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世界半導体市場の先行き、台湾発の動きの波紋

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$300 billion突破が見込まれる本年の世界半導体市場となっているが、締めるタイミングにきて、特に世界の市場を照らす度合いが増している台湾発の動きが先行きに向けて波紋を広げている。台湾ファウンドリーの月次販売高が減少を示したことが1つ、また、台湾の組立・検査の最大手での有害排水垂れ流しの事態が起きている。クリスマスそして来る1月31日の春節に向けてモバイル機器が引っ張る市場景気の動向とともに、サプライチェーンへの影響の度合いなど、一過性で済むのかどうか、新年を迎えるこの時期当面の注目と思う。早急な回復、収拾を望むものである。

≪11月販売高、有害排水≫

台湾のファウンドリーおよび組立・検査最大手の11月販売高が、以下の通り発表されている。末端顧客での在庫消化が行われるなかでの減少と見られるが、市場の勢いの推移に目が離せないところである。

◇ASE, SPIL sales fall back in November (12月9日付け DIGITIMES)
→台湾・Advanced Semiconductor Engineering(ASE)のコアIC ATM(assembly test and material)事業11月販売高が、前月比5.8%減、同業のSiliconware Precision Industries(SPIL)も同様の割合で低下の旨。

◇TSMC November sales drop 14% (12月10日付け DIGITIMES)
→TSMCの11月連結売上げがNT$44.33 billion(US$1.5 billion)、前月比14.4%減、本年2番目の低い水準、2013年の11月までの累計がNT$547.34 billion、前年同期比16.6%増。
同業のUMCの11月連結販売高がNT$10.345 billion、前月比1.2%減、前年同月比2.5%増、2013年の11月までの累計がNT$113.91 billion、前年同期比6.5%増。

◇TSMC revenue decreases amid inventory digestion-TSMC's November revenue comes in at $1.5B, down 14.4% from October (12月11日付け The Taipei Times (Taiwan))

◇TSMC, UMC sales fall amid semiconductor slump (12月11日付け The China Post)

Advanced Semiconductor Engineering(ASE)での有害排水垂れ流しの事態が発覚、以下の通り直後から波紋の報道が相次いでいる。

◇ASE responds to report on toxic wastewater discharged by its Kaohsiung plant (12月10日付け DIGITIMES)
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE)の台湾南部高雄(Kaohsiung)工場が有毒重金属を含む産業廃水を不法に排出しているという中国語Apple Daily報道を受けて、ASEが説明を行った旨。ASEは、10月1日にK7工場にてhydrochloric acid storageプロセスで機能不全が見つかり、acid liquidが廃水処理facilityに漏れた、としている旨。ASEは、廃水処理facilityを積極的に改善、該プロセスの内部管理を強化している旨。

◇ASE factory fined for improper disposal of wastewater (12月10日付け Focus Taiwan)

◇ASE sorry for dumping wastewater (12月11日付け The China Post)

◇ASE apologizes for discharging toxic wastewater (12月12日付け DIGITIMES)
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE)が火曜10日、台湾南部・高雄(Kaohsiung)の同社K7工場から有害な廃水を川に流したことを謝罪、このような事態の再発防止計画を精密に立てている旨。

早速に供給面の不安が示されているが、3ヶ月は賄える見方となっているようである。

◇ASE wastewater scandal to not affect handset chipset supplies in short term, say vendors-ASE wastewater case is not expected to weigh long-term on chip (12月12日付け DIGITIMES)
→ASEでの工場閉鎖の可能性の件で、handsetチップセットベンダーの関連する半導体供給は、少なくとも向こう3ヶ月以内は影響を受けない旨。

台湾・高雄市当局からは操業停止命令の可能性もあるという以下の現下の動きとなっている。

◇ASE Kaohsiung faces criminal probe over pollution allegations (12月11日付け Want China Times)

◇ASE should prepare for plant suspension: Kaohsiung official (12月12日付け Focus Taiwan)
→台湾・高雄(Kaohsiung)のEnvironmental Protection Bureau、director、Chen Chin-der氏。ASEのK7工場での違反は、現地政府としてそこでの操業中止を命令するに十分重大である旨。

◇台湾の日月光半導体、工場から有害排水、操業停止の可能性も (12月12日付け 日経産業)
→半導体の封止・検査で世界最大手、台湾・日月光半導体製造(ASE)が、台湾南部の工場で有害物質を含む排水を垂れ流していたことが発覚、批判が高まっている旨。地元の高雄市政府は11日までに、同社に今後、操業停止を命じる意向を示した旨。ASEは謝罪と再発防止を表明したが、操業停止に追い込まれた場合は、半導体市況にも影響が出そうな旨。

◇ASE likely to lose orders as plants might shut down over toxic leaks (12月13日付け DIGITIMES)
→業界観測筋発。世界最大のIC packaging house、Advanced Semiconductor Engineering(ASE)(台湾)の1つあるいはそれ以上の工場が、未処理産業用廃水放出でoperations中止の政府命令を受ける可能性の旨。

この事態を受けて、TSMCはウェーハbumping capacityの増強を以下の通り図っている。  

◇TSMC builds up bumping capacity-Sources: TSMC boosts wafer-bumping capacity (12月12日付け DIGITIMES
→業界筋発。TSMCが、bumping capacityを12-インチウェーハ150K枚/月に増強、全体出荷がfive million個以上に上る旨。ASEの件で、TSMCあるいはUMCにて関連supply chainsあるいは影響を受けるoperationsの混乱の可能性懸念を誘発している旨。

市場先行きが懸念されるなか、TSMCから元気づく動きも見られている。まずは、同社の総帥、Morris Chang氏の意気軒昂ぶりである。

◇Morris Chang will remain TSMC chairman until at least 2015 (12月6日付け Want ChinaTimes)
→TSMCのfounding chairman、Morris Chang氏(82才)がmediaインタビューにて、自分の現在の任期が終わる2015年6月の前にchairmanshipは渡さない旨。93才まで働き続けることはないが、たぶん90才まで責任範囲を徐々に渡していくことになる旨。

次に、先端技術投入について、新年早々に以下の備えとなっており、市場の牽引に注目と期待である。

◇TSMC poised to be leading 20nm chip supplier: analysts-TSMC will start off the new year making 20nm chips (12月13日付け The Taipei Times (Taiwan))
→TSMCが、2014年第一四半期に20-nm features半導体量産開始の備え、また、16-nm FinFETs半導体のrisk生産も開始する旨。Appleがそれら20-nm半導体約165,000個の顧客であると、Daiwa Capital MarketsのEric Chen氏。


≪市場実態PickUp≫   

Qualcommが、スマートフォン向け64-ビットプロセッサを発表、2014年の64ビットスマートフォン到来が告げられている。AppleのiPhone 5Sに続いて、各社から出揃ってくる流れの舞台が整ってきている。

【64ビットスマートフォン】

◇Qualcomm, After Kerfuffle, Makes 64-bit Move-Qualcomm goes 64-bit with new Snapdragon processor (12月9日付け The Wall Street Journal)
→1)Qualcomm(San Diego)が香港での業界イベントにて、sub-$150価格帯のスマートフォン向けの新しい半導体setを投入、アジアのいくつかの国で特に売る予定の旨。たくさんの新しいfeaturesがあるが、一つ際立つのはそれらはQualcommが“64-bit capable”と表わす最初のものである旨。
 2)Qualcommが、entry-levelスマートフォン向け64-ビットプロセッサ、Snapdragon 410を発表、大方のスマートフォンに向けて64-ビットoperating system(OS)が出てくるのに先行する動きの旨。
Samsung Electronicsが携帯電話用64-ビットプロセッサを加える計画としており、AppleのiPhone 5Sにあるプロセッサは64-ビットである旨。

◇Qualcomm plans smartphone chips with 64-bit technology (12月9日付け Reuters)

◇Qualcomm announces 64-bit capable Snapdragon 410 chipset (12月10日付け DIGITIMES)
→Qualcommの完全子会社、Qualcomm Technologiesが、4G LTE World Mode統合のQualcomm Snapdragon 410チップセットを投入の旨。

◇64-bit smartphones to be ushered in 2014, say sources (12月11日付け DIGITIMES)
→業界筋発。64-ビットcapabilityをサポートするCPUs搭載スマートフォンの浸透速度が向こう2年早いペースで高まる見込み、QualcommおよびIntelなどチップセットベンダーが64-ビットenabled半導体を展開する備えの旨。

本年もあと半月、いろいろ締め括るタイミングであるが、来年、2014年はどうなるか、半導体業界executivesを対象にしたアンケート調査が、以下の結果となっている。ほどほど儲かるの一方、厳しい見方もあって、いろいろ分かれる方向性は、昨今の半導体業界を映し出すものと言えそうである。

【2014年半導体業界の見方】

◇Chip-industry executives expect profitable growth in 2014 - and that China will be their biggest market in 3 years-Survey: Chip execs are optimistic about 2014 (12月10日付け VentureBeat)
→KPMGによる半導体業界executives対象annual survey。2014年は、控えめながら儲かる伸びを見ている旨。1年前のように楽観的では全くないが、全体としては良い年と見ており、1つに今後は半導体応用ベースがずっと広がるとしている旨。約200人のexecutivesのうち、56%が米国を最も重要な市場としている一方、55%が中国を挙げている旨。約5人に3人が、中国での雇用を優先としている旨。

◇Chip Execs Lower Expectations-More diversified mix ahead (12月11日付け EE Times)
→KPMGによる半導体業界executives対象annual survey。77%が来年の売上げの伸びの増加を予想、昨年は75%であった旨。

◇Revenue growth for 2014 looking bleak, says IC execs (12月13日付け EE Times India)

2000年から争われてきたMicronとRambusの特許訴訟が、以下の通り決着を迎えている。Micron傘下となったエルピーダメモリもライセンス契約の対象となっている。

【Micron 対 Rambus 特許係争】

◇Rambus, Micron settle patent, antitrust disputes-Micron, Rambus settle patent suits after 13 years of litigation (12月9日付け PCWorld/IDG News Service)

◇Rambus Ends 13 Years of Litigation (12月10日付け EE Times)
→Rambus社が、Micron Technology社とlicensing合意に達した旨。"最後の大きな未解決訴訟"であり、13年の係争に終止符の旨。該合意は、特許cross-license合意であり、Micronはメモリなど特定ICs製造にRambus特許を使用する権利を得る旨。

◇米マイクロン、米ラムバスと特許ライセンス契約 (12月11日付け EE Times日経 電子版)
→米マイクロン・テクノロジーと半導体開発の米ラムバスが10日までに、包括的な特許ライセンス契約を結んだと発表、両社はDRAMの特許を巡り2000年から法廷で争ってきたが、今後7年にわたってマイクロンがラムバスに最大$280M(約290億円)の特許使用料を払うことで和解した旨。マイクロン傘下のエルピーダメモリもライセンス契約の対象に含まれる旨。


≪グローバル雑学王−284≫

外務省出身の著者であり、外交懸案への双方の立場の見方、こうあるべきという考え方、提案が率直に表わされている書、

『歴史認識を問い直す −−−靖国、慰安婦、領土問題』
  (東郷 和彦 著:角川oneテーマ21 A-168) …2013年5月10日 再版発行

より、韓国との間の竹島問題について以下の通り示されている。小生は故郷が島根県であり、まさに竹島の地元ということになるが、子供のころから李承晩ラインでのだ捕のニュースに接しており、改めて経緯、今後の共存に向けての著者の提案について考えさせられている。


第一部 領土問題 −−−2012年外交敗北

第二章 竹島問題 −−共存の途の探求へ

□韓国人が感情的になる理由
・日本人が竹島のことについて話をしようとしただけで、なぜ韓国人が怒るのか
 →韓国人にとって竹島は歴史問題
 →日本がこの島を領有したのが1905年、5年後の2010年に韓国を併合
  →韓国からみれば、竹島は「日本による朝鮮戦略の最初の犠牲の地」と映る。その「恨」が根本に。
 →1951年、サンフランシスコ条約締結のとき、韓国から見て、不当な扱いを受けたという背景
  →1954年、竹島を韓国人が実効支配したころから、竹島イコール韓国のアイデンティティという現象がでてきたよう
 →1965年の日韓国交正常化で、韓国がこの問題について、十分な対応をしていないという強い声もあるよう
・李大統領が竹島に上陸したとき、日本は何をすべきだったか
 →韓国に対して、この問題を、対話によって解決しようということを本気で呼びかけること
 →これまでの日本側の対応は、迂回に迂回を重ねて爆発しないようにしてきたように見える
・尖閣についての対話が動き出すときが、竹島に関する対話を要求する絶好の好機
 →近い将来、事態がその方向に行くことを是非望みたい

□"竹島密約"の存在
・1965年交渉における「竹島密約」という説が登場
・30年間にわたり二国間関係で大きな緊張の対象にならなかったこの(竹島)問題
・本件について最も総合的に著述
 →韓国生まれの研究者、ロー・ダニエル氏が、2008年に刊行した『竹島密約』(草思社)
 →「解決せざるをもって、解決したとみなす」という大変興味深い知恵、まさに"棚上げ"
・朴正熙から、全斗煥、盧泰愚といった軍人出身者が大統領の座についていた時代には密約は引き継がれていった
 →1993年、直接選挙によって大統領になった金泳三では、密約の存在は引き継がれず
・実際に存在したか否かは別として、「竹島密約」で了解された精神は、なくなった

□ラスク書簡の論拠
・韓国にしてみると、サンフランシスコ平和条約交渉における非常な出遅れ問題
 →最終的には、竹島の島名は条約からは消え、帰属の問題は先送りに
・1951年8月10日、米国ラスク極東担当国務次官補が、韓国に送った書簡
 →「この島は、かつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない」という主旨
 →この圧倒的に弱い立場を覆すために、韓国側は必死の努力を始めた模様
・国際会議など世界各国の世論形成の場で韓国人が発出する熱気には、聴衆を圧倒するもの
 →地道な積み重ねによって、国際世論はいつのまにか韓国支持になっていく

□共存するための対話
・日本人も日本政府も、太古から現在に至る歴史的な経緯をよく勉強し、21世紀における日本外交と日本の国益を考え、腹を決める必要
 →韓国も世界も納得する竹島政策を打ち出さねばならない
・第一:竹島の帰属について、真摯な対話を多重的に行う
  →研究者どうしの地道な研究は、確実に前進
  →学者間対話はいずれ必ず、政府間の対話に発展すると信じたい
 第二:竹島を、平和と協力の島として活用する
 第三:竹島密約の再生を考える
・結局のところ、私たちの将来の知恵は、竹島密約をつくったかもしれない先人の知恵にもどれるかどうかにかかっている
・究極的には、棘を、お互いのプライドを傷つけない形でうまく抜くことができるかにかかる
 →日韓が相手の国を信用できる国と思えるか否か
 →その国を構成する指導者が、国民が、人間が信用できるか否かという問題
・地に足の着いたアプローチから、相手を信頼する条件
 →そこから必ずや、竹島共存の知恵が生まれると確信

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