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TSMCの3nmプロセスへ200億ドル投資とファブレスの活発化

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TSMCが3nmへの投資金額が200億ドルを超えるとしながらも、投資への意欲を見せる一方、IBMの新型プロセッサチップPower 9を使った高性能サーバを発表、さらにQualcommとBroadcomの敵対的買収の行方を含むファブレスの活発化、ソフトバンクのSoCでのイスラエルベンチャーとのコラボ、DRAMの値下がり。半導体産業の動きは早い。

TSMCの投資は、12月8日の日本経済新聞が伝えたもの。3nmプロセス向けの新工場は台南に建設するとしている。今や微細化をけん引するのはロジックファウンドリで、メモリは微細化から3次元化へと進んでいるため、微細化の先頭がTSMCであることは理にかなっている。次がSamsungだとすると、同社はファウンドリに力を入れることを示すと言ってよい。実際10nmプロセスではTSMCよりもSamsungが量産で先行したため、QualcommのアプリケーションプロセッサSnapdragon 835の製造をSamsungにとられた。

この敗北を受けてTSMCは10nmプロセスを急ぎ量産化を達成、AppleのiPhone X、iPhone 8向けのAシリーズの10nmプロセッサを量産できた。7nmの量産は2018年開始を計画しており、さらに5nm、3nmへと進む。3nmの量産化は2022年だという。

7nm以降の応用は、スマートフォンは言うまでもなく、データセンターやAI(マシンラーニングやディープラーニング)向けのプロセッサ開発に力を注ぐことになる。クラウドの物理的な場所であるデータセンター向けにIBMが新型チップを発表した。Power9である。
IBMはこの新型チップを搭載したデータサーバー「Power Systems AC922」を発表、I/OインターフェースにPCIe4.0を使いデータ転送速度を従来の9.5倍に高速化した。ここで使った半導体は、CPUのPower9に加え、GPUとしてNvidiaのTesla V100、さらにハードウエアで高速化処理するためにFPGAを使っている。

マシンを学習させるためのディープラーニングのフレームワークである、CaffeやTensorFlow、Chainerなどに対応する。OSはAIでなじみのあるLinux。

ソフトバンクがイスラエルのイメージプロセッサメーカーのInuitive社とAIやIoTで協業を検討すると発表した。Inuitiveは、3D深度センサやコンピュータビジョンなど、画像認識や測距技術にAIを使ったSoC設計で定評があるという。ソフトバンクは自社の持つIoTプラットフォームやAI、ビッグデータと、InuitiveのSoCチップと組み合わせて、最先端のIoTソリューションを提供することを狙う。3D深度センサは、顔認識や深さ方向の距離測定など、ToF(Time of Flight)技術などを使って深さ方向の距離を測るセンサで、光の送受信と位相差を利用することが多い。

先週、非常に気になるシグナルが流れた。DRAMメモリの値下がりがついに現れたのである。12月5日の日経によると、1週間前に比べ4GビットのDDR3DRAMが1%安の3.96ドルに下がったという。これはパソコン用のDRAMだが、わずか1%とはいえ、これまでずっと値上がり1本でやってきたため、値下がりはこのメモリバブルで初めての現象。これが値崩れになるのか、高値安定になるのかはまだ判断できない。

ただ、メモリバブル崩壊のシグナルは、半導体製造関連の株価にも表れ始めた。6日の東京市場で東京エレクトロンと信越化学工業の株価が下落した、と7日の日経が報じ、それによると11月下旬から半導体関連株価は下落に転じたとしている。世界的にもSamsungとTSMCの株価も下落したという。これらのシグナルが高値安定なら当分は好景気が続くが、そうでなければ、半導体は不況に向かうことになる。

(2017/12/11)

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