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テレワーク需要が一段落、中長期的なEV市場へ

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コロナ禍でのテレワーク需要が一段落し、国内市場では8月におけるパソコンの販売額が前年同月比で2桁の落ち込みを見せている。また、中長期的にEV(電気自動車)向けの電池生産工場が活発になってきた。EVは自動運転技術をはじめとして、これからのACES(Autonomy, Connectivity, Electricity and Sharing)技術のひとつ。

Teslaからスピンオフ、EVの「ベンツ」を目指すスタートアップLucid Motors社の最高級EV車Lucid Air(本文とは直接関係ありません)

図1 Teslaからスピンオフ、EVの「ベンツ」を目指すスタートアップLucid Motors社の最高級EV車Lucid Air(本文とは直接関係ありません)


9月27日の日本経済新聞は、産業景気予測特集記事で、「半導体では車載向けの不足感の解消は年内は見込みにくい。データセンター向けの投資は活発でメモリや記憶装置の需要は増加する。一方で、パソコン向けのDRAMは需要増が一服したとの見方が広がり、価格に頭打ち感も出てきた」と報じた。現実にJEITA(電子情報技術産業協会)は、2021年8月におけるパソコンの国内出荷台数が前年同月比43.9%減の49万7000台だったと発表した。特にモバイルパソコンが2020年8月の45万1000台から約1/3の15万8000台に落ち込んだ。デスクトップは前年同月比8.9%減の8万5000台にとどまったものの、パソコン全体で43.9%減となった。

このためパソコン向けのDRAMの需要増が一段落したという訳だ。DRAMの値下げが始まるというTrendForceの見方とも一致する。パソコン出荷の金額ベースでは24.1%減の480億円にとどまっていることからパソコンが値上げされていることがよくわかる。これはDRAM単価がこれまで増えてきた傾向とも一致する。

また、JEITAによれば、テレワーク需要の一つ、薄型テレビの出荷台数も8月には前年同月比29%減の35万9000台となった。29型以下の小型テレビは同31%減の5万3000台に、50型以上の大型テレビが29%減の13万2000台に低下し、JEMAが発表した代物家電の国内出荷額は同18%減の1740億台だった。少なくともテレビ需要ではオリンピック/パラリンピックによる需要はなかったといえそうだ。

これまでEVに力を入れてきた欧州勢に対して米国はTeslaのみだったが、従来のクルマ大手のGM(General Motors)とFord Motorが電池生産に合計400億ドルを2020年秋以降21年9月までに投資した、と24日の日経産業新聞が報じた。バイデン政権後にEV事業へシフトしたことになる。

Fordは韓国のSK Innovationと共同で約6000億円を投じ米国でのEV向け電池生産工場の建設を始めた。バイデン政権成立後、EV関連の投資を2度に渡って増額し25年までに総額300億ドルを投じる計画だとしている。GMも6月に投資額を従来の270億ドルから350億ドルに増額し、新設する電池工場を従来の2カ所から4カ所に増やすと発表している。Teslaは2月のテキサス州での寒波による大規模停電に備え、同州ヒューストン近くに100MWのバッテリ生産工場Gambitを建設中だ。米国メーカーだけではない。同紙は、「韓国・現代自動車グループは22年にアラバマ州の自社工場でEVの生産を始めるほか、グループの起亜自動車もジョージア州でEVを生産する。投資額は両社で74億ドルに上る」と報じている。

自動車に搭載するECU(電子制御ユニット)はマイコンやSoCを使うカーコンピュータであるが、ホンダはGoogleのOSである「Android Automotive」を組み込むと24日の日経が報じた。Android Automotiveは車載の情報系のOSであり、地図や音楽再生、渋滞情報、カーエアコンや座席ヒータ調整などの操作にも使う。EVで欠かせない充電ステーションの情報検索などにも使えるという。Android Automotiveを採用したクルマメーカーも他にもすでにある。ただし、急ブレーキをかけるような緊急性を要するECUではRTOS(リアルタイムOS)を使う。

EV需要ではSiCパワートランジスタも期待されている。その基板となるSiC結晶ウェーハを、住友金属鉱山が2021年度から供給する、と21日の日経が報じた。

(2021/09/27)

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