け EE Times)
→フロリダの病院、Florida Hospital Celebration Health発。看護師の電子trackingが、仕事の流れ、習慣を改善、廃れた"midnight census"法に代わる基礎を置く助けになっており、ヘルスケア業界に向けて在庫、セキュリティおよび安全製品を供給するStanley Black & Decker傘下、Stanley Healthcare製のReal Time Locating System(RTLS)タグ&センサを用いている旨。

米国政府での医療機器関係データを、次の通り目に止めている。

◇Medical Device Recalls Growing at Slower Pace Than Industry (3月25日付け EE Times)
→米国FDA(Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)の医療機器の規制を管轄する部署、CDRH(Center for Devices and Radiological Health:医療機器・放射線保健センター)のOffice of Complianceが出した“Medical Device Recall Report”より、2003年度から2012年度までにrecalls総数が97%増えた旨。

アップルもヘルスケアに取り組みという噂があって、次の動きとなっている。

◇Apple's M-Heath Rumors Get Detailed (3月26日付け EE Times)
→Appleのhealth-monitoring技術を巡る噂が広くなってきて、同社がヘルスケアでなにかをやるということを否定するのが難しい旨。最も説得力のある証拠は、同社がヘルス関連functionalityを準備しており、12月のある医療機器プロジェクトを議論するFDAスタッフとの会合で見い出されている旨。そして最近、9to5MacがiOS8に束ねられる可能性のhealth-monitoringアプリ、Healthbookのscreen shotsというたくさんの画像を獲得している旨。

Qualcommからは、心臓発作の予兆を知らせるimplantableセンサが開発されている。

◇Qualcomm's Jacobs aims to predict your heart attack and isn't sure about VR -Qualcomm develops an implantable chip to predict a heart attack (3月26日付け GigaOm)
→QualcommのExecutive Chairman、Paul Jacobs氏、26日水曜、Atlantaでのconferenceにて講演。同社は、implantableセンサを開発しており、人の心臓発作を予想、その心臓の事象の2週間以内に警告を出すものである旨。

ヘルスケアにおけるinteroperabilityの重要性を訴える調査白書がリリースされている。いろいろ取り入れての今後の展開に注目である。

◇Interoperability in Healthcare Tech Could Save $30 Billion (3月27日付け EE Times)
→interoperableヘルスケアシステムの必要性を述べ、如何に達成するかを出資者に訴える白書、"Igniting an Interoperable Health Care System,"が、Gary and Mary West Health Institute(La Jolla, California)とOffice of the National Coordinator for Health Information Technology(ONC)(Washington, D.C.)共同でリリースされた旨。医療技術業界は、seamlessly interoperable機器の開発&採用を促進するようコラボしなければならない、としている旨。


≪市場実態PickUp≫

【IntelとAlteraの連携】

先端14-nm Tri-GateプロセスでのFPGAファウンドリー製造を行うIntelとAlteraの間の関係が、"multi-die"デバイスが加わって拡がっている。TSMCとXilinxのTSV(貫通電極)を駆使して最高性能および最高容量のFPGAに取り組む関係が、対比されて見えてくる。

◇Altera and Intel extend manufacturing partnership to include development of multi-die devices (3月26日付け ELECTROIQ)
→Altera CorporationとIntel Corporationが本日、Intelのパッケージ&組立capabilitiesおよびAlteraの先端programmableロジック技術にテコ入れするmulti-dieデバイス開発についてのコラボを発表、該コラボは、Intelが14-nm Tri-GateプロセスによりAlteraのStratix 10 FPGAsおよびSoCsを製造しているAlteraとIntelの間のファウンドリー関係の拡張である旨。

◇Intel widens agreement to manufacture chips for Altera-Intel, Altera expand foundry deal (3月26日付け Reuters)

◇Intel, Altera Extend 14nm Foundry Deal (3月27日付け EE Times)
→IntelのAlteraとの1年に及ぶファウンドリー契約が、AlteraのStratix 10 FPGAsおよびSoCsをDRAM, SRAM, ASICs, プロセッサ, およびアナログ半導体と1つのパッケージに合体する"multi-die"デバイスを含めて拡張される旨。

【Nvidiaのannual GPU Technology Conferenceから】

Nvidiaのannualイベント、GPU Technology Conference(2014年3月24-27日:San Jose)から、自動運転のクルマ、最先端グラフィックスプロセッサなど以下のハイライト&キーワードである。

◇Audi Self-Driving Car Rides Nvidia (3月25日付け EE Times)
→Self-Driving Carについて以下の点:
 Audiのself-driving car …Nvidia Tegra K1プロセッサを1つに搭載
 Nvidiaの新モバイル戦略 …クルマが戦略の新しい中心
 Here comes Audi on Nvidia
 A messy prototype
 A more compact box
 Many eyes on the road

◇Slideshow: Tour Nvidia's GTC 2014 (3月26日付け EE Times)
→最先端プロセッサはじめいくつかの注目。
・次世代coreグラフィックスプロセッサ、Pascal
 …TSMCのCoWoS技術ベースのシリコンインターポーザ上にGPUおよびDRAM stackを並べた2.5-D半導体stackを用いて2016年に登場
・IBM, Nvidia create NVLink
 …世界初、高速GPU Interconnect 
・Nvidia rolls Titan Z
 …次世代high-end PCグラフィックスadapter
・GPUs in the cloud
 …IRay Virtual Computing Appliance
・GPUs get virtual
・Tegra goes embedded
・Virtual reality heats up
 …Oculus Rift virtual reality headset
・Here comes the hologram
・Gesture tracking
・Gaming front and center
・Beyond gaming
 …dashboard cluster and infotainment system

【微細化の展望】

今後の半導体微細化を見渡して、コスト/トランジスタの減少が小さくなっていく、はたまた、20-nm、16/14-nmではゲート当たりコストが高くなるという見方となっている以下の内容である。

◇Transistor-Cost Declines Slowing, Synopsys Says-Synopsys chairman: Cost per transistor won't drop quickly (3月24日付け EE Times)
→Synopsysのユーザ向けイベントにて、同社chairman、Aart de Geus氏。
Moore's Lawは次の10年も続こうが、コスト/トランジスタの減少は今までほどに大きくはない旨。半導体設計のcomplexity増大で大口径ウェーハへの移行が遅れており、代替技術に門戸が開かれる可能性の旨。

◇FinFETs Not the Best Silicon Road (3月27日付け EE Times)
→International Business Strategies社、Handel Jones氏記事。半導体業界の伸長は、微細化のたびごとコスト/トランジスタの減少に歴史的に依存してきているが、次世代半導体ではこのコスト削減が得られない旨。特に、次世代20-nm bulk high-K metal gate(HKMG) CMOSおよび16/14-nm FinFETプロセスではトランジスタは小さくなるものの、今日の28-nm bulk HKMG CMOSよりもゲート当たりコストが高くなる旨。
・≪グラフ≫ 微細化とゲート当たりコストの流れ
http://img.deusm.com/eetimes/2014/03/1321674/Handel-Costs-1.jpg

【韓国発の見方】

半導体国別シェアで、韓国が30年目にして日本を抜いて2位に躍り出たという取り上げである。

◇韓国、半導体市場シェアで日本抜いて世界2位 (3月24日付け 韓国・中央日報)
→韓国半導体が30年目にして日本を抜いて世界市場シェア2位となった旨。
韓国・産業通商資源部が24日、米国の半導体市場調査機関、IHSテクノロジーの最近の発表を引用、このように明らかにした旨。2013年の韓国企業の半導体販売額は$51.516 billion、市場シェアは16.2%、日本の$43.432 billion、13.7%を抜いて2位となった旨。米国が販売額$166.651 billion、シェア52.4%で圧倒的1位。欧州(8.7%)、台湾(6.5%)が4、5位の旨。半導体市場シェアで韓国は2011年13.9%、2012年14.7%、2013年16.2%と増加している半面、日本は18.5%、17.5%、13.7%と減少している旨。

◇Outperforming Japan Korea Occupies Runner-up Position in Global Semiconductor Market (3月25日付け Business Korea)

SamsungとIntelの差も縮まってきているデータ内容である。

◇Narrowed Gap Samsung Narrowed the Gap with Intel by 1.1% in Global Chip Market Share in 2013 (3月24日付け Business Korea)
→IHS iSuppliの23日まとめデータ。2013年グローバル半導体市場で、Samsung Electronicsが1位、Intelとの差を詰めている旨。

Samsung Electronics
Intel
2013年半導体販売高
$33.82 billion
$46.98 billion
2013年世界市場シェア
10.6%
14.8%
2012年世界市場シェア
10.3%
15.6%

シェアの差が、2012年の5.3%から2013年は4.2%に縮まっている旨。

我が国の分が悪い状況が続くこのところではあるが、我が国の輸出の不振に 対する韓国からの1つの見方である。 

◇日本の輸出不振はグローバル競争力強化のため?=韓国貿易協会報告 (3月25日付け 韓国・中央日報)
→最近の円安にもかかわらず日本の輸出物量の増加が振るわないのは、日本企業のグローバル競争力強化のためという分析が出てきた旨。韓国貿易協会の国際貿易研究院が25日発表した報告書、「最近の日本輸出企業の動向と韓国への示唆点」によれば、2013年の日本の輸出額は7146億ドルで前年対比10.5%減、これは日本企業の競争力低下を意味するものではなく、日本の輸出企業の原価節減や現地市場確保のための海外生産拡大と、単純な市場占有率の拡大よりも収益性を重視する内実経営の結果だという分析の旨。

【台湾の動きアップデート】

河川の汚染問題を起こしたASEの高雄工場について、条件付きながら全面再開が認められている。

◇ASE shares surge on plant approval-ASE gets go-ahead to resume full operations at Taiwan plant (3月26日付け The Taipei Times (Taiwan))
→世界最大の半導体packager、Advanced Semiconductor Engineering(ASE, 日月光半導體)社のGreater Kaohsiung(高雄)にある問題となった工場での操業全面再開の求めを、現地の環境保護当局が条件付きで承認、同社の株価が昨日2.76%上昇の旨。

UMCのTSMC相当28-nm半導体供給対応が、第四四半期に始まる見方が出されており、セカンドソース狙いの動きとなっている。

◇UMC to begin delivering 28nm chips in 4Q14, say sources-Sources: UMC will turn out 28nm chips in Q4 (3月27日付け DIGITIMES)
→業界筋発。UMCが、gate-last HKMGプロセスによる28-nm半導体供給を2014年第四四半期に始める予定、該プロセスは、いわゆるTSMC-likeプロセスであり、Qualcomm, MediaTekおよびBroadcomなど現状のTSMC clientsに対してUMCを半導体供給second sourceとして選ぶよう求めるものである旨。

そのTSMCからは、chairman、Morris Chang氏による半導体市況見通しが以下の通りアップデートされている。

◇Global semiconductor industry to remain strong in 2Q-3Q14, says TSMC chairman (3月28日付け DIGITIMES)
→Taiwan Semiconductor Industry Association(TSIA)の年次会合にて、TSMCのchairman、Morris Chang氏。グローバル半導体業界の2014年第二および第三四半期は依然有望、2014年の台湾の半導体業界生産valueはNT$2 trillion($65.46 billion)に達する見込み、1つには28-nmプロセスにおけるTSMCが引っ張る市場位置および20-nmプロセスの開始がある旨。


≪グローバル雑学王−299≫

インドに続いてこんどは中国について、政治が優位するとともに中央政府は官僚制、底辺のグループは宗族(父系血縁集団)という二層の社会基本構造をもつこの巨大な規模の国の宗教を、

 『世界は宗教で動いてる』
  (橋爪 大三郎 著:光文社新書) …2013年6月20日 初版1刷発行

より、2回に分けてまず孔子から儒教の流れを見ていく。孔子の儒学が、儒教の祖先を崇拝して、祖先を基点に自分たちを定義するという考え方になっていって、儒教が宗教と言われる所以の1つを受け止めている。


第五講義 中国文明と儒教・仏教−儒教はなぜ宗教といえるのか

クエスチョン1 中国とはなにか

◆秦の始皇帝はCUをつくった
・とても新しい中国という呼び方
 →歴代の王朝の名前はあるが、国や地域そのものを表わす名前がない
・最初にこの地域を統一 →秦(紀元前221〜前206年)
 →訛ってヒイナとかシノワとか。英語ではチャイナ
 →日本では支那と呼ぶように
・「中国」…世界の真ん中にあって、道徳・価値の規準になる国という意味
・ソ連 →マルクス主義を指導原理とするイデオロギー国家。「共和国連邦」
 アメリカ →ステイト(州、要するに国家)の連合体としてアメリカ合衆国
 ⇒ふつうの国を超えた国
・中国は、二千年も昔に成立した、EUみたいなもの、つまりCU(China Union)
・中国は、言語は統一しなくても、文字は統一
 →漢字は表意文字、だから統一が可能だった
 →漢字で表わす中国語は、文字からできた言語
 →秦の始皇帝は、人類史上の重要なキーパーソンのひとり

◆中国では、政治が優位する
・キリスト教文化圏 →宗教が第一、次が哲学、政治はそのまた次ぐらい
 日本       →おそらくビジネス(生産活動)が一番
 中国       →なんと言っても、政治が重要
・中国独自の方策 →万里の長城
・中国が政治的統一を重視するのは、地形がだだっ広くてまっ平らだから
・中国では、強力な統一政権が、ヨーロッパのキリスト教の代わりをした
 →上は皇帝から下は田を耕す農民まで、安全保障の感覚が肌身にしみている

クエスチョン2 孔子とはどのような人物か

◆聖人君子
・孔子(紀元前551?〜前479年)は、武装農民階層の代表者
 →恵まれない条件のもとで人生をスタート
 →能力さえあれば、血筋・家柄と関係なく、行政に参画すべきだという強固な信念をもつように
  →儒学の本質
・孔子の儒学の重要な概念に、「聖人」 →「昔の政治家」の意味
 →儒学の発想:
  1)過去を基準にする
  2)政治を重視する
・君子 →儒学の教えを実践する「現在の知識人」
 小人 →統治されるだけの一般庶民。字の読めない人びと
・儒学は、政府の職員を養成し、供給することを、第一の目的
 →ほとんど学問(政治学)
 →これまでにみてきた宗教と、同じではない

◆儒教のテキスト
・孔子は、周辺の十数ヶ国回りも、失意のうちに郷里に戻って、後進に希望を託そうとした
 →学校をつくったことが、孔子の最大の業績
 →教科書を編纂、それが「経」 …最もランクの高いテキスト
  それ以下のものは論     …孔子の言行をしるした論語
・儒学は、テキストを読解するメソッド、行政官僚を養成するシステム
・孔子が始めた古典の編纂事業
 →易経、詩経、書経、礼記、春秋
 →全体を十三経
・政治に関わらなかった農民ら新興階層の人びとがテキストを通じて学んで、自分も政治に参与しようとした
 →極めて革命的

◆行政官僚
・孔子の生きた時代は春秋時代末期
 →諸侯のもとには官僚機構、そのメンバーを「臣」…男性の奴隷の意
 →中国の官僚機構の起源は、奴隷制
・君主には絶対服従、いっぽう派遣先では君主の代理として、大きな権力
 →こうして登場した行政官僚は、身分は奴隷でも、大きな権力

◆なぜ儒教が勝ち残ったのか
・諸子百家…当時、さまざまな思想家
 →なぜ儒家が勝ち残り、正統としての地位を占めたのか
・儒家は、政治的リーダー(君主)に対する絶対的な服従を強調
・儒教は、徳(ないし仁)を強調。法律がすべてではない
 →統治権力と独立したもうひとつの要素として、家族を重視
 →年長者に対する絶対服従を中核とする家族道徳
・家族道徳と農業の家族経営は一体の関係
 →それを重視する点が、儒家の非常に現実的なところ
・中国の社会構造の基本
 →中央政府は官僚制、底辺のグループは宗族(父系血縁集団)という二層構造

◆儒教と祖先崇拝
・儒教がなぜあえて宗教といわれるか
 →祖先を崇拝して、祖先を基点に自分たちを定義する、という考え方
 →もうひとつ、天を祀るから
・天は、昔から存在し、歴代の政権に正統性を与えてきた
 →天は、目に見えない。天を祀る儀式は目に見える…宗教的行為
・子孫がいなくなったら大変、という強迫観念、特に、男の子がいないことは重大事
 →「一人っ子政策」の大胆さ

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