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丸い粒状のpnダイオードを並べた太陽電池を京セミが展示

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京セミ(旧京都セミコンダクタ)は、ボール状のpn接合半導体太陽電池をアレイ状に並べた形状をはじめとして、さまざまな形状に加工できる太陽電池を第二回国際太陽電池展で公開した。直径が1〜1.5mmと小さなボールから成るこの球状シリコンで作る太陽電池の効率は、まっ白い紙の上に置いた状態だと17%程度あるという。通常の結晶シリコンで作る効率並みである。10%までいかないアモーファスシリコンよりはずっと高い。

球状シリコンPD


このn型シリコンの表面にp型ドーパントを拡散し、p層を形成すればpn接合の出来上がりだ。電極コンタクトを設けてリード線を取り出すと、上の写真のようなダイオードが完成する。これを12個直列あるいは並列に並べたモジュールを作り、エンジニアリングサンプルとして出荷する。電気的特性は下図のとおりである。

電気的特性


この表は、スフェラーF12モジュールのシリーズのいくつかを取り出したもので、これ以外に6直列/2並列、12直列/1並列の製品がある。その特性は、シリーズから推察できる。ダイオード1個の特性は、このシリーズでは、開放電圧は0.6V、短絡電流が2.5mA、出力は1.5mWである。

このモジュールを並べて作ったドーム状のモジュールや、このpnダイオードを数百個アレイ状に並べたシースルーの太陽電池などの試作品を見せた。

なお、球状のシリコンは、高さ14mの上から、溶融シリコンを粒状にたらして落下させ、その途中でシリコンは冷えて固まり、下に落下する場所で球状になる。落下した状態で固まらせるため、丸い形状ができる。いわば無重力状態で作られるからこそ、丸い球になる。無重力状態を作らなければ決して丸くはならない。重力の向きにのびて変形するからだ。


フレキシブルモジュール
シースルー太陽電池
ドームモジュール

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