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新型コロナに負けないテクノロジが続出

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新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増えている中、医療やヘルスケア関係のニュースも増えている。イスラエルや米国での医療テックの起業、ITを使った在宅業務ツール、医療用紫外線殺菌LED灯、3Dプリンタによる人工呼吸器の造形、タッチレスのセンサ開発など、テクノロジからコロナに対処する動きが続出している。コロナ後のテクノロジAI、IoT、5Gなどへの対応も怠らない。

必ずしも新型コロナウイルス対策を契機にして起業されたわけではないが、2019年にイスラエルでの医療・ヘルスケアのスタートアップは2019年には8年前より倍増した、と4月6日の日本経済新聞が報じた。19年1〜11月に調達した資金は2014年の3倍を超す6億ドル。政府の産業支援として、18年に3億ドルの予算がついた。AIを使った服用薬の管理ソフトウエアの開発や、介護を受けている高齢者の転倒を予測するセンサの開発などがある。特に、後者は日本のマクニカとも共同開発しており、20年の秋からマクニカが販売するという。介護施設や病院のベッドの下にセンサを置き、心拍数や呼吸数、姿勢を検知してAIが離床を予測する。それを介護者に知らせ、転ばないよう体を支える。

米国シリコンバレーでは、新型コロナウイルスの拡大を避けるため在宅ワークが増えており、ビデオ会議システムZoomを使った仕事のスタイルも増えている。6日の日経には、クラウド情報サービスのBox社のAaron Levie氏とのインタビューが掲載された。この会社では、全社員に在宅勤務を要請したという。人との接触を減らし、クラウド経由で協業できるサービスを自ら実証しようとの狙いだという。加えて、ITによる働き方改革を進め、自由な形で生産性を上げられる。

徳島県のナイトライド・セミコンダクターは、波長275nmと深紫外線LEDを開発、医療現場の殺菌灯などへの応用を目的として、既存のUVランプや水銀ランプの置き換えを狙う。真空ランプとは違い、小型であり、消費電力も低く、高い電圧も必要ない。チップを16個並べたモジュールでの光出力は0.29Wと同社のこれまでのモジュールの10倍に高めた。モジュール1枚の大きさは20mm角×4mm厚。病院の集中治療室での殺菌ランプを提案する。これまで国立病院機構仙台医療センターのウイルスセンターで大腸菌や黄色ブドウ球菌などの細菌とインフルエンザウイルス、ノロウイルスの不活化は検証済みという。新型コロナでも検証する予定。

広島大学の木阪智彦准教授と国立病院機構新潟病院の石北直之医師を中心とするワーキンググループは、電源がなくても作動する安価な人工呼吸器を市販の3Dプリンタで造形できるよう、製造データを無償提供するプロジェクトを始めた、と3日の日刊工業新聞が報じた。3Dプリンタによる人工呼吸器は、重さ約55gの手のひらサイズで、石北医師が2017年1月に完成させた。バネを含めた全パーツを3Dプリンタで作れるようABS樹脂製とした。肺から排出される息で伸縮するバネを動力源とし、呼吸の度合いに応じ、バネの強弱を手動ハンドルで調節して呼吸を確保するという。製作費はわずか50ドルだという。人工呼吸器は一般には1台3万ドルもする。

新型コロナは接触によって感染しやすいため、接触しないタッチレスセンサは有効な手段だ。NECは顔認証技術を得意とする企業だが、AIとToF(Time of Flight)技術を利用してもマスクをしていると認識できないという欠点があった。新型コロナが蔓延している状況では、マスクを取り外すときにマスク表面を触ってしまい感染の危険にさらされた。このため、顔のあらわになっている部分のみをセンサで抽出した上で、本人の元画像との類似点を照合する。AIのディープラーニングで、マスクやサングラスを着けた状態の写真をAIに学ばせ、データ量が増えるほど精度が上がるようにした、という。社内での入退出ゲートで実証実験を継続しており、半年以内に外販する予定だ。

(2020/04/06)

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