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5G周波数は3.7/4.5/28GHzでの割り当てに決まる

日本経済新聞が11月10日に報じたが、総務省が5Gやコネクテッドカー、無線LANなどに向けた新しい周波数割り当てを促進するための電波の活用計画をまとめた。5Gの周波数割り当ては正式には2019年3月末の年度末までに決めたい構え。アドバンテストがクラウドを利用した新しいテストソフトを開発した。クラウドのうまい利用法として紹介する。

総務省がまとめた周波数割り当てのアクションプランでは、5G(第5世代の携帯通信)はやはり3.7GHz帯、4.5GH帯、28GHzについて周波数割り当てを目指すこととなった。今月開催されるITU世界無線通信会議での追加周波数割り当てに向けて欧米諸国と協調しながら、割り当てを決めるという。現在の3G/4Gではサブギガも含めすべての周波数帯の帯域幅が合計で約900MHzだが、2020年の4G/5Gでは合計で2500MHzに増加するという。3.7GHzおよび4.5GHz帯での帯域幅は500MHz、28GHzは2000MHzを目標とする。

コネクテッドカーでは5.8GHzのDSRC(免許不要のISMバンド)を主力にしながらも、国際的には5.9GHz帯なので、共用の可能性も探っていくとしている。760MHz帯の既存の周波数帯も継続されるようだ。無線LANでは、5GHz帯のIEEE802.11axを導入するための他の規格との共存を検討する。

新技術では、新たな周波数を確保するために、5G等と既存無線システムとの高度な周波数共用の実現を可能とするデータベース等を活用した自律的(ダイナミック)な周波数共用・干渉回避技術を開発するとしている。日本では2020年以降もしばらくは5Gと4G(LTE)とが共存する通信(NSA: Non-Stand Alone)方式を使う。

トピックスとして面白いニュースはアドバンテストだろう。同社のグループ会社のCloud Testing Service(CTS)社は、半導体設計向け自動化ソフトウエア会社Test System Strategies Incと共同で、設計データをテストツールに変換するソフトウエア「TesterBridge」を開発した。

これはクラウド上のテスティングステーション「CX1000」で動作するソフトであるため、ユーザーは、クラウド上でライセンスを取得するというビジネスモデルを使う。テスターを持たない中小企業のデザインハウスや大学・研究機関などに向くだけではなく、量産にも展開でき、アドバンテストのテスター「T2000」、「V93000」と密接にリンクしてCTS社のテスト環境上で使うことができる。

またもやHe(ヘリウム)ガスの不足により価格が値上げしそうだ。9日に日経が報じたところによると、米国のプラントでの液化設備の稼働率が低下したためだという。半導体製造では、不活性ガスとして使われることが多いが、将来の量子コンピュータには液体Heは欠かせない。絶対温度の1/100度 (10mK) 程度まで冷却しなければならないためだ。Heの供給不安が頻繁に起これば量子コンピュータの開発は難しくなる。Heガスは米国が過半数のシェアを占めており、全て海外に依存するため、調達リスクが伴う。

日本の企業は、AIや量子コンピュータを海外に求める傾向が強く、先週はNTTがシリコンバレーにAIや量子コンピュータの基礎研究を担う新会社を設立すると6日の日経が報じた。また7日には富士通がカナダのバンクーバーにAIビジネスでグローバル戦力の中心となる新会社を設立した、と同紙が報じた。

(2018/11/12)
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