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2021年は脱炭素、デジタル化が成長のカギ

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新年明けましておめでとうございます。2021年はどのような年になるだろうか。日本経済新聞をはじめとして新春の新聞各社は2021年というよりも近未来がこうなる、という企画を打ち出しているが、2021年はやはり新型コロナと共生することが前提となろう。その上で、脱炭素、デジタル化、といったキーワードで成長を図ることになるだろう。経済・産業紙上から今年の成長を探ってみる。

新型コロナは、感染力がケタ外れに強く、しかも重症化しやすいというこれまでの概念を変えるウイルスである。ウイルスは、DNAに蛋白質の殻をまとった無生物である。シリコンのように結晶化することも50年以上前から知られている。ところがいったん細胞に入ると細胞分裂を促進し、細胞を乗っ取り、まるで生物のようにふるまう。新型コロナの感染力の強さも実はDNAではなく、RNAに蛋白質の殻をまとったウイルスであるせいだということもわかってきた。二重らせん構造の安定したDNAとは違い、不安定な一重構造のRNAゆえに、いわばダングリングボンドを持っているため、何かとくっつきやすい、という性質がある。このため感染力が強いといえそうだ。

人から人への感染がメインであるから人との接触を減らすことも欠かせない。となると、テクノロジーで人との接触を避けながら意思を伝えるコミュニケーション手段が必要となる。エレクトロニクス技術は、この手段を実現するためのツールになりうる。インターネットを使ったテレワークはもちろん、音声認識を利用するスマートスピーカーやクルマのインターフェイス、ジャスチャー入力のHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)、スマートフォンによるさまざまな操作などがすでに使われている。さらにBluetoothやWi-Fiを利用した近接検出技術、衛星を利用する5G時代のコネクテッドカーなどワイヤレス技術も重要だ。

1月1日の日経第3部で報じられた自動車での活用例でも、AIを使った音声認識機能について触れている。ドイツのメルセデス・ベンツは、運転手がクルマに話しかければクルマが応答してくれるサービスを紹介している。目的地の入力や空調の温度調整を声でするだけでなく、例えば「おなかがすいた」と言えば周辺の飲食店を探して教えてくれる、としている。

クルマでの音声入力機能はそれほど新しい技術ではない。10年前からすでにクルマに搭載されているが、クルマ内のコンピュータで音声認識処理を行っているため認識精度が良くない。誤認識はよくあることだが、運転に支障が少ないため古くから使われてきた。ところがAIを活用することで認識率が95%程度まで大きく上がったが、クルマにはまだ採用されなかった。音声認識の学習データはすでにクラウド上にあるため、ここから推論するための機構(AIチップ)を導入、軽い学習済みデータをクルマに導入すれば車載コンピュータにもAIによる音声認識が可能になる。ベンツはいち早くAI利用の音声認識システムをクルマに搭載するのであろう。

2021年の展望として、2020年12月はじめに政府が2030年代半ばまでに新車からガソリン車をなくす方針を発表した。世界各地でそのころまでに純粋のガソリン車の新車販売を禁止する発表が相次いでいることに対応したもの。トヨタはいち早く反対意見を申し出たが、従来の内燃エンジンのクルマでは多くの下請け産業が広がっているため、雇用が減ることに懸念を示した。海外でも同様の意見は出ているが、地球環境を優先するならやはりガソリン車よりはCO2排出量が少ないため、ハイブリッド車を含め電気自動車(EV)への移行は避けられないだろう。

また、1月1日の日経産業新聞でも電機の2021年のテーマは脱炭素になりそうだとの見方を示した。再生可能エネルギーへのシフトや、全国の再エネ発電事業者から電力を買い取り、卸売りする「仮想発電所」の事業に東芝が22年に参入するとしている。また、EV化もCO2削減に重要なテーマであり、バッテリの開発だけではなく、バッテリマネジメントの違いでも走行距離を伸ばせるため半導体が活躍する。

さらに、デジタル化に関してもクルマメーカーのTeslaが示したAIをはじめとするデジタル技術による極めて高い時価総額が注目され、デジタル化によるビジネスの変化がさまざまな分野で常態化すると1月1日の日経第3部で述べられている。

(2021/01/04)

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