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京都で10月末にNEDIAは大型の電子デバイスフォーラム開催!!

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「ITの成熟化は見えている。確かにここに来て半導体製造装置に対する発注は急速に高まり、一時的な繁忙はきている。しかしそれにしても、次世代を切り開く産業にシフトして行かなければ、電子デバイスの将来は切り開けないのだ」こう語るのは、半導体業界の名物アナリストとして知られる南川明氏である。

確かに、電子デバイスはパソコン、テレビ、スマートフォンをはじめとするIT機器を最大の出口として高成長を続けてきた。しかしながらここ数年は息切れ現象が続いている。もっともスマートフォンだけは世界的なブームに歯止めはかかっておらず、当面は高成長を続けると見られている。しかしそれにしても、電子デバイスの次を切り開く出口はまだまだ見えてこないのが現状だ。こうした状況下で、NEDIA(一般社団法人日本電子デバイス産業協会)は、2014年10月30日(木) 10月31日(金)の2日間の日程で西日本最大の電子デバイスフォーラムを京都で初開催することを決めたのだ。
 
今回のフォーラムの最大のポイントは「一般電子部品」に焦点を当てたことである。一般電子部品とは、抵抗、コンデンサ、コイル、トランスなどを中心とする受動部品がまず一つのジャンルである。また、コネクタ、スイッチなどの単体部品、電源などの組み立てユニット部品や超小型モータも大きな比重を占めている。さらには、プリント配線板、各種センサ、MEMS、各種機構部品も範疇に入っている。簡単に言えば、半導体や液晶を除くほぼすべてのジャンルが一般電子部品と呼ばれているのだ。

一般電子部品の世界市場は今や20兆円に達すると見られており、ここに来ての伸びは半導体を凌ぐほどだ。重要なことは、半導体の世界市場30兆円のうち、日本勢のシェアは今や10%強となり存在感が薄い。しかしながら、一般電子部品については世界シェアの43%を押さえていると見通される。日本企業の生産額で言えば、半導体3兆円に対し一般電子部品9兆円となり、実に半導体の3倍はあるのだ。

ところで、一般電子部品に強い企業を見渡してわかることは京都企業の活躍ぶりだ。積層セラミックコンデンサの世界チャンピオンである村田製作所、マイクロモータで世界のトップを行く日本電産、パッケージ部品などで世界の雄となっている京セラなど圧倒的な世界シェアを持つ京都のメーカーは数多い。また、MEMSにおいてはトップを行くオムロン、有力な半導体メーカーであるとともに、一般電子部品においても大手の一角のロームがいる。さらにはニチコンも京都に本社を持っている。半導体や液晶の製造装置で有名な大日本スクリーン製造も京都が拠点である。堀場製作所は自動車排ガス分析装置、半導体向けマスフローコントローラの分野での世界一であるが、もともとは京都で生まれたベンチャー企業であった。こうした一般電子部品や装置の有力企業を多く擁する京都において、西日本最大の電子デバイスフォーラムが開かれることにはそれなりの意味があるのだ。

電子デバイスフォーラム京都はNEDIAの総力をあげて行うものであり、プログラム全体を貫くテーマは、
 1.次世代自動車
 2.ソーシャルデバイス
 3.次世代モバイル・ウエアラブル
の3分野であり、そこに使われる半導体、一般電子部品、ディスプレーなどの電子デバイス全体の将来の方向および情報を発信していくものである。

基調講演の概要は以下のとおり。
 1.「デバイス&システムプラットフォーム整備による国際協力強化」
  (株)東芝 セミコンダクター&ストレージ社 技監 柴田英毅
 2.「寸法微細化だけで進歩を遂げたシリコン超LSI技術の新しい方向」
   東北大学未来科学技術共同研究センター シニアリサーチフェロー 大見忠弘
 3.「電子デバイスの爆発的成長の新時代が見えてきた!!
    〜M2M、医療、航空、自動車、鉄道で開花する成長アプリを最新リポート〜」

私は3番目の基調講演を担当、米国発の新たなコンセプトであるM2M(簡単に言えば、社会インフラに使われる膨大な半導体とセンサ)の一大インパクトについて詳細にレポートする。何しろ、すべての事柄とモノに対し、インターネット機能がつけられるセンサとモジュールの新時代が来るわけだから、現在のITを上回る膨大デバイス需要がやってくるのである。また、医療産業、航空産業、次世代自動車、高速鉄道などの将来性についても言及し、その分野におけるデバイスの必要性についても訴えていく。

全体プログラムは2日間にわたり、14セッションで延べ38の講演が組まれており、1500人以上の動員を目標にしている。また、小規模ではあるがセミナーに加え、展示スペースも設けている。電子デバイスフォーラム京都のプログラム概要はNEDIAホームページ

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉 (2014/10/01)

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