セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

22年後半から1年の半導体市場はどうなるか、セミナーを開催

|

半導体産業が変調をきたしている。半導体不足は一部では解消され、在庫がだぶつく状態にあるものの、別の分野ではまだ不足が続いている。まだら模様ではあるが、セミコンポータルではさまざまなデータを収集している。市場調査会社、半導体各社、ITサービス各社、ICユーザーなどの決算や将来への見方などの情報を集めている。そのオンラインセミナーであるSPIマーケットセミナー「世界半導体市場、2022年の後半から1年はどうなるか」は8月4日13;30から開催する。

セミコンポータルでは、直近の変調の動きをウェブ上の記事で報じてきた。WSTS(世界半導体市場統計)や調査会社の需要動向、半導体の製品や応用の動向など、さまざまなデータを集め、多角度から分析する。単なる数字を並べただけのデータから、より鮮明に見える方法なども含め、分析している。もちろん、半導体各社の業績は最も重要なデータとなる。

かつて、半導体メーカーの親会社である総合電機メーカーは、販売額の数字からデータのグラフ化を恣意的に行い、半導体はもう成長しない、という間違ったメッセージを出したという苦い経験がある。その結果、半導体産業は世界では成長しているのにもかかわらず、日本だけが成長してこない、という失敗を導いてしまった。そのような失敗を繰り返すことなく、世界と同様の成長路線に載せるための様々な情報を提供してきたのがセミコンポータルである。

米国が復活したのは、半導体各社がそれぞれ、成長するためにはどうすれは良いのかというテーマを社内でしっかり議論し、世の中の流れと同期を取りながら、信念を持って進んできたからだ。合衆国の連邦政府に頼ることなく、自社の強みをしっかりと認識し、さらに強めるための方策を議論し、時には成功者であった日本のやり方を学んできた。企業経営者は資金調達のさまざまな方法を使う。今の日本の半導体各社は、成功している米国半導体の経営手法を学習しているだろうか。


図1 2019年にTSMCが見せたN5(5nm)プロセスのウェーハ 撮影筆者

図1 2019年にTSMCが見せたN5(5nm)プロセスのウェーハ 撮影筆者


また、台湾のTSMCは、1990年前後から始めたファウンドリのビジネスモデルを成功させるために、創業者のMorris Chang氏は米国や欧州などを回って出資者を募った。Intelがけんもほろろに断ったのに対して、オランダのPhilipsは資金を提供した。同氏はその時の屈辱を未だに覚えていて、時々メディアのインタビューなどを通してIntelへの反感を述べている。一方、Philipsに対しては感謝の気持ちを忘れない。PhilipsからスピンオフしたASMLから、TSMCはEUV装置をたくさん購入した。ASMLは、台湾にオフィスを開き常駐してEUVを使いこなすためのノウハウをTSMCに伝えてきた。

TSMCは最近こそ、大きな投資を行っているが、1990年代は日本から2〜3世代遅れたプロセスでも顧客を捕まえるための設計ツールや設計情報を整備し、身の丈に合った投資を行ってきた。2000年のITバブル以降は、投資額をほぼ一定でしか投資しなくなったが、2018年のメモリバブル以降から投資を活発化させた。昨日7月14日にTSMCは、2022年第2四半期の決算報告を行い、3カ月前の第1四半期の決算報告時の見通しよりも上振れの業績を示した。

SPIマーケットセミナー「世界半導体市場、2022年の後半から1年はどうなるか」では、直近の市場調査の見方だけではなく、セミコンポータルで取材した各社の動きなども紹介する。調査会社からは、野村證券の和田木哲哉氏にこれからの半導体市場をどう見ているのかをお話しいただく。
申込はこちらから。

(2022/07/15)

月別アーカイブ