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半導体各社の決算に見る半導体および関連産業の好調さ

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4月末からゴールデンウィークにかけて、2021年1〜3月期(1Q)の半導体各社の決算が出そろい、半導体産業の好調が続いていることが示された。日本のルネサス、ソニー、CPUメーカーのIntelとAMD、台湾のTSMCとUMC、欧州3大メーカーのInfineon、NXP、STM、さらにアナログのTI、製造装置の東京エレクトロンなどが発表、好調を伝えた。

ルネサスエレクトロニクスの売上額は前年同期比14%増、前期比6.3%増の2037億円、営業利益は売上額に対して25.5%となる526億円を達成した(参考資料1)。ようやく半導体メーカーとして健全な営業利益率となった。ここでは火災事故の影響はほとんど計上されておらず、次の第2四半期 (2Q)以降になろう。ただし、2Q売上額も2040±40億円と見積もっており、火災によるコスト増で利益は減るものの、売上額は上昇傾向にある。

ソニーグループも決算発表を行い、半導体グループが含まれるイメージング&センシング・ソリューション部門の売上額は前年と横ばいの2323億円となり、営業利益は202億円と前年同期より143億円の減益となった(参考資料2)。2020年度 (2021年3月期)通年では同部門の売上額は前年度比5.4%減の1兆124億円となった。この内、イメージセンサの売上額は6.2%減の8722億円となった。スマートフォン向けのイメージセンサの減少によるとしており、華為向けのセンサの出荷が9月15日以降ストップしたためであろう。

IntelとAMDの決算は極めて対照的だ。Intelの売上額は前年同期比横ばいの186億ドル、粗利益率は58.4%であった(参考資料3)。同四半期における営業利益は、事業部門ごとに示しているので、それに従って紹介する。パソコンのクライエント部門は売上額が前年同期比8%増の106億ドル、営業利益は同利益率39%の41億ドル、データセンター部門は売上額20%減の56億ドル、営業利益は同23%の13億ドル、IoT部門が12.9億ドル、営業利益が3.59億ドル、FPGA部門の売上額は同6%減の4.86億ドル、営業利益0.88億ドルとなっている。要は、データセンター部門の20%減が極めて大きく、パソコン部門でも8%しか伸びなかったことが低調な結果に終わったといえる。

対するAMDは、売上額が前年同期比2倍に近い93%増の34.5億ドルと急成長を遂げ、前四半期比でも6%増と好調だ(参考資料4)。営業利益は利益率22%の7.6億ドルとなった。特にパソコンとグラフィックス部門の売り上げが前年同期比46%増の21億ドル、営業利益は4.85億ドルと好調だが、データセンターを含む企業・組み込み・セミカスタム部門が前年同期比4倍に近い286%増の13.5億ドル、営業利益は2.77億ドルと絶好調になった。いわばIntelが落ち込んだデータセンター部門をAMDが奪い取ったと言えそうだ。ただし、IntelはCEOがPat Gelsingerに代わり、同氏の手腕が発揮されるのはこれからとなるため、AMDは今回のようなわけにはいかないかもしれない。

台湾のファウンドリTSMCもUMCも絶好調だ。TSMCの売上額は、前年同期比25.4%増の129.2億米ドル、営業利益率が41.5%という業績だ(参考資料5)。売上額は前四半期に対しても1.9%増と好調さは変わらない。例年、1Qの売上額は前年の4Qよりも15〜20%減になる所だが、プラス成長であることは今年の業績が大きく増えることは間違いない。ただし、台湾元がドルに対して高くなっているので、台湾元で表すと前年同期比は16.7%増と少し下がる。5nm、7nmプロセスの売上額がそれぞれ全体の14%、35%と約半分を占めていることがTSMCの特長といえる。

これに対してUMCの売上額は、前年同期比11.4%増の471億台湾元(1米ドル=28.53台湾元)、営業利益は利益率16.2%の76.2億台湾元となっている(参考資料6)。応用別では、通信用46%、民生27%、コンピュータ16%の売上額である。プロセス別では、22/28nmが20%、40nmが20%、65nmが18%、14nm以下はゼロ、となっており、微細化を進めていなくても利益を生んでいる。ただし、前期 (20年4Q)では40nmが22%で、22/28nmが18%だったため、40nmから22/28nmへのシフトは起きている。大半のウェーハは8インチで300mmウェーハの生産能力は、全体228万枚の内、56.9万枚となっている。

欧州3社は自動車向けにフォーカスしてきた。売上額は回復傾向にあり、最近では供給が追いついていない。Infineon Technologiesは、前年同期比36%増の27億ユーロ(1ユーロ=1.216ドル、132円)、営業利益率17.4%と好調だが(参考資料7)、ここには買収したCypressの業績も含まれている。売り上げの43%が自動車向けだったためここ最近は好調になってきた。STMicroelectronicsの売上額は前年同期比35.2%増の30.2億ドル、営業利益率は14.6%でその利益は3.64億ドルとなっている(参考資料8)。STMの自動車&ディスクリート部門の売上比率は35%。NXP Semiconductorの売上額は、前年同期比27%増の25.67億ドル、営業利益率30.9%を達成している(参考資料9)。Infineon同様、自動車用が売上額全体の44%を占めている。

アナログ最大手のTexas Instrumentsの売上額は前年同期比29%増の42.9億ドル、前期比でも5%増となった(参考資料10)。営業利益は19.4億ドルでその利益率は45%と極めて高い。TIのコアであるアナログが1年前よりも33%伸び、組み込みプロセッシングは17%成長した。

半導体製造装置の東京エレクトロンの売上額は前年同期比35.8%増の4392億円、営業利益は売上額の25.1%の1103億円となった(参考資料11)。半導体の供給不足から製造装置を求める声が強く、DRAM、NANDフラッシュ、ファウンドリ、ロジックがそれぞれ24%、26%、24%、26%とバランスよく構成している。通年 (2020年4月~2021年3月)でも売上額は前年比24.1%増の1兆3991億円という過去最高額を達成した。来年度は過去最高をさらに上回る1兆7000億円を見込んでいる。

参考資料
1. 2021年12月期第1四半期プレゼンテーション (2021/04/28)
2. 2020年度 連結業績概要、ソニーグループ (2021/04/28)
3. Q12021 Earnings Presentation, Intel
4. First Quarter 2021 Financial Results (2021/04/27)
5. 2021 First Quarter Earnings Conference (2021/04/15)
6. UMC 1Q21 Financial Review (2021/04/28)
7. Second Quarter FY 2021 Quarterly Update (2021/05/04)
8. STMicroelectronics Q1 2021 Financial Results (2021/04/29)
9. NXP Investor Presentation First Quarter 2021 (2021/04/26)
10. TI reports first quarter 2021 financial results and shareholder returns (2021/04/27)
11. 2021年3月期 (2020年4月〜2021年3月)東京エレクトロン 決算説明会 (2021/04/30)

(2021/05/10)

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