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AIの応用広がる、AIスピーカーの販売も活発に

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スピーカーに話しかけてニュースを読んでもらう、音楽を聴く、といった、いわゆるAIスピーカーが日本にも上陸する。日本ではGoogleの「Google Home」が発売され、次に米国で定着している「Amazon Echo」の日本語版が年内に発売される。LINEも「Wave」を国内市場に投入している。さらにAIを使った材料開発、自動運転などの応用も活発だ。

AIスピーカーは、米国ではAmazonのAmazon Echoが定着しているが、残念ながら英語しか認識できないため、日本語版の発売が遅れていた。AmazonのAIスピーカーは、「アレクサ、ニュースを読んで」と言えば今日のニュースを読み上げる。米国のCTA(家電見本市ともいわれたCESの主催者)ではAIスピーカーは「デジタルアシスタント」に分類され、2017年の見込みとして、その販売台数は前年比55%増の1100万台と見込まれている。今後の高成長が期待されている。

技術的にはiPhoneのSiriと同じように音声をスピーカー内蔵のマイクで受け、それを認識し、意味を理解し、その意味に沿った応対を出力する。Siriでは「近くのファミレス」と言えば、ウェブブラウザで近くにあるファミレスのリストを提示してくれるが、AIスピーカーは自ら話してくれる。音声認識から対応まではクラウドコンピュータで演算処理し、答えだけをスピーカーで出力する。

音声を認識するためには、大型コンピュータが必要で、内蔵の辞書と照らし合わせ言葉を理解する。そしてその意味も理解するために、文法や構造のデータベースから対照し、ピッタリの意味を探していく。意味が理解できたら、それに対応するソリューションを音声で話すための音声合成技術を使う。スピーカーにはWi-FiやBluetoothなどインターネットにつなげる通信手段を用意しておく。

今のところ、EchoなどAIスピーカーには口を近づけなければ正しく認識されない。利用者はスピーカーの置き場所まで行かなければならない。しかし、その必要のないソリューションが英国のファブレス半導体メーカーXMOS社からチップセットと開発キットが発売された。利用者は、騒音があってスピーカーから5メートル離れていても音声を認識できる。このチップセットはInfineon Technologiesの開発した高感度MEMSマイクと共に使う開発キットに搭載され、マイクは4個備え、いわばレーダーの位相合成のように、音声の場所に合わせて位相をシフトさせていくというビームフォーミング技術を使っている。XMOSのチップはその演算処理のために使う。

AIに利用は広がっている。10月13日の日経産業新聞によると、名古屋大学はSiCの合成に、容器や制御棒の形状、温度、回転速度など300通りの合成条件を機械学習で覚えさせ、装置内部の合成状況を予測できるようにした。素材の開発速度は10〜100倍速まるとしている。

AI利用は自動運転には不可欠。クルマの前方にある物体が乗用車、トラック、人、自転車などに分類し、避けるためにハンドルを回す、ブレーキをかけるなどの命令を制御系ECUへ出力する。nVidiaは、これまで自動車メーカー向けにGPUを搭載した開発キットを調整してきたが、従来製品よりも10倍の処理能力を持つ開発キットを一般売りする。これまで225社の自動車メーカーがnVidiaの開発キットを使ってきたとしている。

13日の日経には、ドワンゴ人工知能研究所所長の山川宏氏のインタビュー記事を掲載、AIの次の汎用AI(AGI:Artificial General Intelligenceともいう)に取り組むとしている。AIは一つの分野で使うエキスパート技術であるが、誰もがさまざまな話をしても対応できるようなAGIが今後のAIの動きだとしている。

日本の半導体メーカーに働く者にとって、工場の閉鎖は雇用を失うことになるが、外国企業に買収されようが工場が稼働する限り、雇用はある程度維持される。エルピーダメモリはMicron Technologyに買収されたが、東広島の工場従業員の雇用は確保されている。半導体部門を縮小している富士通は、福島県の会津若松市にある「会津富士通セミコンダクターマニュファクチュアリング」を、2020年前半をメドに米国ON Semiconductorに売却することを決めた。現在ON Semiはこの会津富士通の株式10%を保有しているが、この比率を徐々に上げていく。18年の後半に出資比率を60%に上げ、20年前半に100%に引き上げる。この工場で製造しているON Semiの製品比率が高まってきたことから、ON Semiが出資比率の引き上げを決めた、と11日の日刊工業は伝えた。

(2017/10/16)

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