日本のOSAT企業がアライアンスを結成、情報共有から補助金要求も検討
日本の中小のOSAT(半導体後工程の請負ビジネス)企業が集まり、日本OSAT連合会を立ち上げた。6月10日現在で26社が正会員となりまず情報の共有から始めた。台湾の主要IT企業は月次の売上額を報告しているが、TSMCの4〜6月期は前年同期比(YoY)38%増となった。一方韓国のSamsungの同時期における営業利益は56%減の4.6兆ウォン(約4900億円)となり対照的だ。AIデータセンターを結び海底ケーブルで総務省が支援する。
図1 日本OSAT連合会が作成した日本におけるOSAT企業のマップ 出典:日本OSAT連合会
これまで日本のOSATは地方に拠点を置いて活動してきたが、やはり有益なビジネス情報が足りない。中小企業が多く、OSATビジネスでは強い台湾や中国企業にも負けている。トップ10社のランキングの中に登場できず(参考資料1)、歯がゆい思いを持つ半導体関係者は多い。7月10日の日本経済新聞によると、「国内の後工程の生産能力は月産11億個以上、納品先は自動車と産業機器がそれぞれ4割ずつ、残りの2割が民生品―。業界ではこうした基礎データさえ、連合会が設立されるまで把握されていなかった」。
また、連合会では各社の設備更新を進めるため、国に補助金を求めることも検討する。アオイ電子の沢本修一執行役員は「海外だと投資額の7割以上を国が補助する場合もある。企業が100%自前で投資していてはコストで太刀打ちできない」と語る。
半導体後工程はこれまで、前工程よりも付加価値が低く、半導体メーカーは米国も含め国内にラインを持つよりもアジアに移したり、アジアのOSATに依頼したりするなどして国内における生産能力は弱体化していた。しかし、前工程での微細化プロセスが限界に近づき、3次元構造を利用するプロセスで集積度を上げてきていた。しかし、少しずつ集積度を上げるこのようなDTCO(Design Technology Co-Optimization)手法も限界を迎え始めていた。そこで2.5Dや3Dといったチップやチップレットを重ねる先端パッケージングによって一気に集積度を上げる手法をTSMCも採用し始めていた。
連合会の会員は間もなく30社に、従業員は1万5000人規模になる。連合会では今夏にも設備の自動化や生産データの共有、人材育成など5つのテーマで分科会を設ける。
TSMCの月次売上データが明らかになった。6月の売上額はYoYで、26.9%増の2637億台湾ドル(約1.3兆円)となり、4~6月の売上額ではYoYで38.6%増の9337億台湾ドルとなり四半期ベースで最高となった。ただし、5月比では17.7%減となり25年に入ってからの勢いは少し緩んできた。TSMCの第2四半期の発表は7月17日の予定。
好調なTSMCと対照的なのが、かつてのライバルSamsungである。9日の日経によると、4〜6月期におけるSamsung全体の売上額はYoYで0.1%減の74兆ウォンに留まり、営業利益となるとYoYで56%減の4.6兆ウォン(約4900億円)だった。半導体部門の売上額と営業利益はまだ明らかになっていないため、明確なことは言えないが、日経の記事では、「メモリーの棚卸資産評価引当金で一時的な費用が発生した」と説明している。
深海向け海底ケーブルの技術実証を総務省が支援する。世界各地にあるAIデータセンターなどを光ケーブルで結び、MicrosoftやGoogleなどのCSP(クラウドサービスプロバイダ)がコンピューティング能力を拡大している。光ファイバケーブルの敷設業者を総務省が後押しする。MicrosoftやKDDIなどは自前の敷設船を持っているが、Metaは持っていないようだ。そこでCSPからの大型案件の受注を後押しするために、日本企業が新たに開発した深海用ケーブルの耐久力や通信性能などを2025年内に試す。
参考資料
1. 「2024年最新のOSATトップテンランキング」、セミコンポータル、(2025/05/15)



