セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

米国の伸びが目立つ10月半導体販売高、ここ10年で最大の前月比増

|

本年の半導体販売高は前年比2〜3%台の減少という見方が有力になっており、何処もマイナス、低迷基調となると、どこかプラスの伸びはないか、好材料を探したくなってくる。米SIAから恒例月次の世界半導体販売高の発表が行われたが、その中に見い出したスカッとくる下りが上記タイトルの通りである。実際米国地域の販売高は、8月 $4.19B、9月 $4.43B、10月 $4.79Bという推移となっている。パソコン需要低迷、モバイル機器活況という本年から来年はどうなるか、引き続き好材料探しと分析である。

≪10月の世界半導体販売高≫  

米SIAからの10月世界半導体販売高の発表、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
○10月のグローバル半導体販売高が増加、季節的な伸び率を依然超える−Americasが10月の伸びを牽引:業界は2012年のグローバル販売高僅かに減少、続く2013年および2014年は穏やかな伸びを見込む …12月4日付けSIAプレスリリース

半導体製造&設計の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2012年10月の世界半導体販売高が$25.22 billionで、前月の$24.79 billionから1.7%の増加と発表した。月次の販売高としては2012年で初めて$25 billionを上回り、10月の季節的な伸長率を依然超えている。2012年の年初からこれまでの全体販売高は前年同期比3.7%の減少となったが、この落ち幅は今までより小幅である。地域別には、Americasの販売高が前月比8.1%増、ここ10年で最大の前月比増を示している。月次販売高の数値はすべて3ヶ月移動平均で表わされている。

「グローバル半導体業界は、難しいグローバルマクロ経済環境の中の舵取りにも拘らず、本年は印象に残る回復力を示している。」とSIA president & CEO、Brian Toohey氏は言う。「2012年の販売高は引き続き2011年累計に後れをとっているが、大方はAmericasにおける伸びのお蔭でここ数ヶ月その差は狭まってきている。10月の販売高は季節的な傾向をかなり上回っており、この推進力が2013年および2014年に受け継がれて、両年ともに控え目ながら伸びると見込んでいる。SIAは引き続き、伸びを推進し業界が繁栄できるようにする政策を業界を代表して唱えていく。」

地域別には販売高前月比で、Asia Pacific(1.3%)およびEurope(0.2%)も伸びたが、日本は減少した(-3.1%)。Americasは、8月から10月の販売高合計が5月から7月のそれを急激に上回っている(15.5%)。

                         【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Oct 2011
Sep 2012
Oct 2012
前年同月比
前月比
========
Americas
4.67
4.43
4.79
2.6
8.1
Europe
3.08
2.79
2.79
-9.4
0.2
Japan
3.88
3.64
3.53
-9.1
-3.1
Asia Pacific
14.17
13.93
14.11
-0.4
1.3
$25.81 B
$24.79 B
$25.22 B
-2.3 %
1.7 %

--------------------------------------

市場地域
5- 7月平均
8-10月平均
change
Americas
4.14
4.79
15.5
Europe
2.82
2.79
-1.0
Japan
3.60
3.53
-2.0
Asia Pacific
13.71
14.11
2.9
$24.27B
$25.22
3.9 %

加えてSIAは本日、World Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationの2012年秋季グローバル半導体販売高予測を支持、2012年は世界販売高が$290 billionに達して、2011年販売高総計からは3.2%の減少と見ている。WSTSは、主要4地域すべてで次の通り2012年販売高が前年比減少するとしている。
 Americas (-4.4%)
 Europe (-10.7%)
 Japan (-2.1%)
 Asia Pacific (-1.4%)

WSTS予測によると、2012年の先はすべての地域にわたって着実で穏やかな伸びを見込んでいる。WSTSは、2013年について4.5%のグローバルな伸び(販売高総計は$303 billion)、2014年は5.2%(同$319 billion)を予測している。
WSTSは、広大なグローバル半導体メーカーグループを招集して年間予測を表にまとめて、半導体の流れの正確で時宜を得た指標となるようにしている。

※10月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.sia-online.org/clientuploads/GSR/October%202012%20GSR%20table%20and%20graph%20for%20press%20release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた各紙の見出しが次の通りである。この10月販売高は1年ぶりの水準となっている。

◇Global chip sales stay strong in October (12月5日付け EE Times)

◇Global chip sales rise in October, says SIA(12月6日付け DIGITIMES)
→米Semiconductor Industry Association(SIA)発。10月の世界半導体販売高が$25Bを上回り、2011年10月以来の水準になった旨。


≪市場実態PickUp≫

本年の半導体市場を色濃く表わすサプライヤ販売高ランキング予想データが、IHS iSuppliから発表されている。パソコン需要低迷、モバイル機器活況という表現にストレートに対応して、Qualcomm社がTexas Instruments社を上回って第3位に跳ね上がるという見方になっている。第9位のBroadcom社とともにモバイル関係ファブレスの急伸ぶりである。

【本年の半導体販売高ランキング】

◇Qualcomm Climbs Chip Ranks as Sector Sags-IHS iSuppli: Qualcomm is now the #3 chip company in the world (12月4日付け The Wall Street Journal/Digits blog)
→IHS iSuppli発。Qualcommが、本年の半導体販売高を27%増やして約$13Bに、世界第3位のICサプライヤとなる旨。昨年は6位、2010年は9位であった旨。

◇Qualcomm overtakes TI in chip sales rankings(12月5日付け EE Times)
→IHS iSuppliが追跡している大手半導体サプライヤ157社のうち59%以上が売上げ減の見込み、2012年半導体の憂鬱な様相にも拘らず、活況のモバイル機器販売によりいくつかのbright spotsが当たっている旨。その先頭として、Qualcomm社(San Diego)がTexas Instruments社を上回り、Intel社そしてSamsung Electronics Co. Ltd.に次いで第3位につく見込みの旨。
・≪表≫ 2012年半導体サプライヤ売上げランキング・トップ20予想
http://eetimes.com/ContentEETimes/Images/121205_rcj_ihs_rankings.jpg

モバイル機器を引っ張るAppleが半導体メーカーの業績を大きく左右している典型的な例が、次の通り見られている。

【Apple効果の業績】

◇Plugged In: Cirrus Logic still booming, thanks to ties with Apple-Analysis: Apple keeps Cirrus Logic afloat in a sea of IC woes (12月1日付け Austin American-Statesman (Texas))
→ほとんどの半導体メーカーが厳しい年に直面している一方で、Cirrus Logicは、最大顧客、Appleからの引き合いのお蔭で好調な業績、9月締め四半期売上げが$193.8M、前年同期比91%増、Apple向け売上げが約79%の旨。consumer electronicsが活況のピークとなる今四半期の売上げは、$270M〜$300Mと見ている旨。teardowns解析から、iPhone 5およびiPad Mini各々、Cirrus製オーディオ半導体3個が入っている旨。

絶え間ざる微細化の進展が半導体業界の健全な伸びに欠かせないが、その最先端の現状を表わす記事に以下注目している。

【最先端技術開発】

◇Intel progressing in development of 14nm technology, says CTO (12月5日付け DIGITIMES)
→IntelのCTO、Justin Rattner氏、4日発。同社の14-nm技術開発は予定通りであり、1-2年うちに量産kick off、18-インチウェーハ開発はパートナー連携で進めている旨。Intelの積極的な取り組みにより、Moore's Lawはさらに10年延ばせる旨。最先端開発、各プレーヤーの状況:
 Intel…2013年末、14-nm世代に入る。2015年から漸次10-nm, 7-nmおよび5-nm世代に。18-インチウェーハは、同社EUV関連技術についてASML(オランダ)に出資、2017年に生産化開始見込み。
 Samsung…2013年にすでに20-nmに入る運び。14-nmノードもすでに取り組んでいる。
 TSMC…20-nmプロセスは2013年後半に小規模量産、最初の3D-ベースFPGAもスタート
 Globalfoundries…14nm FinFETプロセスの試作生産を2013年末にスタート、2014年に量産に入る。

恒例のセミコン・ジャパン2012(12月5日〜7日:幕張メッセ)でも、TSMCから最先端の取り組みがプレゼンされている。

◇【セミコン2012】TSMCが16〜10nm世代のFinFETプロセスや3次元IC技術の提供時期を明言 (12月6日付け Tech-On!)
→TSMCのVice President, R&D Design & Technology Platform、Cliff Hou氏基調講演。16〜10-nm世代のFinFETプロセスやCoWoS(chip on wafer on substrate)タイプの3次元IC技術の提供時期に関する計画を明らかにした旨。
SoC向けプロセス技術:
 20-nm …プレーナTr:リスク量産2013年1〜3月開始
 16-nm …2013年末、FinFETベースプロセス提供
 10-nm …2015年末、FinFETプロセスのリスク量産
CoWoSタイプの2.5/3次元IC技術:
 2012年9月に量産を開始済み

映画「007」の息詰まる攻防を思い浮かべるところがあるが、まさに脅威の新型ミサイルではある。

【新型ミサイル】

◇A missile that only destroys electronics! (12月3日付け EE Times India)
→電子機器すべてを触らずに停止できるSF(science fiction)もどきのミサイル。米国の航空&防衛メーカー、Boeingが、建物の構造には損害を引き起こさずにエネルギーbeamをもって建物のエレクトロニクスを爆破できる新型ミサイルの試験に成功の旨。


≪グローバル雑学王−231≫

世界標準、国際連携と、積極果敢に踏み出していかなければと、

『日本経済復活、最後のチャンス −変化恐怖症を脱して「3K立国」へ』  
  (三橋 規宏 著:朝日新書 350) …2012年 5月30日 第1刷発行

より、今後のあるべき姿を確認していく。衆議院選挙の最中、現状の打破を問う一大争点がここでも浮き彫りになってくる。雇用の維持&促進が一層声高に訴えられてきている現状のなか、国全体としての具体的な構図、方式、運びに頭を巡らされている。


I部 新しい日本に生まれ変わる
第2章 脱「ガラパゴスにっぽん」       ≪後半≫

□世界標準へ大胆に転換せよ
・時代は刻々と変化、過去の成功要因が次の時代の足かせに
・1990年代以降、日本優位の時代は徐々に幕
 1. 少子高齢化を伴いながら人口が急速に減少へ
 2. 多くの東アジア諸国・地域が工業製品の水平分業の世界に参入
・考え方を180度転換、世界標準へモノづくりのコンセプトを大胆に転換していく必要

□日本的経営もぐらつく
・1990年代に入り、バブルの崩壊で低成長時代に
 →終身雇用や年功序列賃金を維持不可能に
・労使協調路線の上に成り立ってきた日本的経営
 →形骸化、崩壊へ

□慎重、正確さが欠点に
・先進工業国に加え新興国企業が多数参加するグローバル市場
 →交渉のスピードと契約時の即断即決がビジネスの成否を決める重要な要素に
・最終決定までに時間がかかるボトムアップ方式を改め、トップダウン方式に転換しなければ

□中国との密接な経済協力が不可欠
・中国は生産拠点のみならず巨大な購買力をもつ消費市場
 →地理的にも近く、ウイン・ウインの広範な経済協力が不可欠

□内陸都市・成都での経験
・(著者が)2010年秋、四川省・成都のごみ事情を取材
 →1960年代の東京と重なって見えた、成都にみなぎるエネルギーと喧騒

□1日で7000tの一般廃棄物を排出
・成都では1日に約7000tのごみが発生
 →約7万ha(1ha=100mx100m=1万m2)…中国最大、おそらく世界最大の処分場

□ごみビジネスに熱心な欧州、韓国企業
・成都では、2008年からドイツ企業の提案を受け入れ実験的に廃棄物発電所を稼働
・韓国企業もメタンガス発電の有効利用を成都の環境部局に提案

□日本企業の奮起に期待
・動きが鈍い日本企業
 →中国のごみ事情に疎く、中国の静脈産業が大きなビジネスチャンスを秘めていることについて、情報と理解が極端に不足

□政治と行政の停滞もガラパゴス化を助長
・政治と行政の著しい機能低下
 →将棋の駒のように入れ替わった日本の首相

□官僚の行政能力も大幅に低下
・既存の制度や法律が役に立たなくなって、法律人間の官僚は身動きが取れなく
 →政治が大きな方向を示してくれず動けない

□FTA、TPPへの積極的な参加が必要
・日本の繁栄は、一国だけでは達成できない
 →多くの国とWin−Winの関係で共存関係を図る中で達成できることを肝に銘ずるべき

月別アーカイブ