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VolvoがEV化を加速、2019年から内燃エンジン車の生産を中止へ

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スウェーデンの乗用車メーカーVolvo Carsが、2019年から発売するクルマは全て電動化すると現地時間7月5日に宣言した。従来のガソリンやディーゼルを使う内燃エンジンの乗用車を生産停止する。7月7日の日経産業新聞が報じたが、翌8日にはフランス政府が2040年までに内燃エンジン車の国内販売を止める方針を打ち出した、と日本経済新聞が報じた。

Volvoのような大手乗用車メーカーが内燃エンジン車の生産を止めることを時期と共に宣言したのは、これが初めて。ただし、電動化と言ってもいくつかの段階があり、48Vのバッテリを使う系で、モータが始動時に内燃エンジンをアシストし、停止する際に回生ブレーキとして発電しバッテリに充電するマイルドハイブリッドの段階を含む。さらなる電動化ではモータを主体に使い内燃エンジンを補助的に使うプラグインハイブリッド(PHV)があり、そして究極的に電気モータだけで駆動する電気自動車(EV)がある。Volvoはこの3つのクルマを進めていく。内燃エンジンだけの従来車はもはや作らない。

同社社長兼CEOのHankan Samuelsson氏は、「時期を明言しクルマを全て電動化すると宣言したのは大手クルマメーカーでVolvoが初めて。これによりCO2削減ときれいな空気を都市にもたらす。当社の取締役会で、電動化に自信を持てたため、これを宣言(コミットメント)した」とビデオで語っている(参考資料1)。

同社は、プラグインハイブリッド車をモータと内燃エンジンの両方を使うためツインエンジンと呼び、100万台のクルマが2025年までにEVないしツインエンジン車を販売する計画だ。Volvoのプラグインハイブリッドは、拡張性のあるコンパクトなモジュラーアーキテクチャで設計するため、全電動化へはスムーズに移行しやすいとしている。

Volvoは、2019~2021年の間に、EV車を5車種そろえる計画で、そのうちの3車種は、Volvoブランドのモデルで、2車種がVolvoのハイグレードのブランド「ポールスター」のモデルになる。これらのモデルの詳細は後日明らかにするという。

今このタイミングで内燃エンジン車の生産を止め、電動化を進めることに対して、Volvoは長年顧客の声を聞いており、テクノロジーの機は熟しており、価格も適正、顧客は準備万端、と2019年を見据えている。

Volvoの発表の後、7月6日にはフランス政府が2040年までに内燃エンジン車の販売を禁止すると発表した。英国メディアのTelegraph によると(参考資料2)、フランスのEV車へのコミットメントは、他の欧州諸国よりもむしろ遅いくらいで、ドイツはインドと同様、2030年までに全ての内燃エンジン車を廃止したいとしており、オランダやノルウェーも2025年までに内燃エンジン車を止めたいとしている。

フランス国内のEV車の割合は現在まだ1.2%、ハイブリッドカーは3.5%で、内燃エンジン車が95.2%と圧倒的に多い。フランスはたとえ他国よりも遅れているとしても、2040年までには電動化を達成すると述べている。

今回のフランス政府の発表は、米国トランプ大統領のパリ協定離脱を意識した発表となっている。「米国を再び偉大な国に」と述べたトランプ大統領に対して、マクロン仏大統領は皮肉を込めて、「地球を再び偉大な惑星に」と述べており、CO2削減に向けパリ協定をさらに進めていく。

クルマの電動化は半導体産業にとって、大きなチャンスである。パワートランジスタはシリコン面積が大きいためシリコン使用量も極めて大きくなる。それも、モータの回転数を変えたりスイッチング動作させたりするためのインバータには3相モータで6個使う。電動化にはパワートランジスタだけではない。それを駆動するためのドライバ回路、さらにロジックで制御するためのマイコンなども必要となる。さらにブラシレスモータだと、センサやその後のアナログインタフェース回路などもいる。要するに、電動化しないクルマと比べて、使うシリコンの量は極めて大きいのである。


参考資料
1. Volvo Cars To Go All Electric, 同社プレスリリース (2017/07/05)
2. France To ‘Ban All Petrol and Diesel Vehicles by 2040, The Telegraph (2017/07/06)

(2017/07/10)

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