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インテルが世界初の7nmプロセス構築へ!!〜EUV15台導入を決定

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「半導体世界チャンピオンのインテルもとうとう息切れか。2011年から4年連続で年間100億ドルを超える設備投資を実施してきたものの、2015年の設備投資は当初計画の100億ドルから87億ドルに減額すると聞いている」。この談話は、インテルに蹴散らされ敗走を重ねてきた、あるデバイスメーカー幹部のやっかみである。

市場調査会社のIDCによれば、15年1〜3月期の世界のパソコンの出荷台数は前年同期比6.7%減の6848万台に減少している。通年出荷でも前年比4.9%減を見込んでおり、当初予想以上にパソコンの需要減退が鮮明になってきている。パソコンという巨大製品を引っ張って来たのはCPUのインテル、基本OSのマイクロソフトであるが、いよいよウィンテル支配が終わりを告げると見る向きも多くなってきた。

事実、世の中はクラウドコンピューティングの時代に突入しており、端末はスマホやタブレットで十分で、いわゆるパソコンは必要ないという人たちもいる。

だが筆者はその流れの中でインテルが凋落するとは思えない。この1〜3月期の売り上げについては、確かにパソコン向けは前年同期比8%減の74億ドルと大幅に後退したが、一方でデータセンター部門は同19%増の37億ドルまで膨れ上がり、サーバ需要がインテルの再上昇を呼び込もうとしているからだ。

「これはサプライズだ。インテルは何と半導体装置大手のASMLにEUV露光装置15台を発注したのだ。最初の2台は2015年末までに納入するという。寝ているふりをしていたが、ここに来て逆襲の烽火を上げたと見てよいだろう」これは日本のある装置メーカー幹部が、うなり声を上げて筆者に語った言葉である。

EUV露光装置は1台およそ150億円という超高額装置であるが故に、日本のデバイスメーカーはなかなか手が出せない。これまでのところ台湾TSMCがASMLから2台を導入し、さらに新たに2台を発注しているのが現状だ。ところがインテルの発注台数は実に15台である。余談だが、まとめ買いのプレミアム価格により、実際の投資額は1000億円程度というのが業界筋の話である。

それにしても、このインテルのEUV15台発注は、半導体業界が驚くべき領域に踏み出したことを意味する。というのも、これまでほぼ不可能といわれていた7nmプロセスをインテルが世界に最先行して確立することを意味するからである。インテルは現在14nm世代を採用してプロセッサを生産しており、次世代となる10nm世代品は2016〜17年の立ち上げを予定している。つまり、その次々世代である7nmプロセスを早くも本格的に取り組むことを全世界に表明したことになる。

2015年の設備投資を13%減としたことから、前記のようにインテル後退について様々な憶測がなされてきたが、このEUV15台発注という出来事は、インテルの時代はまだ続くということを明確に表している。

時あたかもIoT、M2Mという新たな社会インフラネットワークが形成されようとしており、ビッグデータの時代が間違いなくやってくる。多くの人は次世代スマホやウェアラブル端末などに眼を奪われているが、膨大な情報を処理するのは中枢にあるサーバであり、これが拡大していく以上、そのCPUをほとんど握っているインテルの時代は終わらない。そしてまた、ITにおける米国主導の時代は終わらない、と言い切ってよいだろう。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

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