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BluetoothワイヤレスヘッドフォンでMP-3プレーヤーの音楽を聞く

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MP-3プレーヤーのイヤホンコード(線)を邪魔くさいと思われる方には福音になる。もしワイヤレスでヘッドフォンとMP-3プレーヤーを接続できたら、通勤電車はもっと快適になるだろう。英CSR社の新製品BlueCore5-Multimediaチップを使えば、Bluetoothで、MP-3プレーヤーとヘッドフォンをワイヤレスでつなぐことができる。

これまで、Bluetoothは携帯電話とヘッドセット(写真1)あるいはカーナビなどをつなぎ、電話を持たなくても通話できるワイヤレス技術として欧州では着実に実績を積んできた。米国でもこの1~2年、自動車の運転中に電話通話することが厳しく制限されるようになったため、Bluetoothでヘッドセットと携帯電話とをつなぎ、ワイヤレスで通話している姿を見かけることが多くなった。しかし、日本では車を運転しながら携帯電話をかけているドライバをよく見かけるが、警察に逮捕されたという話は聞いたことがない。


ヘッドセットを耳にかけるだけで通話できる

写真1 ヘッドセットを耳にかけるだけで通話できる


Bluetoothチップでトップシェアを握る英CSR社は、BluetoothのRFとベースバンドの標準機能のほかに音楽などのストリーミング処理を行うコーデックと、外部フラッシュメモリーやSDカードとのやり取りを行う16ビットRISCコントローラと64MIPSの24ビットDSPプロセッサを集積したBlueCore5-Multimediaを開発し、そのチップがトヨタのテレマティックスG-Book mXとG-BOOK mXProに採用されたと発表した。

このチップをカーナビなどの装置に組み込めば、運転しながらハンズフリーで通話できるうえ、MP-3プレーヤーの音楽もワイヤレスでクルマから聞くことができる。両手でハンドルをしっかり握ったまま、話ができ、音楽も聞ける。このチップを内蔵したヘッドフォンなら、ワイヤレスのヘッドフォンで、携帯電話やMP-3プレーヤーから音楽を線なしで聞くことができる。


MP-3プレーヤーをハンドバッグなどに入れたまま音楽を聴くことができる

写真2 MP-3プレーヤーをハンドバッグなどに入れたまま音楽を聴くことができる


内蔵のステレオコーデックは、このままヘッドフォンにつなぐことができる。アンプ内蔵のスピーカーなら直結できる。そのダイナミックレンジはS/N比で95dB以上ある。これまでだと、MP-3のデータをトランスコーディングでいったん別のSBC符号(350kbpsのSub-band coding)に変換し、そののちにストリーミングとしてBluetoothで発信していた。受信側でもストリーミングをデコードしてSBC符号からMP-3に変換していたため、回路が大きくなり消費電力も大きくならざるをえなかった。今回のチップを使えばコード変換、すなわちトランスコーディングが要らないため、トランスコーディング回路は不要なため消費電力が低くなり、コストもかからない。

Bluetooth部分の性能は、Bluetooth v2.0(転送レート1Mbps)+EDR仕様(3Mbps)に対応している。電源電圧は、入出力が1.8〜3.0V、内部動作電圧は1.5V。パワーマネジメント機能も内蔵し、1.5Vおよび1.8Vのリニアレギュレータと、スイッチングレギュレータ、充電制御回路が入っている。BlueCore Playerプラットフォームを使い、チップ開発のサポートもしている。ディスプレイコントローラ回路は液晶のほか、有機ELもサポートする。

2008年の第3四半期には、音質の良いAAC、AAC+、WMAソフトオーディオコーディングや、エコー/ノイズキャンセラ機能、SRS社からの3Dサラウンドサウンドなどを搭載するBlueCore Player 2を市場へ出す予定である。

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