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64ビット化、医療、クルマに見るプロセッサ半導体の展開

アップルのA7 64-ビットプロセッサが特に触発する流れを感じている。サーバおよび通信インフラなどで64-ビット化が進む従来に加えて、モバイル機器が最先端プロセスの駆使とともに64-ビット化を引っ張っていく気配である。機能満載のスマホと横目で見るしかないところがあるが、今後の64-ビット化による素晴らしい機能の出現に注目と思う。健康への貢献、究極の便利さを追求する流れで、医療、クルマへのプロセッサ半導体の展開がまた著しく、最先端プロセスを引っ張っていく今後の流れとも受け止めている。

≪限りない機能の追求≫

iPhone 5sのA7プロセッサにより一躍注目、議論を呼んでいる64ビット化であるが、A7搭載のiPadはPC市場をさらに食っていくとの見方である。

◇iPad with 64-bit A7 chip will hurt corporate PC market, says analyst (10月11日付け Fierce CIO)
→Deutsche Bank Equity Researchアナリスト、Chris Whitmore氏の10月7日付けresearch note。Appleの新しい64-ビットA7プロセッサ搭載のiPadは、PC市場をさらに浸食する可能性、PC出荷予測を2013年10%減、2014年8%減と落としている旨。前回は8%減、6%減と見ていた旨。

無線およびブロードバンド通信向けの半導体メーカー、Broadcomが、64ビットプロセッサにARMベースで取り組む発表を行っている。

◇Broadcom Tips Custom 64-Bit ARM Core (10月15日付け EE Times)
→Broadcomが、当初は16-nm FinFETプロセスで作るカスタムcoreの計画を擁して、サーバおよび通信インフラ装置に向けた64-ビットARM SoCsを供給する競争に突入する旨。この動きをもってBroadcomは、広い製品arrayに向けてMIPSからARMに切り換える計画を暗示しており、大手競合からの同様の発表に続く形の旨。

◇Broadcom Makes Case for New Networking Chips-Broadcom transitions to 64-bit, ARM-based processor (10月15日付け The Wall Street Journal /Digits blog)
→Broadcomが、64-bit computingが行える"サーバ-級" microprocessor(MPU)を開発しており、ARM Holdingsによる設計ベース、量産に入るのは2015年より先の旨。これはFinFET技術を含み、通信およびサーバ応用向けの16-nmプロセスでの製造の旨。

アップル向けにA7プロセッサを受託製造しているSamsungであるが、自社の次世代スマホに向けて14-nmプロセスによる64-ビットプロセッサとまさに最先端の組み合わせの打ち上げである。

◇The leader follows again: Samsung Galaxy S5 to get new 64-bit chip-Report: Samsung to go 64-bit for processor in Galaxy S5 (10月15日付け BGR.com)
→Digital Daily website発。Samsung Electronicsが、同社次世代Galaxy S5スマートフォンに向けて64-ビットプロセッサ, Exynos 6を作り出す旨。SamsungはAppleの新しいA7 64-ビットプロセッサ製造に28-nmプロセスを用いている一方、該Exynos 6半導体は14-nmプロセスで作る旨。

インテルも黙っていられないということか、アップルA7に対抗して、最先端プロセス製造技術の優位性があってこそ、と強調するコメントの雰囲気を感じている。

◇Intel CEO takes on Apple A7, cites 'Moore's Law advantage'-Responding to an analyst's question, Intel CEO waxes eloquent about the advantage of Intel's manufacturing technology compared with Apple's. (10月16日付け CNET)
→IntelのCEO、Brian Krzanich氏が同社業績発表の後、Appleの新しい64-ビットA7半導体のそれと比較してIntelの製造プロセスの利点を強調の旨。

人間の頭脳のように働くプロセッサは、IBMの開発はじめ見られるところであるが、Qualcommからはスマホをロボットのように働かせるアプローチが見られている。

◇Qualcomm's brain chip could turn your phone into a robot butler-Qualcomm processor aims to train phones to be a "good robot" (10月11日付け PCWorld)
→QualcommのZerothプロセッサは、人間の頭脳のように働くよう設計され、それ自体で学習、知識ベースを構築して、従来のやり方でプログラムされるよりも積極的なふるまいを増強、スマートフォンをpersonal assistantsに数年以内に変える可能性の旨。各個人cellphoneユーザにとってcustomizedユーザexperienceの可能性につながり、得られる電話よりむしろ欲する電話のようなものの旨。

医療関係においてもプロセッサの展開が着実に進んでおり、以下目に止まる内容である。

◇Microprocessor lends prosthetic legs a more natural gait-Researchers use a microprocessor in a robotic leg for more natural walking (10月15日付け GigaOm)
→現実の世界に備えるrobotic legを作ることは、treadmill上で歩ける何かを開発するよりも複雑であり、絶えず新しい需要に適応していく義肢が必要になる旨。Michigan Technological Universityが今月、様々な地勢に適応できるよう開発したrobotic legについて論文プレゼン、大きな改善は足首にあり、microprocessor(MPU)で制御して、すでに普通の上下動作に加えて左右に動ける旨。

◇Brain Implants Near Milestone-FDA about to give green light (10月16日付け EE Times)
→Steve Archer氏が14年前に取り組みを始めた頭蓋骨に装着する医療用製品、NeuroPace RNSが、市場化に近づいている旨。

ITS(Intelligent Transport Systems)と言えばETCがまず浮かんでくるが、クルマの世界の進展目覚ましく、今や「自動運転」、autonomous vehiclesに向かう流れであり、ここでも半導体そしてプロセッサ技術の粋が根幹となっている。イベントのITS World Congress(10月14日〜:東京ビッグサイト)にて注目するところである。

◇Are You Ready When Your Google Car Freaks Out? (10月16日付け EE Times)
→autonomous carにすべての目が集中するITS World Congress(高度道路交通システム世界会議:東京ビッグサイト)について

◇TI Launches Purpose-Built SoCs for Automotive Vision (10月16日付け EE Times)
→安全と自動化に向けて中心舞台に移ってきているAdvanced Driver Assistance System(ADAS)について。

◇TI chips to work with cameras, sensors to make cars safer, smarter-TI processors to enable more autonomous vehicles (The Dallas Morning News)
→Texas Instruments(TI)(Dallas)が本日、車載electronics用プロセッサラインを披露、自ら運転できるクルマの将来に向けて支えていく旨。
「autonomous carへの道筋にいると思っており、消費者が欲するもの、これらのシステムを如何に頑丈に使いやすくするか、を理解している」(TIのapplications processors general manager、Curt Moore氏)。

◇Slideshow: ITS Touts Automation & Big-Data (10月17日付け EE Times)
→ITS(Intelligent Transport Systems) World Congress(高度道路交通システム世界会議:東京ビッグサイト)から


≪市場実態PickUp≫

Samsung、TSMCから相次いで最高業績の発表が行われたばかりであるが、半導体トップのIntelから前年同期並みの四半期業績が以下の通り発表されている。低下するPC事業をサーバ用、モバイル機器向けでカバーしていく状況と思われるが、モバイル機器向けプロセッサについては生産開始が1四半期遅れる模様となっている。

【半導体最大手業績】

◇Intel reports mixed quarter, delays cutting-edge chip (10月15日付け Reuters)
→Intelの第三四半期売上げが$13.48 billion、前年同期の$13.46 billionからほとんど変わらずの旨。現下の第四四半期については$13.7 billion±$500 millionと予想している旨。

◇Intel sales may flatten; outlook still a high bar-Chip giant may be hard pressed to make up ground in fourth quarter (10月15日付け MarketWatch)
→Intel社が火曜15日午後、第三四半期売上げ(前年同期並みの$13.5 billion)を発表予定、ここ数periodsの減少に対しては改善の旨。

◇Intel delays Broadwell PC chip production to early next year-The semiconductor giant during its earnings call reveals the delay of its 14-nanometer chip due to a defect issue but says the problem is fixed. (10月15日付け CNET)

◇Intel Production Slip Dents Trust in Krzanich's Mobile Push-Servers may help take up the slack from PCs for Intel (10月16日付け Bloomberg)
→Intelは、第四四半期売上げを$13.2 billion〜$14.2 billionと見積もり、同社のサーバ用プロセッサ供給の強みが面白味のないPC事業を埋め合わせる助けになるとanalystsの見方の旨。Intelはまた、モバイル機器向け"Broadwell"プロセッサ生産の開始が2014年第一四半期と1四半期の遅れの旨。

第三四半期最高を記録したTSMCであるが、第四四半期については前四半期比9.58%〜11.43%落ち込む売上げ見通しが以下の通り出されている。

◇TSMC sees Q4 sales slide as smartphone makers pause (10月17日付け Reuters)

◇TSMC expects 10.5% revenue decrease in 4Q13 (10月17日付け DIGITIMES)
→TSMCの第四四半期売上げが前四半期比約10.5%落ち込む見込み、現在IC supply chainで見られている在庫調整およびハイエンドモバイル機器の需要弱含みによる旨。該業界は在庫調整プロセスが引き続き進んでいるが、supply chain DOIが第四四半期に大きく低下の見込み、四半期末までに季節的水準に近づく、とTSMCのchairman and CEO、Morris Chang氏。

スマートフォン用プロセッサおよびコントローラについて、MediaTekとそのグループの勢いが以下の通り目立っている。中国市場での圧倒的なシェアに注目させられる。

【Mediatekの奮闘ぶり】

◇Mediatek makes waves in the smartphone market-But Qualcomm still rules the roost-MediaTek challenges Qualcomm, Apple in market for smartphone processors (10月11日付け TechEye.net)
→Strategy Analytics発。本年第二四半期のグローバルスマートフォンアプリプロセッサ市場が44%伸びて$4.4 billionの規模、ベンダー別では、Qualcommが53%の売上げシェアで1位を維持、Appleが続いて15%のシェア、第3位は11%のMediatekでSamsungを上回った旨。

◇China market: MediaTek accounts for over 50% of smartphone solution market (10月15日付け DIGITIMES)
→業界観測筋発。MediaTekが、2013年第三四半期にdual-core MT6572およびquad-core MT6589など65 million個以上のスマートフォンソリューションを中国向けに出荷、該分野の市場シェア50%以上を占めている旨。

◇China market: MediaTek Group to account for 60% of smartphone touch controller IC market in 2H13 (10月16日付け DIGITIMES)
→業界筋発。MediaTekと連携する2社、GoodixおよびMStar Semiconductorが共同で2013年前半の中国のスマートフォン用touch controller IC市場の50%シェアを獲得、後半には60%に上がる様相の旨。

エルピーダを買収したマイクロンの四半期業績が、以下の通り発表されている。売上げ増の一方で人員削減、そして広島fabでのプロセス格上げと並行する動きとなっている。

【注目のマイクロンの業績】

◇Gain from acquisition helps boost Micron in 4Q-Micron Technology reverses year-ago loss, posts 4Q profit with help from acquisition (10月10日付け AP)
→Micron Technology社が、Elpida Memory社の7月買収およびいくつかのメモリ半導体の価格上昇から、8月29日締め第四四半期業績について、売上げが$2.84 billionで前年同期($1.96 billion)比45%増。先月同社は、世界中の従業員30,000人のうち最大1,500 jobs、5%以下を削減するとしており、この削減は2014年8月まで行われる旨。

◇Micron swings to profit in fiscal 2013 (10月14日付け DIGITIMES)

◇Micron Hiroshima fab to ramp up mobile DRAM output in 4Q13, say sources (10月14日付け DIGITIMES)
→業界筋発。以前はElpida Memoryが所有していたMicron Technologyの広島DRAM fabでの生産capacityが、30-nmプロセスから25-nm格上げにより20%ほど増大する旨。

テレビはだいぶ前から、そしてここにきてパソコンが減少してきているが、それぞれの主力半導体、すなわちTV用半導体とDRAMがともに市場としては伸長の動きが見られている。TV用半導体は、ワイヤレスvideo connections, networkingインタフェース, multi-format decodersおよびLED backlightingなどの技術で高められている一方、DRAMの方は、生産が絞られるとともにSK Hynix中国工場火災の影響があって価格が高止まりしている状況がある。

【TV用半導体とDRAM】

◇TV semiconductor market growing despite decline in TV shipments (10月18日付け ELECTROIQ)
→IC InsightsのIC Market Drivers 2014レポート発。2013年のグローバルtelevision数量需要の落ち込みにも拘らず、TVs用半導体市場は7%増の$13.1 billionと予測される旨。

◇DRAM market adjusts to post-PC era as profits soar to 11-quarter high, says IHS (10月18日付け DIGITIMES)
→IHS発。DRAM事業がここ約3年で最高の利益を上げており、かつて市場需要を席巻したPC事業の低下にも拘らず、サプライヤが伸びていっている旨。
4月〜6月期でoperating marginsが27%と、第一四半期の11%から上昇、これは2010年第三四半期の33%以来の利益水準となる旨。

◇DRAMs Back in Black-Profits highest in three years (10月18日付け EE Times)


≪グローバル雑学王−276≫

19世紀の終わりから20世紀にかけて、イギリス、フランスをはじめとして列強の国々が植民地獲得を目指して世界分割が行われていく経過を、

『学校では教えてくれなかった! 世界のなかのニッポン近現代史』  
  (菅野 祐孝 著:歴史新書 洋泉社) …2013年3月21日 初版発行

より、今回は我が国が勝利を収めた日清・日露戦争まで見ていく前半である。アジアの小国、日本が大国に勝利して、アジア各地の民族を目覚めさせたとともに、当時の清国、ロシアのそれぞれ国内の混乱ぶり、主戦論(開戦論)が圧倒的に優勢であった我が国の背景に改めて注目している。


第2章 帝国主義下の世界と日本 −−−19〜20世紀の世界と日本  ≪前≫

1 列強の世界分割と東アジアの動向 −−世界はどのように動いたか?

◇帝国主義とは何か?
・帝国主義 …軍事力と経済力に支えられながら、植民地(市場)獲得を目指す膨張主義的な国家体制
・帝国主義の段階到達
 →いち早く、イギリスやフランス
 →それにやや遅れ、ドイツやアメリカ、ロシア
 →日本は1904年の日露戦争のころ

◇英・仏が見せた帝国主義 −その生々しい素顔とは?
・イギリスは、アフリカ縦断政策 …3C政策(カイロ・ケープタウン・カルカッタを結ぶ帝国主義政策)の一環
・フランスは横断政策 →1830年、アルジェリアを占領
             →1881年、チュニジアを保護国化
 →イギリスと対立
・列強の世界分割、独立を保ち得た国
 →アフリカでは、エチオピアとリベリア
 →東南アジアでは、タイだけ

◇ビスマルク体制の盛衰 −ドイツの鉄血宰相は何をした?
・産業革命が及んだ19世紀中ごろのドイツ
 →ビスマルクが富国強兵的な軍備拡張政策、鉄血政策
  …「鉄」は武器・軍備、「血」は兵士の犠牲
 →同盟外交を中心とする平和協調外交を推進
 →フランスを孤立化させながらヨーロッパ全体の平和の維持に
 →3B政策(ベルリン・ビザンティウム・バグダードを鉄道建設によって結ぼうとするドイツの帝国主義政策)から西アジアに進出
・新帝ヴィルヘルム2世 →ビスマルクは、意見が折り合わず、退陣
 →露骨な帝国主義政策、それまで築き上げてきた国際関係が急速に悪化

◇世界No.1に躍り出たアメリカ −強大化したワケとは?
・アメリカでは、1861年、南北戦争起こる
 →共和党による政治的な統一
・1869年、大陸横断鉄道が開通、工業生産力が世界一に

◇洋務運動・変法自強運動の挫折 −半植民地化が進んだ中国の実情は?
・中国、1860年代、太平天国の乱を平定した曾国藩や李鴻章らが、富国強兵のための近代化政策、洋務運動を推進
・清が日清戦争で敗北 →列強による中国分割が進行
・1900年、排外集団が蜂起 …義和団の乱
・1901年、北京議定書 →中国の半植民地化が決定的に

2 日清・日露戦争 −−日本が勝利したのはなぜ?

◇1880年代の日中・日朝関係 −険悪化した理由は?
・1876年、日朝修好条規によって朝鮮を開国させた日本
 →清の宗主権(属国として扱う権利)を否認、日本と平等の権利をもつ国に
・1882年、不満をもつ保守派、日本大使館を焼打ち、クーデター…壬午軍乱
 →清は宗主権を回復
・1884年、駐留日本軍の支援の下、クーデター、失敗 …甲申事変
・1885年、甲申事変の処理のために日清間で天津条約
 →日清ともに朝鮮から撤兵する、など約す

◇日清戦争は何をめぐる戦いだったのか?
・甲午農民戦争 …外国人の排斥や腐敗した政治の立て直しなどを求めて、農民が朝鮮南部一帯で反乱
 →東学党の乱とも …民間宗教、東学を信仰した人びとが多い
・1894年7月、日本は漢城の朝鮮王宮を占領
 …日清間・日朝間の軍事的緊張、一気に高まる
 →8月、正式に清に宣戦布告、日清戦争が始まる
・清は政治的な対立など十分な戦力を発揮できず
 →戦局は常に日本軍優勢
 →8ヶ月間の戦争は清の和議申し出によって日本の勝利に
・1895年、日清戦争の講和条約(下関条約)締結
 →締結内容で、遼東半島が日本の手に渡ることに危機感を強めたロシア
  →フランス・ドイツとともに日本に対して返還するよう勧告(三国干渉)
  →来るべき対露戦に向けての精神的素地が準備されることに
・植民地とした台湾では、台湾総督によって軍政、抗日勢力を武力で弾圧
 →中華世界の崩壊によって、沖縄が日本領として見なされるように
  →琉球帰属問題が消滅

◇日清戦争後、国内外にどのような動きが見られたか?
・1895年、朝鮮の三浦日本公使が、大院君を擁してクーデター、王宮で閔妃虐殺
・1896年、妃を殺害された高宗はロシア公使館に移ったため、親露的な政権が発足
 →日本の韓国支配にとって、清ではなくロシアが強大な敵国として前面に台頭
・日本国内では、満韓交換論(日露協商論)と、日英同盟論が対立
・1902年、第一次桂太郎内閣の時に日英同盟が成立

◇満州・韓国の支配をめぐる日露戦争 −戦争に対する国民の意識は?
・対露戦が準備される中、主戦論(開戦論)と非戦論(反戦論)
 →日露戦争直前の世論は主戦論が圧倒的に優勢
・1904年2月、宣戦布告を経て日露戦争に突入
 →バルチック艦隊を撃破、制海権を掌握、戦局を決定
 →1905年、アメリカのポーツマスで全権、小村寿太郎とヴィッテのもと、日露戦争の講和会議、ポーツマス条約が調印
 →多くの兵力と日清戦争の8倍強、約17億円もの莫大な戦費
 →賠償金はびた一文受け取らない内容で条約締結
・条約内容に激高した民衆、調印と同じ1905年9月5日、日比谷焼打ち事件
 →政府は戒厳令 …非常事態に際して軍隊に行政権や裁判権を与える天皇大権の一つ

◇日露戦争以後の世界 −国際関係はどう変化したか?
・1907年、第三次日韓条約を締結、日本は韓国の内政権も手中に収め、軍隊も解散させた
 →韓国内部では反日武装闘争(義兵闘争)が激化
 →1909年、初代統監、伊藤博文が、ハルビン駅頭で独立運動家、安重根によって殺害
・1910年、韓国併合条約を締結、韓国を植民地化、国号を朝鮮、首都も京城(ケイジョウ)と改称
・日本の満州進出がいよいよ本格化
 →1906年、旅順に関東都督府を設置、大連に国策会社、南満州鉄道株式会社を設立
・日本の満州進出にアメリカが反発
 →徐々に冷え始める日米関係
・アジアの小国、日本が大国、ロシアに勝利したこと
 →アジア各地の民族に近代的な覚醒を促す

◇清王朝の落日 −清朝末期の姿と革命で生まれた新国家とは?
・三民主義を掲げて清朝打倒に奔走した革命家、孫文
 …民生(民生の安定)・民権(民権の伸長)・民族(民族の独立)
・1911年、辛亥革命が勃発、中国内部の多くの省が独立を宣言
・1912年、南京で中華民国が成立
 →清朝に総理大臣として起用された袁世凱との密約によって宣統帝溥儀を退位させ、清朝が滅亡

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