セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

ワイヤレス通信技術が超音波にも波及

|

ワイヤレス通信技術の活用で、超音波伝送や電力伝送などの応用が登場しているというトピックスが3月26日の日本経済新聞に掲載された。また、社会インフラの老朽化を検知するIoTセンサやヘルスケアセンサなども小さなトピックスとして採り上げられている。IoTはもはや完全に定着し、ニュースでもIoTという言葉を使わなくなった。

人間に聞こえない15〜20kHzの超音波を利用して、QRコード程度の少ないデータ量ながらID確認などに使われ始めている。26日の日経によると、那覇市を拠点とするフィールドシステム社が音に情報を埋め込んで伝達するサウンドコードを開発した。同社はベンチャー支援のエッジ・オブ社とサウンドコードを使ったスマートロックを開発4月からビルの入退室のカギとして実用化する。超音波という低い周波数の伝搬媒体だと、大きなデータは乗せられないため、IDやパスワード、鍵、URLなどの情報を伝達するのに向く。

サウンドコードはスマートフォンやAIスピーカーでも送受信できるため、IDや鍵などの単純なデータを送受信するのに向いている。ただし、大量のデータ通信にはサウンドコード+例えばBluetoothやWi-Fiとのハンドオーバー技術が欠かせないが、これについては触れられていない。

ワイヤレス技術では、東芝がマイクロ波給電技術で複数の機器に給電できる技術を開発したと、26日の日経は伝えた。マイクロ波は直進性が弱いため複数の機器に同時に給電することができるものの、効率が低く電力として取り出すことは難しかった。日経には「送電する際の強さや位相を細かく変化させ、送電したい機器のある領域だけマイクロ波が強く届くように工夫した」と記述されているが、どうやらビームフォーミングによって位相を少しずつシフトさせることで強度を高める方式を使っているようだ。数mWの電力を受信できたとしている。

こういった電波の利用は研究開発レベルだが、IoTのセンサなどへの給電に携帯電話の電波を利用するというエネルギーハーベスティングはすでに英国ロンドンで使われている。また、20日の日経産業新聞は、オムロンのインフラ事業会社であるオムロンソーシアルソリューションズが、橋梁やトンネルの振動やひずみ、温度、湿度などのセンサを組み込んだIoTシステムの新製品を4月に発売する、と報じた。センサからのデータを保守管理会社に送り、劣化が進んでいる部分を集中的に点検するとしている。センサやデータ通信用の中継器など一式で数百万円程度だという。IoTでは何を劣化と定義するのか、そのしきい値はいくつか、など現実の解を求めるための試行錯誤が不可欠で、ここにノウハウが詰まっている。

IoTのデータ解析にAIは有望な手段だが、AIをめぐる動きは毎週必ず出てくる。19日には、富士通と理化学研究所がAIを活用して、新材料や最適な組成の発見につなげられる技術を開発したと日経が報じた。これは様々な材料の組み合わせと最適な組成を見つける、マテリアルズインフォマティックスと呼ばれ、物質材料研究機構でもこの研究に力を入れている。新材料開発に威力を発揮するとみられている。

AIに限らないが、演算に特化した新しいマルチコアのヘテロプロセッサを集積した「適応型演算アクセラレーションプラットフォーム(ACAP)」を米Xilinxが開発した。1W当たりの性能がFPGAの10倍と高速で、AIの推論処理ではFPGAの20倍の性能が見込めると20日の日刊工業新聞は報じている。演算の例としては、ビデオトランスコーディングやデータベース、データ圧縮、検索、AI推論、ゲノミクス、マシンビジョン、ストレージおよびネットワークの計算アクセラレーションなどを想定している。TSMCの7nmプロセスで製造し、2018年内のテープアウトを予定している。

Facebookが保有する5000万人のユーザー情報が不正に利用された問題が出ていたが、IBMはクラウドでのAIを使ったセキュリティサービスが好調で、IBMのセキュリティ分野の売上額は17年第4四半期に前年同期比2.3倍の15億ドルに急増したと、22日の日経が報じた。AIはサイバー攻撃を検出するツールとしても期待されている。

(2018/03/26)

月別アーカイブ