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高周波MEMSスイッチを国内2社が展示、マルチ周波数に対応

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 MEMS(micro electro mechanical system)ビジネスが広がっている。超微細な機械加工をシリコン上で行ってきたMEMS技術だが、その定義も広がっており、基板はシリコンとは限らず、石英、ステンレスなど、基板を問わなくなってきている。7月25-27日に東京ビッグサイトで開かれた「マイクロマシン/MEMS展」では、この産業の広がりをみせ、基板種類の広がりだけではなく、MEMS加工装置や設計ツール、計測器、材料、さらにはファウンドリサービスまで広がっている。来場者数は過去最高の1万2424人と対前年比6%増、出展者は347社と昨年の313社よりも11%伸ばした。

 基板の種類が広がってきたとはいえ、シリコンで加工するメリットは実は大きい。電子回路も集積できるからだ。シリコンのMEMSデバイスでは、10年以上も前から加速度センサーや圧力センサーが市場で使われており、テキサスインスツルメンツ社のDLPディスプレイに使われてきたデジタルミラーデバイスも実績がある。最近は、超小型マイクロフォンとしてのMEMSデバイスが商品化されており、携帯電話の薄型化や防犯用の音圧センサーとしての用途がある。シリコンを使うためアンプも内蔵でき、ノイズの影響を受けやすい高インピーダンス入力を低インピーダンスに変換することで、ゲイン増加とノイズ耐性を両立できる。

 今回の展示会では、高周波の送受信スイッチとしてのMEMSを三菱電機とオムロンの2社が見せていた。これまでの携帯電話では、GaAsFETを使った送受信スイッチが一般的であるが、MEMSを利用した機械的スイッチはオン/オフのアイソレーションが大きくとれ、送信と受信あるいはマルチ周波数の送受信でも性能劣化はそれほど低下しない。たとえば三菱電機が展示したMEMSスイッチでは周波数20GHzの通信でも19dB以上のアイソレーションがとれる。直流から20GHz程度までは使えるスイッチである。

 原理的にこれらのスイッチはシリコンのカンチレバーを静電気で動かし、オン/オフ動作させるもの。機械式のリレースイッチと似ている。接点部分に金属膜をスパッタなどで堆積し、その部分の接触/非接触でオン/オフ動作をする。ただし、他のMEMS応用デバイスと同様、静電気を利用するため電圧が10V以上と高くなるという欠点はある。

 この高周波用MEMSスイッチは、その後段に可変フィルタを用いることで、マルチ高周波数回路を小型にできるというメリットがある。例えば、世界中どこでも使える携帯電話やモバイルテレビなどに向く。モバイルテレビのワンセグは日本でしか使えない。欧州や韓国、これからの米国などの規格とは異なるためだ。しかし、このMEMSスイッチは使用周波数範囲が広いため、世界中のどこにでも合わせることができる。

 いずれのメーカーも試作段階での展示となったが、オムロンは2008年の1月に商品化を目指すという目標を持っている。

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