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レンズまでウェーハレベルパッケージングで作るテセラ社

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 半導体アセンブリ技術の研究開発会社である米テセラ(Tessera) 社は、CMOSイメージセンサーからレンズまでをウェーハレベルパッケージング(WLP)で一体化した、2mm×2mm×2.5mm(厚さ)と小型のカメラモジュールを開発、このほどその詳細を明らかにした。このモジュールを量産・販売することでアルプス電気とライセンス契約を7月に結んでいる。

小型のカメラモジュール

 このモジュールは、CMOSやCCDのセンサーチップをウェーハレベルパッケージングで実装し、複数のレンズや赤外線フィルタ、スペーサなどの部品からなるレンズモジュールもウェーハレベルパッケージングで作製し、二つのモジュールを一体化することでカメラモジュールとするもの。

 このレンズモジュールを開発していた米国ノースカロライナ州シャーロッテに本拠を持つデジタル・オプティックス社をテセラ社が2006年6月に買収、傘下に収めた。この技術を使い今回の一体化技術へとつなげた。レンズモジュールは、複数枚のガラスチップを重ねた構造になっている。ガラスウェーハ1枚は、チップ部分をレンズ形状などに加工してある。レンズやフィルタなどの光学部品を半導体チップのようにそれぞれ1枚のウェーハに作製する。これらのウェーハを複数枚、アラインメントしながら重ねる。その後で光学チップにスクライブして1個ずつ切り離す。

 最後にこのレンズモジュールのチップとパッケージされたICとを接着する。従来のカメラモジュールとは違い、このときに焦点調整する必要はない。8インチウェーハ1枚で数千個もの光学部品やICチップが出来るため、コストダウンは一気に図れる。しかも手作業による調整工程もない。

小型のカメラモジュール

 このモジュールは200万画素以上のカメラにも搭載でき、しかも可動部がなくても焦点合わせや自動焦点が可能だという。しかし、その詳細はまだ明らかにはしない。カメラモジュールは小型になるだけではなく、リフローハンダ付けが出来るため、標準的な表面実装工程でデバイスにアセンブリできる。携帯電話はもちろん、ノートパソコンやゲーム機、超小型のセキュリティシステムなど応用は広い。

 アルプス電気との提携により、このカメラモジュールの量産は2008年後半になると見ている。

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