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半導体不足の解消に向けて、議論しよう

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半導体不足がいまだに続いている。この問題が表面化した当初は、問題解決には今年いっぱいはかかるだろうと見られていた。しかし、今年中ごろには来年半ば、というアナリストの見方が出てきた。さらに半導体メーカーからは来年から再来年まで続く可能性も示唆されている。なぜこれほどまでに半導体が足りなくなったのだろうか。

SPIフォーラム「半導体不足、解決の決め手は何か」

図 SPIフォーラム「半導体不足、解決の決め手は何か」を11月26日に開催


半導体不足は、半導体製品そのものだけではなく、半導体製品を作るための製造装置や半導体製造に必要な化学薬品や材料までも足りなくなっている。加えて、半導体製造装置を作るために必要な半導体チップまでが足りないとも聞く。

特に自動車産業は半導体が足りないために、生産ラインが一部ストップしている、とよく伝えられてきた。半導体製造の世界の基地である台湾では、IT産業上位19社の売り上げが10月に1年前の0.4%減というマイナス成長を記録した。鴻海精密やペガトロンなどスマートフォンやパソコンを組み立てるEMS事業者が半導体不足により生産できなくなったためだ。AppleのiPhone 13向けのアプリケーションプロセッサは確保できても、それ以外のICが供給不足によりスマホを生産できないのだという。

現状の半導体不足を解消しようと新工場設立に動く企業も出ている。TSMCは米国アリゾナ州に300mmウェーハの5nmプロセスラインを設立する計画を発表し、台湾に土地を確保した。さらに、日本の熊本に22/28nmラインをソニーと共同で設立することで合意した。さらに南亜科技は新北市にDRAMの300mm新工場を計画、Intelもファウンドリビジネスを始めると共にアリゾナ州に新工場を設立する。UMCは台南に新工場、Texas Instrumentsは200mmの工場を300mmへと拡張する。

数年前に工場建設に着手していたBoschがドイツのドレスデンに工場を稼働させ、Infineonはオーストリアのフィラハにパワー半導体用の300mm工場をオープンさせた。いずれもパワー半導体を主体とする工場である。

今から工場を設立しても半導体不足の解消には間に合わない。工場稼働までには2~3年先になるからだ。それでも工場を新設する動きは、後を絶たない。半導体がここまで様々な産業に大きな影響を及ぼすようになったという事実は何を意味するのであろうか。最大の要因は、半導体市場が拡大し続けているからであり、IoTやAI、5G、自律化といったITの先端動向が半導体製品を活用し、これからの未来を創り出そうとしているのである。スマートシティやスマート工場、スマートビルなどスマートXXを実現するためには、半導体が欠かせない。デジタルトランスフォーメーションにも半導体は欠かせない。そして脱炭素からクルマは乗用車だけではなくバスやトラックまでもEV(電気自動車)になろうとしている。

では、半導体不足を解消させる具体的に時期はいつ頃になるのだろうか。半導体を製造する立場からみていつになるのか。半導体製造に必要な装置や材料をはじめとするサプライチェーンは一体どうなっているだろうか。こういった半導体製造の立場から見るサプライチェーンについて議論しよう、という狙いが11月26日(金)に開催するオンラインセミナー、SPIフォーラム「半導体不足、解決の決め手は何か」である。半導体製造をフォローしている専門家たちに語ってもらい、Q&Aで議論する。

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