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2次元パターンを直線状に変換するTela社の設計技術

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配線パターンが露光する光の波長(193nm)よりもはるかに短くなると、光がマスクパターンの隙間に入っていかなくなるため、設計通りのパターンを作ってもその通りに描写されない。極端に難しいのは長さの短い十文字のパターンだ。もはやこのようなパターンは45nmでは不可能に近い。

Ptactical Limit


直線的な長いパターンであればまだ光でも可能だ。2005年にシリコンバレーで設立されたTela Innovations社は、ユーザーのネットリストデータをTela社の直線パターンに変換するオーサリングシステムを開発した。これを使えばそのまま、コンタクトホールやビアなどの四角いパターンを除き、OPCで補正する必要がない。

従来なら、OPC補正することで193nmの光でも加工できるようにパターン変換するとチップ面積は大きくなる。同社CEOのScott Becker氏によると、「直線的なパターンに変換することで面積は逆に65nmプロセスで10%、45nmプロセスなら15%小さくなる」と主張する。

加えて、リーク電流による消費電流が減らせるとしている。これはパターンの加工バラツキが少なくなるためである。ゲート長50nmのトランジスタによるD型フリップフロップ回路を200個以上加工したとき、Tela社の1次元パターンだとゲート長はすべて44nm〜46nmの範囲に収まった。しかし従来の2次元パターンでしかもASML社/Brion社のOPCとリソグラフィシミュレーションで設計すると、ゲート長は29nm〜43nmと大きくばらついた。このトランジスタの設計値よりもずっとゲート長が短くなっているトランジスタはサブスレッショルド電流が当然大きくなり、リーク電流として現れてくる。このため、リーク電流は1/2.5に減るというわけだ。


Tela based logic blocks enable lower k1 lithography


Tela社の直線パターン変換設計の利点はこれだけではない。45nmの次の32nmの加工技術で最近有望視されているダブルパターニングがしやすいことだ。パターンが直線的であるだけに、そのままパターンを横にシフトするだけで半分のピッチが得られやすい。

Tela社の経営層は、ファウンダであるBecker氏はArtisan社からスピンオフしたが、その他の経営層はCadense、Applied Materials、ARMなどから集まっている。

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