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「ロボット新戦略2020年」はデバイスにインパクト〜センサ・MCU・FPGAが活躍

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「少子高齢化の世の中にあっては、とにかく大量に移民を受け入れるか、中高年者や女子労働力のフル活用を進めるしかない。しかし、もう一つの解がある。それは日本企業が世界の40%シェアを占有するロボット産業を加速することだ。作業、介護、サービスをこなすヒト型ロボットを量産し、あらゆる社会の現場に回せといいたい」。

さる会合の後の立食パーティで、ロボットベンチャー企業のトップが語った言葉である。さてそれにしても、ロボット産業は爆発的に拡大している。2014年段階ではついに世界市場規模は7000億円規模まで押し上げてきた。この数年間にわたり倍々ゲームで伸びる市場は、ロボット以外にはないといわれるほどなのだ。台数ベースで言えば、2014年は世界で20万台が出荷し、2015年は40万台まで伸びるといわれている。

これまでのロボットは産業用途がほとんどであり、製造現場におけるFAの柱であった。しかしここにきて、家庭向けのお掃除ロボットのルンバに代表されるように、民生市場にもかなり入り込んできている。ソフトバンクや村田製作所が出している娯楽系ロボットは今後の一大ブームになるといわれている。さらに現在、最も開発が進んでいるのが癒し系ロボットで、これらは一人暮らしの高齢者向けにコミュニケーション相手として活躍するだけではなく、身近な生活のサポートができるレベルになるだろう。

デンソーをはじめとする車載のティア1企業もロボットの開発にはかなり注力している。言うまでもなく、産業向けロボットの世界リーダーは安川電機であり、FAロボットの世界トップはファナックであり、半導体前工程のロボットのトップシェアは川崎重工業が握っている。ロボット産業こそ日本の超得意技といっていいだろう。

中国のレストランではロボットウエイトレスが人気となっており、彼女見たさに訪れた客で店は大繁盛となっている。価格は約200万円。1人の人間の雇用コストと比較すれば格段に安い。

有識者たちによれば、人工知能技術も同時に発展し、10年後に企業活動の30%は人ではなくロボットが担当することになるという。しかしながら同時に多くの人が失業するといわれている。建設現場の作業員、警備員、ホテル受付、レジ係、飲食店の案内・配膳、電話オペレーターなど多くの職場でロボットが乱用されるだろう。そしてまた、ロボットと人間が共存する社会は、人類がはじめて迎える世界なのだ。お掃除ロボットが大活躍し、町も社会も家も清潔になるだろう。しかし人間の心の環境だけは良くなるとはとても思えない。

政府が提唱する「ロボット新戦略2020年」によれば、製造業でロボットの市場規模を現在の6000億円から1兆2000億円に倍増することを打ち出している。また非製造業にあっても現在のロボット市場600億円を、実に20倍の1兆2000億円にすることをうたっている。その他にも500億円の介護ロボット市場形成を目指すともいう。老人天国ニッポンが打ち出すロボット戦略は、電子デバイス業界にも少なからぬインパクトを与えるだろう。センサ、MCU、FPGAなどが大活躍するステージが出てきたわけであり、この分野で一気に抜け出すベンチャーもかなり出てくるだろう。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

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