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来る年、2011年、一服感の伸長の見方が大勢、関連する動き、兆候

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昨年の大きな落ち込みから急激に戻してきた半導体・デバイス市場の本年、2010年も残り僅かとなってきた。後半になるほど減速感、そして頂上感が増してきて、来る2011年の見方について下方修正が目立つように感じている。
それでもまだ伸び率は控え目な一桁で今年の約30%からはぐんと落ちるものの、プラスは維持するという予測が大方の現状と受け止めている。兎にも角にも激変の種をいくつも抱える世界経済であり、一寸も目が離せないところである。

≪2011年をどう見る≫

新興経済圏が引っ張ってきた今年の世界経済であり、米国、日本はじめ先進経済圏の奮起が否応なく求められる来る年、2011年であり、それ以降であると思う。米国では、さすがに追加の経済対策が発表されている。その効果のほどと世界経済がどう連動するのか、当面の注目である。

◇米追加経済対策法が成立、オバマ大統領が署名(12月18日付け asahi.com)
→オバマ米大統領が17日午後、「ブッシュ減税」の2年延長と時限的な給与税の引き下げを柱とした、総額8580億ドル(約72兆円)の追加経済対策法案に署名、同法は成立した旨。オバマ大統領は「中間所得層を守り、経済を成長させ、米国民の雇用を創出するものだ」と意義を強調した旨。成立した追加対策は、減税を中心に、2011年や2012年の米経済を下支えする狙い、オバマ政権にとっては、2009年2月に導入した7870億ドルの景気刺激策に続く「第2弾」の大型経済対策の旨。

半導体市場を中心に2011年に向けて関連する現下の動き、兆候を見ていく。
まずは2011年の半導体市場の見方であるが、現時点は関係方面次の通りである。それぞれ更新の可能性を多分に孕んでおり、グローバルな市場変化を踏まえて見る目を日々養っていかなければと思う。

◇What's your forecast for the 2011 semiconductor market?(12月13日付け EE Times)
→ここ2-3か月出てきている2011年半導体市場アナリスト予測、最新の見方をまとめて以下の通り、概して控えめな一桁の伸びの旨。
 Mike Cowan  +2.3%
 VLSI     +4.4%
 WSTS    +4.5%
 Gartner.   +4.6%
 iSuppli    +5.1%
 SIA     +6%
 Carnegie  +8%
 Semico   +8%
 IDC    +9%
 IC Insights  +10%

足元について、11月のグローバル半導体販売高が次の通り見込まれている。
米SIAから年始早々に発表される運びである。

◇November chip sales fell, says analyst (12月15日付け EE Times)
→Carnegie Group(Oslo, Norway)のアナリスト、Bruce Diesen氏。11月のグローバル半導体販売高が$25.7Bの見込み、10月の$26.32Bから2.4%減となる旨。前年同月比では13.2%増、前月、10月は19.9%増であった旨。

来年について予断を許さない要因が増す趣きがあるが、以下のような見方が並行して加わっている。

◇Gartner cuts 2011 fab tool forecast (12月15日付け EE Times)
→Gartner社(Stamford, Conn.)が水曜15日、2011年半導体capital equipment市場予測を下方修正、9月時点の4.9%増から、今回1%減と見る旨。

◇Penn predicts 6% chip market growth in 2011(12月15日付け EE Times)
→Future Horizons(Sevenoaks, England)のfounder and principalアナリスト、Malcolm Penn氏。2011年の半導体市場は、"正常な"6%伸長パターンに戻ると見る旨。

数字はともかく、今後の市場の火付け役は何なのか、これがないことには締まらないが、その技術の候補生について以下の表わされ方が出てきている。

◇10 technologies to watch in 2011 (12月15日付け EE Times)
→EE Timesのeditorsが、2011年以降、反響を起こし、開発者および投資家を引きつけ、エンドユーザの財布の紐を開かせる、と考える10の技術について。以下の内容:
 −Gesture recognition for hands-free convenience
 −Touchscreen tabs advance 'consume only' model
 −Wireless connects for health care
 −Automotive radar coming to cheaper cars
 −Personal power management puts you in charge
 −Energy storage media sought
 −Augmented reality: Geotagging the real world
 −Mobile 3-D to drive user acceptance
 −3-D optical metrology measures up
 −Seeking fully biodegradable electronics

◇Opinion: 8 embedded trends for 2011 (12月16日付け EE Times)
→2011年のembeddedソフトウェア&ツール市場について鍵となる流れの見方として以下の8項目:
 1. Android to drive commercial Linux market
 2. More multi-OS systems
 3. More virtualization in embedded and mobile systems
 4. Symbian's loss to become MeeGo's gain
 5. OEMs to increase use of web security test tools
 6. Data burden to drive telecom spend on commercial products
 7. Microsoft to make mobile phone gains
 8. One more RTOS acquisition to come?

最後に米国の半導体装置市場について、受注、出荷のこの半年の動きが、次の通りである。半導体市場の需給動向との睨み合わせが続いていく。

◇Equipment bookings, billings up significantly year over year, SEMI reports(12月17日付け Electronics Design, Strategy, News)
→SEMI発速報。北米半導体装置メーカーの11月bookings及びbillingsは、前月比では低下、しかし2009年11月比ではそれぞれ90%および110%以上の増加の旨。11月のBB比は0.96、ここ半年の推移は次の通り:

Billings
(3ヶ月平均:M$)
Bookings
(3ヶ月平均:M$)
Book-to-bill
June
1,466.2
1,729.8
1.18
July
1,495.8
1,836.6
1.23
August
1,554.6
1,816.1
1.17
Sept
1,610.9
1,651.2
1.03
Oct
1,623.3
1,593.7
0.98
Nov(速報)
1,567.8
1,509.1
0.96

[Source: SEMI, December 2010]


≪市場実態PickUp≫

世界半導体製造装置販売高の第三四半期メーカーランキング・トップ10を改めて見て感じる次の点である。
・ASMLが第2位。リソ装置での伸長ぶり。
・トップ10の内訳は、
 米国 5社、日本 3社、欧州 2社。
因みに、前回示したGartner社の2010年半導体メーカーランキング・トップ10では、
 米国 4社、日本 2社、欧州 2社、韓国 2社。

【第三四半期の世界半導体製造装置販売高】

◇VLSI: TEL, Advantest grew fastest in Q3 (12月14日付け EE Times)
→VLSI Research社(Santa Clara, Calif.)発。第三四半期の世界半導体製造装置販売高が$13.2B、前四半期比16%増、前年同期比96%増。トップ10ランキングデータ、下記参照。
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/101214_vlsi_q3_rankings.png

モバイル機器およびembedded DRAMに関する特許係争である。前者は、大手プレーヤー間の鬩ぎ合いが続いており、後者は、MosaidがIBMと5社目の合意決着に持ち込んでいる。

【特許侵害係争】

◇Nokia claims patent infringement by Apple, again-Nokia adds 13 patent infringement claims to the 24 it has already asserted against Apple.(12月16日付け Electronics Design, Strategy, News)
→Nokiaが、Appleを相手取って英国、ドイツおよびオランダで提訴、iPhone, iPadおよびiPod touchなどこれらの国々で販売されている製品で特許侵害がある旨。

◇IBM, Mosaid settle over eDRAM patents (12月17日付け EE Times)
→メモリIP licensor、Mosaid Technologies社(Ottawa, Ontario)が、IBMのプロセッサおよびASICsがembedded DRAM特許6件を侵害しているという両社間係争に終止符、特許license合意および決着合意に入った旨。
Samsung, NXP, MicronおよびPowerchipとは本件すでに合意到達済みの旨。

最近、違法取引で逮捕の事態に至る事例が続く感じを受けるが、今度は秘密情報の密売が取り沙汰されている。

【インサイダー取引】

◇Arrests made in tech industry insider trading probe-Four men have been arrested in an insider trading probe that government officials say saw "a corrupt network of insiders" from leading tech companies sell out their employers by stealing and then peddling their valuable inside information.(12月17日付け Electronics Design, Strategy, News)
→米国ニューヨーク南地区Attorney's OfficeおよびFBI (Federal Bureau of Investigation)が、AMDおよびTSMCで働くexecutives含めハイテク業界米国メンバー4人に対しインサイダー取引に関わったとして訴えた旨。


≪グローバル雑学王−128≫

質実剛健なイメージがまず浮かぶドイツ、業界関連で携帯電話をリードするノキアがまず出てきがちなフィンランドについて、

『こんなに違う! 世界の国語教科書』
 (二宮 皓 監修:メディアファクトリー新書 002)…2010年6月30日 初版第1刷 発行

より、それぞれの国の教科書事情に触れてみる。我が国がつい最近やっとランキング上昇に転じたと目に耳にしたばかりのPISA(OECDによる生徒の学習到達度調査)で、フィンランドは「学力世界一」を誇ってきているとのこと。また同国では、Eメールの書き方、情報モラルの下りも教育に入っているとあり、ドイツのメディア教育とともに考えさせられる内容である。


[第4章 ドイツ …「仕事」に誇りをもつ国の切実、質実な教育]

・ドイツの教育の特徴
−連邦国家を構成する16の州が教育に関する大きな権限
−それぞれの州に設けられた文部省が教育施策を立案、実施
−生徒の能力・適性に応じて中学校の段階から進学する学校の種類が3つに分かれる
・各州の文部省は学習指導要領を定め、法令に基づき教科書検定を行う
→ドイツは検定制度を採用している数少ない国の一つ

◆高度なメディア教育
・ドイツ語の教科書は1年生用を除き、「読本」と「言語」の2種類
・クレット社のドイツ語教科書、『色とりどり(KUNTERBUNT)』
・第4学年での「メディア」のテーマ
 →エーリッヒ・ケストナー(ユダヤ系ドイツ人作家)の「エーミールと探偵たち」を取り上げ
 →一つの原作が様々なメディアに展開する模様を体感
  …原作からの抜粋
  …映画の脚本
  …脚本家へのインタビュー
  …映画のポスター

◆道路掃除夫ベッポ
・ドイツの子どもは、4年間の基礎学校を修了すると、成績や適性に応じて分かれて進学
 →「基幹学校」(主に5年制)
  「実科学校」(6年制)
  「ギムナジウム」(8、州によって9年制)
 →大学入学の資格が取得できるのはギムナジウムだけ
・4年生「読本」の「職業」という章
 →シャガールの絵画「道路掃除夫」から始まる
 →喜んで仕事をし、その必要性を確信 …ベッポの労働哲学

◆失業した父と
・ドイツの児童文学作家、ウルスラ・フクスの「水切り」
 →失業を家族に隠していた父親と息子の交流を静かに描く
・教師用の指導書
 →「失業は誰にでも起こり得ること。それを恥じることはないという認識が重要」
 …2009年度のドイツの平均失業率は7.1%

◆ビール祭りの起源も
・クレット社の4年生用「読本」のバイエルン州版
 →他州版にはないミュンヘンのオクトーバーフェストと「ドイツ統一の日」の記述
 …オクトーバーフェストの起源は、ルートヴィヒ皇太子の結婚式
 …10月3日の「ドイツ統一の日」→28年2ヶ月と27日間、分断した壁と有刺鉄線の終わり

[第5章 フィンランド…独立を祝う気持ちが実を結んだ、世界一の読解力]

・PISA(OECDによる生徒の学習到達度調査)において「学力世界一」
 →フィンランドの教育の特徴 …「平等」と「卓越性」
・長らくロシアとスウェーデンという二つの大国の占領下
 →「国が生き残っていく術としての教育」を強く指向
・就学前から大学院に至るまで「無償制」「落ちこぼれを出さない教育」

◆国語はすべてのカギ
・なかでもカギを握る力 →読解力
・読解力の重要性を再確認するプロセス
 →学校でも「ルク・スオミ」と呼ばれる国家プロジェクトが2001年から2004年まで実施

◆楽しさ重視の教材選び
・日本の国語に相当、フィンランドにおける正式名称は「母語と文学」
 →文学が好きになるよう、様々な工夫
・日本でもお馴染みの児童文学作品が綺羅星のごとく
 →フィンランドでは「読書を好きにさせる」=「教科書でまずワクワクさせる」という方針が明確
・「ハリー・ポッター」など最近の作品では、オリジナルのままの名前を使用
 →1995年のEU加盟以降、「ヨーロッパ」との距離を急速に縮めている影響がここに

◆言葉を巡る神話
・民族叙事詩「カレワラ」
 …全国教育課程基準が、唯一、具体的な名を挙げて推奨する文学作品
 →国民のアイデンティティの一部になっている神話
・この物語に登場する「ヴィプネン」→豊かな知識をもつ巨人という設定
 →『ヴィプネン』から、大切な知識や技能を学んでください
  ⇒教科書の子どもたちへのメッセージ
・同じく国民に深く浸透している教材、アレクシス・キヴィの「7人の兄弟」
 →1870年、フィンランド語で書かれた最初の文学作品
・これら2作品以上に、身近で重要な(?)作品 
 →世界的キャラクター「ムーミン」の物語

◆IT、漫画にも目配り
・近年、特に重視されているのはITに関する教材
・教科書でもメールの書き方やインターネット検索など技術的な内容から情報モラルまで、他国に比べて詳細

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