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平昌五輪に向け5G試験サービスが韓国で始まる

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今週、2月9日から韓国で平昌オリンピック/パラリンピックが開催されるが、新しいモバイル通信方式5Gの実験場となる。早速2月4日の日本経済新聞は、韓国の通信業者KT(Korea Telecom)がIntelやSamsungと組み5Gの試験サービスを始めると報じた。5Gはこれまでの3G、4Gのモバイル通信とは全く違う影響力を持つ。

5Gの特長は、ダウンリンク20Gbps、アップリンク10Gbpsという超高速だけではない。1ms以下という低遅延(リアルタイム性)、さらに携帯電話だけではなく多数のデバイスをつなぐ、という特長もある。また、オリンピックという大勢の観客が集まる場所では、写真や動画を撮影し、それをSNSなどで仲間に送信(アップロード)する人々が増えたため、これまでとは違いアップリンクも速める必要があった。モバイルやパソコンだけではなく、IoT端末、クルマなどインターネットとつながるデバイスをつなげられる柔軟なネットワークも5Gの必要条件である。

日経は、「KTはフィギュアスケート会場にカメラ100台を設置。選手の動きを観客が望む角度で自由に選択しながら見られる仕組みを導入する。Samsungが開発した5G対応のタブレット端末と、Intelのクラウド技術を組み合わせる。Samsungはスケート会場を含む五輪の競技場に計200台のタブレットを固定配備する。超高速大容量ならではのコンテンツを配信する考えで、ボブスレーでは超小型無線カメラをそりに設置し、迫力ある映像をリアルタイムで伝える」と利用シーンを報じている。

Intelは平昌オリンピックのオフィシャルスポンサーである。イベントでデモする300台あるいは500台のドローンにLEDを搭載、互いに衝突せず、しかも協調性を持ちながら一つのテーマを夜空に表示する、というデモを世界中で展開している。日本でも昨年夏に「ハウステンボス」でいわゆるデジタル花火を数日間にわたって見せている。加えてIntelは、360度リプレイ技術もデモしてきた。これは、10台程度のカメラを競技場全体にくまなく配置、どこからも死角なく360度見渡せる映像を合成する技術である。きわどい判定が必要なスポーツで威力を発揮する。野球ならポール際のホームランかファウルかどうか、テニスではライン上か外か、などもめることはなくなる。平昌オリンピックはまさにICTの見せ場となる。

1月30日の日経産業新聞は、KDDIがLTE-Mと呼ぶIoT通信サービスを始めた、と報じた。これは、セルラーネットワークを利用するIoT規格Cat-M1を利用するサービスだ。最大データレートが1Mbpsと比較的遅いが、同じセルラーIoT規格のNB(Narrow Band)-IoTの最大250kbpsよりは速い。NB-IoTは止まっているデバイス、Cat-M1は動いているデバイスに向いている。LTE-Mの通信モジュールは、単3電池2本で10年以上動作でき、その大きさは20mm×20mm×3.7mm。

IoTは工業用ですでにいろいろな工場に設置されている。明電舎は、国内の主要8工場に計30億円かけて導入する、と2月2日の日刊工業新聞が報じた。工場の作業者と生産中の製品にそれぞれ無線タグを取り付け、動線や作業状況をモニターで確認できるシステムを開発している。見える化したデータを分析し作業の無駄を排除し効率化を進めるという。

現在までに導入された多くのIoTシステムは、見える化どまりであり、さまざまなセンサからのデータ解析はこれからの課題となる。IoTデータ解析のためのAI(人工知能)導入もこれからだ。

日立製作所は家電にもIoTを使ってスマートフォンから操作できる家電製品をロボット掃除機など3品目から拡大していく、と2日の日経が報じた。家電製品をインターネットにつなぎ、スマホで機能を更新するビジネスモデルにつなげるという。家庭内なら、セルラーネットワークだけではなく、Wi-Fiもつなぐための選択肢になる。

(2018/02/05)

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