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シャープが照明用LEDモジュールをラインアップ

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 シャープは、LED照明の分野に力を入れ始めた。この7月から、ハロゲンランプ20Wに相当する明るさ280ルーメンの白色LEDモジュール・シリーズを発売した。これまでの白色LEDと同様、青色LEDのチップを使い、その上に補色となる色の蛍光体をかぶせ、青色を混合することで白色を実現している。このモジュールの消費電力は、280ルーメンの明るさで3.6Wで、約1/6と小さい。

今回は、照明用という分野であるため、一口に白色といっても黄色みがかった白、青みがかった白などさまざまな白があるが、蛍光体の材料を変えることで、暖色といわれる電球に近い白(色温度2800K)や通常の白(色温度5000K)、高演色の白(色温度5000Kおよび6500K)という4種類のLEDランプモジュールを揃えた。高演色は、たとえば赤いものに光を当てると鮮やかな赤色やピンク色を発するようにみえる。このため、食品を並べているスーパーやコンビニの売り場の照明に向く。下の写真の真中二つが高演色の白色である。

真中二つが高演色の白色

通常の白色ランプ(GW5BWC15L00)には黄色の蛍光体、電球色ランプ(GW5BDC15L00)には黄色と赤の蛍光体、高演色(GW5BNC15L00およびGW5BNC15L10)には緑色と赤の蛍光体をそれぞれ被覆した。

1個のモジュールは18mm角のセラミック基板の上に青色LEDを36個直並列で配置している。直列に3個を12列並列に配置した。モジュール全体の電流は連続360mAで、その時の順電圧は10.2V(標準値)であるから、LED1個に流す電流は30mA、順電圧は3.4Vである。バラスト抵抗は入れなくともホットスポットができることはないという。このため、ある程度の内部抵抗がバラストの役割をしているといえる。

また、LED半導体はフィラメントと比べて寿命は長いとみられるが、アレニウスの加速試験で寿命を評価した。70%光量が劣化する時間は4万時間という結果だが、これはハロゲンランプの20倍に相当するという。

問題はコストである。500円程度からの価格のハロゲンランプと比べると、サンプル価格は3000円と高い。一般に半導体デバイスは需要が高まり量産レベルに入ると通常はサンプル価格の半分程度に下がる。1000〜1100円で20Wのハロゲンランプは入手可能であるため、1500円程度にまで下がると、LEDランプのメリットが多いため競争力は出来てくる。当面のモジュール生産能力は月産5万台。

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