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半導体回復基調で大盛況だったSEMICON Korea:招待講演してきました!

米SEMI主催の韓国における半導体製造装置および材料の展示会であるSEMICON Korea 2024が「Innovation beyond Boundaries(境界を越えたイノベーション)」をメインテーマにソウルの国際展示場COEXで1月31日〜2月2日に開催された(図1、2)。

SEMICON Korea 2024開会式 / 筆者撮影

図1 SEMICON Korea 2024開会式 出典:筆者撮影


 / 筆者撮影

図2 若者が目立つ展示会場正面入口付近 出典:筆者撮影


メモリ不況のなか、SK hynixが2023年第4四半期に5四半期ぶりに営業損益の黒字化を果たしたのに対して、Samsung Electronicsの半導体事業は、いまだに赤字のままだが、四半期ごとに赤字幅は3四半期連続で縮小してきて回復基調にある。このため、昨年より8000人多い6万5000人余が参加登録し、盛況だった(図3−6参照)。主催者は過去最高の7万人の参加を予想していたが、それよりやや少なかったのは、メモリ不況の余韻で地方からソウルの会場への出張を控えた企業があったためかもしれない。

日本からは、東京エレクトロン、SCREEN、日立ハイテク、ULVAC、ニコン、荏原製作所、堀場製作所はじめ多数の装置・材料メーカーの韓国法人が出展している。韓国代理店のブースで日本企業の製品が展示されている場合も多く、参加日本企業の実数は主催者も把握できていない。韓国の超大手顧客は2社しかないと割り切って参加しない企業も少なからずあったようだ(図3-6参照)。


SEMICON Korea 2024 / 筆者撮影

図3 TELの大きなブース前の通路は大混雑 出典:筆者撮影


SEMICON Korea 2024 / 筆者撮影

図4 ULVAC、ASM, 日立ハイテクのブース付近 出典:筆者撮影


SEMICON Korea 2024 / 筆者撮影

図5 比較的すいていた小さなブース群 出典:筆者撮影


SEMICON Korea 2024 / 筆者撮影

図6 ASMLのEUV露光装置のディスプレイ展示には人だかり 出典:筆者撮影


SEMICON Koeaでは、SEMICON Japan同様に多数のコンファレンスが併催されていた(図7)。

SEMICON Korea 2024のSTS (SEMIテクノロジーシンポジウム)では、6つの主要な半導体製造プロセス(リソグラフィ、ドライエッチ、材料とプロセス、デバイス、パッケージング、CMPとクリーニング)に関するセッションで最新のテクノロジーの進歩について英語で講演が行われた。これに先立ち、午前中には、それぞれのプロセスに関するチュートリアル(初心者向け講義)が韓国語で行われた。これとは別に、韓国でのSiCブームを反映して今回初めてSiCパワー半導体サミットという講演会が開催された。


SEMICON Korea 2024 / 筆者撮影

図7 セミナー会場の様子 出典:筆者撮影


STSにおいて、日本からの招待講演者は、筆者(CMP & クリーニングセッション)のほか、東京工業大学の若林整教授(デバイス)と大場隆之教授(3次元実装)の3名だった。筆者は、今回、「Past, Present, and Future of Semiconductor Cleaning Technology」と題する講演を行った(図8)(参考資料1)。SDGsの見地から、薬液や純水のリサイクルや節約、さらには汚染を発生しないドライ洗浄や非水洗浄の革新的研究開発を提言した(参考資料2、3)。後で、何人かの参加者から、新たな洞察やひらめきを得ることができ、今後の研究開発に役立てたいとの言葉をいただいた。


SEMICON Korea 2024 / 筆者撮影

図8 著者の講演タイトル図面 出典:筆者撮影


韓国企業の海外投資や進出を奨励

「Innovation beyond Boundaries」というテーマに沿って、米国、欧州、および東南アジアへの投資セミナーも個別に開催され、各国政府の企業誘致責任者が韓国企業に海外投資や進出を呼び掛けた。米国からは、連邦政府と5州、欧州からはEU本部と加盟7カ国、東南アジアから5カ国 が参加した。日本や中国は含まれていなかった。韓国政府は、経済安全保障上、海外装置・材料メーカーの国内への誘致を進めるとともに、自国企業の海外進出を奨励している。

人材育成と女性の活躍は将来の産業発展に必須

人材育成分野では、半導体業界の人材不足に対処するために、10人のベテラン半導体エンジニアが大学生にキャリア開発に関するガイダンスを提供する「Meet the Experts!」、さらには、半導体業界における多様性や公平性を促進することで業界の競争力を強化することを目的とした「Women-in-Technology」が開催され、Samsung、Applied Materials 、Lam Research、 KLAで活躍している女性技術者が自らのキャリア開発や成長について語り、女性の活躍の場を広げる活動が行われた。将来の半導体産業の発展のために、人材育成や女性の活躍が必要不可欠であることをSEMIは、世界規模でアピールしている。

参考資料
1. Hattori, T., "Past, Present, and Future of Semiconductor Cleaning technology," Solid State Phenomena, vol.346, pp.3-7, (2023). 
2. Hattori, T., "Non-Aqueous Cleaning Challenges for Preventing Damage to Fragile Nanostructures," ECS Journal of Solid-State Science and Technology, vol.3,pp.N3054-N3059, (2014). 
3. Hattori, T.. "Ultrapure-Water Related Problems and Water-less Cleaning Challenges,"
ECS Transactions, vol.34, no.1, pp.371-376, (2011).

Hattori Consulting International代表/国際技術ジャーナリスト 服部 毅

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