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"経済成長を引っ張る半導体"を訴える米国はじめ各国・地域の論調

約25万の直接jobsとなっている米国半導体業界を昨秋アピールしていた米国Semiconductor Industry Association(SIA)が、こんどは波及乗数の力強さから産業界の他の分野に100万以上のAmerican Jobsを生み出している、という改めての発表を行っている。続く自動車業界と並んで半導体業界の遠大な効果のほどがよく表わされている。半導体・エレクトロニクスの重みを国・地域を挙げて訴えるスタンスは、欧州、アジアからも同時に見られるということで、我が国にも照らして注目するところである。

≪各国・地域のアピール≫  

改めて楔を打つ形の今回の米SIAの発表は、以下の通りである。

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○米国半導体業界は、100万以上のAmerican Jobsをサポート−半導体業界のjobの各々は経済全体で約5つのjobs追加を可能にする …4月23日付けSIAプレスリリース

半導体製造&設計の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、米国半導体業界は、244,800の直接jobsに加えて、米国経済全体で100万以上のAmerican jobsをサポートしている、と発表した。政府データ分析によると、直接の半導体業界jobの各々は、経済の他の分野で4.89のjobsを可能にする。

「米国半導体業界は、100万以上のAmerican jobsをサポート、経済成長を牽引、グローバル市場を引っ張っているが、海外の競合たちは世界のトップinnovatorsおよびjob-creatorsを引きつけるよう懸命に働いている。」とSIA president and CEO、Brian Toohey氏は言う。「半導体設計&製造が引き続きここ米国で確実に盛んに行われるよう、基礎研究に投資、世界中からトップscientific mindsを集め、そして経済不安を楽にしなければならない。」

最近リリースされた雇用データは、半導体業界の広範な米国経済に対する遠大な波及効果を示している。該業界の雇用乗数、4.89は、建設業界(1.90)、通信業界(2.52)および自動車業界(4.64)など他の多くの業界のそれを上回っている。製造分野全体の雇用乗数は2.91である。

「100万以上のAmerican jobsの源として、半導体業界はAmericaの力強さに重要である。」とSIA chairmanでGlobal FoundriesのCEO、Ajit Manocha氏は言う。「我々の業界は、米国のjob創出、製造およびグローバル競争力を根本的に牽引するが、Americaの半導体業界リーダーシップの継続は保証されていない。Washingtonの我々のリーダーたちからの懸命で先を見越した政策がなければ、この偉大なAmerican success storyは消え去る恐れがある。」

SIAは、high-skilled immigration改革、法人税改革および製造およびハイテク業界の伸びを促す科学リサーチ支援のような政策initiativesへの迅速な行動をとるよう議会および政権側に働きかけを行っている。
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ほぼ時を同じく欧州からは、世界をリードする画期的な研究の種は豊富にあるもののビジネスの成功になかなか結びつかないジレンマというものを感じる以下の内容である。現在取り組む研究の具体例が挙がっているが、グローバル市場での結実のしかた、やりかたについては我が国に共通する問題意識を感じている。

◇Slideshow: Is Europe Stealth Semiconductor Research Leader? (4月22日付け EE Times)
→欧州は、academicブレイクスルーをグローバルな商用の成功にもっていけない懸念が引き続きあるとしても、academicおよびコラボリサーチの素晴らしさの伝統に従って行動を続けている旨。エレクトロニクスおよびITの領域では、ドイツのFraunhofer機関ネットワークに、IMEC(Leuven, Belgium), CEA-Leti(Grenoble, France), Holst Center(Eindhoven, The Netherlands), Tyndall National Institute(Cork, Ireland)など多くが並行して活動している旨。
具体例:
Micro-actuator in the ear
NEM(nano electromechanical) switch for low-power logic on-chip power-management architecture、PowerSoC
Silicon-oxide as non-volatile memory material
Siウェーハ上gallium-nitride(GaN)成長…GaN LEDs
Zinc-oxide TFTs…flexibleディスプレイ
Straining pillars makes more light
Nanowires for solar conversion
Printed thermoelectric generator
LEDs for optical data transmission

アジアに目を転じると、韓国からはトップライバルとして米国ではなく中国とする論調が見られている。強烈な対抗意識とともに、今は数年前と違うという韓国、中国、そして我が国の産業構図の捉え方に注目せざるを得ない。

◇【コラム】中国にサムスンだけを研究する組織あるが、韓国には… (4月22日付け 韓国・中央日報)
→中国のサムスン研究は新しいことではない。「では韓国は果たして中国企業のことをどれほど知っているのだろうか」
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情報技術(IT)分野の多くの専門家は「サムスン電子の未来のライバルはアップルでもグーグルでもなく華為(ファーウェイ)」と話す。
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わずか数年前まで韓日中3カ国の産業は「協力パラダイム」で形成されていた。日本が先端製品を作り、韓国が中・高級技術に特化し、中国は低技術製品と組み立てを担当するという構造だった。しかし今は無限競争の時代だ。
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中国に「サムスンだけを研究する組織」があるのなら、韓国には「華為だけを研究する組織」がなければならない。それが東アジアの産業戦争に備える道だ。

韓国のサムスンに対応する台湾のTSMCという感じ方が出てくるが、半導体に大きく依存する経済の現状の一端が滲み出る以下の内容と受け止めている。

◇TSMC rising 2013 capex to benefit equipment and material suppliers (4月22日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCの2013年設備投資を以前の$9Bからこのほど$9.5B-10Bに引き上げる決定が、台湾の半導体装置および材料サプライヤに利することになる旨。

◇台湾TSMC、スマホ用半導体、生産3倍―サムスンとインテル追い上げ。 (4月23日付け 日経)
→IHS iSipplyによると、受託生産の2016年の市場規模は2012年比58%増の$48.5B(約4兆8400億円)に広がる見通し、インテルやサムスンのファウンドリー事業参入の背景には、パソコン向けMPUなどの需要減で、自社の需要だけでは工場の生産能力を埋めきれない事情もある旨。インテルは2月末にTSMCの長年の顧客である米アルテラから受注を獲得、TSMCは警戒感を募らせる旨。そのTSMCは米アップルの次世代スマホの頭脳となる半導体の受注を獲得した模様、アップルはサムスンに発注していたが、特許訴訟などで対立を深め、TSMCに切り替えた旨。当面は目まぐるしい攻防が続く見通しの旨。

半導体工場の建設が引き続き懸案となっている大消費国の1つ、インドであるが、エレクトロニクス全般に言えることか、以下の現状の問題意識が示されている。

◇F&S: '2013 to be a better year for Indian ESDM industry' (4月22日付け EE Times India)
→Frost & Sullivanのelectronics and security practice、industry manager、Deepa Doraiswamy氏が、2013年のelectronics system design and manufacturing(ESDM)業界の状況について。インドのエレクトロニクス業界は、非常に刺激的な時期の最中にあり、ここ1年、インド政府はエレクトロニクス製品の国内生産を加速するたくさんの政策を発表してきているが、インドのESDM業界が直面している依然たくさんの難題がある旨。

こうした国・地域を挙げての論調、アピールは、半導体・エレクトロニクスがかくもグローバルに拡がって、次世代の新技術・サービスが常に模索されるなかでは、さらに世界の方々で活発になっていくものと思う。最先端をリードする一角の我が国にも求められる今後のあるべきスタンスということと思う。


≪市場実態PickUp≫

各社の四半期業績発表が相次いだが、活況のモバイル機器関係はいろいろな業界模様が錯綜する状況が見られる。まず、世界が注目するアップルであるが、売上げは増えたものの純利益が10年ぶりに減少している。今年半ばの同社イベントで発表されるとみられる新技術の如何が待たれるところである。

【モバイル機器が織りなす各社業績模様】

◇米アップル10年ぶり減益、1〜3月、純利益18%減−機種単価が下落 (4月24日付け 日経 電子版)
→米アップルが23日発表した2013年1〜3月期決算、売上高が前年同期比11%増の$43.63B(約4兆3340億円)、純利益が同18%減の$9.547B(約9490億円)、約10年ぶりに減益となった旨。スマートフォンやタブレットの販売は好調だったが、低価格機が増えた旨。大幅減益だが、売上高と1株利益が市場予想を超えたことや、株主還元策を好感、米株式市場の時間外取引でアップルの株価は一時同日の終値から5%以上値上がりした旨。

モバイルプロセッサのクアルコムは最高の売上げを記録、年間売上げ予測を$24.0B〜$25Bとしてベンダー・ランキングにも波乱を呼ぶ勢いである。しかしながら、投資家筋からはアジア、特に中国における競合で純利益が減っていることに厳しい目が当てられるのは、アップルと同様の受け止めである。

◇Qualcomm's earnings outlook points to competition in Asia-Qualcomm grows revenue; analysts worry about the bottom line (4月24日付け Reuters)
→大手モバイル半導体メーカー、Qualcommが水曜24日、期待を下回るearnings予測、スマートフォン競合が激化、アジアにシフト、同社株価が急激に低下の旨。
Qualcommは、年間売上げを$24.0B〜$25Bと予測、前回の$23.4B〜$24.4Bから上げている旨。しかし投資家筋はfull-year earnings/株の予測に重点化、期待より落ちている旨。

◇Qualcomm's profit hurt by competition from China (4月25日付け EE Times)

◇米クアルコム売上高最高、1〜3月、スマホ普及追い風−純利益は16%減 (4月25日付け 日経 電子版)
→米クアルコムが24日発表した1〜3月期決算、売上高が前年同期比24%増の$6.124B(約6100億円)、過去最高を記録した旨。スマートフォンなどモバイル機器の急速な普及が追い風となった旨。同社は携帯電話向けの通信用半導体で約5割、スマホMPUで約4割の世界シェア、パソコン向けMPUの需要減に苦しむ米インテルとは対照的な業績になった旨。

スマホ、ギャラクシーが絶好調のサムスンは、下記の通り高い利益水準を上げている。スマホに加え、PC用DRAMの価格が上がって奏功しているのは、Hynixの業績にも見られるところである。

◇サムスン営業益54%増、1〜3月、スマホ好調続く (4月26日付け 日経 電子版)
→韓国のサムスン電子が26日、2013年1〜3月期の連結決算を発表、「ギャラクシーS3」などスマートフォンの販売が好調を持続、売上高は前年同期比17%増の52兆8700億ウォン、純利益は同42%増の7兆1500億ウォン、営業利益は同54%増の8兆7800億ウォン(約7800億円)。
半導体部門はパソコン用DRAMの価格が上昇、ディスプレイ部門もスマホ用の有機ELパネルが好調で、いずれも利益が回復した旨。

◇Samsung posts record 1Q13 profit on smartphone sales (4月26日付け DIGITIMES)

昨年、2012年の半導体製造装置ベンダー・トップ10が発表されている。
Applied Materials社がASML Holdingから首位の座を取り戻している。装置市場全体は前年比16.1%減少となっている。

【2012年半導体製造装置トップ10】

◇Applied Materials back on top in chip equipment (4月22日付け EE Times)
→Gartner社(Stamford, Conn.)発。2012年のグローバル半導体capital equipment spending総計は$37.8B、2011年から16.1%減少の旨。
Applied Materials社が首位の座を取り戻した旨。
・≪表≫ 2012年半導体製造装置ベンダー・トップ10
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/Dylan/2013_01/130422_chip_equip_423.jpg

台湾のHTCによって開発されたAndroid搭載スマートフォン、HTC Oneに入っているmicrophoneコンポーネントについて、NokiaがSTMicroelectronicsを訴える事態となっている。Nokiaが許諾していないものを勝手に、という主張である。

【NokiaとSTの係争】

◇Nokia says awarded injunction against HTC One-ST enjoined from supplying microphone chips to HTC (4月22日付け Reuters)
→NokiaがSTMicroelectronicsを相手取って提訴の件、オランダの裁判所が、STMicroelectronicsに対してHTCへのmicrophoneコンポーネントの供給を止めるよう命令の旨。HTCは、これらmicrophonesあるいはNokia技術の使用についてNokiaからライセンスあるいはauthorizationをもたない、とNokia側の弁。STは該決定に対して控訴するが、"代替ソリューション"を追及する計画もある旨。

◇HTC insists Nokia's injunction won't affect the One's current stock, new mics in the works-Nokia injunction won't affect sales of new smartphone, HTC claims (4月24日付け Engadget)

設計の新しい切り口、いろいろな視点が見られるDESIGN West exhibition and conference(4月22-25日:San Jose)から、以下の抽出である。

【DESIGN West】

◇DESIGN West: 'Boring' MCUs need shake up says entrepreneur (4月23日付け EE Times)
→Energy Micro AS(Oslo)に最近chief marketing officerとして入ったAlf-Egil Bogen氏。「microcontroller市場が退屈になってきており、みんなARMコアのライセンス供給を受けてTSMCで同じ製品作りに向かう、もはや違うことを考える時間がない。今日ある製品にあるもの以上の差別化が行える。ただ違った考え方をしなければならない。」

◇DESIGN West panel scopes out future of IoT (4月24日付け EE Times)
→Venture Development社による調査。Internet of things(IoT)が、向こう数年にわたってembeddedシステム開発に向けたビジネスモデルを奮い立たせると見る旨。今回のパネル討議では、IoTはさらに多くのセキュリティ技術の採用を引っ張っていく旨。 

◇DESIGN West: Robots study for butler role (4月26日付け EE Times)
→Embedded Vision Summitにて、人工知能の研究者、University of California at Berkeley(UCB)の工学assistant professor、Pieter Abbeel氏の基調講演の結論。ロボットはソックスを畳んだり、ヘリコプターを飛ばしたり、縫物をすることを習ってきているが、ロボットの執事、パイロットおよび外科医は依然限界を超えている旨。


≪グローバル雑学王−251≫

世界のお米について、熱帯、温帯、シルクロードとそれぞれの由来、食べ方などいろいろな切り口で、

『知ろう 食べよう 世界の米』  
  (佐藤 洋一郎 著:岩波ジュニア新書 720) …2012年 7月20日 第1刷発行

より認識を深めてきたが、今回で読み納めとなる。最後は、世界に広がったお米という視点で、欧州&アフリカ、米国ときて、世界的に品種を集める事業に言及してある。普段当たり前のように食べて飲んでいるお米そしてコーヒーと、それぞれのはるか昔のルーツに改めて思いを巡らしている。


7章 世界に広がったイネと米

1 西に伝わった米

□ 渡来の経路
・作物の渡来の経路の研究、ひとつだけの学問分野からのアプローチでは、本当のことはなかなか見えてこない
 →渡来の経路が一つとは限らない
 →ブラジルのコーヒーのそもそもの伝わりは、たった一回の渡航で伝わった数千粒の種子と数十の株

□フランスで
・欧州におけるイネの産地は地中海沿岸などに限られる
 →イタリアのポー川流域のロンバルディア平原
 →東欧の黒海沿岸
・稲作はフランスでも盛ん →米国の稲作と同じような稲作

□欧州に渡った米料理の系譜
・欧州には、三つの米料理の系譜
 →1.パエリアの系統
  …スペイン南部の郷土料理:熱帯ジャポニカに属する米たち
 →2.イタリア料理のリゾット
  …イタリアで品種改良されたアルボリオ
   →米粒は大きく、かつしっかりした歯ごたえ
・欧州には、アジアのように米だけを特殊視して食べる文化は育たず
 →アジアの「米と魚」の風土がこの地にはなかったゆえ

□国際連合食糧農業機関(FAO)の食堂で
・三つ目、3.米のサラダ(ライスサラダ)
 …茹でた米を、米とは別にさっと茹でた野菜と、オリーブ油であえたもの
 →ごくありきたりのイタリアの米料理

□アフリカのイネと米
・アフリカには、私たちが普通食べているサティヴァの他にもう一つ、グラベリマという種類のイネ
・アフリカの人びとは、穀物を粉にして食べる習慣
 →それでも、やはり米は多くは、アフリカにおいても粒のまま食べられている
・アフリカの米の主産地は、サハラ砂漠の南の縁、ニジェール川に沿った低地

2 米国の稲作と米

□米国のお米
・米国にもお米、2ヶ所
 →ミシシッピ川流域 …主にフィリピンなどの熱帯地域から
 →カリフォルニア  …日本や中国、さらにはイタリアなどから
・米国の品種は、その粒の形により3分類
 →S …丸い粒の品種
 →L …細長い米粒の品種
 →M …SとLの中間
・米国では米粒の形で米の粘り具合を表わす
 →丸い種子の米は粘りが強く、細長い米粒の品種はぱさぱさ
・カリフォルニアの米はSやM、一方、ミシシッピの品種はLのものが多い

□稲作はなぜカリフォルニアに定着したのか
・米国がどうして今のような米の大産地に?
 →中国や日本などからの移民を多量に受け入れてきた地域
 →その気候風土
  …米どころ、サクラメント・バレー、地中海同様、とても強い日射
  …シエラネバダ山脈からの水

□残された足跡
・米国に伝えられたイネは、本当に日本から伝えられたものか?
 →証拠探しはまだ道半ば
・カリフォルニア米のもとになった品種は「渡船(わたりぶね)」
 →そのもとになった岡山県にあった品種「雄町(おまち)」

□米国の寿司
・今や米国や欧州で代表的な日本料理、寿司
 →「ローファット」(低脂肪)ゆえ
・カリフォルニアの寿司は、新しい米料理へと進化しているよう
・安いマグロ入手のため、世界中でマグロを獲り、冷凍して日本にまで運ぶやり方
 →地球環境の悪化が問題にされている今、考えてみる必要

3 現代の運び屋たち

□遺伝子銀行
・各国政府や国際機関が中心、なくなりゆく品種の種子を集める事業をスタート
 →フィリピン・マニラ郊外の国際稲研究所…8万点超の品種の種子
・イネの品種は、いま、地域を越え、ときには国境を越えて遺伝子銀行に運ばれるように
 →巨大な冷蔵庫が必要 …電気が失われれば、一瞬にして無に帰する可能性

□不埒な運び屋
・「人類共通の資産」のはずの遺伝子銀行の事業には、さまざまな問題
 →中に必ず抜け駆けをしたり悪知恵を働かせて不当に儲けようとする人
 →資源を銀行に提供はしたものの、その恩恵はすべて先進国の一部の研究機関だけのものに

□ハイブリッドライス
・毎年、翌年の種子をいちいち交配して作るハイブリッドライス
・生物には普通「雑種強勢」の性質
 …異なる性質をもつ者同士をかけあわせた子が、旺盛な生育を示したりたくさんの種子をつけたりする
・ハイブリッドライスの米は、混ざった状態の米、調理の方法がない
 →「お粥にする以外手のない米」との評も
 →おいしい米に対する要望がとても強まっている最近の中国


≪あとがき≫

・今から1万年ほど前に、ありきたりの草の中から人の手で選ばれたわずかばかりの種子
 →その栽培が、途切れることなく1万回続いてきた
・米を食べてきた人びとの身体は、米に合うように進化してきた可能性も
・あらゆるものは、私たちが今まで考えてきたよりずっともっと多面的で複雑なのでは
 →今の日本の、研究や教育を巡る大きな問題がここに

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