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VRは本格開花の予感で電子デバイスに期待感〜トップのHTCを急追するソニー

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VR(仮想現実)の世界がいよいよ本格開花の様相を見せ始めている。VRの世界市場は少なくとも2020年までに約3兆円までに成長すると見られており、そのうちハードウエアやアクセサリーを除いたコンテンツの規模は約2兆円、さらにゲームに絞ると1兆円規模程度が予想されるだろう。また、2025年を超えてくればVR全体で10兆円のマーケットがあると明言するアナリストも出てきており、要するに全く新たな巨大市場が誕生することになる。

当初はプレステ4で圧勝しているソニーが価格も400ドルを切る廉価を設定したことで圧勝するといわれていたが、現状においては台湾のHTCのVIVEが世界トップシェアを持ち疾走している。欧米ではハイエンドパソコンでゲームをやる人が多いため、VIVEが一番人気となっているのだ。ソフトの品ぞろえは1600もありラインアップで先行している。最大の特長は、対角上に最大で5mのエリア内での動きがサポートされ、歩き回れることで部屋全体がVRの舞台になってしまうこと。

コアとなるヘッドマウントディスプレー(HMD)には、2160×1200ドットの有機ELパネルが内蔵されており、視野角は110度。様々な角度で埋め込まれた32の内蔵センサでユーザーの位置を検出する。コントローラとベースステーション(パソコンなど)を合わせてVIVEのセットとなる。

VIVEの動作には、CPU:Core i5‐4590以上、AMD FX8350以上、メモリ:4GB以上、GPU:NVIDIA GeForce GTX1060以上、AMD Radeon RX 480以上のスペックが必須である。

さて、プレステVRはなにゆえに台湾HTCに先行を許してしまったのか。その最大の理由は何といっても出荷が間に合わなかったことだ。言い換えれば、ソニーは当初の出荷予想は低く見すぎていたといえよう。3月時点のことであるが、発売4カ月で91万5000台を売っており、とにかく超品薄となり、ユーザーのブーイングはすごかった。全く需要に供給が追い付かない状況が続いているのだ。

さすがにここに来てソニー幹部はソフトのラインアップも一気に充実し、なおかつハードの出荷も大増産するとアナウンスし始めた。VRの分野では大本命といわれるソニーが、一気に増産体制を整えればHTCを差し切っていくことはまず間違いないだろう。

VR拡大は有機EL、各種センサ、さらにはメモリ、マイコンなど様々な電子デバイスにかなり大きなインパクトを与えるといわれている。現在はゲーム機だけであるが、工場におけるIoT生産、さらには観光、商業施設、研究開発などに潜在的な需要が膨大にあるともいわれている。

ソニーの最大のライバルといわれる米国フェイスブック傘下のオキュラスも増産体制を敷いてくるのは間違いない。当面のVR市場は台湾HTC、米国オキュラスそして大本命のソニーによる三国志ともいうべきバトルが展開されていくのだろう。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

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