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IoTが定着、データ分析サービス、新型センサ、新応用など続出

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応用までも含めたIoTシステムが定着してきた。すでに実績を持つ企業がデータ分析システムを一般販売する、新しいサービスに向いたセンサを開発する、微小なセンサ信号を低ノイズで増幅するアンプを発売する、などIoTシステムを使える環境が整ってきた。

7月4日の日経産業新聞は、データ分析サービスを行う日本テラデータが、IoTのSIM(Subscriber Identification Module)カードを扱い、IoT通信ネットワークにつなげるソラコムと組み、IoTシステムの構築を支援するサービスを始める、と報じた。テラデータの親会社Teradata社は、ドイツSiemensの鉄道車両用故障予測システムやスウェーデンのVolvo Carのコネクテッドカー(つながる車)向けデータ分析システム、米Monsantoの農業用IoTシステムなどの1400社以上の大手企業のシステム構築を支援した実績を持つ、という。両社の提携により、ソラコムのSIMカード10枚とクラウド機能、テラデータの分析コンサルサービス、分析用データベース、運用サーバー、5TBのストレージ、サポートを一括で提供する。所望のセンサ(IoT端末)さえあれば、IoTシステムの構築が容易になる。ただし、ユーザーごとに測定すべきセンサの物理量などが違うため、まずはデータ分析計画を策定し、設計と検証を繰り返して分析モデルを構築するとしている。これにより顧客企業は短期間でIoT導入を検証できる。

Analog Devicesの日本法人アナログ・デバイセズはレーダー技術開発ベンチャーのサクラテック(横浜市)と共同で、24GHzの準ミリ波レーダーを使い、乳児や高齢者の見守りサービスに使える生体センサを開発した、と6日の日経産業が報じた。生体センサは従来、被験者にセンサを張り付ける必要があった。この方式では知らないうちに取り外されてしまい、正確な状況を把握できなかった。この準ミリ波レーダーのドップラー効果を利用すると、離れていても生体状況を検出できる。わずかに呼吸している胸の高まりや心臓の心拍などの動作をドップラーレーダーで検出することで、乳児や高齢者が正常に生活しているかどうかを離れていながら検出できる。24GHz帯の準ミリ波レーダーはクルマの周囲にある物体を検出するためにすでに使われており、実績がある。このセンサを流用することでコストを抑えられるとしている。

村田製作所は、道路の状態を観測するセンサシステムを開発した、5日の日刊工業新聞が伝えた。路面を検出するのに、速度、音、傾き、振動を検知する4つのセンサを内蔵したIoT端末で、4つのデータを処理した後クラウドに上げる、という。このシステムはクルマに搭載し、道路の凹凸や陥没などの状態を観測し、道路管理につなげるという。京都府宇治市とソフトバンクが2019年3月までに実施する、IoTの実証実験にこのシステムを使う。タイヤメーカーのブリジストンは、タイヤ内に加速度センサを取り付け、リアルタイムで路面状態を監視するシステムを構築している。路面の乾燥、半湿、湿潤、シャーベット、積雪、圧雪、凍結の7つの状態に判別できるという。このシステムは、義務付けられているタイヤ圧モニタリングシステムTPMS(Tire pressure management system)とは別に設けている。

センサ周辺回路では、ロームがローノイズCMOSアンプを開発したと5日の日経産業が報じた。CMOSアンプのノイズを半減させたとしている。これによってセンサの感度を高めることができる。センサからの信号を増幅させるだけでは、信号もノイズも一緒に増幅されるため、アンプ自身のノイズを下げる必要があった。DSPなどを使いフーリエ変換などで信号強度を強調する手もあるが、その分コストがかかる。

IoT応用の一つとして、ソニーの関連会社のキュリオが、帰宅時に連携するスマホを持っているとドアに近づくだけが解錠できるスマートロックを発売する、と6日の日経産業が報じた。GPSとビーコンを使う、としか報じていないため原理は明らかではないが、想像はつく。ビーコンはBluetooth電波を発信する装置だから、ビーコンが家から定期的に電波を発射しておき、Bluetooth対応のスマホがそれを受信する。ただし、あらかじめペアリングで認証しておく必要がある。また、GPSはスマホの位置を検出する。ただ、このシステムはスマホを盗まれると自宅に入られてしまう恐れがあるが、これについては何も触れられていない。

(2018/07/09)

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