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8月に最もよく読まれた記事はサムスンが半導体のトップになると示唆した記事

8月に最もよく読まれた記事は、マーケット「2010年上期の世界半導体ランキング、サムスンが着実にインテルを追い上げる」だった。米国の市場調査会社のIC Insightsはその後、このトップ交代を示唆するニュースリリースを流しているが、それによると2001年ではインテルの売り上げはサムスンのそれの3.75倍だった。

インテルの売り上げはサムスンの売り上げの1.27倍にまで縮まった 出典:IC Insights

図 インテルの売り上げはサムスンの売り上げの1.27倍にまで縮まった
出典:IC Insights


それが、2002年には2.76倍、2007年1.76倍、そして2010年上期には1.27倍にまで縮まった。この勢いでは、サムスンがインテルを抜くのは2〜3年後になるだろうと見える。もっとも昨年後半から今年にかけてサムスンの得意なメモリービジネスは好調だった。次によく読まれた記事、ニュース解説「決算発表、海外勢はみな好調、不調な日本勢で唯一好調なのはエルピーダのみ」を見ても、メモリーメーカーの好調さがわかる。

第3番目によく読まれた記事は、インダストリー「新型ブラックベリーTorch 9800を開けてみると、ルネサスチップが見えた」である。これは米国市場調査会社のアイサプライが新型ブラックベリーを分解して解析したレポートからとった。iPadやiPhoneに日本製半導体が使われていない、といった自虐的な指摘を受けるが、そんなことはないという意味で採り上げた。

第4位の津田建二の眼「台湾、日本どこで作っても差は5%のみ、エルピーダが低コスト技術を証明」は、7月末の決算発表会でエルピーダの坂本社長が述べたものだが、100人近く来ていたどのメディアも残念ながら8月に採り上げなかった。低コスト技術という重要な点を一般の新聞・雑誌記者やアナリストが認識していなかったためだ。9月8日になって日経産業新聞がこの話題を採り上げているが、セミコンポータルの記事を見てから改めてエルピーダに取材した可能性は否定できない。

第5位、大和田敦之の視点「変遷する半導体製造ビジネスモデル〜ブルーオーシャン戦略が成功を導いた」では、TSMCが1990年当時まだ誰も手掛けていなかったファウンドリというビジネスモデルを創出したことを述べた記事だが、新しくビジネスを作りだす姿勢がこれから重要になることを示唆している。

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