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次のキラーアプリを示唆するニュースが続々登場

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半導体チップの次のキラーアプリは何か、という議論がよく起こるが、最近いろいろなキラーアプリの可能性が出てきているように思える。先週のニュースから見えるキラーアプリになりうる可能性を紹介しよう。そんなことはとっくに知っているという御仁もおられるだろうが、キラーアプリはズバリこれがヒットすると予知できるものではない。可能性の中から出てくるものだ。

まずニュースとして登場したものは米グーグルが無償で提供するOS「アンドロイド」を使った携帯電話機だ。検索機能は言うまでもなく、スマートフォンとしてタッチパネルを組み込むもよし、キーボードを付けてもよし、好きなスマートフォンを設計できる。オープンプラットフォームとして米テキサス・インスツルメンツをはじめとする半導体チップメーカーがアンドロイド向けのアプリケーションプロセッサや開発ツールなどを準備している

米グーグルが提供するOS「アンドロイド」を使った携帯電話


これに対して、どうも国内携帯各社は二の足を踏んでいるようだ。理由はシンビアンやLinuxほど市場規模の点で魅力的ではないからだ。しかし、iPhoneや台湾HTC社がiPhoneまがいのスマートフォンを提供するなど、うかうかしていると世界からまたもや取り残されてしまう恐れもある。半導体メーカーは国内携帯各社だけではなくもっと世界の携帯各社にも目を向けて売り込んでいくべきではないか。

新しい音楽媒体として、CD-ROMではなくメモリーカードがいよいよ登場する。米サンディスクが世界のレコード会社4社と組み、米国内で音楽メモリーカードを売り出す。CD−ROM媒体はこのところマイナス成長、インターネットから音楽をダウンロードするサービスの利用へと変わりつつある。そのような中で持ち運びできる小型の音楽メモリーカードは携帯音楽プレーヤーだけではなく携帯電話機やパソコンで聴くことができる。音楽カードを読み込める再生機の開発、それに伴う半導体チップの開発が欠かせなくなる。サンディスクが提供するメモリーカードの技術的内容は明らかではないが、もしかしてフラッシュよりも安く作れるOTP(一度しか書き込めないプログラマブルROM)の可能性はある。サンディスクがデータメモリーとしてのOTPを設計したMatrix Semiconductorを傘下に収めたからだ。

携帯電話機をキーレスエントリーとして使う応用も出てきた。日産自動車が電子キーを搭載した携帯電話機をNTTドコモ、シャープと共同で開発した。車外から携帯電話のキーレスエントリーとして鍵の開閉ができる。車のカギと携帯電話機の二つを持ち運ぶ必要がなくなる。キーレスエントリーはさまざまな自動車のカギに使われており珍しくはないが、携帯電話の応用としてブレークする可能性はある。

スタンドアローンのゲーム機として一世を風靡している任天堂DSの新型機にカメラと音楽再生機能が標準装備されるというニュースもある。無線機能を付けて情報通信端末としても使うという。このゲーム機にカメラや音楽が載ることで新しいアプリケーションソフトウエアができる可能性も高まるため、半導体のキラーアプリとなる可能性はある。

もう一つは例の5万円パソコン。台湾ASUSTEK社のEeePCが有名であるが、韓国のトライジェムも5万円パソコンを提供する。これに対して日本のパソコンメーカーはどう出るか。半導体メーカーは国内PCメーカーとは関係なく、海外の5万円PCメーカーを狙ったチップも大ヒットの可能性を秘めている。ワイヤレス機能や消費電力を下げるためのICなどに商機がある。

最後に紹介するアプリは電池応用である。原油値上げにより予想をはるかに上回る速度で、自動車用Liイオン電池の開発が進んでいる。Liイオン電池の開発ニュースも多い。エネルギー密度の高い電池が入手できるようになれば、太陽電池の充電器としても使えるようになり、膨大な市場が開けてくる。太陽電池は光のあるときしか電流を流せないため、これまで太陽電池は発電した電気を電力会社に売電するというビジネスモデルで進んできているが、いつまでもこの方式では電力会社を当てにしなければ太陽電池としての市場は大きくならない。Liイオン電池が使われてこそ、個人が自由に電気を貯めることができるようになる。Liイオン電池が大きな市場になると想定すると、それを管理、制御するパワーマネージメント、バッテリマネージメントの半導体や、電力を供給したりDC-AC変換するためのスイッチングパワートランジスタ(MOSFETやIGBTで、材料でもSiCを使うなど)市場が大きく開けてくる。

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