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先端技術・ノウハウの蓄積、継続は力、国難乗り越え

今年の出だし、1月の世界半導体販売高が、米SIAより発表され、例年のパターンと比べると高い水準という理解でいたところに、東日本大地震が発生、甚大な被害が時間とともに明らかになってきている。余震をたびたび感じるなか、基本に立ち返って思い浮かんでくるのが上記のタイトルのフレーズの並びである。旺盛な末端需要に向けて、グローバルな連携のもと早期の復帰、再生を願うばかりである。

≪1月の世界半導体販売高≫

米SIAからの発表は、次の通りである。

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○1月の半導体販売高が前年比14.0%増、と半導体業界が発表−主要末端用途分野すべてで見られる伸び …3月7日付けSIAプレスリリース

半導体製造&設計の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2011年1月の世界半導体販売高が$25.5 billionで、前月の$25.2 billionから1.5%増加した、と発表した。昨年、2010年1月の$22.4 billionからは14.0%の増加である。月次販売高の数値はすべて3ヶ月移動平均で表わされている。
 
「広範囲の製品で中に入る半導体が増えていって、業界は引き続き着実な伸長の恩恵を被っている。ここ1年の半導体販売高の印象に残る伸び具合は、我々が毎日用いる製品がますますスマートに、高速に、そして安価になって、主要な末端市場すべてにわたる力強い需要が引っ張ってきている。」とSIA President、Brian Toohey氏は言う。「我々は産業および車載分野でのこの流れによって特に元気づいており、著しい伸びを見ている。」

半導体の集積は、consumer、車載、コンピュータ、産業、通信そして政府などすべての応用分野で高まってきており、2010年の業界は前年比32%の伸びとなっている。とりわけ、産業および車載分野の両方に対する半導体販売高は、著しい前年比の伸びを示しており、それぞれ50%および44%増である。産業応用でのエネルギー効率の良い機器の集積統合および自動化の高まりが、この分野の半導体使用の伸びのある部分を占めている。車載分野では、半導体によって可能となった技術からくる需要の増加があり、新興途上のハイブリッドおよび電気自動車、entertainment応用, エンジン制御およびnavigationシステムが挙げられる。

※1月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.sia-online.org/galleries/default-file/GSR%20Chart_January%2020112.pdf
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この1月の販売高は、例年からすると前月比では落ち込むパターンであるが、今年の場合は高い水準にあるという以下の見方である。今年全体はもっと伸びるのでは、という期待感も含まれている。

◇January chip sales could signal better 2011 (3月8日付け EE Times)
→IC Insights社発。最近リリースされたWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS)データより、1月のIC販売高は$21.4B、前月比4.5%減、前年同月比16%増。この前月比の減少は、1990年以降では最小、2011年の半導体業界は低い一桁の伸びとする予測は立ち戻る必要がある可能性の旨。
 
◇January 'actual' chip sales soar above trend (3月9日付け EE Times)
→World Semiconductor Trade Statistics organization(WSTS)発。1月の実際のグローバル半導体市場は$25.51B、前月($26.56B)比4.0%減、前年同月比15.6%増。1月の半導体販売高は、前月より低下する傾向、ここ10年では平均して約18%減であり、4%減というのは流れからはかけ離れて高い水準の旨。

ただ2月については、Intel社のサポート半導体設計不備などPC需要の鈍化懸念が浮上、順調な予断を許さない状況が表われている。

◇Analyst: Taiwanese supply chain challenged (3月10日付け EE Times)
→Benchmark Capitalのアナリスト、Gary Mobley氏。2月の台湾エレクトロニクス製品メーカー売上げが前月比18%減、大方はIntelのSandy Bridgeプロセッサ用サポート半導体での設計不備および旧正月がもとになる可能性の旨。

◇Analyst: Intel may miss Q1 sales target (3月11日付け EE Times)
→JP Morganのアナリスト、Christopher Danely氏。Intel社が、PC supply chainからの複数のPC需要弱含みの兆候から、第一四半期販売高目標範囲のmidpointに達しない恐れがある旨。

このような見方でいたところに、大地震が発生、米国での受け取りとして以下があり、グローバルsupply chainへ及ぼす波紋が早々分析されている。

◇Updated: Massive earthquake, tsunami hit northeast Japan (3月11日付け EE Times)
→三陸沖を震源とする大地震は、米国、カナダおよび太平洋諸島などに津波の警告、日本の該地域には以下の多くのエレクトロニクスメーカー:
 Prime Earth EV Energy(宮城)…トヨタとパナソニックの合弁
 ソニー …福島に2、宮城に4工場
 Freescale Semiconductor社
 富士通と東芝 …両社、岩手にウェーハfab
 On Semiconductor

◇Update: Quake prompts supply chain worries (3月11日付け EE Times)
→金曜11日に日本を襲った大規模な地震とそれによる津波を受けた最も近い県にあるかなりの数のウェーハfabsの状況を見い出すのは、依然難しい旨。
・日本のfabsの位置分布
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/japan_300mm_fabs_map2_423.jpg
・地震を受けた地域近くにある300-mm fabsの位置分布
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/japan_300mm_fabs_map_423_3.jpg


≪市場実態PickUp≫

昨年大きく戻した世界半導体市場を受けて、半導体製造装置販売高も大きく伸びた2010年のデータである。米国と我が国の伸び率を大きく上回る他の地域が非常に目立つ形である。

【2010年の世界半導体製造装置販売高】

◇SEMI: Chip equipment market up 148% in 2010 (3月10日付け EE Times)
→SEMI発。2010年の世界半導体製造装置販売高は総計$39.54B、前年比148%増、地域別データは次の通り:
≪2009-2010年世界地域別半導体Capital Equipment市場≫


− 金額単位=USB$
地域2009年2010年% Change
China
0.94
3.63
286%
Europe
0.97
2.33
142%
Japan
2.23
4.44
99%
South Korea
2.60
8.33
220%
North America
3.39
5.76
70%
Taiwan
4.35
11.19
157%
Rest of World
1.44
3.85
168%
総計
15.92
39.54
148%

 [Source: SEMI/SEAJ March 2011]
(注)Rest of Worldは、シンガポール、マレーシアなど包む

昨年のPC販売も第四四半期は出荷台数の記録を更新しているが、今後に向けてはタブレットの急伸でその勢いが削がれていくのではという見方が出ている。

【PC販売、最高記録の後の行く末】

◇PC vendor rankings: Sales hit record in Q4 (3月10日付け EE Times)
→IHS iSuppli発。デスクトップのcorporate需要が力強く、2010年第四四半期のグローバルPC出荷が93.1M台の新記録、従来の最高である2009年第四四半期の88.9M台を更新の旨。第四四半期PC出荷は、前四半期比5.7%増、前年同期比4.7%増。
・2010年世界PC出荷市場シェアランキング速報
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/110310_isuppli_pc2.png
・2010年第四四半期世界PC出荷市場シェアランキング速報
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/110310_isuppli_pc1.png

◇アップル、タブレットで独走、シェア73% (3月11日付け 日経 電子版)
→米調査会社、IDCが10日、2010年10〜12月期の多機能携帯端末「タブレット」世界出荷台数が7〜9月期の2.2倍に当たる1010万台になったと発表、「iPad」を展開する米アップルが73%のシェアを確保、各社の相次ぐ参入で競争が激化する2011年もアップルが70〜80%のシェアを維持すると見ている旨。
2011年のタブレットの世界出荷台数は5000万台と見る旨。

◇Tablet success to infringe on PC sales-As more consumers look to hot devices like the Apple iPad and Samsung Galaxy Tab for computing mobility, estimates for PC sales shrink, as the segment loses some of the momentum it had from laptops. (3月11日付け Electronics Design, Strategy, News)

そのタブレットのApple社であるが、最近発表したiPad 2のA5 dual-coreプロセッサのファウンドリー委託製造について以下の動きである。

【Appleのファウンドリー連携】

◇Apple, TSMC to expand foundry ties (3月8日付け EE Times)
→Apple社とTSMCがファウンドリー連携を拡大しているという噂が流れており、Samsung Electronics Co. Ltd.には打撃の可能性の旨。派手な誇示はほとんど、あるいは全くなく、両社は最近ファウンドリー関係に入っており、TSMCはAppleのiPad 2向けにA5 dual-coreプロセッサをファウンドリーベースで製造している旨。

◇Analyst: TSMC to take 'bite of apple' (3月10日付け EE Times)
→HSBCのアナリスト、Steven Pelayo氏。AppleのA5プロセッサ発注をSamsungからTSMCに切り換える決定について。

HDD業界については、プレーヤーの首位が入れ替わる動きが見られる。

【hard disk drive(HDD)業界】

◇WD, Hitachi combo leapfrogs Seagate (3月7日付け EE Times)
→Western Digitalが、Hitachi Global Storage Technologiesを買収する計画を発表、世界最大のhard disk drive(HDD)メーカーとなる取引、長年にわたる最大手、Seagate Technology飛び越えることになる旨。


≪グローバル雑学王−140≫

我が国の受験シーズン、今年も後半に入っているが、"1位と最下位"を9つの切り口で見てきた最後として、進学率についての各国事情を

『世界の国 1位と最下位 −国際情勢の基礎を知ろう−』
 (眞 淳平 著:岩波ジュニア新書 664)  …2010年9月17日 第1刷 発行

より見ていく。受験に必死に取り組む韓国がよくテレビに取り上げられるが、具体的なデータとして以下見えてくる。


第III部 社会

第9章 進学率

□教育とその国の未来
・国連児童基金(UNICEF:ユニセフ)発のデータ
 →識字率が55%未満の国 …国民1人当たり平均所得 600ドル
  識字率が55〜84%未満の国 …国民1人当たり平均所得 2400ドル
  識字率が85〜95%未満の国 …国民1人当たり平均所得 3700ドル
  識字率が96%以上の国 …国民1人当たり平均所得 12600ドル

□ユネスコの資料
・国連教育科学文化機関(UNESCO)資料『GLOBAL EDUCATION DIGEST』
 →「初等教育」 …小学校(特殊教育を含む)
  「中等教育」 …中学校や高等学校
  「高等教育」 …大学・高等専門学校以上
・「純進学率」→「進学年齢の人数全体に占めるその年齢の進学者数の割合」
 「粗進学率」→「進学年齢の人数全体に占める進学者数の割合」
・日本の進学率: 純進学率  粗進学率
 初等教育    100%    100%   
 中等教育     98%    101%
 高等教育           58%  (2007年の数字)

□キューバ
・高等教育への進学率
 →最高はキューバ、なんと108%
・超大国アメリカから敵視、長い間の禁輸措置
 一方、社会主義の政策を実行、教育や医療などをほぼ無料で提供
 →進学率: 男性 77%、女性 143%

□韓国の高い進学率
・キューバの次は韓国、95%。
 →労働者の年収、学歴によって大きく変わる社会
 →男性 113%、女性 75%
・キューバと主要先進国の高等教育進学率
1.キューバ    109%
2.韓国      95%
3.フィンランド  94%
4.ギリシア    91%
5.アメリカ    82%
6.スウェーデン  75%
7.ロシア     75%
8.イタリア    68%
9.イギリス    59%
10.日本      58%
11.フランス    56%
・男女別割合:
 日本と韓国 →男性の方が高い
 欧米各国  →女性の方が高い

□進学率の低い国
・初等教育への純進学率が最も低い国 
 →リベリア 31% …ただし、粗進学率は83%(上の年齢になってから入学)
・次いでエリトリア 41%。粗進学率も55%。
 →さらに深刻な状況

□アフリカとアジア・太平洋地域
・サハラ以南の国々の貧しさ →この地域の将来をも暗いものに
・アジア・太平洋地域 →パプアニューギニアが初等教育への進学率が最も低い一つ

□中等教育への進学率
・純進学率が最も低い国 →モザンビーク、わずか3%
・アフリカ以外の低い国々
 →アフガニスタン 26%
  パキスタン    32%
  カンボジア    34%

□高等教育
・2007年の数字で1%前後
 →中央アフリカ共和国、チャド、モザンビーク、ニジェール、タンザニア
 →教育と経済の深いつながり

□新たな変化
・世界全体としては、進学率や就学率が年を追うごとに上昇
 [就学率]…学校に通う年齢の子どもの数のうち、実際に学校に通っている子どもの数の割合
・                  1960年時点    1990年
 初等教育就学率の「中央値」   80%       99%
 中等教育   〃         13%        45%
 大学教育   〃         1%程度      7.5%
[中央値]…教育就学率が、全体の真ん中の順位に位置する国の教育就学率

□日本の生徒の学力
・国際教育到達度評価学会(IEA)による調査「TIMSS」
 →小学四年生、中学二年生: 算数・数学と理科
・経済協力開発機構(OECD)による調査「生徒の学習到達度調査」(PISA)
 →高校一年生: 「数学の応用力」「読解力」「科学に関する応用力」
・徐々に下がってきた日本の順位
 →日本の教育水準が下がってきた、という報道も
 →分析すると、我が国は健闘しているとも

□勉強が楽しくない?
・我が国で考えさせられる現象
 →家庭での勉強時間が減っている、という調査結果も
 →勉強がきらいだと感じている生徒も、少なからず

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