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ニューノーマル時代に向けたリモート・非接触技術が続々登場

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新型コロナウイルスは当分、終息しそうにない。経済との両立を図るニューノーマル時代へ対応できる技術が続々発表されており、半導体需要はやはり上向いていく。現に半導体製造請負のTSMCの第2四半期業績は、売上額が前年同期比34.1%増の103億8000万ドルと絶好調だ。5G製品がリードしているが、ニューノーマルは5Gのけん引役でもある。

ニューノーマル時代は、マスクの着用やソーシャルディスタンシングはいうまでもなく、リモート、非接触HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)などがキーワードとなり需要をけん引する。特に非接触センサは半導体技術の得意な分野であり、またリモートでのVA/ARなどは5G応用で生きてくる。こういった目でニュースを見ていると、ニューノーマル時代でのリモート、非接触技術のニュースが増えている。

オムロンは米国で地元病院と提携し、8月にも高血圧症のオンライン診療に参入する、と7月20日の日本経済新聞が報じた。同社の血圧計や通信機器を在宅患者に送り、計測データが病院の電子カルテに自動入力されるというシステムだ。米国では2019年に、在宅の高血圧症患者の血圧を医師が遠隔で管理する仕組みが、65歳以上の高齢者向け公的医療保険の対象になった。Apple Watchも米FDA(食品医薬品局;日本の厚生労働省に相当)の認可を経て、シリーズ4以降のモデルは医療機器と認められている。医師にとってもリモート医療は新型コロナ患者に触れるリスクが少なくなるため、歓迎されている。

日本ではモノづくり現場の研修にリモートでの技術指導が始まった。日立製作所の統合デジタルプラットフォームである「ルマーダ」上で画像解析が可能になっており、ダイキン工業の滋賀製作所ではリモートで新人研修できるシステムができている、と20日の日経は報じた。ここでは、空調機の銅管を接合する技術を予めカメラで撮影し、熟練工の画像と見比べながら、数値を出力する。新人は数値で自分の熟練度を確認でき、習熟するまでの時間が短縮するとしている。また、ウェーハの切断や加工のディスコは今年3月、中国武漢市に生産拠点を持つ顧客に動画を送り、遠隔で装置の修理を支援したという。装置の修理手順を説明した動画を現地のエンジニアが見て、稼働維持にこぎ着けたとしている。出張せずにリモートでのこの動画のような作業では5G通信が欠かせなくなる。

非接触センサを開発する動きも出ている。アルプスアルパインは、静電気を利用する既存のセンサを使って、触れずに操作できる公共施設向けのパネルを開発する、と16日の日経が伝えた。公共施設のトイレやエレベータの操作への要求が増えているとしている。同様にJDIも非接触のディスプレイパネルを開発するという。またクルマが周囲の物体との距離を測るLiDARも非接触センサといえる。ルネサスはカナダのLeddarTech LabのLiDARに搭載するチップを量産するという。LiDARはクルマ以外でも周囲の他人との距離を測ることにも使える。

リモートワークに欠かせなくなる5G通信ネットワークに関して、日本に大きなチャンスが巡ってきた。華為の通信機器を2027年までに排除する方針を英国政府が発表したのだ(7月15日、日経)。これまで米国政府が排除、日本でもその動きがあった。通信機器ではEricsson、Nokiaと3強の一角を占めてきた華為科技を締め出すことで日本の通信機器メーカーであるNECと富士通にもそのチャンスが巡ってきた。

しかも、5Gの基地局、特にコア基地局(携帯とつながるエッジ基地局から光ファイバでつながっている基幹システム)に汎用ハードウエアをベースにしながらソフトウエアで差別化を図るO-RANアライアンスが発足したが、O-RANシステムでNTTドコモが、元々通信機器が得意なNECと一緒に組むことを発表した。これまで仕様がわからず海外のシステムへの参入をほとんど諦めていた日本の通信機器2社は、5GのO-RANシステムだとオープンな標準規格なので参入しやすくなる。すでにKDDIと、NEC、富士通、NokiaはO-RANシステムの実証実験に入っている。これが成功すると海外の通信システムにも入り込みやすくなる。

(2020/07/20)

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