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こんなウエアラブル端末は欲しくない

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米国ラスベガスで1月7日から10日まで開かれた2014 International CESでは、スマートフォンのコモデティ化も見られ、新しいジャンルとしてウエアラブルデバイス(Wearable device)が注目されて多くの展示があった。多くの場合、ウエアラブルデバイスはスマートフォンとワイアレスで連動する形で提案されている。形態的にはスマートウオッチ(腕時計型)、リストバンド型、スマートグラス(ARメガネ)、衣服や体に装着するものなどが展示された。

機能的にはメールの受信と返信、電話、メッセージ、ウェブ、身体の運動履歴や状態の計測などが搭載されている。

ウエアラブル機器は従来から伝統的に使われている装身具を模しているので、最低限守らなければならない物理的な要請がある。いくら機能的に優れていても装身具としての文化を踏襲できないものは失格である。

まず装身具としての条件は、身に着けてカッコいい物、ファッショナブルなものであってほしい。男性用の腕時計は単なる性能ではなく、デザインを含めたブランドで価格が決まってくる。メガネ系も同じである。メガネは顔の印象を形成するものであり、個人は自分の与えたい印象をもとにデザインを決定する。選択肢は広くなければならない。例えば、グーグル社のグーグル・グラスは、この点では今は失格に思える。

腕時計やリストバンド型の場合は充電の問題がある。普通、腕時計は電池の交換で対処するが、交換の間隔は数年に一回である。スマートウオッチといえどもこの間隔は必要である。腕時計を毎日充電するようでは落第である。

ならば、従来の装身具と異なる新しいものを創造すればよいという話が出てくる。しかしながら、服飾や装身具は長い歴史の中で形成されてきたものであり、新しい要素が割り込む余地は少ないように思える。現在使用している腕時計、メガネ、ネックレス、イアリングに、外見上それとはわからず組み込めればよいかもしれない。そのためには今のテクノロジーよりもずっと高機能なものが必要となる。まず格段と低消費電力のプロセッサやメモリがいる。さらに無線機能、各種センサも性能向上が必要となる。今のところ実現性は筆者には判断できないが、グーグルが発表したコンタクトレンズに組み込んだ涙の成分を分析し、身体の状況を分析するウエアラブルデバイスは、これまで述べた要求を満たすものといえる。

同時に今後はスマートフォンをすべての人がポケットやバッグの中に入れているのが当たり前になる。この時、ウエアラブル端末ではスマートフォンで処理できることをすべきではないと思う。メールの返信を行うことなどは考えにくい。スマートフォンでやれば済むことである。スマートフォンでできることはスマートフォンに任せましょう。ウエアブルでしかできないことを求めるべきである。そう意味では健康志向のリストバンド型は合格であると思う。睡眠時の状況を図るには身に着けた装置以外では難しいと思われる。

筆者の結論は「ウエアブル端末の条件は、身に着けている本人も周りの人も気が付かないのがベスト」である。そのためには、技術進歩がまだまだ必要である。ただし、医療等の関係からの装着要求では、この条件は除外すべきであり、医療を目的とする装着は、社会的認知も得られやすいだろう。

Agile Tech 技術本部長 河田 勉
(2014/02/14)

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