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45nmチップ最大の設計課題は配線と、MentorのW. Rhines氏述べる

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65nm、45nmへと微細化が進むにつれ、LSIの物理層設計、特に配線設計が重要になってくる。配線の細りや断線を起こさないようにするためのプレッシャーは極めて高くなってくる。Globalpress Connections社主催のElectronics Summit 2008の基調講演で述べた、Mentor GraphicsのCEOであるWalter Rhines氏は、ESL(electronic system level)ツールの将来性は買うものの、緊急の課題は配線のマルチコーナー問題だと述べた。

Mentor Graphics社CEOのWalden Rhines氏
写真1 Mentor Graphics社CEOのWalden Rhines氏


応用も高機能の携帯電話機バースバンドやアプリケーションプロセッサを搭載したSoC設計、グラフィックスチップやIPなど配線のコーナーの必要性はますます高まってくる。まだ主力の45nmの配線設計ツールでは大手、中小と関係なく誰でも同じスタートラインに立ったベンチャー企業と同じだとも同氏は述べた。

配線パターンが露光する光の波長(193nm)よりもはるかに短くなると、光がマスクパターンの隙間に入っていかなくなるため、設計通りのパターンを作ってもその通りに描写されない。極端に難しいのは長さの短い十文字のパターンだ。これだと65nmで限界に来る。もちろん、OPC(optical pattern correction)で補正はするものの、補正の幅が太くなりすぎ、適切なパターンはもはや描くことが困難になる。

LSI設計分野では、上位のシステム設計から考え直すことのできる、ESL(electronic system level)ツールが近年、注目されており、このSummitでもパネルディスカッションに組み込まれていたが、EDAメーカーは次期尚早と、冷やかであった。ESLツールとは、システム全体のアーキテクチャを変えてみて、最適な性能を得るということができないか、という要求をかなえてくれるはずだと期待はされている。Mentor GraphicsのWalden Rhines氏は、ESLツールの将来性は買うものの、今すぐ緊急の課題としては配線のマルチコーナーの問題を最優先している。

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